ビジネス メールの量が増大し、その重要度も高まっている今、より優れた信頼性と機能を備えたメッセージング システムが必要になっています。Microsoft Exchange 2010 はこのニーズに対応するため、高可用性、障害回復、バックアップのための統合ソリューションを提供します。
サーバーを再インストールしなくても高可用性機能を追加することができ、管理のあらゆる側面が Exchange で処理されます。管理者は、最大 16 のメールボックス サーバーから成るデータベース可用性グループを構成して、データベース レベルで自動的な障害回復を行うことができます。
ディスクで障害が発生した場合には迅速なフェールオーバー (30 秒未満) とデータベース コピー間での切り替えが行われるので、稼働率が大幅に向上します。
また、オンラインでのメールボックスの移動機能を使用することにより、メールボックスの移動中もユーザーのアクセスが妨げられることがほとんどなくなり、管理者の時間外労働を削減できます。
Exchange 2010 では、ディスク I/O が Exchange 2003 に比べて 90% 削減されたため、ディスクの最小パフォーマンス要件が緩和されます。さらに、Exchange はシステムの可用性を損なうことなく多種多様なストレージ アーキテクチャやディスクの種類で展開できるため、大規模なメールボックスをより低いコストで利用することが可能になります。
全てのメールボックスの復元管理は、Exchangeコンソールから操作可能です。
メールボックスの復元力に関する機能
データベース可用性グループ: データベース可用性グループとは、個々のデータベースに影響を及ぼす障害を管理するために相互に通信する一連のメールボックス サーバーであり、連続レプリケーションによるデータベース コピーの更新と、(ディスク、サーバー、データセンターの各レベルでの) さまざまな障害からの自動回復を可能にします。
データベース レベルのフェールオーバー: Exchange Server のデータベース可用性グループは、従来のクラスタリングの煩雑さを省いた、データベース レベルでの自動的なフェールオーバーを実現します。ディスク障害などによるデータベース レベルでの中断がサーバー上のすべてのユーザーに影響を及ぼすことがなくなります。データベースとサーバーの強力な結び付きがなくなるので、ディスク障害が発生した場合でも簡単にデータベースのコピーを移動することができます。このような変更に加え、フェールオーバーの時間がわずか 30 秒に短縮されるので、組織全体の稼働率が劇的に向上します。
サイトの回復力の向上: Exchange Server のデータベース可用性グループを利用することで、サイトの回復力を簡単に向上できます。サイトのフェールオーバーのためのデータセンター間のデータ レプリケーションを拡張するプロセスが簡素化されます。また、Exchange 2010 に組み込まれているソリューションを利用して、オンサイトとオフサイトの両方でデータ レプリケーションとメールボックス サーバーを管理することができます。可用性に対する組織のさまざまなニーズに応じてデータベースのコピーを展開できます。ログ ファイルは、セキュリティ強化のため暗号化することができ、また、圧縮して転送時間を短縮し、ネットワーク帯域幅の使用量を削減することもできます。
容易な展開: Exchange 環境を展開した後でも、Exchange を再インストールせずに、高可用性機能を追加することができます。小規模サイトの場合は、サーバー 2 台のシンプルな構成を導入して、クライアント アクセスやハブ トランスポートの役割を利用できるようにすると共に、メールボックス データの完全な冗長性を確保することができます。これらの変更により、これまでは高可用性の実現が不可能だと考えていた組織でも高可用性を実現できるようになりました。
統合管理: 高可用性管理に関するすべての側面を Exchange で処理できるので、Windows Server で別個にフェールオーバー クラスタリングを管理する必要がありません。したがって、ご利用の環境を簡単に管理できるようになります。
組み込みのメールボックス回復機能: 障害回復のために、テープ バックアップではなく、最大 16 のレプリケーション データベース コピーを提供する Exchange 2010 の高可用性インフラストラクチャを利用することで、運用コストを削減できます。
トランスポート回復力: Exchange 2010 のトランスポート サーバーには、ディスク障害またはサーバー障害によりメッセージ キューが失われるのを防ぐ機能が組み込まれています。メール アイテムが組織内の次のホップに配信された後、サーバーには各メール アイテムのシャドウ コピーが保持されます。以降のホップで障害が発生してメールの配信が正常に完了しない場合、メッセージは別の経路を使用して再送信されます。
オンラインでのメールボックスの移動: ユーザーをオフラインにしなくても、データベース間でメールボックスを移動できます。ユーザーは、メールボックスの移動中でも、メールボックスに接続してメールを送受信できます。そのため、ユーザーのダウンタイムが短縮され、管理者は、システム メンテナンスを夜間や週末ではなく業務時間中に行えるようになります。
ストレージ I/O の削減: Exchange 2010 では、ディスク I/O が Exchange 2007 との比較で最大 70%、Exchange 2003 との比較で最大 90 % 削減されます。したがって、Exchange を実行するための最小パフォーマンス要件を満たすディスクの選択肢が広がり、ストレージ コストを抑えることができます。
SATA ディスクの最適化: ディスク書き込みによってバーストが発生しないようにするため、I/O パターンが最適化されます。そのような最適化により、これまで SATA (Serial Advanced Technology Attachment) ハード ディスク ドライブの使用を制限する要因となっていたものが取り除かれます。
自動ページ復元: Exchange 2010 ではストレージ障害に対する回復力が強化されています。軽度の障害によってディスクが破損した場合、Exchange は高可用性を提供するために構成されているデータベースのコピーを使用して、影響を受けたデータベース ページを自動的に修復します。このように、軽度のディスク障害が発生しても自動的にデータの破損が検出され修復されるので、システムの信頼性を維持しながら、低コストのストレージ オプションのメリットを活かすことができます。
JBOD のサポート: Exchange 2010 は、メールボックス データベース 1 件につき最大 16 のレプリケーション コピーと一緒に展開できます。また、データベース レベルのフェールオーバーによって、管理者がユーザーへの影響を最小限に抑えつつ障害が発生したドライブを切り替えることが可能になります。さらに、Exchange では、データベースは軽度のディスク障害の影響を受けた場合でも、高可用性を提供するために構成されているデータベースのコピーを使用して自動的に修復されます。これらのアプリケーション レベルの冗長性機能によって、RAID を利用しないストレージ (JBOD ストレージ) 構成を実現できるようになるので、大幅なコスト節約につながります。