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株式会社万城食品

掲載日: 2010 年 11 月 15 日
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ソリューション概要

プロファイル
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株式会社万城食品leave-msは「もっとおいしく、もっとたのしく、日本の食の舞台をスパイスする」という企業理念のもと、わさびを中心とした自然の素材を活かして作ったさまざまな調味料を消費者に提供。本社を含め、全国に約 26 の事業所を通じ、お客様の要望に 1 件 1 件対応するきめ細やかなサービスをもって、業務用や小売り用の商品を数多く製造販売しています。

ソフトウェアとサービス
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Microsoft Dynamics AX

メリット
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原材料、資材、中間製品、最終製品の受払情報の正確な把握が可能に
食品安全の徹底とトレーサビリティ システムの構築
MRP と原価シミュレーション機能により、予算作成能力の向上と新規製品の標準原価作成を容易に
全体のコストダウン活動を支援する機能として、製品別原価計算と固定費の工程別/製品別配賦を簡略化し、正確な把握を容易に
原料購入単価や製造経費の増減、設備投資などの影響予測を都度シミュレーションして、経営判断の早期化を促進


ユーザーコメント
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「世界標準である Microsoft Dynamics AX を、ほとんどカスタマイズすることなく導入することができたのは、本当に良かったです。結果として当社の業務プロセス自体、世界標準と比べて変わりないのだな、ということまで確認できた思いです」

株式会社万城食品
製造管理課 課長代理
齊藤 恒 氏

カスタマイズを極力排し、Microsoft Dynamics AX の標準機能を活かしきることで食品製造のニーズに対応。製造現場の見える化と生産効率向上を実現し、「迅速かつ的確な経営判断」を行うための環境作りへ

わさびやしょうがの加工品を主力商品としている株式会社万城食品では、より厳密なロットトレースの実現、余剰在庫の排除、全体のコスト適正化を目指すべく、2009 年に新しい生産管理システムの検討を実施。その結果選ばれたのが、横河ソリューションズ株式会社leave-msが提案したマイクロソフトの ERP パッケージ Microsoft Dynamics AX でした。

<導入の背景とねらい>
「人・物・コストの見える化」と「きめ細やかな食品製造の現場管理」を実現し、"あるべき経営管理" の実践へ


*株式会社万城食品
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株式会社万城食品
「もっとおいしく、もっとたのしく、日本の食の舞台をスパイスする」という企業理念のもと、自然の素材を活かして作った様々な調味料を消費者に提供している株式会社万城食品 (以下、万城食品)。わさび、しょうがを中心に業務用の小袋から小売り用のさまざまな調味料を取り扱っている同社では現在、製造ラインの見える化を進め、より厳密なロットトレースを実施することで余剰在庫などの無駄を省き、コストの最適化を図ると共に、「食の安全」をこれまで以上に徹底する取り組みを進めています。
そして、この取り組みを支える基盤として、生産計画から購買管理・在庫管理までのシステムを一括して管理し、相互のデータから各種分析を行い、正確な予測を立てて経営判断の早期化を実現する、新しい生産管理システムが求められていました。

万城食品 製造管理課 課長代理 齊藤恒氏は、当時の経緯を次のように振り返ります。
「検討を開始したのは 2009 年の 1 月頃ですね。従来活用していた管理システムがサービス期間終了を迎えることをきっかけとして、より厳密な原価管理を実現できる仕組みを探し始めました。従来のシステムでは、生産・購買・在庫のそれぞれの管理データを連携して活用することができませんでした。基本的にはデータは紙で保存するようになっていましたから。ですので、サービス終了をきっかけにして、在庫の圧縮や生産量の適正なコントロール、かつ入庫から出庫までの一連の流れを統合して管理できるシステムを探し始めました」

齊藤氏が、「ERP (Enterprise Resource Planning) の導入は初めてですから、まっさらな状態で検討しました」という通り、さまざまな製品を候補として検討を開始。2009 年 5 月の連休が明けた時点で、各社に RFP (Request For Proposal) を提出しています。

* 齊藤 恒 氏 (左) 山田 一浩 氏 (右)
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株式会社万城食品
 製造管理課 課長代理 齊藤 恒 氏 (左)
 製造第4課 課長代理 山田 一浩 氏 (右)

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この RFP が完成する時期に前後して、齊藤氏はマイクロソフトが主催した Microsoft Dynamics AX の説明会に参加。その機能とサービスの内容に興味をもった齊藤氏は、より詳細な提案を要望。その結果、プロセス製造業 100 社以上への ERP 導入実績を持つ、横河ソリューションズ株式会社 (以下、横河ソリューションズ) が万城食品への提案を行うに至りました。

この時から、万城食品が横河ソリューションズの提案を受け入れ、プロジェクトをスタートさせるまでに 2 か月もかからなかったと、齊藤氏は振り返ります。

「複数のベンダーから提案をいただいていましたが、横河ソリューションズが、とにかく回答が早かったのです。それに、いろいろと詳しく質問を返していただけました。私たち自身、ERP を導入するのは初めてですから、正直なところ提案いただくベンダーのナレッジやノウハウに期待するところは非常に大きかったのです。
そこに対して、横河ソリューションズの方々からは非常に誠実かつ積極的で、細やかな質問をいただけたということが、1つの安心感につながりました。
これだけスピーディーに対応してくださるということは、Microsoft Dynamics AX を活用した ERP、特に私たちプロセス製造業への導入に関して経験が豊富である証拠です。それに、私たちが望んでいた要件と、製品の持つ機能が合致していましたから、ほとんど迷いもなく満場一致で惚れ込んだ、という感じです」

<システム概要>
カスタマイズを極力排して、スムーズかつ低コストに導入


* 新製造管理システム
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 図 : 新製造管理システム [拡大する]

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万城食品が、新しい生産管理システムに求めた要点は、下記の 5 点です。
 1. 原材料、資材、中間製品、最終製品の受払情報の正確な把握
 2. MRP (Material Requirements Planning) と原価シミュレーション機能
 3. 製品別原価と原価内訳の正確な把握
 4. 原価シミュレーションによるタイムリーな収益見込把握
 5. 個別カスタマイズを極力排し、最小限のコストで導入

今回の開発では、Microsoft Dynamics AX を、「生産計画/生産実績管理」、「購買管理」、「在庫管理」に適用 (図参照)。国内にある工場すべてをネットワークで結び、本社でデータを管理できるようになっています。これによって、上述した要点の 1 から 4 までのすべてに対応する基盤ができあがっています。

さらに、5 番目の要点に対応する工夫として、Microsoft Dynamics AX の「プロセス製造業向けソリューション」と横河ソリューションズが日本の商習慣を踏まえて開発した 「YOKOGAWA 日本的商習慣対応機能」の採用が挙げられます。

* 金子 美知子 氏
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横河ソリューションズ株式会社
情報エンジニアリング第一事業部
金子 美知子 氏

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この点について、横河ソリューションズ株式会社 情報エンジニアリング第一事業部 金子美知子氏は次のように説明します。
「実は、プロセス製造業のお客様に適した ERP は多くありません。それは、プロセス製造の工程において、副産物や連産品が発生するために、製造処方である『フォーミュラ (構成表) 』が複雑になっていることが要因です。そこで、Microsoft Dynamics AXの業種別ソリューションの 1 つである『プロセス製造業向けソリューション』と、『YOKOGAWA 日本的商習慣対応機能』を適用した Microsoft Dynamics AX の拡張パッケージを今回提案させていただきました」

この拡張パッケージを利用することで、ほとんどカスタマイズすることなく導入は完了。ただし、カスタマイズを最小限に抑えるということは、同時に製造の現場における業務プロセス変更も伴うことにもなりました。

齊藤氏は、その点について次のように説明します。
「今回の導入については、カスタマイズは極力排して、私たちの運用でカバーできるところは標準機能で対応していこうと考えていました。
そうして、業務プロセスを変更した例がいくつかあるのですが、中でも印象的な変更は、マイナス在庫を禁止したことですね。今までは、製造したものはどんどん倉庫へ格納し、実績は後からシステムに入力すればいいという運用になっていましたが、今回のシステムではそれを禁止にしたのです。
Microsoft Dynamics AX でもパラメーターの設定次第ではマイナス在庫を許容した運用が可能だという話だったのですが、生産管理システムを新しくするそもそもの動機の 1 つに "ロットトレースをきちんと行う" ということがありましたし、ここは現場に折れてもらうことにしました。みんな機械に張り付いていますから『誰が PC に入力するの?』というところから相談して対応を決めた上で、入力ミスの発生しないように多少の練習期間を設けて運用しています。練習当初は混乱もありましたが、2010 年 7 月に運用を開始してからは入力ミスもほとんどありません。人間、慣れって恐ろしいですね (笑)」

こうした努力を含め、新しい生産管理システムは万城食品のほとんどのニーズに Microsoft Dynamics AX の標準機能で応えていますが、2 点重要なカスタマイズがありました。それが、食品製造業では欠かせない「ケース、ボール対応」と「管理帳票」です。金子氏は次のように説明します。
「どうしてもカスタマイズが避けられなかった項目として、『ケース、ボール対応』が挙げられます。在庫として、ケース、ボール、バラと複数の単位で管理を行うわけですが、それほど複雑なカスタマイズは行わずに解決することができました。少し簡易的な対処ではあるのですが、入力や表示はユーザーの目で数える感覚に合せてケースとボールで行い、データとして格納する時に在庫単位であるボールに換算して保持しています。(例 : 1 ケース = 10 ボールの場合、入力は 22 ケース、9 ボールで行い、データ格納時にこれを 229 ボールに換算して保持しているという意味です)。
生産管理や在庫管理の実績入力や在庫照会がこの対象になるため、カスタマイズ対象画面が多くなってしまっており、その点では労力を割きましたが、開発自体はパターンを決めて、横並びで進めることができました」

そして、もう 1 点の「管理帳票」は、Microsoft Dynamics AX がもともと万城食品の業務で通常使用している帳票と様式が合わない部分があったため、業務に必要な帳票を新たに用意しました。しかし、この開発は万城食品自身で対応できる範囲のものであり、「特別の苦労はなかった」と齊藤氏は話します。

<システムの導入効果>
商品のトレーサビリティや在庫状態の適正な管理、毎日の MRP も時間短縮に


* 万城食品 商品例 1 鍋つゆ、エビチリソースなど *
* 万城食品 商品例 2 わさびなど各種調味料
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今回の、生産管理システム刷新の成果について、齊藤氏は「大満足です」と笑顔を覗かせます。
「横河ソリューションズと一緒に作業させていただく中で、『ここをカスタマイズするとこれだけ費用がかかる。この機能を使えば、業務プロセスに多少の変更は出るが要件は満たせる』といったことを、1 つ 1 つ明確に説明していただきました。そのお陰で安易なカスタマイズには走らず、適正なコストで導入することができました。もちろん、稼働後の状況にも満足しています」

Microsoft Dynamics AX を活用した万城食品の生産管理システムが稼働を開始したのが、2010 年 7 月のこと。まだ、経営陣が掲げた目標の 1 つである「経営判断の早期化」や「在庫圧縮によるコストの最適化」などに関する評価を行うには日が浅いのですが、それでも現時点においてすでに明確になっている大きなメリットが 2 つあると、齊藤氏は話します。
「たとえば、製品のトレーサビリティに関して言えば、今までは当社の各工場でデータを管理していたため、万一何かあった場合には、発生元となるそれぞれの工場に移動してヒアリングを行わなければならなかったのですが、今はすべての工場のデータがオンラインでつながり、本社で管理できていますので、非常に効率が良くなっています」

そして 2 つ目のメリットとして、齊藤氏は「毎日の MRP (資材所要量計画) の効率化」を挙げています。
万城食品では、発注点を下げるための工夫として、直近の MRP を、1 日のうち 3 回に分けて行っていますが、生産管理システムの性能が上がったことで所要量計算のバッチ処理に要する時間が大幅に短縮されたと、齊藤氏は続けます。
「所要量計算はまず、当日使用する分と、翌日使用する分が 1 回ずつあり、4 日先に使うであろう分を 3 回目の処理として行い、所要量展開から製造指図を起こし、それを元に発注しています。以前は、それぞれの処理に関するバッチ処理に1 時間ずつかかり、それを 1 日 3 回、回していました。その処理が終わってから発注書を作成していましたので、すべて完了するまでにかなりの時間を要していました。
しかし、Microsoft Dynamics AX になってからは、ルーチンで判断している大まかな数量は夜間のバッチ処理で進めてしまい、当日になって確定する分を、昼の 1 時過ぎに入力して MRP を回すように変更しています。この当日確定分も 15 分ぐらいで処理が終わってしまいますから、1 日 1 回の MRP 実行で全ての結果が見えるようになり、作業が非常にスムーズになりましたね」

また、画面の操作性についても現場ユーザーからの評価は高いと言います。
「システムのサービスインに際して、操作説明は各工場にて、それぞれの担当者に進めてもらいましたが、特に混乱があったという声も聞こえていません。結果として、誤入力などによる混乱もなく、従来と比べてバッチ処理実行前に不正入力値があればシステムが自動的に検知するため手戻りの工数も削減され、本当にスムーズに現場にも受け入れてもらえたと安心しています」(齊藤氏)。

<今後の展望>
原価管理システムの統合や BI 活用など、さらなる深化を


今後のシステム活用について齊藤氏は、「せっかく導入した ERP ですから、BI (Business Intelligence) など、さまざまな機能、ソリューションの活用を深めていきたい」と話します。
「従来のシステムでは、データがすべて紙で保管されていましたから、データ分析など容易に行うことができませんでした。それでも、月次の在庫表や入出庫履歴などのデータを手入力で抜き出して、Excel 上で加工しながらいろいろと検討していましたが、非常にもどかしかった想いがあります。Microsoft Dynamics AX を導入後、こうした管理帳票の基となる実績データは入力できるようになったので、今後はこうしたデータを自由に活用して分析作業を行うことができますので、楽しみです」

齊藤氏が BI に期待する背景には、市場の大きな変化があります。
「実際の問題として今は市場の変化も激しいですから、原料購入単価や製造経費の増減、設備投資などの影響予測を都度シミュレーションして、経営判断の早期化を図ることは重要です。当社の主力商品は業務用のわさびの小袋なのですが、お刺身の売上げに影響を受けるのはもちろんですが、最近では小売店によっては刺身のパックに同梱せず、必要なお客様だけにお持ち帰りいただくようにカゴに入れて配置するなどの工夫をされているところもありますので、当社の売上げ構成も大きく変わっています。
大手企業の参入も含めて、競争は複雑になっていますので、変化に対応し迅速な経営判断を下せるためのデータ活用基盤が必要です」(齊藤氏)。

このほか、第 2 次構築として、原価管理システムも Microsoft Dynamics AX へ移行させる予定で検討を進めているという万城食品。誠意あるものづくりと、市場変化に対応する真摯な取り組みを続ける同社の今後の発展が期待されます。



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本ケーススタディは情報提供のみを目的としています。Microsoft は、明示的または暗示的を問わず、本書にいかなる保証も与えるものではありません。
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