地域密着銀行として、地域社会への貢献をテーマに積極的な環境対策を実施。 Microsoft Windows 7 の電源管理機能を活用したグリーン IT 化で、大幅な省エネ、省コストを目指します
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株式会社名古屋銀行 (以下、名古屋銀行) は創立以来「地域社会の繁栄に奉仕する」をスローガンに、金融ビジネスを通じた中部地域の企業および個人への貢献を重要なテーマとしてきました。またその実現のために、最新の IT を採り入れたシステム整備を積極的に進めてきたのも大きな特色です。
同行では 2009 年の創立 60 周年を機に、かねてから取り組んできた環境対策の一環としてグリーン IT 化のさらなる促進を決意。Windows 7 の電源管理機能を活用した省電力、省コスト実現をねらいに、製品版の一般発売に先立つ 2009 年 6 月に先行試験導入を果たしました。現在は、全行で保有する約 2,000 台のデスクトップ PC のうち、情報システム部門を中心とした 150 台の PC による検証・展開を既に終了。残る各営業店の 1,200 台への展開に向けて着手し、このプロジェクトにより、電力消費量、CO
2、コスト共に、年間で 20% を超える削減率を達成できる見通しです。また Microsoft System Center Configuration Manager 2007 を使って、Windows 7 のインストール作業を大幅に省力化するなど、地域に貢献する銀行としての存在感強化に加え、生産性アップの面でも大きな成果を上げつつあります。
<導入の背景>
お客様のニーズをいち早く察知したサービス提案力を重視 
 株式会社名古屋銀行 取締役 事務システム部 部長 古川 義之 氏
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戦後間もない 1949 年に設立された名古屋銀行は、中部経済地域における主力銀行として、「地域社会の繁栄に奉仕する」とのスローガンの下、地域に根差した金融機関として独自の地位を築いています。同行では設立 60 周年を迎えた 2009 年を機に、「お客様のためのサービス」という原点に立ち返り、「顧客のニーズはどこにあり、それにどう応えていくのか」という課題に、改めて取り組み始めたと言います。
「それには、本来の金融取引を通じた信頼関係だけでなく、さまざまな側面からの社会的信用が不可欠だと言えます。中でも金融機関である以上、お客様サービスの無停止は必須要件です。その点、当行の勘定系システムは、2010 年現在で約 4,000 日のノーダウンという安定稼働の実績を持っています」。
もちろん必要なのは、技術力だけではありません。サービス提案力も重要です。
「金融機関は数多くありますが、提供しているサービス自体は若干の金利差はあれ、ほぼ同じです。どこで差別化を図っていくかというと、やはりお客様のニーズをいち早く察知して情報提供を行ったり、お客様自身が気付いていなかったニーズを銀行の側から提示していけるかどうか。いわば、コンサルティング的な能力が問われてくる時代になっていると言えるでしょう」と、名古屋銀行 取締役 事務システム部 部長の古川義之氏は、現在の銀行が置かれた状況を分析します。
また地域貢献という大きな視点で見た場合、公的企業としての性格が強い地銀には、社会環境の改善に向けたインフラ整備などに積極的に取り組む姿勢が求められてきます。「その中でも現在大きな流れになっているのが、省エネルギーや CO
2 削減などの環境対策です」と、古川氏は強調します。
まさに今回の Windows 7 の導入も、そうしたポリシーの延長線上にあります。同行では既に 2009 年 3 月から、PC 端末の更新と同時並行で Microsoft Windows Vista への移行を進めていましたが、全社展開に踏み切る直前に Windows 7 リリースの情報を入手。急遽 Windows 7 への変更を決定しました。
「基本的な機能の向上に加えて、電源管理などグリーン IT 化に優れた効果を発揮できる点が評価の重要なポイントになりました。もちろん、だからといって新しいものを無条件に導入するわけにはいきません。さいわい当行ではほとんどのシステムをシステム部門自ら開発・運用を行っているため、行内に高い技術レベルと判断基準が蓄積されています。Windows 7 についても、こうした技術的知見を活かして、徹底的な検証を加えたうえで導入を決定しました」。
こうした技術面での評価に加えて、マイクロソフトとの Enterprise Agreement 契約があるため、当初の予定だった Windows Vista から Windows 7 に変更する際に追加のライセンス コストが発生しなかったことも、スムーズな導入を促したと古川氏は語ります。
<システム概要>
豊富な開発経験を基に Windows 7 の電源管理機能が有効と判断 
 株式会社名古屋銀行 システム開発グループ 課長 平岡 秀之 氏
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名古屋銀行には、本部と各店舗と合わせて約 2,000 台のデスクトップ PC があります。今回の Windows 7 導入では、まずシステム部門の 50 台と各店舗に 1 台の割合で 100 台を配置、合計 150 台が試験的に導入されました。名古屋銀行 システム開発グループ 課長の平岡秀之氏は、「2008 年 11 月から順次 Windows Vista への更新を進めていましたが、Windows 7 が出ると聞いてすぐにマイクロソフトに対応を相談しました。そのうえで 2009 年 6 月に、50 台あった Windows Vista 機のうち 10 台を、Windows 7 の RC 版に入れ替えてテスト開発を開始。その後、現在の規模に展開したのです」と、ここまでの経緯を語ります。
こうした最新のテクノロジーの迅速な導入は、激しく変化する金融ビジネスのアジリティ実現に欠かせません。しかし一方で、システム部門にとっては「目利き」の確かさがシビアに要求されるとも、平岡氏は指摘します。
「新しいものをいち早く採り入れるのが当行のポリシーですが、もちろん何でもかんでも導入するのでは意味がありません。銀行として使えるものを見極めて、使えるものは速やかに入れるという判断が必要になってくるのです」。
またエンド ユーザーにとってのユーザビリティ確保という面では、アプリケーションの速さの実現が大きなカギになると、平岡氏は語ります。
「その点、当行では Web ベースのアプリケーションが多いことがプラスに作用しています。これらが Windows 7 と Microsoft Internet Explorer 8 との組み合わせで、さらに軽快に動くようになれば、各営業店の業務効率アップにつながります。そうした意味で、アプリケーションが速く動くというのは、システム評価の重要なポイントになるのです。もちろん経営的視点からは、組織全体の生産性向上というメリットにもなります」。
アプリケーションの多くを Web 化するという同行の方針は、新 OS への移行作業という局面でも有利に働きました。Internet Explorer 8 への対応以外はアプリケーションを個別に修正する必要がないため、プラットフォームの移行が格段にスムーズに進められたのです。
「最新のプラットフォームをいち早く使えるということは、そのまま最先端のテクノロジーを活かしたセキュリティ機能や実務機能の実現につながります。これが、『新しいものをいち早く採り入れる』というポリシーの理由でもあります」(平岡氏)。
<導入効果>
グループ ポリシーを使った電源管理などでグリーン IT 化に大きく貢献Windows 7 は、多くの台数の PC を統合的に管理するための便利な機能を数多く提供しています。中でも電源管理の集中設定は、名古屋銀行の推進するグリーン IT 化に大きなメリットをもたらします。 Windows 7 では、すべての電源設定をグループ ポリシーを使用して管理できるため、省力化はもちろんのこと、離れた場所に点在する PC の省電力設定を統合的に実現し、事業所や各店舗総体でのトータルかつ大幅な省エネルギーを可能にできるのです。
「IT リサーチの株式会社アイ・ティ・アールの調査では、当行の Windows 7 のもたらす省電力効果は大きく、このグループ ポリシーを活用した電源管理を行うことにより電力消費、CO
2、コスト共に 20% 強の削減効果が得られるという情報を得ています」と平岡氏はデータを挙げて説明します。
2010 年、同行の保有するクライアント PC のうち 1,350 台を対象に、Windows 7 で電源管理を行った場合の省電力効果を調査しました。その結果、年間で 86,338 kWh の電力が削減できる可能性が判明。これは電源管理を行う前と比較して 20.8% の省電力となり、年間で約 37 トンの CO
2 排出削減と約 194 万円の電力コスト削減の効果があることもわかったため、電源管理の実施を決定しました (グラフ、表参照) 。

 グラフ : 年間のエネルギー消費量/CO2 排出量の比較[拡大図] |  | 
 表: 現状と将来の数値対比一覧[拡大図] |
「以前からグリーン IT への取り組みは継続して行われてきており、既に、ESCO 事業認定を受けた当行の電算センターの省エネルギー効果は 23.4% と、今回の電源管理での効果を上回る数値を達成しています」 (平岡氏) 。
こうした環境対応策以外にも、Windows 7 のポリシー ベースの管理機能は多くのメリットを提供しています。
「当行で導入済みの Active Directory のバージョンでは、たとえば USB 機器などのアクセス管理を行うにも、機器ごとに停止するかどうかを機械的に設定しなくてはならず作業が煩雑でした。それが Windows 7 では、誰が使える、使えないといったルールを人単位で設定でき、それも OS で一括して行えるようになるのがとても便利だと感じましたね。もちろん、持ち出しやアクセス権も厳格に管理できます」 (平岡氏) 。
銀行にとって必須のセキュリティ強化という点では、Windows 7 への更新に合わせてセキュリティ ソフトウェアの刷新も実施。ウイルスやマルウェア対策とパッチ管理を提供する Microsoft Forefront Client Security を導入しました。
「以前は他のセキュリティ製品を使っていたのですが、非常にメモリへの負荷が大きく、作業中にソフトが動き出すと PC の動きが鈍くなり、現場のユーザーから苦情が出ていました。Forefront Client Security ではそれが解消できたため、現在は行内のデスクトップ PC、2,000 台すべてに導入しています」。
Windows 7 を軸に最新の管理、セキュリティ ツールを活用して効率アップ今回の Windows 7 導入で大きな役割を果たしたのが、 System Center Configuration Manager 2007 の OS 展開機能である「ゼロタッチ インストール」です。LAN に接続するだけで、ネットワーク経由で複数台の PC に OS をインストールできるため、同行のように数百台、数千台の PC を保有する企業にとっては、大幅な作業時間の短縮と作業負荷の軽減が実現できます。
「ゼロタッチ インストールは作業も容易なため手順書さえあれば誰でも可能ですし、最初に 1 つきちんと設定しておけば、あとは何台あろうが、すべて同じように正確にインストールできる点です。また、使っている途中で『おかしい』と思った場合も、すぐに再インストールできるので、トラブル対応も迅速になりました」。
昔は人海戦術でこなしていたインストール作業が苦にならなくなったと、平岡氏は語ります。
「これより以前は、PC1 台あたり約 4 時間の作業時間を要していました。それがゼロタッチ インストールによって解消され、その分節約できた時間をシステム部門としてより重要な仕事に振り向けられるようになったのです。これが将来的には、システムやアプリケーションの品質の底上げにつながると期待しています」。
<今後の展望>
地域貢献という不変のテーマ実現に向け、IT の高度利用をさらに推進今後の取り組みとして平岡氏は、まずサーバー統合を挙げます。
「現在保有しているサーバーは約 140 台ですが、これを今後は集約する方向で考えています。それには製品的によく理解しているマイクロソフト プラットフォームを使いたいと考えており、具体的には Microsoft Windows Server 2008 Hyper-V を導入予定です。これによって運用業務の効率化を図るのはもちろん、運用コストの削減効果も期待しています」。
また、Windows 7 のユニークな活用アイデアとしては、「来店されたお客様が用向きなどを入力する端末にタッチ パネルを使えば、ユーザビリティに優れた簡単なインターフェイスが作れるのではないかと思います。いわば受付業務のインテリジェント化ですね」と平岡氏は語ります。
このほかにも System Center Configuration Manager 2007 を使ったいろいろな管理の効率化の可能性の追求をはじめ、平岡氏の描くプランはとどまるところを知りません。既に Microsoft Office SharePoint Server 2007 を使った文書管理システムという新しい試みも、システム部門内でテストが進められています。
「あらゆる業務改善や生産性向上の試みは、最終的に今回のグリーン IT 化のような、お客様と地域社会への貢献というテーマに向けて収束していかなくてはなりません。そのためのツールとして IT の高度利用を図っていくことが、私たちシステム部門に課せられた使命だと考えています。またその取り組みを進めるうえで、マイクロソフトには私たちと一体となって課題に取り組み、銀行のビジネスに貢献するソリューションを提示してくれるベスト パートナーであり続けてほしいと願っています」と語る古川氏。Windows 7 という真新しいプラットフォームをジャンプボードに、名古屋銀行の地域貢献への取り組みはまた大きな一歩を踏み出しました。
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