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株式会社栗山米菓

掲載日: 2010 年 11 月 24 日
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ソリューション概要

プロファイル
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「ばかうけ」や「星たべよ」、「瀬戸の汐揚」などの米菓で、老若男女問わず幅広い層から支持を集めている株式会社栗山米菓leave-msは、2007 年 9 月に創業 60 周年を迎えて以降、人材を基盤とし将来迎える 100 周年に向けて「社会の為」になる企業を目指し、積極的な活動を展開。2008 年 10 月に新崎本社 新社屋を建設するとともに、新潟せんべい王国に新しく店舗を開店し、観光に訪れるお客様に新しい楽しみを提供するほか、同年 12 月には東京都千代田区に「東京マーケティングオフィス (TMO)」を開設。2010 年 1 月には新しいコーポレート ブランド「Befco (ベフコ)」を導入しています。


ソフトウェアとサービス
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Microsoft Dynamics AX

メリット
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各システムのデータを連携し、日次の原価計算を容易に
グループの財務会計システムを Microsoft Dynamics AX で統一
工場別の MRP を実現。4 分程度でリストを出す高速処理で業務を効率化
どの画面からでも、 Microsoft Excel にデータを書き出し可能
Microsoft Dynamics AX 内のデータを統計・分析し、活用することで経営判断の早期化を促進


ユーザーコメント
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「生産管理から在庫、購買管理までデータが一気通貫に統合され管理できるようになったことで、原価管理システム上でのデータの整合性が保たれ、日次での原価管理の精度が向上したことは大きな成果です。原価管理を含めて総合的に生産管理を行えるシステムとして、業務に必要な要件を満たし、さらに Excel などの Microsoft Office 製品に慣れていた私たちにとっても使いやすいインターフェイスであることなど、総合的に判断して Microsoft Dynamics AX を採用したわけですが、その期待は満たされたと思います」

株式会社栗山米菓
グループ本社 情報システム部
部長 櫛谷 文則 氏


日次での原価管理支援を含めた、総合的な生産管理システムに Microsoft Dynamics AX を選択。最小限のカスタマイズに留め自社リソースを活用した導入、展開は、わずか 10 か月という短期間で完了

* 米菓「ばかうけ」
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© 2000 DENTSU/KB
米菓「ばかうけ」や「星たべよ」、「瀬戸の汐揚」で有名な株式会社栗山米菓では、厳格な日次損益管理 (DPM : Daily Profit Management) を実施し、日々の損益を確実に把握しています。日次損益管理を開始した約 15 年前から一貫して生産管理に Microsoft Excel を活用してきた同社では、日次損益管理をよりスムーズに行うために、生産計画から在庫管理まで連携して管理できる ERP システムの導入を検討。要件を満たす機能の充実、現場の社員にも使いやすいインターフェイスなど、総合的に評価した結果、選ばれたのは Microsoft Dynamics AX でした。

<導入の背景とねらい>
100 年続く企業への基盤整備として、日次の原価管理を含む生産管理システムを最適化


* 櫛谷 文則 氏 (右) 石塚 誠 氏 (左)
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株式会社栗山米菓 (以下、栗山米菓) は、「会社に関わる総ての人々が物心共々豊かで健康に恵まれ、会社も個人も共に社会の為になり喜びをわかちあえる存在でありたい」という企業理念の下、60 年以上にわたって日本中で愛されている米菓を提供しています。
同社を代表する商品には、米菓「ばかうけ」や「星たべよ」、「瀬戸の汐揚」があります。特に「ばかうけ」は一般に流通する商品として、青のり、ゴマ揚げ、チーズなどさまざまな味付けが揃っているほか、ウニや枝豆、塩引鮭など、お土産屋でのみ販売される「地域限定」のラインアップまで取り揃えられ、老若男女問わず幅広い支持を集めています。

栗山米菓では、こうしたさまざまな商品の製造に関して、厳格な日次損益管理 (DPM : Daily Profit Management) を実施。地域限定の「ばかうけ」などお土産やロイヤリティー商品の製造・販売を行っている株式会社ケーアンドビー (以下、ケーアンドビー) などのグループ会社を含めて、日々の業務の結果を表す日次の損益を全社、各部門で作成し、活用しています。この日次管理によって社員 1 人 1 人が高い価値観を持ち、数字を理解することで経営を伸ばす努力を続けています。

この取り組みを、より効率的に行うために、栗山米菓では 2008 年 11 月頃から ERP (Enterprise Resource Planning) 導入の検討を開始。国内のプロセス製造業に向けた ERP 導入実績の豊富な横河ソリューションズ株式会社leave-ms(以下、横河ソリューションズ) にコンサルテーションを依頼し、同社が提案する Microsoft Dynamics AX を栗山米菓の業務に則したソリューションとして選定しました。

栗山米菓 グループ本社 情報システム部 部長 櫛谷文則氏は次のように当時を振り返ります。
「当社では長年、生産管理に Microsoft Excel を活用してきました。
工場ごとに Excel シートを作り込み、生産計画を個別に作っていました。そして、15 年ほど前から行ってきた日次の原価管理も当初は Excel で行っていました。しかし、それでは作業効率が悪いために途中から Microsoft Access を、日次管理に活用してきた経緯があります。
Excel 自体が便利なこともあり長くこの体制が続いてきましたが、現場も含めて『そのままでいい』と思っていたわけではありません。生産計画、購買、会計とデータが連動していないために非効率な部分が多かった上に、計画と実績との乖離が生じるという問題もありました。
それでも『普段の業務を行いながらシステムを変更していく』ということには大変な労力を要します。
そのために ERP 導入が遅れていたのですが 2007 年に当社が 60 周年を迎えたことを契機として、100 周年に向かい『社会の為』になる企業を目指すという目的・意義が明確になり、全社的に基盤整備を進めていく一環として、プロジェクトが開始されました」

栗山米菓が行っている日次管理は細心を究め、原材料の使用料、変動費の按分、部署間で応援に向かった人員にかかる費用まで品目別、製品ジャンル別、工場別に把握し、「実原価」を毎日正確に管理するものです。
そして、各現場の人々が日常的に数字に触れ、高い意識を持って業務に挑むためのこの仕組みを、より効率的に支援する ERP として同社が慎重に検討を重ねた結果採用されたのが、Microsoft Dynamics AX でした。この決定に至った一番のポイントとして、櫛谷氏は「親しみやすさ」を挙げています。
「まず、当社では Excel に慣れ親しんできましたから、Excel との親和性が大事です。それに、現場の人たちに活用してもらうためには、親しみやすいインターフェイスであることも重要です。Microsoft Dynamics AX であれば、Microsoft Office を使うような感覚で利用できますからね」

こうして、Microsoft Dynamics AX 採用が決定されたのが 2009 年 2 月のことでした。その後、2009 年 6 月に正式にプロジェクトがスタート。2010 年 4 月に正式にサービスインを迎えるまで、わずか 10 か月程度という短期間で導入・展開が完了しています。

<システム概要>
生産計画から在庫管理までを含む ERP を、極力自社リソースを活用して構築・導入


* 櫛谷 文則 氏
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株式会社栗山米菓
グループ本社
情報システム部
部長 櫛谷 文則 氏

* 石塚 誠 氏
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株式会社栗山米菓
グループ本社
情報システム部
石塚 誠 氏

* 山岸 敦 氏
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横河ソリューションズ株式会社
情報エンジニアリング第一事業部
営業部コンサルタント
山岸 敦 氏

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栗山米菓が Microsoft Dynamics AX を活用して実施した生産管理システム構築のプロジェクトは、基本的にはカスタマイズを避けて、パッケージの基本機能と、横河ソリューションズが提供する Microsoft Dynamics AX 用のプロセス製造業向けソリューションと、日本企業向けに開発した原価計算機能を活用するだけの、シンプルな導入を目指して進められました。

こうして完成されたシステムは「生産計画」から「生産実績管理」、「購買管理」、「在庫管理」そして「財務会計、買掛管理」までをカバーしています。

ノンカスタマイズを目指したことについて櫛谷氏は、次のように説明します。
「実は、4 年前にも ERP 導入を試みたことがあるのですが、その時は、現場のニーズを聞いてアドオンで機能を追加して、という対応が繰り返されて、検証段階で終わってしまいました。しかし今回は、社長自らプロジェクト運営の中心となって参加して、『まずカスタマイズなしで使ってみて、現場から上がる改善要求に対しては優先順位をつけて対応していく』というトップダウンのプロジェクト方針が決まりました。
この決定のお陰で導入もスピーディーに完了させることができました」

こうして、プロジェクトは横河ソリューションズとともに確認した「栗山米菓の業務プロセス」にパッケージの機能を適合させるべく、最小限の変更を加える方針で進められました。そして、特筆すべきは少量のカスタマイズを含めた ERP 導入をほとんど栗山米菓単独で完了したことにあります。
栗山米菓 グループ本社 情報システム部 石塚誠氏は「当社において長く Microsoft SQL Server を活用してきた経験が活きた」として、次のように振り返ります。
「構築に関しては 100% 自社で行ったというよりは、グループであるシステム会社との連携、そして、横河ソリューションズさんのコンサルテーションありきで進めてきました。それでも SQL Server のスキルさえあれば、Microsoft Dynamics AX 導入に関して自分たちでできることが非常に多かったというのが実感です」

* 図1 新生産管理システム概要
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■ 図1 新生産管理システム概要 [拡大する]

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栗山米菓の新生産管理システムの概要は、図1 の通りとなっています。
たとえば販売管理システムから、Excel 形式で上げられた売上予測データを、CSV 形式にして生産計画に取り込む部分は、X++注1 で開発しています。そして、Microsoft Dynamics AX で作成された購買発注書を仕入先にメール添付して送信する部分では、自社内にあったほかの仕組みを流用し、Excel の購買発注書を PDF 化してメールに添付するというソリューションを実現しています。

また、Microsoft Dynamics AX の AIF注2 (アプリケーション統合フレームワーク : Application Integration Framework) も活用。製品倉庫からの出庫や棚卸等の処理を AIF を使って実現しています。
もう 1 つ特長的な機能として、栗山米菓ではマスターの作り方を変えるなどの工夫を行い、MRP (資材所要量計画 : Materials Requirements Planning) を工場別に処理できるようにしています。

こうした機能を自社内で開発し、ERP 導入を完了させたケースは「当社が経験した中でも、多分初めてのこと」と横河ソリューションズ株式会社 情報エンジニアリング第一事業部 営業部コンサルタント 山岸敦氏は話します。
「AIF に関しても、ほとんど 1 回説明させていただいただけで活用されていました。こうしたことは、グループのシステム会社様の存在を含め、非常に深いスキルとナレッジが栗山米菓様の中に蓄積されていたことに尽きると思います。当社の役割としては、本当にコンサルテーションを行うだけでした。
MRP についても、Microsoft Dynamics AX の標準機能で行えば全社一括での処理となるのですが、マスターの作り方などを工夫していただくことで、工場別に MRP を回すということを実現されているなど、当社にとっても今後 プロセス製造業様向けの ERP を進めさせていただく上で得難い体験をさせていただいたと思っています」

<導入効果>
設計時のロス率と実態とのギャップの把握と日次原価管理の精度向上


栗山米菓の新しい生産管理システムが稼働を開始してからまだ日が浅いこともあり、今後の改善も含めて「システム導入に関しては、まだ道半ば」という櫛谷氏ですが、しかし「生産計画から購買までのシステムが連携する環境を実現したことで、原価管理システム上でのデータの整合性が保たれ、日次での原価管理の精度が向上したことは大きな成果」であると話します。

「当社では、Microsoft Dynamics AX 上では原材料の歩留を考慮して多少多めに調達を行う設定をしていましたが、実際に本稼動したところ、現場は思ったより原材料のロス率を少なく生産していることが分かりました。稼働当初はそれに気付かず混乱もありましたが、徐々に歩留実績の実態が把握できるようになってきたので、今後不要な在庫や調達を削減するという効果につなげたいですね。
このことは、構築したシステムによってもたらされた成果の 1 つです。今回構築したシステムは、気持ちとしては ERP というよりも原価管理を含めて総合的に生産管理を行えるシステムと考えています。業務に必要な要件を満たし、生産管理から在庫、購買管理までデータが一気通貫に統合され管理できること、さらに Excel などの Microsoft Office 製品に慣れていた私たちにとっても使いやすいインターフェイスであることなど、総合的に判断して Microsoft Dynamics AX を採用したわけですが、その期待は満たされたと思います」

このほか、実感されている効果として、「MRP の処理が非常に早い」「工場別のリストが、4 分もあれば出てくる」と櫛谷氏は指摘します。
また、現場のユーザーにインターフェイスの良さが評価されているポイントとして石塚氏は、「どの画面でも Excel データを書き出せるところがすごく便利だという声をいただきます。Microsoft Dynamics AX のユーザー インターフェイスの良さが活かせたのだと思います」と、話します。

そしてもう 1 点、生産管理システムで各種データが連携した成果として挙げられるものとして「経営層が情報をひと目で把握するためのレポートの表示」があると、櫛谷氏は言います。
「Microsoft Dynamics AX のデータを統計、分析することについては、まだ SQL Server 2008 の機能を活用しきっていないこともあり、今後の目標として残っています。ただ一方で、社長をはじめとする経営陣に必要な情報を一覧で確認してもらうためのレポート画面を ASP (Active Server Pages) 形式ですでに作成しています。
このレポート画面では、工場別に生産実績や購買情報、一般管理費などを照らして、日々の純利益や経常利益が正確に表示されるようになっています。
ただし、数字を見られるようになったことがゴールではありません。このレポート画面や、今後 SQL Server 2008 の機能を活用して行う予定のデータ分析などを通じて、誰かが何かに気付き、具体的な行動を起こせるようになれば、その時に初めて今回のシステム導入が完了するのだと思っています」

<今後の展望>
システムの全社統一に向けて


今後のシステム拡張予定について、櫛谷氏は次のように話します。
「今回の導入では、まだ販売管理システムと原価計算システムそのものは、Microsoft Dynamics AX に統一されていません。これはグループ全体への Microsoft Dynamics AX の導入展開と共に、将来的なステップの中で統一できればと思っています」

櫛谷氏は、最後にこう締めくくります。
「今後も生産管理・原価管理システムの開発を進め、現場マネージャーから経営陣まで、さまざまな利用者の要求に応えられる環境を作り上げていきたいと思います。
と同時に、今後 Microsoft Dynamics AX の国内ユーザー数が増えていくにつれて、帳票の翻訳など、今よりももっとローカライズの精度が上がっていくことに期待しています。我々も国内普及のための協力は惜しまないつもりです。マイクロソフトには、ぜひ国内のさらなる普及に向けて頑張ってほしいですね」


注1 : Microsoft Dynamics AX の開発言語。オブジェクト指向型のプログラミング言語であり、開発生産性の高い言語とされる。
注2 : Microsoft Dynamics AX で提供されるシステム間連携インターフェイス。



本ケーススタディに記載された情報は初掲載時のものであり、閲覧される時点では変更されている可能性があることをご了承ください。
本ケーススタディは情報提供のみを目的としています。Microsoft は、明示的または暗示的を問わず、本書にいかなる保証も与えるものではありません。
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