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伊藤忠テクノソリューションズ株式会社

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掲載日: 2014 年 5 月 15 日

「eWork+@CTC」の理念の下、ワーク スタイル改革を推進
Windows Server 2012 R2 (MS-VDI) によるデスクトップ仮想化で、「いつでも、どこからでも」業務にアクセスが可能に

写真:伊藤忠テクノソリューションズ株式会社

伊藤忠テクノソリューションズ株式会社

わが国を代表するシステム インテグレーターとして、時代の最先端ソリューションを提供し続けてきた伊藤忠テクノソリューションズ株式会社 (略称:CTC) 。同社では 2004 年から進めてきたワーク スタイル改革の最新施策として 2014 年初頭、Windows Server 2012 R2 の仮想デスクトップ インフラストラクチャである MS-VDI を導入し、スマートフォンやタブレットなどのモバイル環境を含めた「いつでも、どこからでもアクセスできる、同一のデスクトップ環境」を実現。さらに、大災害時における BCP 基盤の整備や IT 運用コストのトータルな削減など、多くの重要課題の克服に向けて取り組みを続けています。

<導入の背景とねらい>
eWork+@CTC の推進に向けて
すべての人に仮想デスクトップ環境を提供

伊藤忠テクノソリューションズ株式会社
情報システム部
部長代行
永田 孝哉 氏

今、ビジネスにおけるワーク スタイルが大きく変わりつつあります。スマートフォンやタブレットといったモバイル端末の爆発的普及が距離や時間を超えた働き方を可能にし、IT システムにもその自由さに応えた進化が要求されています。そうした時代の波をいち早く感じ取り、リモート デスクトップ サービス (RDS) 方式のシン クライアント、そして今回の Windows Server 2012 R2 MS-VDI へと着実にステップアップしながら、フレキシブルで効率に優れた業務環境の構築に力を注いできたのが、伊藤忠テクノソリューションズ株式会社 (以下、CTC) です。

同社のワーク スタイル変革の背景には、2004 年以来全社的に展開してきた情報インフラのコンセプト「eWork@CTC」があります。「セキュリティの強化」と「利便性の向上」を重要テーマとする「eWork@CTC」は、2011年には「コミュニケーションとコラボレーション機能の充実」を加えた「eWork+@CTC」としてリニューアルされ、今日に至っています。

「働き方の柔軟性やコラボレーションを実現する取り組みの 1 つが、2004 年のシン クライアント導入でした。しかし、全社で 1 万台以上あった PC のうちシン クライアント化されたのは約 6,000 台で、その状態が 2013 年まで続いていたのです」と明かすのは、CTC 情報システム部 部長代行 永田 孝哉 氏です。この背景には大手システム インテグレーターとして、さまざまな開発、運用業務を手掛ける同社ならではの事情がありました。

「案件やシステムによっては、特殊なツールなどを使用するケースも珍しくありません。しかし RDS 方式のシン クライアントではサーバー OS のアプリケーションやリソースをユーザーが共用するため、各人が自由にソフトウェアをインストールすることはシステム ポリシー上許されません。シン クライアント化できなかった PC も、そうした個別の事情があったのです。今回の MS-VDI 導入は、RDS の恩恵を受けられなかった人々にも、高いセキュリティと利便性を保ちつつ、いつでも、どこからでも利用可能な仮想デスクトップ環境を提供しようというところから始まりました」。

加えて、コスト削減も大きな目標でした。現在同社内には、約 5,000 名の社外パートナー従業員が常駐型で働いています。この人々のためのファシリティ コストやネットワーク、端末のコストはすべて CTC が負担しています。しかし 5,000 名の内の何割かでも自社のデスクにいたまま、リモートから MS-VDI 環境にアクセスできるようになれば、この分のコストが相当に削減できることになります。

「言うなれば、ニアショア開発などのアウトソーシングでの活用ですね。1 割というと少ない気がしますが、仮に 5,000 人であれば 500 名となり、かなり大きいビルの 1 フロア分に相当する人数です。それだけの不動産コストを圧縮できるということは、削減効果も相当に大きなものになると期待できます」 (永田 氏) 。

<導入の経緯>
Windows 環境で統一することで省コストを実現
障害対応のリードタイム短縮にも期待

伊藤忠テクノソリューションズ株式会社
情報システム部
インフラシステム課
浅沼 宏紀 氏

CTC が本格的に MS-VDI の導入を検討開始したのは、2012 年末のことでした。2013 年 4 月からは実際の検証を開始。2014 年が明けて間もなく社内向けのトライアルが始まり、3 月現在では約 400 ユーザーの規模で展開されています。今後、トライアル参加者にアンケートを実施。その内容に沿った改修、改善を進めたうえで 10 月に正式リリースの予定だと、CTC 情報システム部 インフラシステム課 浅沼 宏紀 氏は語ります。

製品選定にあたっては、デスクトップ仮想化に大きな実績を持つ他社製品との比較も行われました。ここで決め手となったのは、やはり Windows 環境との親和性と、それがもたらす省コスト性だったと言います。同社の業務ではほとんど Windows 環境が使用されており、仮に他社製品の VDI を導入したとしても、実際にログインして利用する環境は Windows ということになります。

「導入にあたって、現在の情報システム環境との親和性やシンプルな構成というのは、大きなポイントになりました。マイクロソフト製品で構築すれば構成もシンプルになりますし、効率的なシステム運用にもつながるという考えで、MS-VDI の採用を決めました。選択理由には、障害時の切り分けが容易ということもありました。異なるベンダーの製品を組み合わせていると、万が一の障害発生時にどこでどう切り分けるかが難しくなり、原因の特定や復旧までのリード タイムが長引く可能性があります。運用のシンプルさを担保するという意味でも、マイクロソフト製品に統一するということには大きなメリットがありました」 (浅沼 氏) 。

<導入効果>
「いつ、どこからでも」自分のデスクトップで作業 OK
災害時にもモバイルから業務継続が可能

CTC では既存の RDS をすべて MS-VDI に移行するのではなく、それぞれの特性にあった業務に振り分けることで両者を併用する、いわゆるハイブリッド運用を行っています。現在のシステム規模は RDS が最大 6,500 ユーザーで、将来的には、8,000 ユーザーまで拡大予定。一方、MS-VDI は、2014 年 10 月の正式リリースに向けて、現在の約 400 ユーザーより拡大してスタートする予定です。こうしたハイブリッド運用を選択した背景には、個別ユーザーごとの環境構築は難しいがコストも比較的安い RDS と、RDS に比べるとコストはかかるが完全にユーザーの必要に応じた環境が実現できる MS-VDI を、適材適所で配置することで、「eWork+@CTC」の 3 つの基本コンセプトとコストとのバランスを最適化しようというねらいがあります。

「RDS は、決められたアプリケーションや環境で、比較的定型化された業務を行うのに適しています。一方 MS-VDI ではクライアントごとに環境を個別に用意できるので、特定の顧客に必要なアプリケーションや、社内向けであっても特殊なツールを使う作業などに向いています」 (浅沼 氏) 。

しかし MS-VDI を導入したメリットの中で最も大きいのは、「いつでも、どこからでも」、ユーザーが同じ自分のデスクトップ環境にアクセスできる点です。浅沼 氏は、「ネットワークさえつながっていれば、どこにいても業務は継続できるようになっています。また現在は、モバイル端末が多様化していますが、MS-VDI は RDP (Remote Desktop Protocol) をサポートしている端末ならどれでもアクセス可能なのも、採用を決めたメリットの 1 つです」と付け加えます。

ユーザーごとに仮想マシンが提供され、個別の作業環境と堅牢なセキュリティが実現できる MS-VDI は、BCP (業務継続計画) の面からも期待されています。たとえば、同社の中でお金の流れを支える経理部門は、特殊なマクロや専用の経理ソフトウェアを利用しているため RDS に移行できません。それが今回 MS-VDIによる仮想化が実現することにより、ディザスター リカバリの面で経営層からも大きな期待が寄せられていると永田 氏は語ります。

「当社のデータセンターは関東と関西にありますが、もし関東が災害などで使用不能になった場合でも、主要システムを関西側に切り替えることが可能です。MS-VDI に移行することは、BCP を実効あるものにするうえで大きな意義があると考えています」。

システムの特徴として、Hyper-V レプリカを利用することで個々のデスクトップ環境が存続側のデータセンターに切り替わるので、あとはクライアント端末さえあれば業務を継続することが可能です。極端な話、PC もなくタブレットだけの状態でも、何らかの対応ができる可能性が確保されているのです。

システム構成図 [拡大図] 新しいウィンドウ

<今後の展望>
運用の自動化や BYOD など
さらなる利便性と効率化に向けチャレンジ

伊藤忠テクノソリューションズ株式会社
情報システム部
インフラシステム課
課長
樋口 克明 氏

正式リリースを約半年後に控え、情報システム部では今回の MS-VDI 導入で、ユーザーの要望に対して、より柔軟な提案ができるようになると期待しています。これまではユーザーが何か新しい業務のしくみを構築しようとしても、RDS が利用できない条件であれば PC しか選択肢がなく、マシンの調達の手間やコストなどが避けられませんでした。しかし新たに MS-VDI が加わったことで、ユーザーにとってメリットの大きい提案が可能になったと、CTC 情報システム部 インフラシステム課 課長 樋口 克明 氏は強調します。

「これまで、PC のほかに対応方法がないというのは、心苦しいことでした。また、RDS が利用できる環境であっても、社外から特殊なツールを使ってアクセスする場合などは、そのための専用の環境を部署や個人単位で別に用意する必要がありました。その点 MS-VDI は各個人ごとに環境が設けられているため、たとえば外出先からシステムをメンテナンスする場合なども、自分の MS-VDI 環境からすぐに入れますし、特殊なツールなども制限なく利用できます」。

今までシン クライアントを使いたくとも我慢してきた人が使えるようになるのは、業務効率の向上という点でも大きな進歩だと樋口 氏は評価します。

一方、浅沼 氏は MS-VDI 環境の導入でユーザーの利便性を向上させた次は、自分たちの運用の自動化にも取り組みたいと意欲を見せます。

「Microsoft System Center 2012 R2 Orchestrator (SCO) を利用して、IT の運用プロセスを自動化しようと考えています。従来は運用のためのスクリプトを作成したり、スクリプトを組み合わせたオペレーションなどが不可欠でした。こうした人手が介在する非効率的で統一性にも欠ける作業をツールに置き換えることができれば、大幅な効率化が実現できます」。

また、SCO の提供する、運用プロセスを図式化する機能を利用して、ワークフローの可視化と共有化による運用品質の底上げも可能だと浅沼 氏は期待しています。

永田 氏は今後の展望として、これまで築き上げた RDS や VDI の環境を活かして、BYOD の実現にもチャレンジしたいと明かします。現状でも既に多種多様なモバイル端末がアクセスしてくるうえに、個人所有のデバイスが加わると運用もさらに複雑化すると思われますが、永田 氏はむしろ逆だと言います。

「情報システムの永遠のテーマは、"運用の効率化" です。私たちがこれまで積極的にシン クライアント化を図ってきたのも、基本的にローカル ディスクを使わない。つまりローカル ディスクも端末も意識せずに済む環境を構築するという目的があったからです。RDS と MS-VDI をハイブリッドで利用することで、最終的に端末を管理しないというレベルまで行ければ、たとえ端末が私物であっても問題はありません」。

今後、より推進を図るには、経営層も含めた全社的な議論や社内各部署とのさらなる連携が必要になってきます。そうした日に向けて、今後はクラウドなども含め、より業務の効率化と省コスト化に貢献できるしくみを IT 担当部門として推進していきたいと語る永田 氏。

わが国のシステム インテグレーションをリードする企業として、CTC は最先端のコンセプトとテクノロジーによる自社のワーク スタイル変革を進めていきます。

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ソリューション概要

プロファイル

1972 年 4 月 1 日、創立。マルチベンダーなシステム インテグレーターとして、常に時代の最先端のテクノロジーをいち早く取り入れたソリューションを、お客様に提供してきました。近年は、クラウドを中心とした IT インフラ アウトソーシングの流れが今後いっそう加速するとの予測の下、お客様のニーズを先読みした CTC オリジナルのクラウド サービスのラインアップの拡充に注力しています。また、スマートフォン関連やビッグ データなどの新分野やグローバル展開も、さらなる拡大に向けて取り組んでいます。

導入メリット

  • RDP をサポートしているモバイル端末であれば OS を問わず対応でき、「いつでも、どこからでも」自分のデスクトップ環境にアクセスして業務が可能に
  • MS-VDI では、個々のクライアントごとに環境を設定できるため、RDS では利用できなかった特殊なアプリケーションのユーザーも取り込み OK
  • ユーザーが自分の環境に自由にアクセスする権限を持ち、ローカル アプリケーションのインストールも可能なので、完全に業務に即したデスクトップ環境の構築が実現

ユーザーコメント

「世の中には、いまだに VDI は高価であり、PC で十分だという声もあります。しかし、これだけモバイルも含めたワーク スタイルが大きく変化している中で、"いつでも、どこからでも" 自分のデスクトップ環境が使えるメリットは、単純にコストだけでは計れません。また PC の物理的な制約にとらわれない柔軟さや、導入、運用のスピード感も大きな魅力です」

伊藤忠テクノソリューションズ株式会社
情報システム部
部長代行
永田 孝哉 氏

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