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第一生命保険株式会社

掲載日: 2010 年 4 月 1 日
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ソリューション概要

プロファイル
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第一生命保険株式会社 leave-msは、1902 年に日本で最初の相互主義による保険会社として設立されました。創立以来、「お客さま第一主義」の経営理念の下、「生涯設計」に基づくお客さまの一生涯のパートナーであることを目指してきました。2006 年には、お客さまを何よりも大切にする姿勢を追求していく決意として「第一生命 品質保証新宣言」を発信。2010 年 4 月 1 日、より柔軟な経営戦略を取り得る「株式会社」に組織形態を変更。持続的な成長を続け、お客さまに高い品質の「商品」・サービスを提供し続けることにより「お客さまに最も支持される生命保険会社」を目指しています。

ソフトウェアとサービス
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Windows Server 2008 Hyper-V
Microsoft System Center Virtual Machine Manager 2008
Microsoft SQL Server 2008
マイクロソフト コンサルティング サービス (MCS)

メリット
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基幹オンライン システム基盤 160 ゲスト OS、グループウェア基盤 100 ゲスト OS、ファイル システム基盤 50 ゲスト OS、運用管理システム基盤 20 ゲスト OS の合計 330 ゲスト OS を 70 台の物理サーバー上に集約。
サーバー台数を集約することで、コア課金によるソフトウェア ライセンス コストを最適化。約 65% 削減 (第一生命保険株式会社試算による) を実現。
年間の CO2 排出量を約 300t 削減 (第一生命保険株式会社試算による)。



導入事例:第一生命保険株式会社 基幹業務を支える 330 台のサーバーを仮想化によって 70 台に集約し、電力消費量を 65%、CO2 を 300t 削減

高性能化が進むサーバーの有効活用。アプリケーション ライフサイクルの最適化。ライセンスおよび運用・保守にかかるコストの最適化。そして、今後の技術的なトレンド予測。すべてにおいて、Hyper-V の採用は“当然”のことでした。第一生命保険株式会社 IT 企画部支配人・チーフテクノロジーオフィサー 朝比奈 洋氏

創立以来 100 年以上にわたって「お客さま本位」の活動を続けてきた第一生命保険株式会社では、競争が激化する生命保険業界にあって、より柔軟な経営戦略を推進し、持続的な成長を実現させることで、「第一生命 品質保証新宣言」においてお客さまに約束している「品質」を長期的に提供し続けることを目的として、2010 年 4 月に株式会社化を実施。この組織形態変更のタイミングに合わせて、より合理的、かつ柔軟な IT 戦略を実現させる新たな IT インフラを構築するべく、Windows Server 2008 の標準機能である Hyper-V を採用し、全国約 65,000 人のユーザーが日々活用する基幹業務システムが稼働する 330 台のサーバーを 70 台に集約。順次本稼働を開始する 2010 年 4 月を前にして、早くも「ソフトウェア ライセンス コストを約 65% 削減」「年間 CO2 排出量 300t 削減」という導入効果が、試算により算出されています。


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導入の背景

より柔軟かつ迅速にニーズに対応する IT インフラの構築を

1902 年の創立以来「お客さま第一主義」の経営理念を貫き、お客さま一人ひとりに対する「生涯設計」の提供と、お客さま本位の視点から業務の革新を図る「経営品質の向上」に取り組んできた第一生命保険株式会社 (以下、第一生命)。同社では、2012 年に迎える「創立 110 周年」に向けて 2008 年度から 2010 年度までを「第Ⅰ期」として実施されている中期経営計画「Value up 2010」に沿った新戦略の一環として、2010 年 4 月に、「相互会社」から、より柔軟な経営戦略を取り得る「株式会社」へと組織形態を変更。この取組みに併せて、より最適な IT インフラを構築するために仮想化技術を採用し、サーバー台数を可能な限り集約・統合することが2009 年初頭に決定されました。

そして、2010 年 4月。基幹業務システムが稼働する 390 台のサーバーのうち、技術的に仮想化できないものを除いた 330 台を仮想化し、物理サーバーを 70 台とする集約・統合を開始しました。第一生命 IT企画部 支配人・チーフテクノロジーオフィサーである朝比奈洋氏は、この仮想化技術採用は「当然のこと」として、次のように話します。「私たち生命保険業では、お客さまに非常に長い期間にわたって、サービスを提供させていただいております。そのため、基幹業務システムについても、長期的な安定稼働が求められます。その一方で、時代に合わせた商品の開発と、それに付随するシステムの迅速な開発が必須となります。さらに、法令等の変更による管理の高度化など、多様なニーズに効率よく、スピーディに応えるためのインフラ構築が求められていました。そこで精細に調査・検討した結果、メニーコア化が進むサーバーの能力を有効利用し、より合理的なシステムを構築するための『当たり前の技術』として広く活用されていくことであろう仮想化技術の採用を決定しました」

今回のプロジェクトで、大変意義深かったと思うのは、 MCS との対話を通じて、仮想化技術を活かすための『新しい思想』を導入することができたことだと思います。おかげで、数年先までを見据えたシステム構築ができたと思います。第一生命保険株式会社 IT 企画部 次長兼IT 企画課長 太田 俊規 氏

そしてこの新しい IT インフラの構築こそが、株式会社化後の第一生命の“より柔軟な”経営戦略を支えるための礎になると、朝比奈氏は続けます。「株式会社化のねらいは、より柔軟な経営戦略を実行することにあります。そして今、経営戦略の実現と、IT 戦略との間には密接な関係があります。当社では、生涯設計デザイナーと呼ばれる営業担当にも、一人 1 台の携帯パソコンが提供されており、保険商品のご提案やお客さまからのご照会に迅速に対応しています。さらに、事務処理やメールなどによる社員間のコミュニケーションなど、さまざまな場面で IT が活用されている現在の状況に対し、より効率的で迅速な IT インフラの提供が求められているのです。

たとえば、業務変化に合わせたアプリケーション開発を行う場合、今までは『開発にサーバーが必要です』と決まると、社内決裁を経て注文・納入までに時間がかかりました。そして調達が終わったら OS やソフトウェアをインストールして次に設定をして、という具合に準備を進めていました。そのため、サーバー 1 台手に入れるために随分日数がかかってしまうこともありました。しかし、サーバー リソースが仮想化されていれば、『物理サーバー』ではなく、仮想化されたサーバー リソースによって『必要なパワー』 だけを提供することも可能になります。早ければ数日でアプリケーション開発に必要なリソースを提供することも可能でしょう。こうした柔軟性と、幅広い可能性が重要だったのです」

システム概要

障害発生時の対応までを想定して Hyper-V を採用

第一生命が仮想化技術を導入するにあたっては、他社製品との詳細な比較も行いました。その結果、「サーバー OS に標準で搭載されている」点を高く評価し、Hyper-V の採用を決めたと朝比奈氏は説明します。「たとえば仮想環境では、何か障害が発生した場合、ゲスト OS とホストOS の切り分けなどがより複雑になるでしょう。仮想化技術とサーバーOS には密接な関係があります。その点 、Hyper-V であれば、ホスト OS、ゲスト OS ともに同一アーキテクチャで構成することとなるため、高い親和性や信頼性が期待できます。また、マイクロソフトが仮想化技術を基幹技術と位置づけ、莫大な投資を行っていることも、判断材料として挙げられます。マイクロソフトが公開している製品ロードマップと併せて、今後数年間の技術的なトレンドを予測した結果、Hyper-V 採用は『当然のこと』だったと思っています」

こうして、Hyper-V の採用が決定され、新しい ITインフラの設計が開始されたのが、2009 年 4 月のこと。仮想化の対象となったのは、基幹業務を支える 390 台のうち、仮想化が可能であった 330 台のサーバーでした。第一生命 IT 企画部 次長兼 IT 企画課長 太田俊規氏は、次のように振り返ります。「これだけの規模で仮想化を実施した背景には、サーバーの高性能化が進んだことで、最小構成のサーバーであるにもかかわらず、そのスペックを活かしきれないサーバーまで出始めていたという状況があります。こうした無駄をなくし、できる限り合理的かつ効率的な構成を実現する必要があったのです」

以来、約 1 年という短期間で 330 ものゲスト OS を要する大規模な仮想化環境の移行準備が完了。この進行自体が「大きな成果だった」と話すのは、構築および運用・保守を担当する第一生命情報システム株式会社 開発統括部に所属し、システム統括グループ コンサルタントを務める逸見正文氏です。

運用管理の効率化を図るための製品として、System Center Virtual Machine Manager の採用は躊躇なく決まりました。本格的な運用が始まるのはこれからですが、私たちが求める機能は不足なく揃っていました。第一生命情報システム株式会社 開発統括部システム統括グループ コンサルタント 逸見 正文 氏

「私たち自身、初めて体験する仮想化環境の構築。それも、これだけ大規模なサーバーの仮想化基盤を、大きなトラブルもなく、わずか 1 年で準備できたことは非常にうれしく思っています」

そして、このプロジェクトの推移には、マイクロソフト コンサルティング サービス (以下、MCS) の果たした役割も大きかったと、逸見氏は続けます。「今回、MCS には、2 名の方に常駐をお願いし、支援をいただいています。立ち上げフェーズにおいては、仮想環境の方針策定や検証のサポートなどを。設計やテストのフェーズでは、設計手法、QA、トラブルシュートなど、多岐にわたるサポートをもらい、プロジェクトは非常にスムーズに進みました」

今回のプロジェクトで仮想化されたシステムは、
 ・基幹オンライン システム
 ・情報共有システム
 ・ファイル システム
 ・運用管理システム
の 4 種になります。それぞれのシステム概要はシステム概要図に示す通りとなっています。すべてのシステムに共通する仕様として、ホスト OS には Windows Server 2008 Hyper-V が全面採用され、ゲスト OS には Windows Server 2008 および Windows Server 2003 (Microsoft System Center Virtual Machine Manager 2008 の P2V <Physical to Virtual> 機能を活用) が利用されています。

これらのゲスト OS は、System Center Virtual Machine Manager で一元的に管理されています。そして、これらのゲスト OS 上では、株式会社 日立製作所 (以下、日立) のシステム運用管理ソフトである JP1 を始めとして、さまざまなソフトウェアが多数稼働しています。

このシステムを支えるサーバー ハードウェアは日立製 HA8000 サーバーで統一されており、必要に応じて日立製ストレージと SAN (Storage Area Network) 接続されています。こうして構築された各システムは、4 月 1 日以降、順次本稼働を開始します。日立 金融システム事業部 金融システム第二本部第一部 技師 小松孝浩氏は、これらのシステム構成について、次のように話します。

「サーバーの CPU も日進月歩で性能が向上しています。しかし、サーバー ハードウェアが落ちてしまえば元も子もありませんから、部品の完全な二重化、冗長化を進めて、ハードウェアの信頼性を高めています。また、運用管理に関しても、従来から第一生命様のシステムでご利用いただいている JP1 と System Center Virtual Machine Manager とは決して競合するものではなく、それぞれの領域でしっかりと共存できていると思います」

まだ本格的な運用が開始されて日が浅いため、「確かなことは言えない」と前置きしつつ、逸見氏も「System Center Virtual Machine Manager には、私たちが必要としている機能が揃っていますし、テスト環境においても問題はありませんでした。今後、長期にわたって運用管理をこなしていく上で、その機能・性能には期待しています」と、新しいシステムの運用管理について期待を寄せています。

システム概要図

導入効果

ソフトウェア ライセンスと電力消費量を約 65% 削減

まだ、システムが本稼働して間もない段階ではありますが、4 つの基幹システムを仮想環境に移したことによる効果は「とても大きい」と太田氏は話します。「まず、今回の仮想化による効果の一端として、私たちが試算したところ、ゲスト OS 上で稼働するソフトウェア ライセンスの費用が約 65% 削減できていました。現在は、サーバー CPU が高性能になると共にメニーコア化も進んでいますので、2006 年当時に揃えたサーバー 500 台を、まったく同じ台数のまま新しい物理サーバーに移行してしまうと、コア課金のソフトウェア ライセンス費用が大変にかさんでしまうのです」

そしてもう 1 つ、期待されるのが、グリーン IT 化の推進です。太田氏は続けます。「まだすべてのシステムが本稼働を開始したわけではありませんので、あくまでも試算の上での話ですが、 330 台のサーバーが 70 台にまで集約されたことで、年間の CO2 排出量が約 300t 削減できると出ています。これは現行のサーバー環境と比較して 65% もの削減を達成したことになります」

マイクロソフトが仮想化技術を今後必要不可欠なものとして位置づけて研究・開発に投資を行っている事実と信頼できるロードマップの提示が Hyper-V 採用を決断する上で、非常に重要でした。第一生命保険株式会社 IT 企画部支配人・チーフテクノロジーオフィサー 朝比奈 洋 氏

朝比奈氏は、今後本格運用を進めていく中で、さらに運用の最適化が図られるようになれば、「運用・保守と、開発にかけられるワークロードの比重も、大きく変わるのでは」と期待を寄せています。「今回仮想化した 4 つのシステムは、それぞれの特性に応じて構成が変わってしまっていますが、今後、さらに技術やノウハウが進歩し、仮想環境の完全な標準化が図られるようになれば、運用・保守にかかるワークロードがさらに軽減し、その分を開発に回すということも可能になるでしょう。つまり、同じコストでありながら、戦略的分野により投資が可能になるのではないかと期待しています」

今後の展望

Hyper-V の一層の進化に期待

業務アプリケーション開発などに柔軟に対応する「プライベート クラウド」の可能性も含め、さまざまな可能性が引き続き検討されているという、今回の仮想環境構築ですが、その根幹として、「MCS との対話が大きな意味を持っていた」と太田氏は振り返ります。

「サーバーの仮想化は、現在のメニーコア化や高性能化を考えても、今後、ごく当たり前に利用される技術として普及していくと思います。そして、今回のプロジェクトは、当社にとっても新しい技術の導入として意義深いものでした。しかし、本当に意義深かったと思うのは、導入に際して MCS の方々とディスカッションした経験などを含めて、仮想化という『新しい思想』を導入することができたことだと思っています。ただ単に技術を導入したのではなくて、『仮想化で何をするか』『何ができるか』『どうやって構築するべきか』という考え方を鍛えられたことで、数年先を見据えたシステム構築ができたと思っています」

最後に朝比奈氏は言います。「システムの設計に際して重要なのは、技術論だけではなく、私たちの業務、そして私たちを取り巻く環境を理解して、提案をしていただくことです。その意味で、MCS の方々からは、予想していた以上のサポートをいただくことができました。今後、この Hyper-V が普及していく中で、多彩な業種のユーザーから要望があがってくると思いますが、それをマイクロソフトがどう今後の製品に活かし、機能・性能を向上させていただけるか――。その点に非常に期待しています」


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