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エン・ジャパン株式会社

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掲載日: 2011 年 8 月 24 日

"友達の友達"を含む人脈を可視化し、個人の転職・企業の採用活動に活用する日本初の Facebook アプリケーションを、Windows Azure Platform 上でスピード開発

エン・ジャパン株式会社では、近年急速に日本でもユーザー数が増加している SNS 「Facebook」を活用し、個人の転職活動や、企業の採用活動をサポートする "ソーシャル リクルーティング" ツール「enTree Work (エントリーワーク)」を開発、提供しています。競合他社に先駆けて、「日本初」のサービス提供を目指した同社では、開発生産性の高さとコスト メリットの高さを評価して、「enTree Work」のサービス提供基盤に Windows Azure Platform を採用。企画からわずか 2 か月程度でのサービス提供と、"一桁違う" 運用管理コストを実現しています。

<導入の背景とねらい>
可視化しにくい "自分を取り巻く人脈の可能性" を引き出して、個人の転職・企業の採用活動を支援

エン・ジャパン株式会社
サイト企画部 部長
福田 智洋 氏

エン・ジャパン株式会社
中途採用支援事業部
サイト・サービス企画部
サイト企画グループ
マネージャー
佐原 潤 氏

Web サービスの黎明期である 1995 年に、日本で最初の求人情報サイト「『縁』エンプロイメントネット」を (株式会社日本ブレーンセンターのデジタルメディア事業部として) 運用したことに始まり、Web を活用した求人情報ビジネスで常に時代をリードしたサービスを提供し続けているエン・ジャパン株式会社 (以下、エン・ジャパン)。

同社では、近年急速にシェアを拡大している SNS (ソーシャル ネットワーキング サービス) を活用した新しいサービスの提供にもいち早く着手しています。それが、Facebook アプリケーションとして 2011 年 5 月 30 日から公開されている「enTree Work外部サイトへ移動するため、別ウィンドウで開きます」です。

enTree Work は、実名利用が前提となっている Facebook に登録された情報を基に、ログインしたユーザーの「友達」と、その「友達の友達」までをつなぐネットワークを可視化。
それぞれの「プロフィール」で「勤務先」として公開されている企業名をひもづけてグループ分けして、ユーザー自身が抱えている人脈をグラフィカルに表示し、その先のコミュニケーションへとつなげていくアプリケーションです。

エン・ジャパン サイト企画部 部長 福田智洋氏は、enTree Work が提示するこの「友達」ネットワークの可能性について、次のように説明します。

「『自分の友達の友達』と説明すると、何となく小さなネットワークを想像されるかと思いますが、実はとても大きな価値を秘めています。
Facebook の 1 ユーザーあたりの平均『友達』数は、130 人だといわれています。
その 130 人の『友達』にも、それぞれ 130 人の『友達』がいますので、理論上は 16,900 人ものネットワークが自分のすぐそばに存在していることになります。
このネットワークを上手く活用して、転職・就職活動をより良い形で支援できないかと考えたのが発端です」

enTree Work 活用の最大のメリットは、「興味を持っている企業について、転職サイトや人材紹介のエージェントが提供する情報とはまったく違う、『内部の人間による生の感想』を得たり、友人を介して現実にコネクションを築くことができる点にある」と福田氏は続けます。

「やはり、その企業の社員でなければ分からない『実感』を友人から聞くことができるのは魅力だと思います。"友人" というと、わざわざ SNS を使わなくてもいいじゃないか、と思われる方もいらっしゃると思いますが、Facebook の良い点は、何年も会っていなかった友人などに、ネットの中で何気なく "再会" できることにあります。
しかも、本人が書き込んでいるプロフィールを見て『あ、今は転職してここに勤めてるんだ!』と知って、驚くことも少なくありません。
さらに言えば、再会した友人の『友達』として登録されている中には、共通の古い友人や知人、あるいは『会ってみたい』と思える人たちが連なっていたりします。そうやってつながっていく面白さ、貴重なネットワークの持つ力を、"就職"、"転職" という人生の大事につなげていくことができれば、とても有益だと思います。
転職した後で『失敗した』と後悔しないように、それまで本人も気づいていなかった『友達の友達』をつなぐネットワークを活用してほしい。それが、enTree Work を開発・提供している動機です」

そして、実名でつながる SNS のメリットを転職・就職活動にも活かすことができるこのアプリケーションを開発・提供するに際し、福田氏が最も留意したのが、「日本初」のサービス提供を果たすためのスピードを支える "開発生産性" と、サービスを気軽にスモールスタートさせることができる "コスト メリット" でした。

この 2 つの要件を満たすサービス提供基盤を求めて比較検討した結果、エン・ジャパンが選択したのが、マイクロソフトのパブリック クラウドサービスである、Windows Azure Platform でした。

<アプリケーションの概要>
企業向け管理ツールで人材採用をより確実に

シグマコンサルティング株式会社
取締役 副社長
菅原 英治 氏

「実は enTree Work には、2 種類のバージョンが存在する」とエン・ジャパン 中途採用支援事業部 サイト・サービス企画部 サイト企画グループ マネージャー 佐原潤氏は説明します。

「enTree Work は、エンドユーザーに提供する一般向けのアプリケーションを公開した後、企業の人事部向けに提供する『企業向け管理ツール』を追加開発して提供しています。この 2 つの enTree Work が活用されることで、このアプリケーションが持つ可能性を最大限に発揮できると考えています」

一般向けに公開されている enTree Work に続いて開発された「enTree Work 企業向け管理ツール」は、「社員が持っているネットワークの中から、魅力的な人材を探し出し、"その社員を通じて" 直接的に人材獲得のためのアプローチを図るためのもの」です。

「私自身、これまで数社のお客様にうかがってデモンストレーションをしてきました。
その結果、『自社の周りにも、これだけの人材ネットワークがあったとは! 』と驚かれる方が多くいらっしゃいました。
企業側としては、より良い人材を集めるために人手を介し、これまでさまざまに苦労されてきたと思います。しかし、自社の社員から紹介を受ける形で新しい才能にアプローチできれば、人材採用にかかる労力も大分変わってくるのではないかと考えています。
エージェントを通じた自己アピールなどで判断するのではなく、信頼する仲間である社員から、相手の "人物" や "経歴" などをヒアリングして、なおかつ、その社員に『友人』として接触してもらうことができるわけですから、採用に至るまでの流れはスムーズになるでしょう」

もちろん、この「企業向け管理ツール」には、エン・ジャパンがこれまでに経験してきたノウハウを活かし、「企業から、社員の友人へはダイレクトにコンタクトできない」、「社員は、企業側に enTree Work を利用していることを知られないように任意の企業をブロックすることができる」など、社員のプライバシーを守るための機能がしっかりと盛り込まれており、安心して活用できるようになっています。

<Windows Azure Platform 採用の効果>
Facebook アプリケーション用 SDK など充実した開発環境によるスピード開発

エン・ジャパンは、enTree Work の開発を進めるに際し、本サービスの戦略、企画立案の段階から一緒にプロジェクトを進めていた日本マイクロソフトの推奨を受けて、シグマコンサルティング株式会社 (以下、シグマコンサルティング) を開発パートナーとして指名。
企画開始からサービスの提供開始までわずか 2 か月程度というスピード リリースを実現しています。
福田氏は、この開発スピードについて次のように振り返ります。

「当社で提供している Web サービスはすべてオンプレミスで開発・運用されています。
ですから、クラウド サービスを活用すること自体初めての体験だったのですが、このスピードは期待以上にインパクトがありました。
従来はサーバー ハードウェアを調達するだけで 1 か月かかるのが普通であったのが、Windows Azure Platform であれば、サービス登録などの申し込みを行ってから 30 分以内にサーバーが使えるようになりますから、スピード感はまったく異なります。おかげで、日本初のサービス提供という目標を達成することができました」

開発を担当したシグマコンサルティング 取締役 副社長 菅原英治氏は、この開発生産性の高さについて、次のように説明します。

「開発に際しては、Windows Server と SQL Server のローカル環境を用意して、本番環境である Windows Azure と SQL Azure へと移行させています。この移行に際して、コードを書き換えるなどの手間がほとんど発生しないのが、開発スピードの理由の 1 つです。
そして、もう 1 つの理由が、Microsoft Visual Studio をはじめとする開発環境の充実です。Web サービスの開発に携わってきた人たちの多くは、PHP などを利用してきたと思いますが、Visual Studio を使った開発にも、すぐに馴染むことができると思います。
実際、開発に携わった当社のスタッフ 3 人のうち 1 人は .NET に触るのが初めてだったのですが、すぐに慣れたと言っています。
コードを書いている画面から 1 ~ 2 クリックですぐにローカル環境を使ったデバック作業に移れたり、非常にスムーズに開発できるようになっています」

さらに、Windows Azure には、Facebook アプリケーション向けの SDK (Software Development Kit) が用意されていたことも大きなポイントであったと、菅原氏は言います。

PaaS ならではの運用管理負荷の低さで"一桁違う" 運用管理コストを実現

そして、Windows Azure 採用のインパクトとして、最大のものが「運用に関するコスト」にあると、福田氏と佐原氏は声を揃えます。

「開発のスピードに関しても驚いたのですが、運用コストに関するインパクトも非常に大きく、社内で波紋を呼んでいます。先ほど、佐原の話にもありましたが、当社の Web サービスはすべてオンプレミスで運用されてきました。中には数百万のユーザーを抱えるサービスもあり、サーバーの規模もかなりのものとなっています。
サービスを開始するにあたっては、かなりのユーザー数を想定する必要がありますので、今までの開発には、"数か月で数億円" かけることが当たり前のようにもなっていました。しかし、Windows Azure Platform を採用した enTree Work は、その何分の 1 の期間と、一桁違う運用コストでできあがってしまいました。
この結果を経営陣に報告したところ、現在社内で活用されている全サーバーの Windows Azure Platform への移行を検討することになりました。もちろん、その中には数百万ユーザーを抱えるシステムも含まれていますし、今後開発するサービスに関しては、クラウドにするかオンプレミスにするかを、最初に検討することが義務付けられたほどです」(福田氏)

「一桁違う運用コスト」を実現できた理由として、菅原氏は Windows Azure Platform が PaaS (Platform as a Service) であることが挙げられると言います。

「もし、今回のサービスをオンプレミスで構築・運用していた場合、運用管理のために 5 人は割り当てる必要があると感じています。
さらにもう一つの比較対象として、サーバーリソースだけをクラウドで提供してもらう Amazon Web Services や一般的なサーバー ホスティング サービス、レンタル サーバーのような IaaS (Infrastructure as a Service) を採用して、Linux などのオープンソースの OS や MySQL といったオープンソースのデータベースで構築する環境が挙げられます。
しかし、この場合インフラにかかる純粋なクラウドサービス使用コストは、Amazon Web Services でも Windows Azure とほぼ同じですが、サーバーの脆弱性についても自己責任で運用しなければならず、セキュリティに関する問題が生じてしまいます。つまり、その分だけ運用管理に手間とコストがかかってしまうのです。
実際、攻撃を受けて個人情報が漏えいする事件もありましたので、システムを預かる側としても心穏やかではありません。
その意味では、Windows Azure Platform はセキュリティ パッチの適用、データベースに関わるデータバックアップ等の運用作業も含めてマイクロソフトがサービスとして提供しているので、比較的手離れも良く、運用管理の手間とコストを削減することができるようになっています。
しかも、これらのサービスは、マイクロソフトが持つ 15 年以上のデータセンター運用ノウハウと最新技術が活かされているので、非常に信頼できます。
リーズナブルな価格で、質の高いサービスを受けられるのがクラウド サービスのメリットだと思います」

<今後の展望>
グローバルなビジネス展開に Windows Azure Platform 活用を検討

サービスの提供が開始されてからまだ日の浅い enTree Work ですが、「どんどん機能を拡張していきたい」と佐原氏は話します。

「今回、運用コストを大幅に削減することができていますので、追加機能の開発など、enTree Work をより良いものとしていくために割くことのできる予算も生まれています。機能として、まだまだ充実させる余地が残っていますので、出し惜しみはせず、サービスの拡充に努めたいと思います」

最後に福田氏は、次のように締めくくります。

「当社としては今後、日本国内だけではなく、全世界向けにサービスを提供していきたいと思っています。マイクロソフトであれば、全世界に拠点がありますし、今回採用した Windows Azure Platform もグローバルでサポートされていますので、全面的に協力いただけるのではないかと期待しています。
加えて今回新たに提供した enTree Work というサービスは当社だけで生み出したものではなく、日本マイクロソフトと共に企画を詰めていったというプロセスがあります。今後も、単なる技術的なパートナーとしてではなく、コンサルティングも含めた心強いビジネスパートナーとして、長く付き合うことができればと思っています。今後もさまざまな提案をしていただき、新しいサービスを一緒に生み出していければ理想的です」

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ソリューション概要

プロファイル

エン・ジャパン株式会社外部サイトへ移動するため、別ウィンドウで開きますは、株式会社日本ブレーンセンター デジタルメディア事業部を前身として、2000 年 1 月に設立。以来、『「人」、そして「企業」の縁を考える。』という事業理念の下、総合転職情報サイト「[en]社会人の転職情報」をはじめ、転職・就職活動を支えるさまざまな Web サービスおよび人事コンサルティングサービスを展開し、幅広い支持を集めています。

導入メリット

  • アプリケーションの企画から開発完了まで実質 2 か月程度というスピード リリースを実現
  • Facebook アプリケーション用 SDK を活用し、効率的な開発を実現
  • オンプレミスでのサービス提供に比して、一桁違う運用管理コストを実現
  • セキュリティ確保に関する労力を軽減

ユーザーコメント

「開発のスピードに関しても驚いたのですが、運用コストに関するインパクトも非常に大きく、社内で波紋を呼んでいます。従来の開発には、"数か月で数億円" かけることが当たり前のようにもなっていました。しかし、Windows Azure Platform を採用した enTree Work は、その何分の 1 の期間と、一桁違う運用コストでできあがっています。この結果を経営陣に報告したところ、現在社内で活用されている全サーバーの Windows Azure Platform への移行を検討することになりました」

エン・ジャパン株式会社
サイト企画部 部長
福田 智洋 氏

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