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富士フイルムRIファーマ株式会社

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掲載日: 2011 年 3 月 11 日

「第二創業期」を謳う富士フイルム グループの中でスピードアップを続けるビジネス / テクノロジーに適応する、柔軟なシステム基盤を Hyper-V 活用によって、多大なコストメリットとともに実現

富士フイルムRIファーマ株式会社

富士フイルムRIファーマ株式会社

創業以来「放射性医薬品」を専門としてきた富士フイルムRIファーマ株式会社は、2010 年 4 月より事業領域を拡張して造影剤の取り扱いを開始。このため卸売販売会社を介した造影剤の販売に備えて、新しく実消化システムの導入を実施。「投資に対する明確なコストメリット」を求めた同社が、新しい営業系システムを構築するため基盤として選んだのは、Windows Server 2008 R2 Hyper-V を活用した仮想サーバー環境でした。

<導入の背景とねらい>
老朽化した SFA システムのサーバー移行など、営業系のシステム投資に明確なコストメリットを

富士フイルムRIファーマ株式会社
人事・総務部
情報システムグループ
グループ長
大喜多 弘一 氏

富士フイルムRIファーマ株式会社
人事・総務部
情報システムグループ
小野 貴史 氏

富士フイルムRIファーマ株式会社 (以下、富士フイルムRIファーマ) は、1968 年の創業以来一貫して、診断用 / 治療用の放射性医薬品の研究・開発・製造・販売に取り組み、核医学診療の発展に寄与してきました。
核医学とは、RI (放射性同位元素: Radioisotope) やその化合物が、特定の臓器や細胞に集積することを利用して、さまざまな病気の診断や治療を行う医学分野です。副作用は、非常に少なく (10 万人あたり 1.3 ~ 2.7 人)、また診断に使用される RI の半減期は非常に短くエネルギーも低いため、検査により受ける放射線量は、通常の検査では、胃の X線検査を少し上回る程度です。
現在、診断の領域では、がんの転移や狭心症、心筋梗塞の診断、また脳血管障害や認知症の診断に主に用いられています。また治療の領域では、甲状腺がんやバセドウ病の治療、最近では悪性リンパ腫の治療にも用いられています。

現在、国内で放射性医薬品による診断、治療ができる施設は、約 1,200 施設です。また、この分野は、通常の製薬会社が取引する卸販売会社を通じた販売ではないため、同社が長く活用してきた MR (医薬情報担当者 : Medical Representative) を支援するための SFA システム (Sales Force Automation)は、他の製薬会社向けのテンプレートとは異なっていたといいます。

富士フイルムRIファーマでは、この SFA システムを 2003 年から活用してきました。放射性医薬品を専門とする同社のビジネスの特性もあり、今日までカスタマイズを重ねながら、確実に同社のビジネスを支えてきたといえます。しかし、サーバー ハードウェアの老朽化は避けられず、また、今後のシステム改修の必要性に備えて、2008 年半ばからサーバーの移行が検討されました。

しかし、「単純にサーバーを入れ替えるだけではメリットがない」と、富士フイルムRIファーマ 人事・総務部 情報システムグループ グループ長である大喜多弘一氏は話します。
「そもそも、 SFA システムのサーバーを移行したからといって、業務の改善や売上への貢献ができるわけではありませんし、SFA システム自体、毎年カスタマイズを重ねて運用しており、大幅な改修を求めるニーズはありませんでした。ただ単にサーバー移行を行うために、予算を獲得することは難しい。『長期的なコスト削減』など、会社にとってのメリットが明確な提案を求めていました」

そしてこの時から、「サーバーの仮想化」について検討を重ねてきたと、同 情報システムグループ 小野貴史氏は言います。
「当時は Windows Server 2008 が発売されて、Hyper-V による仮想化という話がチラホラと聞こえ始めていた頃でした。最初はまだピンと来ない部分が多かったので、各社が行っていたセミナーなどに参加してみました。すでに実績のあった VMware と Hyper-V で何が違うのか。当社にとって、どちらを採用することがメリットになるのか。そうしたことを比較検討していました」

そして、2010 年 4 月。同社に 1 つの転機が訪れます。事業領域を拡張して、放射性医薬品以外の医薬品――造影剤の取り扱いを開始したのです。それは、現在を「第二の創業期」と位置付け、急速な進化を続けている富士フイルム グループとしてのシナジー強化も意味しています。
そしてこの新ビジネスを展開するために同社では新たに卸販売会社との取引を支えるための実消化システム導入が求められ、「サーバー移行の話も一気に進むことになりました」と、大喜多氏は振り返ります。

「今までは、卸販売会社との付き合いがありませんでしたから、対応するシステムもありませんでした。そこで、速やかにサーバーを移行し、実消化のシステムを導入する必要がありました。ただし、コストメリットについて厳しく臨む姿勢は変わっていません」

こうして、プロジェクトが大きく動き出したのが、2009 年 10 月のことでした。翌 4 月からの新ビジネス開始までに「最善のコストメリット」を実現するシステムを構築するために複数の提案を検討した同社が選んだのが、日本電気株式会社 (以下、NEC) が行った、「Windows Server 2008 R2 Hyper-V によるサーバーの仮想化・集約」によって、柔軟かつ低コストなインフラを構築し、その上に同社の提供する実消化システムの導入と SFA システムの移行を実施するプランでした。

大喜多氏は言います。
「NEC さんには長くお世話になっています。仮想化技術を検討している際にも、技術的な協力をいただいていました。結果として、私たちの要件に対して VMware では、コストメリットが薄いという印象でした。
一方で SFA システム自体、Windows 2000 Server SP2 で稼働していましたし、私たちのニーズには Hyper-V が最適であると結論しました。加えて、NEC さんは、当社のシステム構築実績も多く、当社システム環境を熟知しています。12 月にプロジェクトをキックオフして、3 月中には構築を終えていなければならないという短期プロジェクトにあって、こうした信頼関係も判断材料になりました」

<構築の経緯とシステムの概要>
わずか 3 か月の短期構築をトラブルもなくスムーズに完了

日本電気株式会社
製造・プロセス営業本部
医薬営業部 主任
立元 渡 氏

こうしてシステム構築が開始された富士フイルムRIファーマの実消化システム導入 + SFA システムのサーバー移行は、大きな問題もなく、スケジュール通りに完了したと言います。

構築の第 1 段階として、従来 NEC のデータセンター内で 6 台運用していたサーバーを、Hyper-V を活用して2台に集約。仮想化されたゲスト OS 上に、新規に導入した NEC の実消化システムを構築し、2010 年 4 月 1 日の新業務開始への対応を完了しています。

次に、 SFA システムを既存環境から順次、Hyper-V 上のゲスト OS へと移行させる作業が進められました。NEC 製造・プロセス営業本部 医薬営業部 主任 立元渡氏は、この作業において 1 点だけ課題があったと説明します。
「実は、検証の際に Windows 2000 Server SP2 のままで移行すると動作しなくなる部分があったため、SFA システムのサーバーをいったん SP4 にアップグレードしてから、Hyper-V 上への移行を進めました。念のため SP2 のバックアップ イメージも作成して挑みましたが、その後の移行作業は何の問題もなく進みました」

移行に際しては Gigabit Ethernet を活用し、サーバー 1 台ごと順番に、各週末の 2 日間を利用してデータを移し替えていったと言います。

「SFA システムは、24 時間 365 日稼働しなければならないシステムではありません。そこで営業部門の方々に理解をいただき、週末にシステム停止の時間を作り、順次移行を行っていきました。ここでも特に問題は起きることなく、予定していた通り、8 月までにはサーバー移行も完了しました」(大喜多氏)

こうして 2010 年 8 月から、すべてのシステムが NEC のデータセンター内に組まれた Windows Server 2008 R2 Hyper-V の上で稼働を開始。Microsoft System Center Virtual Machine Manager をはじめとする System Center 製品群を活用し、効率的に運用管理されています。

立元氏は、今回のシステム構築を振り返って、「Hyper-V を活用することでお客様にとってのメリットを謳いやすい提案ができたことが一番良かった」と話します。
「実消化システムや SFA システムに関して、当社の持つテンプレートなどのノウハウを活かし、貢献することができたと思っています。また、当社内における Hyper-V での仮想環境構築の事例が、まだまだ少ない中、マイクロソフトと密接な連携を行いながら、スムーズにプロジェクトを進めることができたことも今後への弾みになると思います」

<導入効果>
ハードウェアにかかるコストを約 50%、運用管理費を約 20% 削減

今回のシステム構築において、第一に挙げるべきメリットが「コストの削減」であると、大喜多氏は強調します。
「本案件の決裁を仰ぐときに、私たちが強調したことは『新しい技術を使って、コストを下げる』。さらに『新しい実消化システムも最小限のコストで実現します』ということでした。事実、ファシリティにかかる費用が約半分にまで減り、運用コストも単純計算で約 20% の削減ができています」

そしてもう 1 つの大きなメリットが「将来的なニーズにも応えられる、柔軟なインフラ環境の実現」にあると、大喜多氏は続けます。
「実は、今回契約したライセンスは、Windows Server 2008 R2 Datacenter となっています。無制限で仮想インスタンスを増やしていくことができますので、今後新しく業務アプリケーションを構築するとなった場合でも、サーバーの調達について悩む必要がなくなりました。
たとえば SFA システムをいずれは Web 化して、より効率良く活用できるようにしたいと考えていますが、その時においても、Web アプリケーション サーバーを物理的に調達する必要がなくなります。これは大きなメリットです」

ハイスペックなサーバー上で稼働する Windows Server 2008 R2 に、無制限に仮想インスタンスを増やしていける利便性は、「将来の拡張を考えて、物理サーバーを調整していた頃とは、まるで違う」と小野氏も声を揃えます。

「企業の IT システムに携わる立場から、ユーザーに対し、円滑なサービスを継続的に提供することを考えると、サーバー リソースなどに、いくらかの余裕を持たせるということがどうしても必要になります。それは『今は使わないけれども、後で使うかもしれないハードウェア』であったり、『必要要件よりも性能の高い、高額なサーバー』を調達することにつながっていました。
しかし、今回は『仮想 OS を増やしたい時に、いくらでも増やせます』という、従来にない柔軟な環境を実現できました。会社として IT への投資が抑制されている中で、これだけの環境を得ることができたのも Hyper-V あってこそなのだと、今は素直にそう感じています」

<今後の展望>
クラウドなど進化を続けるテクノロジーに即応

富士フイルムRIファーマ株式会社 受付

富士フイルムRIファーマ株式会社 受付

大喜多氏は、今後の同社におけるシステム活用について、次のように話します。
「昨年 4 月から着手している造影剤の販売についても、今後徐々に成長していくであろうと思っています。そのためにも MR の方々は、今まで以上に忙しく活動されるのでしょう。
私たちの役割は、それをシステム面からサポートすることです。営業系のシステムを『今後どうしていくべきか』と、この数年考えていたことの一部が、Windows Server 2008 R2 Hyper-V などの最新技術の登場とタイミング良くかみ合い、コストメリットの高い形で実現できました。
しかし、これで終わりではありません。カスタマイズを重ねてきたとはいえ、SFA システムは古いシステムです。現在のシステムに求められる要件をすべて十分に満たしていくには、機能の追加やバージョンアップが欠かせなくなっていくでしょう。あるいはまったく新しく構築することになるかもしれません。そうしたときに、今回構築したインフラが改めて役に立つと思います」

富士フイルムRIファーマは今、核医学画像の信頼性と効率性を大きく向上させるとともに、「予防~診断~治療」をトータルでカバーする富士フイルム グループの一員として、かつてないスピードで変化していこうとしていると言います。

「実は、放射性医薬品専門に取り組んでいる企業は、当社のほかに、国内にはもう 1 社しかありません。しかし、富士フイルム グループが主軸を置く化学分野は、非常に競争が激しい市場です。『第二創業期』として、グループ全体が『変化し、新しいものを生み成長し続ける会社』を目指して活動する中、当社のビジネスもスピードアップしているのを実感しています。
そして、クラウド サービスをはじめとして、IT も年々進化しています。Hyper-V 導入によって、このスピードの波に乗ることができたことが、一番の収穫なのでしょう。
今後も、新しい技術に関する情報を積極的に収集して、早期に対応し、より多くのメリットを得ていきたいと思っています」

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ソリューション概要

プロファイル

富士フイルムRIファーマ株式会社外部サイトへ移動するため、別ウィンドウで開きますは、核医学画像の信頼性と効率性を大きく向上させるとともに、「予防~診断~治療」をトータルでカバーする富士フイルム グループの一員として、新薬の研究開発、製造、物流、販売など一貫したビジネス システムを構築するトータル ソリューションを実現し、核医学のリーディング カンパニーを目指して、新たな価値を創造に取り組んでいます。

導入メリット

  • Windows Server の標準機能を使い、短期間で既存システムを仮想環境へ移行
  • Hyper-V 活用によってシステムのランニング コストを約 20% 削減
  • Windows Server 2008 R2 Datacenter によって、仮想インスタンスを無制限に増やすことのできる柔軟性のあるインフラを実現
  • クラウド サービスの活用など、今後、最新の技術を積極的に活用することもできるインフラ環境を実現

ユーザーコメント

「営業系のシステムを『今後どうしていくべきか』と、この数年考えていたことの一部が、Hyper-V などの最新技術の登場とタイミング良くかみ合い、コストメリットの高い形で実現できました。さらに Windows Server 2008 R2 Datacenter を選択することで、仮想インスタンスを無制限に増やしていける、非常に柔軟性の高いインフラを実現できました。今後新しく業務アプリケーションを構築するとなった場合でも、サーバーの調達について悩む必要がなくなったことは大きなメリットです」

富士フイルムRIファーマ株式会社
人事・総務部 情報システムグループ グループ長 大喜多 弘一 氏

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