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株式会社インターネットイニシアティブ

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掲載日: 2011 年 7 月 8 日

マイクロソフトの仮想化ソリューションで、
クラウド サービス プロバイダーにおけるサービス稼働準備期間とコストを劇的に削減

「通常、顧客満足度の大幅な向上は大規模な投資によってもたらされますが、当社では、Hyper-V による仮想を利用することで、コストを削減すると同時に顧客満足度を向上させることができました」
株式会社インターネットイニシアティブ
サービス本部 プラットフォームサービス部 サーバサービス課 課長
木村 真理 氏

株式会社インターネットイニシアティブ (IIJ) は、国内でも定評あるクラウド コンピューティング サービスのプロバイダーとして優れた実績のある企業です。しかし、昨今の景気の悪化と市場の急速な発展により、同社は、従来よりも強力かつ柔軟でありつつ、より効果的で費用対効果が高く、さらにコスト削減も実現するクラウド コンピューティング プラットフォームが求められるようになりました。そこで、同社は、マイクロソフトの仮想化ソリューションを導入し、IIJ GIO コンポーネント サービスという新たなクラウド コンピューティング サービスの稼働を開始し、管理コストの削減にも成功しました。さらに、自動化と集中管理を進め、サービス開発のための期間とコストを半分にすることができました。

<導入の背景>

IIJ は、日本でインターネットの商用利用が開始されるとほぼ同じ頃、Web サービスやプロバイダー サービスを行う企業として設立されました。同社は、顧客のニーズを満たすため、常に最新の Web テクノロジを導入するなどの対応することにより、継続的な発展を遂げています。1995 年には、他社に先駆けて Web ホスティング サービスの提供を開始しました。そして、3 年後にはデータ センターを構築し、その 2 年後には企業向けプライベート クラウド サービスの先駆けでもある、リソース オンデマンド サービスを実現しました。
その後、クラウド コンピューティング テクノロジが成熟するにつれて、さらに多くの顧客企業が同社のサービスを利用するようになりました。同社では、顧客の増加に対応し、システム統合、セキュリティの向上、日本最大のインターネット バックボーン ネットワークといった、自社の他のサービスとの相乗効果を最大限に利用して、クラウド ホスティング ビジネスを拡大してきました。

順調に発展を続ける同社でしたが、2009 年にクラウド コンピューティングの利用状況の評価を行った結果、自社のサービスをさらに進化させる時期に来ていると考えました。
以前はクラウド ホスティングは主に大企業を対象とするものでしたが、今では大企業だけでなく、独立系ソフトウェア ベンダー (ISV) やソリューション プロバイダーも巻き込んで、たいへん大きな市場になってきています。

「私たちは、市場における顧客の多様化に対応するため、より多くのサービスを提供できる仮想クラウド環境を構築しなければなりませんでした」
株式会社インターネットイニシアティブ
サービス本部プラットフォームサービス部サーバサービス課 課長
木村 真理 氏

こうした潜在顧客は、大企業顧客と同じレベルのパフォーマンスとセキュリティを期待しているだけでなく、さらに優れた柔軟性と低価格でのサービス提供を望んでいます。同時に、大企業顧客でさえも、国際的な不況の波を受けて、かつてないほどコストに敏感になってきました。顧客自らのクラウド環境をより自由に管理できる専用のプライベート クラウド プラットフォームなど、代替のクラウド システムを求め、なおかつ、それらが従来のパブリック クラウド サービスと同じように比較的手ごろな料金で提供されることが期待されてきたのです。

その結果、同社を含めたクラウド コンピューティング プロバイダーは、料金を上げずに (あるいは従来よりも低い料金で) より高いレベルのサービスを提供することが求められるという、かつてないプレッシャーにさらされることになりました。こうした市場環境に対応するために、新しい施策を実施する必要がありました。

同社は国内に 15 のデータ センターを保有しています。従来、これらのデータ センターでは、仮想環境は Xen オープン ソース ハイパーバイザー上で提供され、さまざまなサード パーティ製ツールやカスタム ツールを使用して一定の柔軟性、管理性、および費用効率性を実現していました。しかし、上述の市場環境の変化から、これまで以上に柔軟性が高く、管理性がよく、費用対効果の高いシステムが求められることになりました。
株式会社インターネットイニシアティブ サービス本部 プラットフォームサービス部 サーバサービス課 課長 木村 真理 氏は次のように語ります。

「私たちは、市場における顧客の多様化に対応するため、より多くのサービスを提供できる仮想クラウド環境を構築しなければなりませんでした。しかし、当時使用していた仮想プラットフォームではそのようなことは不可能だったため、他のものに目を向ける必要があったのです」。

さらに、新しいシステムへの移行は、可能な限り速やかに実現する必要がありました。競争が激しい業界にあって、サービス開発の期間を短縮することが不可欠だったからです。

<ソリューション>

もちろん、同社は、仮想クラウド コンピューティングについて既に多くの経験を持ち、自社の新しいクラウド コンピューティング サービスの基準を定める際にそれらのノウハウを活用しましたが、さらに、高いレベルの自動化、標準化、および集中管理を実現しなければ、費用対効果と多様化する市場に対応するさまざまなサービスを提供することができません。
そこで、同社では、ライブ マイグレーション機能で仮想マシンを物理ホスト全体にわたって移動でき、高い可用性を実現するフェールオーバー クラスタリングも可能な Windows Server 2008 R2 Datacenter Edition と Hyper-V の組み合わせを自社の仮想化プラットフォームとして導入することを決定しました。

また、Hyper-V による仮想化ソリューションは、低コストだということも見逃せないポイントでした。Windows Server と Hyper-V の組み合わせなら、1 つのライセンスだけで仮想化ソリューションを実現することができます。それに対して、検討した競合製品は OS と仮想化アプリケーションの両方に対して個別のライセンスが必要でした。さらに、Windows Server 2008 R2 Datacenter Edition は仮想環境の構築数は無制限なので、必要な数だけ仮想マシンを実行できます。その結果、必要なライセンスと物理ホストの数が減り、さらなるコスト削減につながりました。

もう 1 つの懸案事項であった自動化、標準化、集中処理については、Microsoft System Center のデータ センターソリューションや Dynamic Data Center Toolkit for Hosters を導入しました。
これによって、Microsoft System Center Virtual Machine Manager 2008 R2、Microsoft System Center Operations Manager 2007 R2、Microsoft System Center Configuration Manager 2007 R2 などの System Center 製品を利用して、仮想マシンの準備作業と仮想環境の解除、物理ホスト全体にわたるライブ マイグレーションの実装、物理環境から仮想環境への移行、仮想マシンとそれらに対応する物理ホストのパフォーマンスおよび正常性の監視、セキュリティ更新プログラムとソフトウェア アップグレードの配布と展開といった、広範に及ぶ管理機能を効率化しました。

また、System Center Virtual Machine Manager でテンプレートを使用して一貫した仮想マシン イメージを作成し標準化の取り組みを推進しました。

さらに、Dynamic Data Center Toolkit for Hosters を導入したことで、オンデマンド仮想サーバー、フェールオーバー クラスタリング、およびネットワーク サービスを容易に実現できるようになりました。また、Dynamic Data Center Toolkit for Hosters は、セルフ サービス ポータルの作成にも役立っています。同社の顧客は、セルフ サービス ポータルを使用して、自らのプライベート クラウド環境を準備、管理、および監視することができます。同社のエンジニアと顧客の両方のために、高度な集中管理を実現しました。
こうしたマイクロソフトの製品とテクノロジを利用して、同社は、新しいプライベート クラウド コンピューティング サービスを短期間に構築することができました。

IIJ GIO は 2009 年 12 月に提供が開始され、現在では、300 を超える企業で使用されています。IIJ GIO は、それぞれの顧客層を対象として、以下の 3 つのレベルのサービスを提供しています。

- IaaS (Infrastructure as a Service) は、システム インテグレーションを実施することなく、低レベルのリソースを提供するものであり、そのようなリソースを必要とする ISV およびソリューション プロバイダーを対象としています。
- PaaS (Platform as a Service) は、上記のサービスの他に、クラウド環境でのより高いレベルのサービスとサポートを必要とする大企業顧客および ISV を対象として、基本的な電子メール、業務生産性、ネットワーキング、セキュリティを含めた、管理および統合のためのホスティング サービスを提供します。
- SaaS (Software as a Service) は、通信サービスやコラボレーション サービス、顧客管理サービス、エンタープライズ レベルの電子メールを含め、クラウド環境でホスティングされるエンタープライズ アプリケーションを提供します。

同社では、P2V (Physical to Virtual) サービスで、オンプレミスの Windows 2000 Server 環境を IIJ GIO コンポーネント サービスに移行し、そのクラウド内の Microsoft Forefront Threat Management Gateway 2010 によって保護されている環境で引き続き Windows 2000 Server を使用するというオプションを提供しています。間もなく、この移行サービスを拡大して、Windows Server 2003 と Windows Server 2008 にも対応する予定です。

2011 年 4 月、IIJ は、コンテナ型データ センターの運用を開始しました。24 のコンテナを含むこの設備によって、競争力が強化され、費用効率性が改善されるだけでなく、エネルギー効率が大幅に向上するものと見込んでいます。

2011 年 4 月には上述の導入効果の結果が認められ、アジア地域ではじめて「Microsoft Hyper-V Cloud Service Provider of the Year Award」を受賞しました。もちろん日本では初の快挙です。

<導入メリット>

マイクロソフトの仮想化ソリューションの導入で、同社は以前よりも強力かつ柔軟なクラウド コンピューティング サービスを提供することができるようになりました。その結果、特に新規の顧客層で、競争力が強化され、多くの顧客を獲得しています。また、コストが低下すると同時に、システム管理の品質が改善されています。

「IIJ の企業理念は、サービスの差別化と競争力の強化に注力することです。私たちは、それら 2 つの目標を達成するために Microsoft Virtualization を利用しており、市場の反応は極めて良好です」
株式会社インターネットイニシアティブ
サービス本部 プラットフォームサービス部 サーバサービス課 課長
木村 真理 氏

より強力かつ柔軟できめ細かなクラウド サービスへの対応

2011 年 3 月、日本はかつてない規模の地震と津波に見舞われ、それらに伴う損害や停電が発生しました。停電の影響は、東京を含む関東地域で深刻でした。その結果、多数の企業が自社の物理サーバーやデータ センターにアクセスできなくなりました。
しかし、同社では、この危機への対応として、IIJ のネットワーク サービスと P2V 移行機能を利用して、それらの企業内のサーバーやデータ センターを IIJ の安全なリモート データ センターに移行することを提案しました。この提案は災害からの復旧に向けて影響を受けた企業が業務を継続するため、また、関東地域における電力不足を緩和するためにも役立ちました。

IIJ GIO コンポーネント サービスは、約 1,000 の構成の中から、自らのニーズに合った任意の構成を利用することができる柔軟性の高いサービスです。木村 氏は次のように語ります。

「IIJ の企業理念は、サービスの差別化と競争力の強化に注力することです。私たちは、それら 2 つの目標を達成するために マイクロソフトの仮想化ソリューションを利用しており、市場の反応は極めて良好です」。

IIJ は、クラウド コンピューティング市場に参入しようとしている ISV やソリューション プロバイダーを対象としたパートナー プログラムを提供しています。IIJ GIO の運用開始から 1 年経ち、同社は、その努力が実を結んでいると受け止めています。今や、IIJ がプランニング、開発、および販売などの支援を実施しているソリューション パートナー企業は 100 社を超えています。

管理コストの削減および稼働準備期間の大幅短縮

同社で以前に利用していた仮想化プラットフォームでは、サード パーティ製ツールのためのカスタム管理ツールを作成する必要がありました。しかし、System Center データ センター ソリューションで Hyper-V 仮想化プラットフォームを管理することで、こうしたカスタム ツールの開発にかかる時間とコストが不要になりました。 さらに、System Center 製品を利用して自動化を実現することにより、時間とコストも削減されました。
たとえば、同社は、System Center Virtual Machine Manager を利用して、プライベート クラウド顧客に関し、その稼働準備期間を 2 週間から 1 日へと短縮しました。このため、技術スタッフの生産性が大幅に改善され、同社では、急成長するビジネスに対し、比例的に人員を増加させることなく対応することが可能となっています。

「クラウド コンピューティングと同じように競争が激しく、流動的な業界において、サービスを速やかに市場に投入することは、競争上の優位性を確保する上で非常に重要です」
株式会社インターネットイニシアティブ
サービス本部プラットフォームサービス部サーバサービス課 課長
木村 真理 氏

また、System Center 製品を利用することによって仮想マシンと物理マシンについて集中型の監視および管理を実現し、Windows PowerShell によるサーバー オペレーションの自動化によって、必要な技術者とツールの数の削減に成功しています。同社では、System Center を利用して、ソフトウェア アップデートの配布も集中管理しています。その結果、効率性とシステムの信頼性が改善され、ひいては、事後対応型のメンテナンスの必要性とコストを減らすことができました。

「通常、顧客満足度の大幅な向上は大規模な投資によってもたらされますが、当社では、マイクロソフトの仮想化ソリューションを利用することで、まさにコストを削減すると同時に顧客満足度を向上させることができました」(木村 氏)。

「Hyper-V を利用することで、スケジュールを遅らせる必要がなくなり、競争力を強化すると共に、純利益を増加させることができました」
株式会社インターネットイニシアティブ
サービス本部 プラットフォームサービス部 サーバサービス課 課長
木村 真理 氏

サービス開発期間の 30 ~ 50% 短縮、および競争力と収益の拡大

また、開発コストの削減にもマイクロソフトの仮想化ソリューションは貢献しています。開発コストは 30 ~ 50% 削減されており、サービス開発期間も同様に短縮され、IIJ GIO コンポーネント サービスを短期間に開始することができました。

「競争が激しく、流動的な業界において、サービスを速やかに市場に投入することは、競争上の優位性を確保する上で非常に重要です。それだけでなく、日々の遅れは 1 日単位での収益損失につながります。マイクロソフトの仮想化ソリューションを導入することで、スケジュールを遅らせる必要がなくなり、競争力を強化すると共に、純利益を増加させることができました」(木村 氏)。

■ マイクロソフトの仮想化ソリューション ■

マイクロソフトの仮想化ソリューションは、IT インフラストラクチャの管理ライフ サイクルのほぼすべての側面に大きな影響を与える可能性があるエンド ツー エンドの戦略です。組織全体にわたって、より優れた効率性、柔軟性、および費用効率性を実現することができます。アプリケーションの展開の促進から、システム、アプリケーション、およびデータの常時可用性の確保、テストおよび開発のためのサーバーやデスクトップの再構築とシャットダウンに伴う煩雑さの解消、リスクの緩和、コストの削減、環境全体のアジリティの改善まで、仮想化は、データ センターからデスクトップに及ぶインフラストラクチャを変容させる力を持っています。

マイクロソフトの仮想化 ソリューションの詳細については、次の Web サイトをご覧ください。
http://www.microsoft.com/japan/virtualization/default.mspx

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英語の原文

この導入事例は、米国本社の "Case Studies" を翻訳したものです。
英語の原文は、こちらからご覧いただけます。

事例概要

国/地域

日本

業種

ハイテク

企業規模

従業員 連結 1,944 名 (2011 年 3 月末現在)

プロファイル

株式会社インターネットイニシアティブ (IIJ)leave-ms
は、主に大手企業を対象として、システム インテグレーション、セキュリティ、インターネット アクセスとホスティングなどの総合的なネットワーク ソリューションを提供しています。

背景

IIJ は、多様なニーズを持つ新規顧客に対応するため、自社のクラウド サービスを強化しました。同社は、従来よりもコストのかからない、より強力で柔軟なサービスを提供する必要がありました。

ソリューション

IIJ は、Windows Server 2008 R2 と Hyper-V の組み合わせや Microsoft System Center データ センター ソリューションなどの マイクロソフトのテクノロジを導入しました。

導入メリット

  • より強力かつ柔軟できめ細かなクラウド サービスへの対応
  • 管理コストの削減
  • プライベート クラウド稼働準備期間を 2 週間から 1 日へと短縮
  • サービス開発の期間とコストの 30 ~ 50% 削減
  • 競争力の強化と収益の拡大
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本ケーススタディに記載された情報は初掲載時のものであり、閲覧される時点では変更されている可能性があることをご了承ください。
本ケーススタディは情報提供のみを目的としています。Microsoft は、明示的または暗示的を問わず、本書にいかなる保証も与えるものではありません。

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