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株式会社トミー ヒルフィガー ジャパン

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掲載日: 2013 年 6 月 4 日

世界有数のファッション ブランドの世界観を凝縮し、日本でのさらなる成長を目指す戦略を加速するために、マイクロソフトのテクノロジーをフルに活用した VDI 環境を活用。今後の成長戦略に利する柔軟な IT 戦略の実践へ

トミー ヒルフィガー 表参道店

トミー ヒルフィガー 表参道店

株式会社トミー ヒルフィガー ジャパンでは、「CLASSIC AMERICAN COOL」として長く愛されている世界有数のファッション ブランドとしてグローバルとのシナジーを最大限に活用。日本におけるマーケティング活動をさらに強化しています。そして、2012 年 4 月、東京・原宿の神宮前交差点に新たな旗艦店をオープンするのに合わせて、店舗スタッフへのスムーズな情報発信や店舗オペレーションの効率化によって、ブランド戦略を加速させるソリューションを導入。詳細な比較検討を経て、Windows Embedded Standard 7 搭載のモバイル端末をフロントとして、マイクロソフトのテクノロジーをフルに活用した VDI 環境を、ビジネス展開の迅速化をしています。

<導入の背景とねらい>
店頭業務の効率化を助け、お客様により良いブランド体験を提供

アメリカ、ヨーロッパを中心に、「CLASSIC AMERICAN COOL」という確固たるブランド イメージを築き上げているトミー ヒルフィガー。グローバルに展開されるグループの中にあって、日本独自のマーケティング活動を行ってきた株式会社トミー ヒルフィガー ジャパン (以下、トミー ヒルフィガー ジャパン) でも今、グローバルとの連携を強固にしたブランド戦略が推進されています。これと並行し、業務を支える基幹システムをグローバルと統合連携させていくプロジェクトも進行しています。

株式会社
トミー ヒルフィガー ジャパン
取締役
チーフ フィナンシャル オフィサー
尾郷 高志 氏

株式会社
トミー ヒルフィガー ジャパン
シニアコーディネーター
ビジネスプランニング&アナリシス&IT
IT
黒田 尊志 氏

この大きな変化の中、トミー ヒルフィガー ジャパンでは 2012 年 4 月、東京・原宿の神宮前交差点に、旗艦店となるトミー ヒルフィガー表参道店をオープン。日本で初めてとなるセミオーダーのテーラード ライン (メンズ) の提供を行うなど、お客様のブランド体験をより深いものとするための取り組みが形になって表れています。

トミー ヒルフィガー ジャパン 取締役 チーフ フィナンシャル オフィサー 尾郷 高志 氏は、次のように説明します。
「表参道店でセミオーダーのテーラーを始めた理由の 1 つに、ニューヨークやパリなど、グローバルの旗艦店ではしっかりとテーラードラインを提供しているということがあります。日本でも、それに倣って、しっかりとトミー ヒルフィガーの世界観を伝えていく重要性を意識していました。そしてもう 1 つが、サイズの問題です。グローバルのテーラード ラインで提供されている製品は、日本人には少し大きい。そこでセミオーダーで、日本独自のテーラード ラインを始めたのです」。

店舗のデザインから商品展開、そして広告キャンペーンなど、グローバルとのシナジーを活かしてブランド戦略を強化しているトミー ヒルフィガー ジャパンでは、その施策を徹底させるために、IT の力を活用。並行して進行中の基幹システム刷新プロジェクトに連なる取り組みの一環として、店舗スタッフに向けてブランドの世界観を伝えるコンテンツをタイムリーに配信するためのシステムを、表参道店のオープンに合わせて導入しています。

それが、Windows Embedded Standard 7 (以下、WES7) を搭載したモバイル端末をシンクライアントとしてフロントエンドに使用した VDI (Virtual Desktop Infrastructure) 環境です。
この環境構築は、今後のトミー ヒルフィガー ジャパンの出店計画および、IT 戦略に関わる大きな変化であると尾郷 氏は言います。
「この VDI 環境の構築において、モバイル シンクライアントは従来の店舗業務に活用していたノート PC と完全に置き換わる存在となっています。店舗スタッフはこの端末で店頭業務を行いながら、リアルタイムに『最新の掲載誌情報』や『ファッションショーの映像』などを確認し、お客様とのコミュニケーションに役立てることができます。しかし、導入の目的はそんなシンプルなことだけではありません。もっとも大切なことは、IT のゼネラル コントロールを実現することでした。"セキュリティの徹底"、"将来的な法令の変更に対応できる柔軟性"、"今後の出店計画にかかる負担を軽くすることのできる運用" など、さまざまな課題にフィットするソリューションを求めていたのです」。

<導入の経緯とシステム概要>
店舗業務をフルにカバーできる唯一のモバイル シンクライアントとして Windows Embedded 搭載端末を採用

トミー ヒルフィガー ジャパンが構築した VDI 環境では、店舗用クライアントとして WES7 を搭載したモバイル シンクライアントを活用していますが、その理由について、同社 シニアコーディネーター ビジネスプランニング&アナリシス&IT IT 黒田 尊志 氏は「店舗業務に必要な機能をすべて備えたモバイル端末が、ほかにはなかったから」だと説明します。
「まず iPad について言いますと、USB 端子もないため、検品や棚卸に必要なバーコード スキャナーやハンディー ターミナルといった周辺機器を活用することができませんでした。さらに言えば、店舗業務を不自由なくこなすためには、キーボードとマウスも必要です。こうした理由から、私たちの求める要件には当てはまりませんでした。そこで Android 端末を詳細に検討してみたのですが、私たちの構築した VDI 環境での動画再生が、Android 端末ではうまくいかなかったのです。 また、USB 端子こそ備えているものの、周辺機器の対応、非対応の差が激しく、安心できませんでした。Android 専用アプリを開発することも選択肢にありましたが、余計なコストがかかってしまいます。それに当時はまだ Android が頻繁にパージョンアップを繰り返していた時期であり、とてもではありませんが開発が追いつかないと判断しました」。

長年の IT パートナーである伊藤忠テクノソリューションズ株式会社 (以下、伊藤忠テクノソリューションズ) と共に、こうした検討作業を行った結果たどり着いたのが、Windows Embedded であったと黒田 氏は続けます。
「コストを抑えた導入を実現するためには、できる限り汎用的な製品を活用し、カスタマイズの手間を省く必要があります。そもそも USB 接続で活用するデバイスの多くは Windows ベースで開発されています。今までノート PC で行っていた業務のすべてをモバイル シンクライアントで可能にすることが今回のプロジェクトにおいて必要最低限の条件でしたが、この要求を満たせるものが、Windows ベースでしか存在しなかったということです。さらに、Windows Media Player なども揃っており、動画などのリッチ コンテンツ対応にも不安はありませんでした」。

トミー ヒルフィガー ジャパンでは、VDI 環境の構築に際し、Windows Server 2008 R2 の標準オプションとして用意されている仮想化のためのハイパーバイザー、Hyper-V を活用。その上に Windows 7 を仮想デスクトップとして構築し、 WES7 搭載モバイル シンクライアントからアクセスしています。
この仮想デスクトップ環境で利用する業務用のポータル サイトは Microsoft SharePoint Server を使って構築されていますが、この SharePoint Server もまた、Hyper-V 上に仮想マシンとしてたてられています。さらに既存の販売・在庫管理システムや顧客管理システムとも連携しており、お客様からの「在庫」や「新商品」に関するお問い合わせや、「雑誌に載っていた服がどれか分からない」といった質問など、すべては店内に携帯可能なモバイル端末 1 台で確認できるように集約されています。

システムの運用管理は Microsoft System Center Virtual Machine Manager 2008 によって仮想環境を一元的に管理することで効率化。システムやアプリケーションの変更があった際も、サーバー側を操作するだけで、タブレットを活用する全店舗への展開が完了するようになっています。

WES7 搭載モバイル シンクライアントは現在、旗艦店である表参道店のほか、全国約 170 店舗に 1 台ずつ配布され、利用されています。
ポータル閲覧など、VDI クライアントとしてのアクセス権は店舗ごとに設定され、Active Directory で一元的に管理。モバイル シンクライアントにアクセスすれば、ポータル サイトなど必要なシステムにシングル サインオンし、全スタッフが閲覧できるようになっています。ただし、決済などの業務に必要なアプリケーションへのアクセス権は店長などに限定するなど、詳細な権限設定が行われている上に、グループで活用している VPN 経由でのみアクセスが可能になるように制限することで、店舗内を気軽に携帯してもセキュリティが保たれる、安心の端末活用を実現しています。

<導入効果>
運用保守費用を約 3 分の 1 削減するなど、ねらい通りの効果を実現

トミー ヒルフィガー ジャパンにおける、このシンクライアント環境導入の効果として、大別すると次の 3 点が挙げられると言います。

■主な効果
1. 店舗オペレーションの効率改善およびセキュリティの向上
2. 運用・保守費用を 約 3 分の 1 に削減
3. グローバルとの統合や、法令改正などへの柔軟な対応

黒田 氏は次のように話します。
「従来は、バックオフィスにノート PC を固定して利用していました。そのため、お客様の問い合わせに応じて在庫確認など行う際には、店頭からスタッフの姿が消えてしまうことにもなり、トラブルの元となっていました。さらに、近年個人情報に関する意識が高まっていることから、ノート PC のハードディスク上にお客様の情報が残るのは好ましくありませんでした。百貨店からも、個人情報の取り扱いについて厳しく指摘されていたケースもあります。この 2 つの課題が、シンクライアント化したモバイル端末を店内で活用することで、まとめて解決されました」。

セキュリティに関しては、詳細なアクセス権限設定のほかに、もう 1 つ留意した点があると黒田 氏は続けます。それがモバイルの「専用端末化」でした。
「実は、Windows 7 ではなく、Windows Embedded を選択した背景として "端末の機能を制限する" というねらいがありました。たとえ端末が盗まれたとしても、店から一歩外に出たら一切使い道がなくなるようにしたかったのです。店舗内を自由に携帯することで、盗難に遭う可能性も高まります。モバイル端末としてフル機能が揃っていると、窃盗者にとって魅力的に映ってしまいますからね」。

モバイル シンクライアント活用イメージ

モバイル シンクライアント活用イメージ

次に運用・保守費用の削減ですが、VDI によるセンター コントロールが実現したことによって、全国 170 店舗で活用するデスクトップ環境を、個別にメンテナンスする必要がなくなったことに加え、ハードディスク搭載のノート PC から SSD (Solid State Drive) 搭載のモバイル シンクライアントに変わったことで、ハードウェアの故障率が激減したことが効果を生んでいると言います。
「全国 170 店舗の環境を、私たちの部署ですべて管理するのも無理がありますので、外部のパートナーと保守契約を結んでいます。しかし、モバイル シンクライアントをフロントとした VDI に変えたことで、管理していただくべき項目が大幅に減り、さらにハードウェアの故障率まで下がりましたので、3 分の 1 にまで契約費用を削減することができました。それに、全国に展開する際も、ほとんど『端末を配布して終わり』という状態でしたね。従来のように現地に赴いて PC のセッティングなど行っていると、たとえば百貨店の入館申請に必要な確認・連絡など、数値化されない手間がかかります。VDI 環境を構築したことで、こうした数々の非効率をカットすることができたのです」。

そして、この運用効率の高さが、そのまま長期的な IT 戦略にも好影響を与えると黒田 氏は笑顔で語ります。
「これから、顧客管理システムなどをグローバルで統一していくプロジェクトが進行しますが、従来の環境に比べれば気が楽です。たとえば今後、法令改正や新しいサービスの展開などに合わせて、業務アプリケーションの追加や変更があっても、一晩で全店舗に反映できます。しかも、店舗に人がいてもいなくても関係ありませんので、店舗スタッフに迷惑をかけることなく、夜間に私たちだけで完了させることができます。今までは各店舗の都合も聞いた上で、1 ~ 2 週間かけて 170 店舗を回っていましたが、今後はその手間もなくなります。昔は 3 ~ 4 年使用していた PC も今では 1 ~ 2 年で古くなってしまいますので、デプロイがここまで容易になったことは、本当にありがたいです」。

<今後の展望>
今後の出店計画もコストを抑えて、迅速化

尾郷 氏は最後に、次のように話します。
「グローバルとの連携や SOX 法など変わりゆく法令への対応など、IT インフラに柔軟性を期待する場面は、今後ますます増えていくでしょう。さらに、今後の成長戦略、および出店計画を実行していくにあたり、いかに効率よく、コストを抑えた形で IT システムを展開、運用していくことができるかということが重要でした。これは、多店舗展開しているすべての流通小売業に共通する話でしょう。また、私たち自身、東日本大震災を経て BCP (Business Continuity Plan) の重要性を強く実感しています。こうしたさまざまな面に対して、今回の VDI 環境の構築は大きな意味を持っています。Windows プラットフォームを大々的に活用し、ねらい通りの効果をもたらすソリューションを実現でき、満足しています。そしてマイクロソフトには、今後も汎用性のある、より優れた製品とサービスを提供していただきたいと、期待しています」。

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ソリューション概要

プロファイル

株式会社トミー ヒルフィガー ジャパン外部サイトへ移動するため、別ウィンドウで開きますは、「CLASSIC AMERICAN COOL」を掲げるアメリカ生まれのグローバル ライフスタイル ブランドとして、世界中の全ての若者と若い気持ちを抱き続ける人々に愛され続けるブランドであるべく、今も進化を続けているトミー ヒルフィガーの日本法人です。2012 年 4 月に、原宿の神宮前交差点にグローバル フラッグシップ ショップと、同年 4 月に心斎橋には西日本最大のアンカー ショップをオープンしました。

導入メリット

  • シンクライアント化したタブレット端末で検品や棚卸などを含む店舗業務をフルにカバー
  • 在庫管理や顧客管理、そして最新のブランド情報までシームレスにアクセス
  • 全国約 170 店舗の環境を、サーバー側で一元管理
  • 運用保守費用を約 3 分の 1 に削減

ユーザーコメント

「グローバルとのシステム連携や、将来的な環境の変化への対応、BCP の実現など、さまざまな面で IT に柔軟性が求められている中、今回の VDI 環境構築では、運用管理の効率化からコストの削減など、あらゆる面でねらい通りの成果を上げることができました」。

株式会社トミー ヒルフィガー ジャパン
取締役
チーフ フィナンシャル オフィサー
尾郷 高志 氏

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