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関東学院大学

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掲載日: 2011 年 6 月 29 日

全学の事務システムを Microsoft Windows 7 Enterprise と MDOP を組み合わせた環境へと移行、
アプリケーションを変更することなくクライアント OS の統一を実現

関東学院大学

関東学院大学

「人になれ 奉仕せよ」を校訓に掲げ、キリスト教精神に基づく人材育成を行っている関東学院大学。ここでは学内の事務システムが、Windows 7 Enterprise と Microsoft Desktop Optimization Pack (MDOP) を組み合わせた環境へと移行されています。特定バージョンの OS に依存するアプリケーション環境を Microsoft Enterprise Desktop Virtualization (MED-V)、旧バージョンの Microsoft Office を Microsoft Application Virtualization (App-V) で仮想化して提供。既存アプリケーションの改修を行うことなく、クライアント OS の統一を実現しているのです。これによってシステム全体の運用管理負担は大幅に軽減し、ユーザーの利便性も向上。今後は事務職員向け以外のクライアント OS も、Windows 7 Enterprise に統一していく予定です。

<導入背景とねらい>
複数のクライアント OS の存在が運用負担を増大
OS 依存のアプリがクライアント統一の障壁に

関東学院大学
情報科学センター運用課
課長
齋藤 邦男 氏

関東学院大学
情報科学センター運用課
課長補佐
小糸 達夫 氏

長年にわたって PC を使い続けている組織では、クライアント OS の多様化による運用負担の増大という問題がしばしば見受けられます。長期にわたりアプリケーションの導入を進めていくことで、アプリケーションごとに必要とされる OS が変化し、複数の OS を残す必要が生じてしまうのです。クライアント OS を統一するには、アプリケーションの改修や動作確認が必要になりますが、これには時間やコストがかかるうえ、新たなリスク要因をもたらす危険性もあります。そのためクライアント OS の統一を諦めてしまうケースも、決して少なくありません。

このような問題を、Windows 7 Enterprise と MDOP の仮想化技術で解決しているのが、関東学院大学です。同大学は神奈川県 金沢八景キャンパスを中心とした 3 か所のキャンパスに、5 学部 5 研究科を持つ総合大学。事務拠点も複数のキャンパスに分散しており、以前は Microsoft Windows NT と Microsoft Windows 2000、Microsoft Windows XP という 3 バージョンのクライアント OS が、業務の種類ごとに使い分けられていたのです。

「使用している事務アプリケーションは特定バージョンの OS に依存するパッケージ製品が多く、カスタマイズも行っていたため、クライアント OS のバージョンを一律に上げることは困難でした」と説明するのは、情報科学センター運用課 課長の齋藤邦男氏です。Microsoft Access 上に構築されたユーザー アプリケーションが数多く存在していたこともあり、オフィス アプリケーションも Microsoft Office 2003 が長年にわたって使い続けられていたと言います。

複数のクライアント OS の存在は、関東学院大学でも運用負担の増大をもたらしていました。「クライアント PC の新規導入やディスク障害への対応を行うには、ディスク イメージのマスターを作っておく必要があります」と言うのは、情報科学センター運用課 課長補佐の小糸達夫氏。このマスターを、OS のバージョンごと、業務内容ごとに作成する必要があり、どの PC にどのイメージを導入するかという判断にも手間がかかっていたのです。「クライアント OS を統一できれば、PC に導入するディスク イメージのマスターも 1 つに集約できます。事務職員向け PC の老朽化も進んでいたので、ハードウェアの入れ替えと同時に、最新 OS である Windows 7 に移行したいと考えていました」。

ここで大きな問題になったのが、既存アプリケーションを Windows 7 に対応させるために、どれだけの時間とコストがかかるのかということでした。「たとえば学務基幹システムは Windows 2000 上で動作保障されているものを使い続けてきたのですが、アプリケーション ベンダーに問い合わせたところ、OS 変更への対応と稼働確認に 1 年はかかると言われました。もちろんそのための多大なコストもかかります。最終的には業務プロセスも含めたシステム全体の見直しを行う必要があると考えていたので、OS バージョンアップへの対応だけで時間やコストをかけるのは得策ではないと判断しました」 (齋藤氏)。

そこで関東学院大学が選択したのが、仮想化技術で既存アプリケーションをそのまま動かしながら、クライアント OS を Windows 7 Enterprise に統一するという方法です。システム全体を一気に改修するのではなく、インフラ部分を先行してバージョンアップすることで、段階的にシステムを進化させていくことになったのです。

<導入の経緯>
既存アプリ延命のため Windows 7 Enterprise と MED-V を選択
550 台の PC 環境をわずか 1 か月でリプレース

関東学院大学
情報科学センター運用課
古谷 孝志 氏

クライアント PC の統一に向けた検討が始まったのは 2009 年 7 月。「当初はシン クライアントへの移行も視野に入れて検討を行いました」と振り返るのは、情報科学センター運用課の古谷孝志氏です。しかしこの年に MED-V と Windows 7 Enterprise がリリースされたことで、検討の方向は Windows 7 Enterprise と MED-V の採用へと向かうことになります。「Windows 7 Enterprise と MED-V の組み合わせなら、レガシー アプリケーションを延命させながら、クライアント OS を統一できます」と齋藤氏。「私どもの目的に最適なソリューションだと考えました」。

2010 年 3 月には Windows 7 Enterprise と MED-V の採用を正式決定。さらに Office 2003 を仮想的に稼働させるため、App-V の採用も決定します。

2010 年 7 月末には MED-V と App-V を含むパッケージ ソリューションである MDOP の導入を開始。Windows 7 Enterprise を搭載した新規 PC の展開にも着手します。今回採用された PC はディスプレイ一体型のデスクトップ PC。8 つの事務拠点で使用されていた合計 550 台の PC が、すべてリプレースされています。そしてシステム構築開始からわずか 1 か月後の 2010 年 8 月末には、新しい環境での業務が始まっています。

クライアント PC のリプレースと並行して、ユーザーに対する操作説明会も実施されました。操作説明会は各事務拠点にて合計 6 回行われ、使用方法に関するテキストも作成されています。「新しい環境への移行では使い勝手の問題が出てくるものですが、ユーザーから使いにくいという声は上がりませんでした」と小糸氏。「システム環境の入れ替えはこれまでにも何度か経験していますが、今回はユーザーからの質問もほとんどありません。新環境への移行は非常にスムーズに進みました」。

<システムの概要>
クライアント OS の統一で運用管理負荷を軽減
完成度の高いインターフェイスで利便性も向上

関東学院大学
情報科学センター運用課
荒井 修二 氏

MED-V と App-V のサーバーは金沢八景キャンパス内に設置され、各事務拠点の Windows 7 Enterprise を搭載した PC から、構内ネットワーク経由でアクセスされます。

MED-V では業務アプリケーション別に 5 種類の OS イメージが用意されており、ユーザーごとに必要なものが実行されるようになっています。どのユーザーがどの OS イメージにアクセスできるのかは、ユーザーの所属部署ごとに設定されています。この設定は Microsoft Active Directory のポリシー管理によって実現しています。

App-V では従来まで利用していた Office 2003 のほか、ライセンス管理が必要な一部のアプリケーションが仮想化されています。App-V で同時使用ライセンス グループを設定することで、契約されたライセンス数を超えた使用ができないようにするなど、アプリケーションの適正管理を実現しました。なおクライアント PC 側には Microsoft Office 2010 が導入されており、必要に応じて異なるバージョンの Office が使えるようになっています。

「クライアント OS を Windows 7 Enterprise に統一したことで、PC の管理負担は大幅に軽減しました」と古谷氏。ディスク イメージのマスターが 1 種類になったため、ユーザーの所属部署や使用アプリケーションを意識することなく、クライアント PC のセットアップが行えるようになったからです。今回の PC リプレースは PC ベンダーにキッティングを依頼しましたが、マスターが 1 種類であるため、混乱なく作業を進めることができたと言います。

事務職員の人事異動への対応も容易になりました。どちらの PC も同じ環境なので、異動先の PC を改めてセットアップしなくても、Active Directory のポリシーを変更するだけで対応できるからです。

「業務アプリケーションの環境にツールを追加する場合も、MED-V なら簡単に行えます」というのは、情報科学センター運用課の荒井修二氏です。MED-V 上にあるイメージにツールを追加すれば、ユーザーが次にログインした時にその内容が反映されるからです。「Access で業務アプリケーションのサブ ツールを作ることが多いのですが、これらを展開するために各キャンパスに出向いて、インストール作業を行う必要はなくなりました。これは非常に便利です」。

また荒井氏は、これまでのバージョンの Windows に比べて、Windows 7 は格段に使いやすいとも指摘します。「エクスプローラーでは目的のフォルダーにすぐに飛べますし、ファイル名を変更する時に拡張子が変更対象として選択されないのもいいですね。今でも時々 Windows XP を使うことがありますが、Windows 7 はユーザー インターフェイスが細かいところまで行き届いていると改めて実感します」。

その一方で齋藤氏は「App-V で Microsoft Office 2003 を使い続けられるのも大きなメリット」だと説明します。Office 2010 は、Office 2003 からボタン配置などが変更されており、慣れるまでに若干の時間がかかります。しかしクライアント側に Office 2010、App-V に Office 2003 を導入したことで、両者を使い分けながら、徐々に新しいバージョンに慣れていくというアプローチが取れると言います。また Office 2003 が不要になった場合でも、クライアント PC に手を入れることなく、サーバー側の設定だけで対応できます。

また、今回の PC リプレースは省電力化という効果ももたらしています。以前は事務拠点に PC を配布した時にブレーカーが落ちてしまうこともありましたが、今ではそのような問題が発生する心配はありません。ハードウェアそのもののエネルギー効率が向上しているうえ、Windows 7 Enterprise でも省電力機能が強化されており、省電力設定を集中管理することも可能になっているからです。現在はドメインに参加するタイミングで PowerCfg.exe を実行し、ディスプレイの照度を 60% 下げるなどの省電力モード設定を自動的に行っています。この設定はユーザーが変更することも可能です。今後は夏のピーク電力削減を目的に、グループ ポリシーで強制的に省電力モード設定を行うことも検討されています。

「このような対応も OS を統一したことで容易になりました。PC のリプレースと並行してサーバーの仮想化集約も行っていますが、これを含めれば今後 4 年間で 1,335 万円の電力料金を節約でき、最大 474 トンの CO2 排出量を削減できる見込みです。これは杉の木に換算すると 3 万 3,856 本に相当します」 (小糸氏)。

システム構成図

システム構成図

<今後の展望>
事務職員向け以外のクライアントも Windows 7 Enterprise に統一
Microsoft BitLocker や Microsoft AppLocker の活用も検討

関東学院大学では今後、事務職員向け PC に限らず、クライアントは基本的に Windows 7 Enterprise へと統一していく方針だと齋藤氏は説明します。既にパソコン教室の PC は Windows 7 professional に移行しており、App-V の活用も検討しています。最終的には学内全体で、約 2,000 台の PC を Windows 7 Enterprise に移行することが視野に入っています。また全学包括ライセンスによって、学生に対して廉価に Windows 7 を提供するという取り組みも行われています。「今はセキュリティへの配慮から、学外から学内システムへのアクセスは許可していませんが、Windows 7 Enterprise の BitLocker や AppLocker を使えば安全なアクセスが可能になります。将来的にはこれらの機能を活用して、学外からのアクセスも実現したいと考えています」。

その一方で、新たなコミュニケーション手段にマイクロソフト製品を活用することも視野に入れています。2011 年 1 月から Microsoft Lync の実機評価が始まっており、その利便性が高く評価されているのです。また、現在は事務グループウェア内の連絡用として汎用のメール システムが使用されていますが、これを Microsoft Exchange Server に移行することも検討されています。

将来は学内のコンセンサスを形成しながら、業務やアプリケーションの見直しも進めていく計画です。「最新のテクノロジーを積極的に活用しながら、できる限りスリムなシステムを実現したいと考えています」と齋藤氏。

最新のマイクロソフト製品を活用したシステム インフラの刷新は、そのための重要な布石なのです。

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ソリューション概要

プロファイル

関東学院大学外部サイトへ移動するため、別ウィンドウで開きますは、1884 年に創設された横浜バプテスト神学校を源流とする総合大学です。文・経済・法・工・人間環境の 5 学部と文・経済・法・工の各研究科および法科大学院を設置。キリスト教を建学の精神とし、校訓「人になれ 奉仕せよ」を掲げ、21 世紀の社会に貢献できる優れた人材を育成します。

シナリオ

  • 特定バージョンの OS に依存する複数の業務アプリケーション パッケージを利用するため、複数のクライアント OS が使用されていた。これによって運用管理負担が増大し、最新テクノロジーへの対応も難しくなっていた。
  • この問題を解決するため、アプリケーションそのものの改修や入れ替えも検討されたが、そのためには学内ユーザーのコンセンサスを得る必要があるうえ、コストや時間もかかることがわかった。
  • 現在のアプリケーションをそのまま使いながらクライアント OS を統一するには、Microsoft Windows 7 Enterprise と Microsoft Enterprise Desktop Virtualization (MED-V) の組み合わせによるクライアント OS の仮想化が最適だと判断した。さらに Microsoft Application Virtualization (App-V) による Microsoft Office の仮想化も行うことになった。

導入メリット

Windows 7 Enterprise と MED-V の組み合わせによって、既存アプリケーションに手を入れることなく、クライアントを最新 OS に統一することが可能になりました。これによって運用管理負担が軽減すると共に、ユーザーの利便性も向上。

ユーザーコメント

「Windows 7 Enterprise と MED-V の組み合わせなら、レガシー アプリケーションを延命させながら、クライアント OS を統一できます。私どもの目的に最適なソリューションだと考えました」

関東学院大学
情報科学センター運用課
課長
齋藤 邦男 氏

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