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文部科学省

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掲載日: 2012 年 5 月 11 日

未曾有の非常事態に応じて、放射線モニタリング情報の即時公開を実現。アクセス数の急増にも耐え、安定的に情報を公開するための基盤として、Windows Azure Platform を採用

文部科学省では、東日本大震災に伴う福島第一原子力発電所の事故発生直後から、47 都道府県の放射線モニタリング情報の即時公開に取り組んでいます。手書きの FAX やメール、Excel など、さまざまな形式で寄せられる情報を間違いなくグラフ化し、随時公開していくための仕組みと、どこまで急増するか分からないアクセス数にも耐えられる情報公開基盤を求めて、日本マイクロソフトにも協力を打診。結果、震災支援の一環として日本マイクロソフトが提供した Windows Azure Platform を採用。報道直後のアクセス増にも耐える安定したパフォーマンスを示しながら、情報公開を続けています。

<導入の背景とねらい>
システム要件など、まったく予想もできない非常事態に対応したサーバー リソースの調達をクラウドで実現

文部科学省 科学技術・学術政策局
政策課 専門職 林 寿和 氏 (中央)
原子力安全課 総括係長 宮澤 武志 氏 (右)
原子力安全課 防災環境対策室 大榊 直樹 氏 (左)

2011 年 3 月 11 日の金曜日に発生した、東日本大震災。そして、翌 12 日の福島第一原子力発電所 1 号機の水素爆発に始まる未曾有の状況に際し、文部科学省ではすぐに、「より迅速な情報公開」を行うための行動を開始。平時より観測を続け、4 か月から半年ごとにデータをまとめて公表していた「放射線モニタリング情報」サイトを、各地から寄せられたデータを随時公開する運用に切り替えました。
文部科学省 科学技術・学術政策局 政策課 専門職 林 寿和 氏は「あのような非常時に際し、国民の皆様に正確な情報を、一刻も早く提供させていただくことが重要でした。」と、振り返ります。
そして、15 日の火曜日には、文部科学省の Web サイトに最新の「放射線モニタリング情報」を PDF の表形式で公開すると共に、民間が経営する複数のサイトとも連携し、幅広く情報を伝えられるようになりました。しかし、それだけでは十分ではなかったと、同 科学技術・学術政策局 原子力安全課 総括係長 宮澤 武志 氏は続けます。
「国民の皆様にとって、事故発生以降の数値の変化が分かりやすいように福島県と近県のモニタリング データだけをグラフ化して公開していたのですが、グラフ化の作業に 16 時間近くを要していました。さらに全国各地に設置されたモニタリング ポストから集められたデータは、手書きの FAX や Excel など、さまざまなファイル形式で届けられます。それを、本部にて Excel に入力し直した後、三重のチェックを行い、間違いのない情報を公開する必要があります。即時的に情報公開を行っていくには負担が大き過ぎました。」

そしてもう一点、課題となったのは、アクセス数の急増です。情報公開後、どこまでアクセス数が増えるかは予想ができませんでした。国民の多くが安全確認のため閲覧に訪れるサイトが、アクセス集中を理由にダウンすることは許されません。緊急にサーバー リソースを調達する必要に迫られていました。しかも、事故が終息し、国民が緊急の情報を必要としなくなるその日まで、モニタリング データの即時公開を続けることを考えると、想定利用期間も明確ではありませんでした。

そこで 18 日。文部科学省では Excel データを自動的にグラフ化する仕組みの開発と、1,000 万アクセスにも耐えられる情報公開基盤としてクラウド サービスの活用を視野に入れ、日本マイクロソフトへ協力を打診しました。
そして、低コストで長期間活用できる情報公開基盤として、マイクロソフトのパブリック クラウド サービスである Windows Azure Platform を採用し、即座に Web ページを移管。また、Excel のデータからクリック 1 つでグラフを生成するツールを導入することで、全国のモニタリング データのグラフ作成を自動化。より、スピーディーな情報公開を実現しています。

<システムの概要と導入効果>
通常時をはるかに超えるアクセス数にも安定的に稼働

Windows Azure Platform を情報公開基盤とした「放射線モニタリング情報」は、さまざまな関連情報が公開され、サイト全体が充実している現在も「(グラフ) 都道府県別環境放射能水準調査結果 (文部科学省)」として引き続き、運用、公開されています。

そして、このサイトが Windows Azure Platform 上に移されてから 2 日目となる 3 月 20 日。全国各地でモニタリングしている放射線の情報が文部科学省の Web サイトで公開されていることが NHK のニュースで報じられると、Windows Azure Platform 上に公開したページだけで約 90 万ものアクセスが寄せられたといいます。文部科学省サイトの、この日のトップページのアクセス数が約 13 万であることからみても、いかにアクセスが集中していたかが分かります。
以降、同月 23 日 をピークとしてアクセス数が推移。今日に至るまで、アクセス集中による不具合は発生していないといいます。

文部科学省ではこの Windows Azure Platform を、日本マイクロソフトの震災支援プログラムに準じた、90 日間の無償提供パスを活用して導入。検討の結果、無償期間終了後も継続活用することを決定したと、宮崎 氏は説明します。
「Windows Azure Platform は従量課金制で、当時実際にかかっていた月額料金を 12 か月で加算したとしても、百数十万程度の低コスト。サーバーを実際に購入すれば、数台買って終わりというレベルです。しかも、サーバー設置場所の心配をする必要もなく、保守の手間も激減します。これだけコストの差がはっきりしている中で、わざわざサーバー リソースを調達し直すという選択は、時間的にも、コスト的にもありませんでした。それに、いつまでこのような状態が続くのか予測できませんでしたので、必要に応じて長く使えて、必要がなくなった時点で従来通りの運用に戻せるような選択……つまり、従量課金のパブリック クラウド サービスは最善の選択肢であったと思います。」

Excel からグラフを自動生成するツールに関しては、依頼の翌日の 3 月 19 日には完成し、利用を開始。各地から FAX などで寄せられた数値を Excel に入力し直し、間違いのないよう念入りに確認を行った後は、わずかな操作でグラフ化した html と PDF ファイルが生成されるようになりました。この変化は、運用上、重要な意味を持っていたと林 氏は説明します。
「データの公開は重要な業務ですが、しかし、公表すべき情報はこのモニタリング ポストのデータだけではありません。全員が複数の業務を兼務し、3 月 4 月は、家にもほとんど帰ることなく、非常災害対策支援センターの業務に取り組んでいました。そうした中、複数の人間がローテーションでサイトの公開作業を行っていましたので、まずグラフ化にかかる手間を減らすことと、ヒューマンエラーを防ぐことの 2 点が重要だったのです。その意味で、『該当する Excel ファイルを選択してクリックするだけ』でグラフ化されたページと PDF ができあがるツールの存在は大変ありがたかったです。」

また、同 原子力安全課 防災環境対策室 大榊 直樹 氏も、「状況が変化するにつれて、公表されるデータが日に日に増えていた。」と、非常災害対策センターに従事していた当時を振り返ります。
「当初は、人海戦術で国民の皆様に情報を提供させていただいたのですが、データを間違いなく公開するだけではなく、見せ方、提供の仕方を工夫するための労力も必要で、そのためにはやはり、ある程度の自動化が欠かせませんでした。また、当初は PDF ファイルをダウンロードできるようにしたのですが、研究者の方々から、再利用が可能な CSV ファイルで公開して欲しいとのご要望をいただき、対応できるように改修していただきました。これも重要なポイントであったと思います。さらに 4 月頃から、html、CSV ファイル、そして、英語版ページと携帯電話対応ページの 4 種類を 2 分とかからず自動生成できるようにアップデートされ、日々活用しています。」

最後に林 氏は、次のように言います。
「とにかく、事故直後から、国民の皆様に即時的にデータを公開し続けることができたことには大変意義があったと思っています。しかも、アクセスが集中した時にも問題なく情報の閲覧が可能でした。日本マイクロソフトに提供していただいたクラウド サービスやツールの存在は非常に役立ったと実感しています。」

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ソリューション概要

プロファイル

文部科学省外部サイトへ移動するため、別ウィンドウで開きますは、「教育」、「科学技術」、「スポーツ」、「文化」の発展、振興に従事。科学技術・学術政策局においては、科学技術や学術を振興するための基本的な政策の企画・立案を行っています。児童生徒から第一線の研究者・技術者に至るまでの幅広い科学技術関係人材の育成、国際活動の戦略的推進、地域における科学技術の振興などを図っています。

導入メリット

  • Windows Azure Platform の採用により、急激に増大するアクセスに対応
  • サーバーを実機で調達する場合に比べて、きわめて少ない予算で導入が可能
  • アクセス数や活用期間などの要件定義が固まらない状況でも、ただちに導入が可能で、その後の改修にも柔軟に対応
  • 手書き FAX やさまざまな形式で送られてくるデータを Excel ファイルに加工して、ワンクリックでグラフ化するツールを導入

ユーザーコメント

「国民の皆様に、安全を判断していただくためにも、いち早いデータの公開が求められました。しかも、アクセスが集中した時にも問題なく情報を閲覧していただけることが重要です。それを実現する上で、日本マイクロソフトに提供していただいたクラウド サービスやツールの存在は非常に役立ったと実感しています。」

文部科学省
科学技術・学術政策局
政策課 専門職
林 寿和 氏


「従量課金制で、当時実際にかかっていた月額料金を 12 か月で加算したとしても、百数十万程度。サーバーを実際に購入すれば、数台買って終わりというレベルです。しかも、サーバー設置場所の心配をする必要もなく、保守の手間も激減します。これだけコストの差がはっきりしている中で、わざわざサーバーを再度調達し直すという選択はありませんでした。」

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原子力安全課 総括係長
宮澤 武志 氏

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