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長崎大学熱帯医学研究所

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掲載日: 2012 年 6 月 11 日

感染症研究のためのフィールド ワーク用途でスレート PC を導入。
開発の容易性も考慮し Windows OS を採用。

長崎大学熱帯医学研究所

長崎大学熱帯医学研究所

長崎大学熱帯医学研究所の歴史は、1942 年の長崎医科大学附属東亜風土病研究所の設立に始まります。現在、熱帯病の中でも最も重要な領域を占める感染症を主とした疾病と、これに随伴する健康に関する諸問題を克服するため、関連機関との協力の下、「熱帯医学および国際保健における先導的研究」「研究成果の応用による熱帯病の防圧ならびに健康増進への国際貢献」、そしてこれらに関する「研究者と専門家の育成」を目指した活動を続けています。そうした長崎大学熱帯医学研究所における重要な活動の 1 つが、ケニアをはじめとした熱帯地域における現地調査です。熱帯地域という過酷な環境の中においても、スムーズな調査活動を可能とするモバイル デバイスとしてとして選択されたのが、Microsoft Windows 7 Professional を搭載したデル株式会社のスレート PC「Dell Latitude ST」でした。

<導入の背景とねらい>
熱帯地域における保健衛生問題の解決に向け
大規模現地調査を実施

長崎大学熱帯医学研究所
ケニアプロジェクト拠点 拠点長
一瀬 休生 教授

1942 年の長崎医科大学附属東亜風土病研究所の設立以来、いく度の改組を経つつ、熱帯地域の開発途上国における新興および再興感染症をはじめとした熱帯保健衛生の問題を解決するべく、研究活動を続けているのが長崎大学熱帯医学研究所 (以下、熱帯医学研究所) 。現在「病原体解析部門」「宿主病態解析部門」「環境医学部門」「臨床研究部門」の、大きく 4 つを研究分野の軸に据え、国際的な活動実績、および附属施設であるアジア・アフリカ教育研究施設などの研究基盤を背景に、国内外の多様な領域の研究者とともに、感染症の流行する現場に根ざした共同研究を企画し遂行しています。

熱帯医学研究所のケニアプロジェクト拠点で拠点長を務める一瀬 休生 教授は、「熱帯医学研究所は熱帯性の感染症、および感染症にまつわる健康障害、そして、その要因の究明から予防、治療に関する研究を主体とした活動を行っています。研究対象が熱帯地域にしか疾患がない、日本ではほとんど解決した、あるいは根絶してしまった疾患が主となるため、熱帯地域に研究の場を設け、長期、継続的に研究を行うことが不可欠となります。そうしたことから自前の研究所を現地に設立するとともにスタッフも雇用、さらに現地の研究者と協力しながら活動を続けています。熱帯医学研究所は現在、海外研究拠点としてケニア拠点、ベトナム拠点を擁しており、熱帯医学・臨床疫学研究の中心として、現地研究者と協力しながら熱帯病・新興感染症の予防治療に資する研究、そして人材育成を行っています」と説明します。

そうした海外教育研究拠点において重要な活動として位置付けられているものの 1 つが、現地における聞き取り、サンプルの採取といった現地調査、すなわちフィールド ワークです。

「熱帯性の感染症、健康障害に対する研究では、検体を採って研究を行う実験室の設置も必要なのですが、現地住民を対象とした聞きとり調査や、サンプルの採取が不可欠です。具体的には、 "この地域にどの位の人が居住し、どのように生活しているのか、どのような疾病にかかっているのか" 、そうした調査を現地の住民の方々に行い、細かなデータを収集し分析していくのです。そこでケニア拠点では、長期にわたり、特定の地域内の全人口、出産、疾病、死亡に関する情報を定期的に収集し集約するためのシステムである HDSS (Health and Demographic Surveillance System、人口登録・動態追跡調査システム) 、およびマラリアの媒介となる伝搬蚊の情報を定期的に収集し分析するシステムを稼働させています」 (一瀬 教授) 。

<導入の経緯>
フィールド調査において求められる堅牢性と高性能という要求を満たした
Windows 搭載モバイル デバイス

長崎大学熱帯医学研究所
環境医学部門 生態疫学分野
長崎大学大学院 国際健康開発研究科
金子 聰 教授

熱帯病や新興感染症の傾向を正確に解明していくためには、より大量の採取データが必要となります。熱帯医学研究所 環境医学部門 生態疫学分野 長崎大学大学院 国際健康開発研究科の金子 聰 教授は次のように説明します。

具体的には、Windows CE、および調査登録用のシステムが搭載された PDA を現地調査員に貸与、約 10 万人の現地住民を対象とした調査を行い、住民データを作成しました。その後、登録、エリア分けされた世帯を、エリア担当の調査員が 2 か月ごとに定期的に訪問、家族構成の変化、住居の状況や設備に関する調査などを行っています。

しかし、そうした調査活動を続けている中で、浮上した問題が PDA の消耗でした。苛酷な自然環境にある熱帯地域では、砂塵や埃などによって機器が消耗してしまうのです。

「ケニアは埃が非常に多いため PDA に傷がつきやすく、2 年も使っていると傷などで画面が見えにくくなってしまうのです。とはいえ、画面の耐久性を高めるためにハードウェアを改修しようとすれば、多大な費用も発生してしまいます」 (金子 教授) 。

そうしたことから熱帯医学研究所では 2 ~ 3 年に一度、PDA を買い替えるなどして対応を図ってきました。しかし、これまで利用してきた PDA が製造中止などで入手困難となり、新しい機器の導入を余議なくされたのです。そこで当初、次のデバイスとして検討にあがったのが、携帯情報端末向け OS である Android を搭載したスマートフォンだったと言います。「スマートフォンの携帯性と Android の GUI の見栄えの良さは魅力的でした」と金子 教授は振り返ります。

「しかし、Android をプラットフォームとしたアプリケーション開発は、想像していたよりも手間がかかることが分かりました。Android は他の OS よりも自由度がある半面、スマートフォンの機種によって仕様が変わっていたりすることもあります。また、バージョンアップも頻繁に行われるため、最新版に追いつくのも一苦労でした。加えて、Android の開発に慣れている技術者が少なかった、あるいは Android に精通していても、こちらが求める調査用アプリケーションに対するノウハウを有している技術者が少ない、ということも、採用を断念した理由となりました」。

ノート PC も候補に挙がりましたが、熱帯地域での利用にあたっては、稼働部位は少なければ少ないほど、故障も回避できるようになります。デバイス選択で悩んでいたところに登場したのが、Windows 7 を搭載したスレート PC でした。金子 教授は、「Windows OS ベースのスレート PC であれば、多くの技術者を擁し、かつ使い慣れた .NET を用いたアプリケーション開発が行えます。スキルを有した技術者が多ければ、アプリケーションのバグ フィックスや確認しながらの修正もスムーズとなります。したがって、開発工数も抑制できると踏んだのです。そうしたことから、Windows OS 搭載のスレート PC の導入を決定、機種選択を開始しました」。

<導入効果>
耐久性、長時間バッテリ、そしてベンダーとしての信頼性から
デルのスレート PC を選択

長崎大学熱帯医学研究所
環境医学部門 生態疫学分野
博士 (工学)
後藤 健介 助教

スレート PC の機種選択にあたって重視した項目は、「画面のガラスの耐久性」「バッテリの耐久時間」、そして「ベンダーとしての信頼性」でした。多くの機種を比較検討した結果、選択されたのが「Dell Latitude ST」です。

デルのスレート PC、Latitude ST は、高い耐久性と携帯性、容易な操作性と管理性、そしてセキュリティを備え、ユーザーと IT 管理者双方のニーズに応えたスレート PC です。

画面には外光の映り込みが少なく、業務アプリケーションの実行に最適な、10.1 インチのマルチ タッチ スクリーンを採用。また、堅牢な Corning Gorilla Glass により、耐久性にも配慮されています。さらに滑りにくいラバー製バンパーのボディにより、突発的なアクシデントや落下から守り、オフィス外の作業でも安心して利用できます。

本体の重量も 816 g (最小構成) で持ち運びも苦にならないほか、バッテリも 1 時間で約 80% まで充電可能。バッテリの持続時間は条件にもよりますが、最大 6 時間の長時間を実現します。

熱帯医学研究所 環境医学部門 生態疫学分野の後藤 健介 助教は、「フィールド ワークには、耐久性のあるガラス、ボディの製品が不可欠です。また長時間のバッテリ持続時間も求められます。もちろん、万が一の故障時のメンテナンス対応など、ベンダーとしての信頼性も考慮しなければなりません。これらの要望に合致した製品が Latitude ST でした」と選択理由を説明します。

また、さまざまな海外拠点で利用することも考慮し、多言語対応も選択理由となりました。

「国内メーカー製のスレート PC も選択肢に上がりましたが、残念ながら日本語しか対応していませんでした。デルのスレート PC は多言語対応であり、その点でも優位性がありました。基本は英語での使用を想定していますが、今後はラオス語やシンハラ語での利用も検討しています」 (金子 教授) 。

<今後の展望>
最先端の IT を活用し、
さらなる医療貢献を目指す

現在、熱帯医学研究所では Windows OS 版の調査用アプリケーションの開発中であり、トライアル利用の準備を進めています。

金子 教授は、「まだアプリケーション開発の途中ではありますが、Latitude ST を操作してみたところ、最新 CPU の搭載により、パフォーマンスも快適でこれからの活用に期待が持てます」と使用感について評価します。また、一瀬教授も、「現地スタッフから PDA の限界について聞かされていました。今回導入した Latitude ST が、研究を一段飛躍させるようなツールになってくれることを期待しています」と話します。

これまで利用してきた PDA はメモリ ベースのアプリケーションであり、メモリ容量などの制限から、調査が終了するたびにデータを削除しなければなりませんでした。しかし、誤操作などにより、まだ必要なデータを消失させてしまうこともあったと言います。後藤助教は、「Latitude ST は、これまで使っていた PDA と比較して大容量の 128 GB の SSD を搭載していますので、調査が終了しても過去の履歴やデータを残しておけるので、誤ってデータを消去してしまうといったトラブルを避けられるようになります」と話します。

また、Windows 7 搭載の Latitude ST 選んだことが、運用後のトラブル対応も迅速に行えると予想しています。

「ケニアと日本では時差があるため、何かスレート PC に問題が発生した場合、日本にいる開発スタッフに対応を求めた場合、どうしても時間がかかってしまいます。しかし、Windows OS であれば、現地のスタッフでも扱えます。そうした汎用性を考えても Windows OS 対応のスレート PC は有用性があると考えています。またハードウェアのトラブル対応についても、デルはグローバルでのメンテナンス拠点を持っているので、安心です。実際、今回の調達にあたっても、購入の窓口となった長崎大学生協とデルから非常に迅速に対応してもらえ、そうした対応の速さは今後のグローバルの利用においても、期待できるものと考えています」 (後藤 助教) 。

なお、現在、熱帯医学研究所では 2012 年 3 月 1 日に公開された「Microsoft Windows 8 Consumer Preview」を Latitude ST にいち早く搭載し、アプリケーションの開発と使用感を試していますが、GUI などのスムーズな動きをはじめ、正式リリースに期待を寄せています。

最新のスレート PC を導入した熱帯医学研究所では、今後、IT を活用し、さらなる研究の推進と医療貢献を目指していくと言います。

金子 教授は、「今回のケニア拠点における Windows ベースのスレート PC の導入が、IT を活用した医療貢献のモデル ケースとなり、他の国々にも横展開していけるようになれば、と期待しています。そうした IT による国際的な医療貢献のさらなる推進に向け、今後も協力を仰ぎたいと考えています」と強調します。

また、一瀬教 授も「最先端の IT を、世界各国の医療や健康にまつわる研究に結び付けていきたいと考えています。まずは、ケニアの国民の感染症対策、ケニアの人々の健康増進のために活用していきたいですね。そのためにも、より高性能かつ使いやすいハードウェアと有用なアプリケーションを、これからも開発し続けてもらいたいと考えています」と、医療貢献に向けた想い、そしてデルとマイクロソフトへの期待を語ってくれました。

Dell Latitude ST。画面には外光の映り込みが少なく、業務アプリケーションの実行に最適な、10.1 インチのマルチ タッチ スクリーン、耐久性の高い Corning Gorilla Glass を採用。滑りにくいラバー製バンパーのボディにより、突発的なアクシデントや落下から守り、オフィス外の作業でも安心して利用できる。

Dell Latitude ST。画面には外光の映り込みが少なく、業務アプリケーションの実行に最適な、10.1 インチのマルチ タッチ スクリーン、耐久性の高い Corning Gorilla Glass を採用。滑りにくいラバー製バンパーのボディにより、突発的なアクシデントや落下から守り、オフィス外の作業でも安心して利用できる。

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ソリューション概要

プロファイル

長崎大学熱帯医学研究所外部サイトへ移動するため、別ウィンドウで開きますは、1942 年の長崎医科大学附属東亜風土病研究所の設立に始まります。現在、熱帯病の中でも最も重要な領域を占める感染症を主とした疾病と、これに随伴する健康に関する諸問題を克服するため、関連機関との協力の下、「熱帯医学および国際保健における先導的研究」「研究成果の応用による熱帯病の防圧ならびに健康増進への国際貢献」、そしてこれらに関する「研究者と専門家の育成」を目指した活動を続けています。

導入ソフトウェアとサービス

パートナー企業

導入メリット

  • 熱帯地域での感染症などの調査活動において、過酷な状況下にあっても安定して利用できる、耐久性の高い、かつ高性能なモバイル デバイスが必要とされていた。長時間バッテリ、高耐久性の画面、最新の CPU と大容量 SSD を搭載したデルの高性能スレート PC「Dell Latitude ST」を導入することにより、よりスムーズな調査の実現に期待。
  • 調査用アプリケーションの開発、運用において、使いなれたプラットフォームが求められていたが、システム開発において多くの技術者を擁する Windows OS を採用することにより、システム開発にかかるコストと期間を抑制。

ユーザーコメント

「最先端の IT を、世界各国の医療や健康にまつわる研究に結び付けていきたいと考えています。そのためにも、より高性能かつ使いやすいハードウェアをこれからも開発し続けてもらいたいと考えています」

長崎大学熱帯医学研究所
ケニアプロジェクト拠点 拠点長
一瀬 休生 教授

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