NEC グループ 12 万人を支える世界最大規模の Microsoft Windows Server と Microsoft SQL Server 上で稼働する SAP システムを構築 徹底した業務プロセスの見直しにより、関連間接部門の業務コストと TCO それぞれ 2 割以上削減を目指す
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| グローバルな競争力の強化や内部統制への対応が求められる中、日本電気株式会社 (以下、NEC) では、2008 年 7 月から「シンプル」、「グローバル」、「リアルタイム」、「全体最適」の 4 つをキーワードとした経営システム改革に着手しました。この改革では、Microsoft Windows Server 2008 と Microsoft SQL Server 2008 をベースに SAP ERP 6.0 が採用され、グループ 12 万人が利用するグローバルな経営システムを構築しました。NEC 本社からの利用だけでも、同時アクセス ユーザー数 2,000 人、データベース サイズ 20 TB、1 日のピーク時のオンライン トランザクション 150 万件という世界最大規模の SAP システムとなっています。このシステムを支える Windows Server と SQL Server は、本番稼働以降、安定した高いパフォーマンスを維持し、NEC の経営スピードの向上に貢献し続けています。 |
<導入背景とねらい>
グループ共通の業務プロセスとルールを使った
新たな経営システム構築を目指す 
 日本電気株式会社 代表取締役 執行役員副社長 藤吉 幸博 氏
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企業の成長と価値向上のためには、日本国内市場だけでなく海外市場に向けたグローバルな競争力強化が求められています。日本有数の ICT 企業である NEC もその例外ではなく、グローバル市場での競争力を維持するために経営のスピードアップと低コスト経営が求められ、国際財務報告基準 (IFRS:International Financial Reporting Standards) 対応への準備も急務となっていました。2008 年 7 月から経営システム改革に着手した背景について、代表取締役 執行役員副社長である藤吉幸博氏は次のように話します。
「ビジネス環境が大きく変化する中で、これまでの国内中心のビジネスは厳しくなることが予想されていました。よりグローバル化を進め、経営スピードも上げていかなければならず、また、コスト削減のために業務の効率化を行う必要もありました」。
一方、NEC およびそのグループ会社の IT システムは、それぞれの現場に合わせて個別最適化されながら進化していました。グループ各社や組織ごとに異なる業務プロセスやルールが利用されているため、個々の業務には最適であってもグループとしてのシナジー効果が発揮しきれていなかったのです。また、組織や用途ごとに異なるシステムの運用は、コストの増大にもつながっていました。
NEC では、「シンプル」、「グローバル」、「リアルタイム」、「全体最適」の 4 つのキーワードの下、経営システム改革に取り組みました。これらの目標を達成するには、IT システムだけを改革するのではなく、事業構造や業務プロセスから変えていく必要があります。そのため、まずは "お客様視点" で体制をシンプルにするための事業構造改革を実施し、そのうえで、業務プロセス改革や IT システム改革に取り組んでいったのです」 (藤吉氏)。

 NEC の経営システム改革のねらい |
<導入の経緯>
スケーラブル HA サーバーの性能を最大限に引き出せる
Windows Server と SQL Server 
 日本電気株式会社 経営システム本部 支配人 塚原 修 氏
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NEC では、2009 年 4 月に事業構造改革を行い、3 つに分かれていた営業部門を統合しました。さらに、コンサルティングからシステム開発、運用、保守、アウトソーシングまでを行う IT サービス部門を統合しました。これにより、業種や顧客企業に合わせて、NEC の全製品と全サービスを連携させたソリューションを提供することが従来よりも容易になりました。
続いて着手した業務プロセス改革では、財務の観点で重要かつ NEC グループの中で標準化がしやすい経理、販売、購買の 3 つの機能を対象業務領域とし、会社や組織ごとに異なっていた業務プロセスやルールを機能軸でシンプルに標準化しました。さらに、NEC の 4 つの事業領域~ SI、装置、量販、デバイス~について、バリュー チェーン (価値連鎖) の観点から全体最適化を図りました。機能領域や事業領域ごとにプロセスのオーナー (責任者) を設置して、業務プロセスの徹底した管理体制を作ったことも大きな特長です。このような標準化の取り組みにより、たとえば、これまで 100 以上あった販売の業務プロセスを、22 の処理パターンの組み合わせで表現できるようにしました。日本企業でこのように徹底した業務プロセス改革を行っている企業はまだ少なく、2010 年 6 月にドイツで行われた Software AG と IDS Scheer AG の共催イベント「Process World 2010」で、革新的なビジネス プロセス改革を実現した企業に授与する「Business Process Excellence Award」を日本企業として初めて受賞しています。
IT システム改革では、従来の UNIX をベースにした基幹システムを刷新し、プラットフォームには Windows Server 2008 と SQL Server 2008 を採用。標準のアプリケーションとしては SAP ERP 6.0 を採用し、グローバルでの標準システムを構築しています。この際、SAP ERP は極力標準機能を使い、アドオン開発を抑えていることも今回のシステムの大きな特長です。
新たに Windows Server と SQL Server を採用した理由について、経営システム本部 支配人の塚原修氏は、低コスト、信頼性、エコ、サポート力の 4 つを挙げています。「全社的な IT 構造改革を行うための大規模システムでは基盤のコストを抑えることが必須であり、Windows Server と SQL Server が最適であると判断しました。また、Windows Server と SQL Server の組み合わせにおいて 20 TB を超える大規模な SAP システム事例があるほか、マイクロソフト社内の大規模システムでも使われているなど、多くのシステム導入実績を持っていること、大規模システムでの高い信頼性があることも選択の大きな理由の 1 つとなりました」。
さらに、NEC のスケーラブル HA サーバー (Express/A1160) の機能を最大限に活用できることも、採用を後押ししています。「プラットフォームの採用は、NEC 製品の性能を最大限に引き出せることが大きな条件となりました。実際に我々のスケーラブル HA サーバーと SQL Server の組み合わせによって、驚くほど高いパフォーマンスが出ています。低コスト化を実現できることも魅力でした。マイクロソフトとは長年のパートナーシップがあり、これまでの実績やサポート力への期待もありましたね」 (塚原氏)。
また、約 400 ある既存システムと新システムとのスムーズな連携を図るため、インターフェイス HUB というデータ変換/集配信システムを独自に開発しました。「2008 年当時は、クラウド化するというよりも、共通のしくみをタイムリーに提供することを目指していました。しくみを共有化することにより、これまでバラバラなリソースを使うことで発生していた無駄なエネルギーを、お客様への対外的な業務に向けていきたいと考えました」 (塚原氏)。

 業務プロセス改革 |

 IT システム改革 システム集約イメージ |
<システムの概要>
徹底した事前検証で SQL Server の信頼性を実証
安定した大規模 ERP システムの構築を実現 
 日本電気株式会社 サービスプラットフォームシステム開発本部 本部長 宮澤 忠 氏
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新たな経営システムの構築前には、「専門部隊が半年かけて Windows Server と SQL Serverの徹底的な検証を行いました」とサービスプラットフォームシステム開発本部 本部長の宮澤忠氏は話します。
「これまでの大規模システムは主に UNIX で構築していましたが、今回 NEC のような製造業における大規模 ERP システムとして Windows Server と SQL Server がどれだけの性能を出せるかをまず調べようと考えました。NEC のオープン ミッション クリティカル システム (OMCS) SI 技術を使って、プロダクトや内部構造をしっかり知るための機能検証を行い、続いて本番規模相当の評価環境を準備して実機評価を行って、安定性と信頼性をしっかりと検証していきました」。
事前の検証では、システム要件に耐えられるかだけでなく、最大でどれだけの負荷やピークに耐えられるかの限界値の計測も行いました。本当のピークを知ることで、想定できないような障害の発生を抑え規模の拡大に合わせた適切なスケールアップができるようになります。アプリケーションである SAP ERP のデータが急激に増加しても対応できるよう、クラスタウェアである MSFC (Microsoft Failover Cluster) や compression 機能についても検証を行い、十分なパフォーマンスが発揮されることが実証されました。「NEC 自身のためのシステム検証という観点だけでなく、その成果をお客様に還元していくことも視野に入れて、安定性やパフォーマンスをチェックしました。OMCS SI 技術とマイクロソフトのサポートによってこのような検証を実施した結果、大規模であっても安定性と信頼性が確保され、今後のデータ増加や拡張にも十分に耐えられるシステムを実現できました」と宮澤氏は語ります。
万が一障害が発生した場合には、内部構造がどのようになっているか NEC の技術者が理解していなければ、問題解決に時間がかかってしまいます。このように内部構造を明確にしてプラットフォームを深く理解することも事前検証のねらいの 1 つでした。これらの検証やテスト作業においても、マイクロソフトのサポートは非常に重要でした。「マイクロソフトには大規模システムの構築や運用に耐えうるサポート体制の確立を要請していました。実際に、設計段階から構築段階、本番稼働までのさまざまな場面で我々の期待に沿ったサポートをしていただいたと思っています」 (宮澤氏)。
NEC グループ 12 万人を支える新しい経営システムは、Windows プラットフォーム上で稼働するものの中では世界最大クラスの SAP システムとなります。「2010 年 10 月から SAP システムの本番稼働を開始していますが、当初から非常に大規模なシステムとなっており、NEC 本社だけに限っても、同時アクセス ユーザー数が 2,000 人、データベース サイズは 20 TB、1 日のピーク時のオンライン トランザクションが 150 万件発生しています。しかし、大規模であってもプラットフォームはきわめて安定して稼働していますね」と宮澤氏は話します。
NEC では、今回の業務プロセス改革と IT システム改革によって、関連間接部門の費用を 3 年で約 2 割以上削減し、IT システムの TCO (償却費を含む) を 2 割以上削減することを見込んでいます。
また、業務プロセスを徹底的に標準化することによって、グローバル化に向けた国際会計基準対応への基礎作り、内部統制の強化、マネジメント サイクルの短期化、業績管理の精度向上なども実現させていきます。
<今後の展望>
自らの実践で得たノウハウを活かし
多くの企業を支援していく NEC とマイクロソフトNEC では、今回構築したシステムをグローバルな標準システムとして、海外の現地法人も含めたグループ会社への展開を進めています。「この新しい経営基盤を基にして、グループ連結経営の見える化を進め、IFRS への対応はもちろん、"One NEC" としてシナジーを生む経営を目指しています」と藤吉氏は話します。グローバルなイノベーション カンパニーとして海外事業展開を積極的に進める NEC のビジネスを、大規模 ERP システムのプラットフォームとして Windows Server と SQL Server が支えているのです。
また、今回の経営システム改革のノウハウを、お客様へのサービス提供の中で活用していく、と藤吉氏は話します。「現在国内中心のビジネスを行っている多くの企業も、これらからはグローバルにビジネスを行う必要があります。今回の経営システム改革では、業務プロセス改善で多くのノウハウを蓄積することができました。そのノウハウを還元する 1 つの形として、グローバル標準の ERP システムをサービスとして提供するのが「クラウド指向経理サービス」です。さらに Windows Server と SQL Server を使った大規模 ERP システム構築のノウハウを、お客様がシステムを自社導入される場合に還元していきます」。
ビジネス環境の変化やグローバル化に対応していく多くの企業にとって、Windows Server と SQL Server をベースに SAP ERP を組み合わせたシステムは、低コストで信頼性と安定性の高いシステムとして利用でき、改革を推し進める大きな力となります。NEC とマイクロソフトの技術力が結集した最新のクラウド サービスが、企業価値の向上とグローバル化を目指す企業を大きく支援していくことは間違いありません。
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