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日祥運輸倉庫株式会社

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掲載日: 2012 年 4 月 9 日

百貨店の中元歳暮の伝票処理業務で発生する大量のトランザクションを SQL Server 2008 R2 のデータベースで瞬時に処理し、大幅に効率化。
Analysis Services でデータの再利用と分析を行い、セットアップ業務の正確性も向上

日祥運輸倉庫株式会社

日祥運輸倉庫株式会社

栃木県宇都宮市に本社を置く日祥運輸倉庫株式会社は、運輸、梱包、荷役の 3 分野で、電機、タイヤ、食品など、さまざまな大手企業を顧客に事業を展開しています。同社は 10 年ほど前、大手ハムメーカーの委託を受け、百貨店中元歳暮ギフトのセットアップ事業を開始しました。同事業は注文伝票の仕分けに基づく作業指示が中枢ですが、社内で作った管理システムではピーク時の対応が困難となる状況が続いていました。そのため、日本コンピューターシステムサービス株式会社をパートナーに迎え、データベースに Microsoft SQL Server 2008 R2 を、BI 機能に Analysis Services を使った新システムを開発しました。その結果、データ処理の高速化によって正確で信頼性の高いデータを得られるようになりました。また、BI 機能でさまざまな分析を行うことで、精度の高いセットアップ業務も可能になりました。

<導入の背景とねらい>
受託したギフトのセットアップ事業の膨大な作業量と
複雑化する発送条件により、現場がパンク状態に

日祥運輸倉庫株式会社
代表取締役社長
山岸 康夫 氏

日祥運輸倉庫株式会社 (以下、日祥運輸倉庫) は栃木県宇都宮市に本社を置く従業員 124 名の企業で、1994 年に運送事業を始めて以来、ロジスティック サービス プロバイダーとして、顧客企業の物流システムの最適化に取り組んできました。同社は、一般貨物や国際海上コンテナ、納品代行や小口混載などの運輸、さまざまな商品をパッケージ化し、保管、納入する梱包、商品の特性に合わせた最適保管と迅速で効率的な荷役サービスを提供する荷役、の 3 分野で事業を行っています。その取引先は大手電機メーカー、タイヤ メーカー、食品メーカーなど多岐にわたります。

10 年ほど前、日祥運輸倉庫は取引先の大手ハム メーカーから依頼され、東京地区の百貨店で販売される中元歳暮ギフト商品のセットアップ業務を行うことになりました。業務委託初期の状況を日祥運輸倉庫株式会社 代表取締役社長 山岸 康夫 氏が振り返ります。

「従来請け負っていた運送業務とはまったくの畑違いで、異業種ともいえる分野でした。しかし当社では、梱包、包装のノウハウを持っていましたので、新規事業として取り組むことになりました。業務内容としては、東京都内の百貨店 15 店舗のギフト カウンターでお客様からご注文いただいた伝票を受け取り、注文通りのギフト商品にセットアップするというものです。そのため、場所さえ確保できれば対応可能であると想定していました。ところがいざ始まってみると、お歳暮シーズンの取扱量が圧倒的に多く、11 月中旬から 12 月 中旬頃までに作業が集中するようになりました。セットアップ自体は人出を確保することで対応できるのですが、前処理としての伝票処理が想定以上の業務量となってしまい、担当者は業務対応に追われる日々が続きました」。

委託した初期のころは、伝票はオンライン化されておらず、毎日、百貨店ごとに注文伝票が段ボールで何箱も届きます。ギフトの種類は百貨店オリジナル、共通のものと併せて、百貨店 1 店舗あたり 40 種類、全体では 200 種類ほどにのぼります。伝票はセットごとに仕分けして集計し、翌日セットアップの作業現場に、作業指示として出せるように準備します。朝届いた伝票をその日の内に整理して、翌日発送するのが原則ですが、毎年のように発送の条件が複雑になっていきました。
セットアップ業務の責任者である日祥運輸倉庫株式会社 梱包包装資材事業部 常務取締役 村上 修 氏が語ります。
「ギフトの発送条件は年を追うごとに複雑化してきました。まず、送り先への到着日の指定や何日以降に出すという発送日指定など、発送や到着日が細かい設定が可能になったほか、包装形態も簡易包装と完全包装のどちらかに指定できるようになりました。さらに、熨斗 (のし) 紙の有無、表書きも"お歳暮""お中元"だけでなく、"粗品"や"御礼"などから自由に選べるようになりました。伝票整理はセットアップ業務の心臓部で、それを間違えたら、業務全体が大混乱に陥ってしまいます。複雑化している伝票整理作業を効率よく行えるようにしないと、現場はパンクしてしまうと大変な危機感を持ちました」。

日祥運輸倉庫株式会社
梱包包装資材事業部
常務取締役
村上 修 氏

一方で、大手ハム メーカーの工場は北海道から九州まであり、商品によって製造工場も違い、それぞれの工場から運ばれてきます。発送業務は、商品の在庫状況を見て、翌日の作業でセットアップする商品が足りるかどうかを確認した上で、作業指示を決めます。「手持ちの在庫で、今日届いた伝票分の作業を明日行えるかどうかを考えなければなりません。もし在庫が足りない場合は、可能な数だけセットアップするという指示を前日に出す必要があります。しかし実際には商品の入庫状況はまちまちなので、届いた伝票通りにすべてをセットできないということがしばしば起こります。仕分けした伝票と在庫状況を把握しているのは私だけなので、当初は A3 用紙に手書きの一覧を作って書き出したり、Microsoft Excelで管理したりなど、私ひとりで作業指示を作成していました。それで何日も徹夜するような状況になっていたのです」 (村上 氏)。

<導入の経緯>
独自システムが膨大なデータ量に対応できず、限界に。
業務の機微を織り込んだシステム開発を目指す

日祥運輸倉庫では、この伝票処理業務は毎年の歳暮中元ギフト セットアップ業務には不可欠の作業なので、もう少し効率的にやりたいと考えました。そこで、入社した SE の社員をシステム担当として、スタンド アロンの伝票管理システムを開発しました。ところが、そのシステムは開発後、いくつかの課題を抱えるようになりました。現場の要望を毎年取り入れたことによるシステムの複雑化、だれでも使えるシステムとなっていなかったため、操作する人によってセットアップ業務時に作成されるデータの信頼性に問題が出てきた点、そして最も問題となったのが、システムが扱うデータ量が当初の倍以上になったため処理し切れなくなり、システムダウンが起きるようになってしまった点です。データ量が急増した背景には、百貨店がインターネット ショッピングをスタートしたため、これまで注文が届くことがなかった北海道や九州、関西などの百貨店店舗からも注文が寄せられるようになった点が挙げられます。その結果、取り扱う百貨店の数は当初の 3 倍以上に膨れ上がりました。

こうしたことから、今までのシステムではこれ以上業務を続けるのは難しいと判断し、日祥運輸倉庫では、日本コンピューターシステムサービス株式会社 (以下、JCOM) にシステム開発を依頼することとなりました。相談を受けた当時のことを、日本コンピューターシステムサービス株式会社 代表取締役 鈴木 修司 氏が語ります。

「山岸 氏から、事業規模が拡大している中で、会社として最後までサポートしてくれるパートナーにシステムの開発をお願いしたいというご要望をいただきました。日祥運輸倉庫の SE の方も『私が倒れたら、ギフト事業ができなくなる』という位の危機感を持っておられたので、『それなら、やりましょう』と全面的に引き受けることにしたのです。ただ、私たちは百貨店中元歳暮ギフトのセットアップ業務についてまったくの門外漢でしたので、山岸社長と村上常務に業務フローを一から教えていただき、勉強するところから始めました」。

日本コンピューターシステムサービス株式会社
代表取締役
鈴木 修司 氏

JCOM は栃木県宇都宮市に本社を置くマイクロソフト認定パートナー企業として、顧客企業が抱える課題に対し、さまざまな問題の解決のために最善となるサービスを提供するソリューション ベンダーです。JCOM では、顧客企業が成長しない限り、自分たちの成長もないと考え、顧客企業の利益向上とコスト削減化に力を注いでいます。そのため、JCOM では、顧客企業と信頼関係を結び業務を学ぶ中で、システムを開発していくというビジネス スタイルを採用しています。
「私たちはコンピューターのことは詳しくありません。そうした中で、システムを作って行くには、SE の方に業務に精通していただく必要があります。仕事は生き物のようなもので、業務をよく理解しないと、微妙なさじ加減が分かりません。業務の理解なしにシステムを作ると、ちぐはぐな部分が出てきてしまい、そのさじ加減が必要なところまで織り込んだ、使いやすいシステムはできません。ですから、私たちも開発前に JCOM の SE の方に一連の業務フローをきちんと理解してもらうことが最も重要だと考えました」(山岸 氏)。

<システム概要>
SQL Server 2008 R2 をデータベースに新システムを構築。
同時に Analysis Services でデータを再利用、分析

こうした考え方に基づき、JCOM が日祥運輸倉庫のパートナーとしてシステム開発に着手したのは 2007 年頃になります。最初の 2 年間は業務を学ぶ期間として、中元歳暮の時期に合わせてSE が一緒に伝票の仕分け集計の作業しながら、今まで使ってきたシステムを分析し問題点を洗い出していきました。システム開発を担当した日本コンピューターシステムサービス株式会社 ITソリューション部/アシスタントマネージャー 西島 勝利 氏が語ります。
「技術者の世界とはまったく違う世界に投げ込まれて、日本にいながらそこが日本でないかのような感覚に襲われつつ、セットアップ業務を学んでいきました。その過程では、トランザクション量が多過ぎてシステムが夜中に止まってしまい、このままでは翌日の作業ができない可能性もあるという状況に追い込まれたこともありました。そうした経験から、データベースを SQL Server 2008 R2 に切り替え、大量のトランザクションが発生しても瞬時に処理が行える新しいシステムを開発することで、抱えている問題を解決しようと計画しました」。

日本コンピューターシステムサービス株式会社
ITソリューション部/アシスタントマネージャー
西島 勝利 氏

そのための前段階として、作業指示を出す時に伝票をまとめる札を手書きから、データ入力で行うようにする形に業務を改善し、作業効率と精度を向上させました。そして、Microsoft Visual Studio 2010 を使ってシステムの開発を行い、2011 年 7 月の中元ギフト シーズンの前には、新システムが稼働し始めました。新システムは Windows Server 2008 R2 Standard Editionに、Microsoft SQL Server 2008 R2 Standard Edition をデータベースとするクライアント サーバー型で、クライアントには Windows 7 搭載 PC を使っています。そしてデータの再利用と分析を行うために BI 機能として、Microsoft SQL Server 2008 R2 Analysis Services も導入しました (図)。
独自システムのデータは 10 年近くも使ってきたものなので、テーブルを整理して、新システムに移行。システム開発では、要望を聞きながら必要に応じて修正し、完成度の高いものを目指しました。
「荷物は受理した伝票に基づいて翌日中に出荷するのですが、その日のうちに出荷できなかった伝票を"残伝"といいます。一昨日、昨日、今日と残伝がある場合、翌日のセットアップは一番古い一昨日の残伝から処理する必要があります。しかし、当初は日付ごとの残伝が出るようになっていませんでしたので、修正して出るようにしてもらいました。そのほか、現場で直して欲しいと考えたものは西島さんにすべて伝えて、修正してもらいました」(村上 氏)。

図 日祥運輸倉庫株式会社が導入したシステム構成図

図 日祥運輸倉庫株式会社が導入したシステム構成図 [拡大図]

<導入の効果と今後の展望>
社員の経験と勘による判断から、データ分析に基づいた正確な業務処理を実現
今後の事業拡大にも十分に対応可能。

SQL Server で構築した新システムは 2011 年末の歳暮シーズンにフル稼働しました。SQL Server によって、大量の伝票が瞬時に処理することが可能になり、Excel や Microsoft Word の操作感と変わらない簡単な手順で、正確で信頼できるデータが出せるようになりました。こうしたことから、より信頼が置けるところに委託したいと、精度が高く正確な業務を行う日祥運輸倉庫へ大手ハムメーカーからの委託個数が増えています。また、Analysis Services で、セット アイテムごとや百貨店ごとの伝票数、毎日の残伝数、必要なアルバイトの人数などを予測する上で不可欠な伝票数の前年度対比など、今まで村上 氏が経験と勘に基づいて判断していたものが数値化され、SQL Server 上のデータから直接 Excel に展開する形で参照することができるようになりました。
「以前のシステムはトラブルと隣合わせで使っていましたが、今はトラブルが一切ないので、本当に安心して使うことができます。また、初心者でも操作しやすいので、Excel や Word が扱える方をアルバイトで募集して 1 日ほど研修しただけで、欲しいデータを得ることができるようになります。これは大変画期的で、今までであればとても考えられませんでした」(村上 氏)。
お歳暮の時期は 11 月から伝票が届き始め、11 月 30 日の一斉発送開始日まで膨大な量が毎日ストックされていきます。旧システムでは難しかった伝票数とギフトの種類の把握が、新システムでは Analysis Services を活用することで正確に把握できるようになりました。
「新しいシステムで安心と正確さが飛躍的に向上しましたので、投資した効果は大変大きかったと考えています。今後、インターネット注文が増え、百貨店数もさらに拡大する可能性がありますが、そこで伝票数が増えても十分に対応できますし、高い精度を維持した形でセットアップ事業を遂行していくことができると思います」(山岸 氏)。

日祥運輸倉庫では、今後もセットアップ業務を取り扱う上で出てくる百貨店からの要望を JCOM と協力しながらシステムに反映させていき、さらなる正確性の向上とスピード アップを推し進めていく方針です。また、運送事業でのトラック運行管理や在庫管理システム、各拠点との情報共有など、セットアップ事業以外でも、JCOM の支援を得て、クラウド サービスの利用なども含めてシステム化し、生産性の向上につなげていく考えです。

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ソリューション概要

プロファイル

日祥運輸倉庫株式会社外部サイトへ移動するため、別ウィンドウで開きますは、栃木県宇都宮市に本社を置く従業員 124 名の企業で、1994 年の事業開始以来、企業の物流システムの最適化に取り組んできました。一般貨物や国際海上コンテナ、納品代行や小口混載などの運輸、さまざまな商品をパッケージ化し、保管、納入する梱包、商品の特性に合わせた最適保管と迅速で効率的なサービスを提供する荷役、の 3 分野で事業を展開しています。取引先は電機メーカー、タイヤ メーカー、食品メーカーなど多岐にわたります。

導入メリット

  • 大量のデータを瞬時に処理する安定的なシステムの実現
  • 簡単な操作で、正確で信頼できるデータの集計と取得が実現
  • BI 機能によるデータ分析で、経験と勘にもとづいた判断を脱却

ユーザーコメント

「SQL Server をデータベースにすることで、システム トラブルも一切なく、大量のデータを瞬時に処理できようになったので、本当に安心して使うことができます。Excel や Word の操作に慣れた人ならだれでも使えるので、正確で信頼できる数値データを簡単に得られるようになりました。また、Analysis Services で、セット アイテムごとや百貨店ごとの伝票数、毎日の残伝数、必要なアルバイト数を予測する上で不可欠な伝票数の前年度対比など、私が作業指示を出すのに必要な情報を、切り口を変えて参照することができるようになりました。これによって、私の経験と勘にもとづいた判断からデータに裏打ちされた科学的な判断が可能になりました」

日祥運輸倉庫株式会社
梱包包装資材事業部
常務取締役
村上 修 氏

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