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NTTアドバンステクノロジ株式会社

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掲載日: 2011 年 8 月 12 日

ネットワーク インフラを支える光ファイバの品質を担保する接続点検作業にスレート PC を採用。
開発コストの低減とこれまでにない活用法での作業効率の向上を実現

NTTアドバンステクノロジ株式会社

NTTアドバンステクノロジ株式会社

NTTアドバンステクノロジ株式会社 (以下、NTT-AT) は、通信事業者が利用する光ファイバの接続点検用の端末を Microsoft Windows OS 搭載スレート PC「TW117A6PH」(オンキヨー株式会社) をベースに開発し、点検の現場の作業効率の向上とコスト削減を実現しています。スレート PC の特徴を活かして、両手で作業を行うようにすることで、作業員の作業ストレスを軽減させた NTT-AT では、今後は同端末を他の事業者にも展開していくことも計画しています。

<導入背景とねらい>
光ファイバの通信品質を左右する
接続点検作業を Windows OS 搭載スレート PC で実現

NTTアドバンステクノロジ株式会社
先端プロダクツ事業本部
光プロダクツビジネスユニット
光インタコネクションチーム
担当課長代理
芳賀 由昌 氏

多種多様なモバイル端末が登場してきている中、これらのデバイスには、さまざまなビジネス シーンでの活用が行えるかどうかが問われています。マイクロソフトでは、Windows OS を搭載したスレート PC を展開しており、従来のノート PC では実現できなかったビジネスでの活用が行える新たなデバイスとして注目を集めています。他のモバイル端末にはないスレート PC の最も大きな利点は、一般的な業務で使われている Microsoft Office 製品はもちろん、多くのアプリケーションをそのまま利用することができることにあります。また、これまでの Windows 製品と同様に企業の業務システムと連携しやすく、セキュリティを担保しやすいということもビジネス利用では重要な利点です。NTT-AT は、これらの特長を考え、特定業務向けにカスタマイズした形でスレート PC を活用しています。

NTTグループの技術的中核企業として、部品、材料、装置の調達から、コンサルティングやソリューションまでの幅広いソリューションを提供している NTT-AT は、主に NTTグループをはじめとする全国の通信事業者に向けた製品やサービスを開発しています。

「その中で、私のチームでは、光ファイバへの移行が完了しつつある通信キャリアに向けて、光ファイバの保守および管理ツールを販売しています」と話すのは、先端プロダクツ事業本部 光プロダクツビジネスユニット 光インタコネクションチームの担当課長代理である芳賀由昌氏です。多くの通信事業者が光ファイバへの移行をほぼ完了している中で、芳賀氏のチームでは、光ファイバの保守業務や管理業務のために正確で効率的なソリューションを提供することが課題となっていたと言います。

光ファイバは、肉眼では認識できないような細かな汚れでも、その通信品質が左右されてしまいます。また、サブミクロン オーダーで 2 本の光ファイバどうしの通信光が通る「コア」と呼ばれる部分を、位置や角度がずれないようにつながなければなりません。そのため、光ファイバ端面には、汚れやゴミなどがないよう定期的に点検する必要があります。従来は、専用の検査機とソフトウェアを搭載したノート PC でこれらの作業を行っていましたが、ノート PC では作業効率が悪く、両手が使えるような端末の開発を通信事業者から要望されていたと芳賀氏は言います。「光ファイバの接続点検というのは、限られたスペースの中で、両手は常時光ファイバ ケーブルを操作しながら、立ったままの状態で行わなければなりません。この環境では、ノート PC は不向きでマウスやタッチ パネルなどを使った操作は、ほとんどできません。そんな状況を唯一打開してくれた、いわば救世主のような存在が、2010 年の 10 月に導入したスレート PC によるソリューションでした」。

芳賀氏は、「実際の導入よりも半年以上前から、今回のソリューションの構想は立てていました。しかし、条件を満たすような端末がなく、開発を行うことができませんでした」と話を続けます。Windows 環境で利用できること、専用の検査機を接続する USB 端末を持つこと、画面サイズがある程度大きく扱いやすいこと、駆動時間が長いこと、といった条件で端末を探していた芳賀氏は、オンキヨーのスレート PC「TW117A6PH」が発売されることを聞き、スレート PC であれば通信事業者の要求に応えられるツールが開発できると考えたと言います。TW117A6PH は、Windows OS を搭載し、ディスプレイに 10.1 型ワイド液晶 (1024 × 600 ドット) が採用され、約 3.5 時間の駆動時間で、2 ポートの USB 2.0 を搭載していることが開発の条件を満たしていたのです。「持ち歩いて使うため、ある程度堅牢で軽量な端末である必要もありました。接続点検の時間はだいたい 1 日 3 ~ 4 時間なので、駆動時間も必要十分だと思いましたね」 (芳賀氏)。

<システムの概要>
専用ケースで首からかけて両手での接続点検作業を可能にする

今回のソリューションでは、従来のノート PC 用光ファイバ接続点検ソフトウェアをカスタマイズし、タッチ パネル用にメニューの見やすさ、タッチ動作でのメニュー選択の容易さなど、ソフトを改良して提供しています。スレート PC に専用のケースを付け、首からかけて腰に固定して両手で光ファイバを扱うことができるようにしたほか、ケース背面のベルトに手を差し込み片手でスレート PC を持てるようにすることで、作業員は USB 接続された専用検査機を操作しながら光ファイバの汚れをチェックし、必要があれば別途光コネクタクリーナで汚れを落とすこともできるようになります。

ソフトウェアの開発は米国の開発会社と共同で行っていますが、「開発環境の面からいっても Windows 環境が使えるのは非常に大きかったと思います」と芳賀氏が話すように、短い期間で開発を終えられたことも採用の理由の 1 つだと芳賀氏は言います。もともと、Windows ベースの汎用なソフトウェアがあったため、Windows 環境にこだわっていたことを話す芳賀氏は、開発期間とコスト面でのメリットを次のように話します。「もし、専用機器用にモニタとソフトウェアを基板から起こして開発したとすれば、2 ~ 3 年の非常に長い開発期間が必要となったのではないでしょうか。やはり、汎用のシステムを利用して開発できたということが今回のソリューションの強みになったと思いますね。接続点検のためだけに専用の機器を開発するコストをかけることはできません。今回は、最小限の試作で開発できたので、コスト面も低く抑えることができました。そうでなければ、お客様に販売する際の価格も 2 倍以上になったかもしれません。スレート PC の採用により、コスト パフォーマンスが良いと、お客様から非常に高い評価をいただいております」。

コストだけでなく、操作性の面でも導入前から顧客の通信事業者の評価が高く、競合他社とのコンペが行われました際にも「圧倒的に使いやすいという評価をいただきました」と芳賀氏。「高い評価を受けられたのは、スレート PC を採用したことが大きいと思います」と話します。

<導入効果>
Windows 環境で開発しやすく
現場ですぐにレポートを確認できる

今回のソリューションの最大の導入効果は、やはり前述のようにスレート PC を採用することによって、両手で作業できるようになったことです。両手の空かない従来の作業では、コネクタの抜き差しを行う作業員とシステムで汚れなどをチェックする作業員の 2 人が必要でした。「従来は必ず 2 人で行っていた光ファイバの接続点検作業を 1 人でも行えるようになったのは、お客様にとって非常に大きなメリットだと思います」と芳賀氏は話します。

「スレート PC なら、首からかけて使えるので両手が自由になり、操作自体も画面にタッチするだけでチェックできるようになりました。ちょっとしたことですが、多くのケーブルをチェックするとなると、こういった作業ストレスが問題になります。それが、スレート PC にすることで大きく軽減でき、現場の方からも、専用の機器を使っているかのようにスムーズに操作できると、高い評価をいただくことができました」 (芳賀氏)。

現場の作業員からは「画面が大きくて見やすい」という評価も受けていると言います。これは、端末の選定段階から課題となっていたことで、「スマートフォンなどの画面の小さな端末ではなく、スレート PC を採用したからこそ生まれた効果ですね。ソフトウェアを簡素化してタッチ パネルだけで操作できるようにしたことで、誰にでも使いやすいソフトウェアを開発できたと思います」と芳賀氏は話します。「持ち運ぶ荷物がコンパクトになった」という評価も、スレート PC を採用した効果の 1 つでしょう。

「Windows OS は起動が早く、ソフトウェアの動作も軽快で非常に満足しています」と話す芳賀氏は、Windows 環境でソフトウェアを提供した理由を次のように話します。

「お客様社内の PC との連携を考えても、Windows 環境というのは外すことができない必須条件でした。今回のシステムには、レポートを作成する機能があり、PDF などで作成されたレポートをそのまま見ることができるため、現場で判定を行ってレポートをすぐに確認できます。現場で報告用にすぐに記録してリアルタイムに確認し、他の端末でもすぐに確認でき、情報を共有できるという点でした」。

また、顧客となる通信事業者側で一般的に利用されている環境と同じ Windows 環境でソリューションを提供することによって、管理のしやすさやセキュリティ面での効果も考えていたと言います。「今回提供した端末は、基本的にはローカルでの利用を想定していますが、Windows 環境のほうが汎用性に優れていると考えていました」 (芳賀氏)。

Windows 環境であれば、他の業務で利用しているアプリケーションをスレート PC に搭載して活用することも可能となります。また、PC 管理ツールなどを導入している企業であれば、光ファイバ接続点検用のスレート PC も管理対象とすることができ、更新プログラムを最新の状態にするように適用したり、資産管理に役立てることもできます。最新のソフトウェアにすることによってセキュリティ面も守れるほか、セキュリティ対策用のソフトウェアも簡単に導入できることも Windows 環境を採用したメリットの 1 つと言えるでしょう。

肉眼では認識できない汚れやゴミを専用の検査機でチェックすることによって、光ファイバの品質が守られます。

肉眼では認識できない汚れやゴミを専用の検査機でチェックすることによって、
光ファイバの品質が守られます。[拡大図左] [拡大図右]

肉眼では認識できない汚れやゴミを専用の検査機でチェックすることによって、光ファイバの品質が守られます。

<今後の展望>
スレート PC の優位性をアピールし
さらなるソリューションの展開もねらう

今後について、「現在はスタンドアロンで運用していますが、将来的には無線 LAN を活用して社内の保守部門と、光ファイバの状況を確認し合いながら共同で作業するといったようことも可能になると思います。また、スレート PC を活用した今回のソリューションについては、今後も現場の声を取り入れ、さらなる改善を目指すと共に、同様のソリューションを NTT-AT のサービスとして展開していきたいと考えています」と話す芳賀氏。今回は、100 台程度の端末を一部の通信事業者に提供したと言いますが、今後はスレート PC を使った光ファイバ接続点検の優位性を他の顧客にも知ってもらい、全国展開で多くの通信事業者に使ってもらうことを目指しています。

通信事業者側としては、今回の光ファイバ接続点検用の端末に他のソフトウェアを搭載させて、端末を統合させることも考えていると言います。これについても、汎用性の高い Windows 環境を利用しているため、スムーズな移行が可能となるというメリットを生むことができます。また、NTT-AT にとっても、今回提供したスレート PC をベースに、他のソリューションを提供することもできるようになります。

最後に芳賀氏は、「スレート PC は、今後も進化していくと思うので、常に最新技術を使った利便性の高いソリューションを提供できるように今後も努力していきたいですね。たとえば、端末がもっと軽量化していけば、使い方もさらに広がっていくでしょう。他のツールやソリューションでもスレート PC を活用することを期待していますし、高機能で使いやすいソリューションを今後もお客様に提供していきたいと考えています」と今後の展望を話します。

スレート PC などの最新の技術を常に意識しながら、NTT-AT は今後も社会インフラとなっている通信ネットワーク分野でも価値の高いソリューションを提供していきます。

オンキヨー「TW117A6PH」に専用コネクタを USB 接続して利用します。専用のカバーを使うことによって、ハンズフリーでスレート PC を持ち歩くことができるようになります。

オンキヨー「TW117A6PH」に専用コネクタを USB 接続して利用します。専用のカバーを使うことによって、ハンズフリーでスレート PC を持ち歩くことができるようになります。

首からかけて腰に固定させることで、両手がフリーになってコネクタの操作やケーブルを扱うことができるようになり、通常は 2 人必要だった作業を 1 人で行えるようになります。

首からかけて腰に固定させることで、両手がフリーになってコネクタの操作やケーブルを扱うことができるようになり、通常は 2 人必要だった作業を 1 人で行えるようになります。

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ソリューション概要

プロファイル

NTTアドバンステクノロジ株式会社外部サイトへ移動するため、別ウィンドウで開きますは、ネットワークを中心としたインフラ系事業、ソリューション系事業、プロダクトセールス系事業を展開する NTTグループの技術的中核企業です。ICT を活用し、最新技術を取り入れたビジネス ソリューションやサービスを展開し、2020 年度までに売上高 1,000 億円を目指す新成長戦略を立てています。

シナリオ

  • 光ファイバの接続点検用のソリューションを提供するため、最適な端末を模索。さまざまな条件をクリアし、コスト パフォーマンスも高い Microsoft Windows OS 搭載のスレート PC を採用する。
  • Windows OS 搭載スレート PC と専用のケースによって両手が空いたハンズフリーの状態で作業ができるようになり、2 人の作業員が必要だった接続点検作業を 1 人で行えるようになる。
  • 今後はスレート PC を活用して、他のシステムとの統合や他のメンテナンス用ソリューションのスレート PC での展開も検討する。

導入ソフトウェアとサービス

導入メリット

顧客の通信事業者からの要求によって、光ファイバ接続点検のソリューションを構想。Windows 環境、USB、画面サイズ、駆動時間などの条件を満たす端末を探し、スレート PC を採用しました。スレート PC の採用によって開発期間とコストを下げ、接続点検作業の業務効率の向上を実現し、Windows 環境による他の PC との連携などのメリットを顧客に提供しています。

ユーザーコメント

「光ファイバの接続点検作業は、限られたスペースで両手は常に光ファイバ ケーブルを操作しなければなりません。そのような環境の中で、スレート PC は、いわば救世主のような存在でした。スレート PC にすることで作業負担やストレスを大きく軽減でき、コスト パフォーマンスの面でもお客様から高く評価していただいています」

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光プロダクツビジネスユニット
光インタコネクションチーム
担当課長代理
芳賀 由昌 氏

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