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NTT空間情報株式会社

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掲載日: 2011 年 11 月 2 日

Microsoft Windows Azure を活用し地図コンテンツを提供するサービスを開始
網羅性の高い高精度なデータを幅広く活用できる基盤を確立

NTT空間情報株式会社 新本社 (12 月上旬移転予定)

NTT空間情報株式会社 新本社
(12 月上旬移転予定)

NTTグループ内の GIS 事業を継承し、2011 年 7 月に設立された NTT空間情報株式会社 (以下、NTT空間情報) 。ここでは同社が保有する GIS コンテンツをインターネット経由で配信する「GEOSPACE CDS」が 2011 年 8 月に開始されており、そのシステム基盤として Windows Azure と Microsoft SQL Azure が活用されています。採用の最大のポイントはコストの低さ。他社クラウド サービスに比べ、1/5 程度のコストでサービスをスタートできたと試算されています。またマイクロソフトのネーム バリューの高さや、プラットフォームとしての使いやすさ、システム規模やソリューション開発に関する柔軟性、マイクロソフト コンサルティング サービスによるサービスの手厚さなども高く評価されています。


<導入背景とねらい>
網羅性と高精度が特徴の地図データを
ネット経由で配信する「GEOSPACE CDS」

NTT空間情報株式会社
代表取締役社長
猪瀬 崇 氏

インターネット上で新規ビジネスを立ち上げる場合、システムに対する初期コストの抑制はきわめて重要な要件になります。これによって低いリスクでビジネスを軌道に乗せることが可能になるからです。その一方で成長を後押しするスケーラビリティや安定性も欠かせません。このような背反する要件を満たすという、難しい課題を解決する必要があります。

これを Windows Azure の活用で実現したのが、NTT空間情報です。同社は 2011 年 7 月に、NTT-ME と NTTネオメイトの GIS (地理情報システム) 事業を継承する形で設立された企業です。NTTグループで 15 年以上にわたり培われてきた空間情報基盤ソリューションのブランドである「GEOSPACE」を保有し、日本全国を網羅する高精度地図データベース「GEOSPACE電子地図」や、高解像度オルソ航空写真「GEOSPACE航空写真」、3D-GIS などの各種 GIS ソリューションを提供。国や自治体、電力会社やガス会社といったユーティリティ企業などで幅広く活用されています。そして 2011 年 8 月には「GEOSPACE電子地図」と「GEOSPACE航空写真」をインターネットで配信する「GEOSPACE CDS (Contents Delivery Service)」を開始しています。

「GEOSPACE の特長はきわめてカバレッジの広い "網羅性" と精度の高さにあります」と説明するのは、代表取締役社長の猪瀬崇氏です。同社の航空写真は日本国土全域約 37 万平方キロのうち約 27 万平方キロをカバーしており、地図データも日本全国をほぼ網羅していると言います。「最大解像度は 25 cm、全国規模の網羅性でこの精度を実現している航空写真は他にありません。また当社では航空写真から地図を起こしているため、航空写真と電子地図の間にずれが生じないのも大きな優位性だと考えています」。

GEOSPACE CDS はこれらのデータを、WMTS (Web Map Tile Service) などのプロトコルで利用可能にしたものであり、リクエストに応じて GEOSPACE のマップ キャッシュ データを提供します。GIS ベンダーやシステム インテグレーターはインターネットを介し、GEOSPACE を自社ソリューションに組み込んだ形で提供できます。また、Microsoft Silverlight で作成されたクライアント アプリケーションも用意されており、Web ブラウザーで地図や航空写真を表示したり、地図上で距離や面積を計測ったりすることも可能です。

このサービスを実現するためのシステム基盤として活用されているのが、Windows Azure と SQL Azure なのです。

<導入の経緯>
サーバー自社運用を断念しクラウドへ
4 つの理由から Windows Azure Platform を採用

NTT空間情報株式会社
取締役 事業推進部長
中川 守 氏

「GEOSPACE をインターネット経由で提供しようという構想は、既に 2007 年ころから温めていました」と言うのは、取締役 事業推進部長の中川守氏です。そのためにまず最初に行ったのが、自社でのサーバー構築と運用だったと振り返ります。「一部のお客様にはこれでサービスを提供していました。しかし運用コストとパフォーマンス維持が大変だということがわかり、このままでのサービス規模の拡大はリスクが高くなるという結論に至りました」。この問題を解決する手段として着目したのが他社のクラウド サービスの活用です。国内、国外の複数のクラウド サービスを比較検討した後、2011 年 4 月~ 5 月に Windows Azure Platform のトライアル環境における検証を実施。その結果、GEOSPACE CDS のサービス提供基盤には Windows Azure Platform が最も適していると判断、2011 年 6 月に正式採用しているのです。

「Windows Azure Platform 採用の理由は 4 つあります」と猪瀬氏。「マイクロソフトのネーム バリュー、コスト メリット、プラットフォームとしての使いやすさ、そして柔軟性の高さです」。

まずマイクロソフトのネーム バリューは、GEOSPACE CDS のユーザーに安心感を持ってもらううえで重要だと説明。コストに関しては、他社がストレージ容量に応じた従量課金制を取っているケースが多いのに対し、Windows Azure Platform は利用状況にフィットしたコミットメント プランであることを評価したと言います。「当社は膨大な量の地図データをホスティングする必要があるため、ストレージ容量課金では初期コストが大きくなります。これに対して Windows Azure Platform なら初期コストを抑えられると判断しました」 (猪瀬氏) 。

プラットフォームとしての使いやすさは、OS やデータベースが既に用意されていることや、バージョンアップやパッチ適用もマイクロソフトが実施することによって実現されていると指摘。そして必要に応じてスケールアップできることや、マイクロソフト製品の API が利用できることで開発者の確保が容易になっている点が、高い柔軟性につながっていると説明します。

<導入効果>
他社クラウドに比べ 1/5 のコスト
開発生産性の高さも大きなメリット

NTT空間情報株式会社
事業推進部 サービス企画部門長
高木 洋一郎 氏

現在の GEOSPACE CDS は、Windows Azure と SQL Azure の組み合わせで実現されています。地図データと航空写真は 19 階層の縮尺レイヤーに分けられ、タイル状にクラスター化したマップ キャッシュ データを SQL Azure と Windows Azure 上の Blob ストレージに格納。データに対するリクエストは Windows Azure 上、Web Role の Internet Information Services が受け取り、リクエストに応じたデータを提供します。このデータは Web ブラウザーで汎用的に使える Sliverlight クライアントや、クライアント PC で稼働する各種 GIS アプリケーションで利用できるほか、プライベート クラウド上で稼働する各種ソリューションと連携させた活用も可能です。

「格納データ量は 6TB を超えていますが、Windows Azure を採用したことで低コストでサービスを開始できました」と猪瀬氏。他社クラウド サービスのコストと比較すると 1/5 程度、自社運営サーバーとの比較では 1/10 程度になったと説明します。また中川氏は「今回はマイクロソフト コンサルティング サービス (MCS) も活用しましたが、予想以上にフットワークが軽くて助かりました。トライアル着手からわずか 4 か月で本サービスを開始できたのも、MCS による手厚いサポートがあったからだと考えています」と語ります。

その一方で、事業推進部 サービス企画部門長の高木洋一郎氏は「検証期間も含め全くシステム的な問題が生じていないことも注目すべきポイント」だと指摘します。「本サービスが始まった後もレスポンス速度は全く低下していません。検証結果通りの動きを見せています」。

開発環境としては Windows Azure Platform が利用されていますが、これによって高い開発生産性を実現していることも、大きなメリットだと高木氏は説明します。GEOSPACE CDS のデータを活用したソリューションを、パートナー企業が開発しやすくなっているのです。

事業スキーム

事業スキーム[拡大図]


事業分野

事業分野[拡大図]

<今後の展望>
GIS ミドルウェアとの接続をさらに拡充
BI を組み合わせたソリューションも推進

GEOSPACE CDS のサービス開始から現在 (2011 年 9 月) までまだ 1 か月余りしか経過していませんが「既に 10 を超える GIS ミドルウェアとの接続検証が実施されており、具体的な案件も次々に立ち上がっています」と高木氏は説明します。今後もパートナー企業と共に対応アプリケーションを拡充しながら、ビジネスを拡大していくことが目指されています。

そのアプローチの 1 つとして進められているのが、Microsoft Dynamics CRM との連携です。Microsoft Dynamics CRM を利用したビジネス パッケージを展開しているパートナー企業と、GEOSPACE CDS を利用しているシステム インテグレーターが、共同でこの作業を進めています。これによって GIS にビジネス インテリジェンス (BI) の機能を付加し、自治体向け危機管理ソリューションなどを実現できると期待されています。

またスマートフォンやタブレット PC をクライアントに活用したソリューションの拡充も検討されています。「特に、Microsoft Windows Phone はセキュリティ機能に優れているため、今後企業ユースでの活用が広がると考えています」と中川氏は説明します。

「マイクロソフトと組むことで、安心・安全に 24 時間 365 日使えるサービスをリーズナブルなコストで実現できました」と猪瀬氏。「ぜひ多くのお客様にご利用いただきたいと考えています」。

スマートフォンやタブレット PC での利用

スマートフォンやタブレット PC での利用

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ソリューション概要

プロファイル

NTT空間情報株式会社外部サイトへ移動するため、別ウィンドウで開きますは、株式会社エヌ・ティ・ティ エムイー (NTT-ME) と株式会社エヌ・ティ・ティ ネオメイトの GIS (地理情報システム) 事業を継承する形で、2011 年 7 月に設立された企業です。NTT グループで 15 年以上にわたり培われてきた空間情報基盤ソリューションのブランドである「GEOSPACE」を保有し、日本全国を網羅する高精度地図データベース、高解像度オルソ航空写真、3D-GIS などの各種 GIS ソリューションを提供しています。2011 年 8 月にはこれらのコンテンツをインターネット経由で配信する「GEOSPACE CDS (Contents Delivery Service)」を開始。各種 GIS ミドルウェアと連携したソリューションの開発も、パートナー企業と共に推進しています。

導入メリット

  • マイクロソフトのネーム バリューを活用することで、利用者の安心感を高めることが可能になった。
  • Windows Azure Platform の利用により、他社クラウドの 1/5 程度のコストでサービスを開始できた。自社運用サーバーに比べると、コストは 1/10 程度にまで圧縮されている。
  • OS やデータベースの提供、バージョンアップやパッチ適用などまでカバーされているため、プラットフォームとして使いやすい。
  • スケールアップが行いやすく柔軟性が高い。またマイクロソフトの API を使った開発が行えるため、開発生産性も高く、開発パートナーとの協業も柔軟に行える。
  • 可用性もきわめて高い。検証期間を含め、これまでシステム的な問題が発生したことはない。

ユーザーコメント

「Windows Azure 採用の理由は 4 つあります。マイクロソフトのネーム バリュー、コスト メリット、プラットフォームとしての使いやすさ、そして柔軟性の高さです」

NTT空間情報株式会社
代表取締役社長
猪瀬 崇 氏

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