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株式会社産経デジタル

掲載日: 2011 年 9 月 30 日
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ソリューション概要

プロファイル
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国内の主要新聞社初のデジタル事業専業子会社として設立された株式会社産経デジタルleave-msは、報道用ニュース情報の収集、販売、ニュース サイトやデジタル コンテンツ、モバイル コンテンツの企画制作運営などをトータルに推進しています。産経新聞本紙と協調しながら、日本マイクロソフトと共同運営する『MSN 産経ニュース』でWeb 媒体ならではの特性を発揮。『MSN 産経ニュース』のリニューアルを契機に、同サイト内に総合写真サービス『MSN 産経フォト』の提供を開始しました。

ソフトウェアとサービス
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Windows Azure™ Platform

パートナー企業
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シグマコンサルティング株式会社leave-ms
* サイトコア株式会社

メリット
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アクセスの急増やトラフィックの変動に柔軟に対応
コンテンツ サイズを最適化させ、大量配信もスムーズに実行
初期投資や開発期間、運用負荷加等を抑えた構築を実現

ユーザー コメント
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「今回、できるだけ大きくきれいな画像データを保持し、しかも容易な操作性や検索性、快適なレスポンスの実現という難題をお願いしました。『MSN 産経フォト』は、コンテンツ量やアクセス数の急増を背景に、作りながら考え、さらに機能を向上させながら走る、というスパイラルな成長性を持ったサイトとして動き続けていますが、今後さらにその姿勢を堅持し、時代ニーズを先取りした新サービスを拡大していきたいと思います」

産経新聞 東京本社
写真報道局デジタル担当動画推進室
後藤 徹二 氏
Windows Azure™ のスケーラビリティを背景に、
コンテンツ管理システム Sitecore CMS で自在性を確保。
掲載、投稿、閲覧、蓄積をスムーズに行う総合写真サイト『MSN 産経フォト』を構築。


*株式会社 産経デジタル
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株式会社 産経デジタル

株式会社産経デジタル (以下、産経デジタル) は 2005 年 11 月、国内の主要新聞社初のデジタル事業専業子会社として設立。翌 2006 年 2 月から、本格的な活動を開始しました。以来、新聞、雑誌をはじめとするバラエティー豊かな媒体展開を図る産経新聞グループならではのコア コンピタンスを活かしながら、その一翼を担うメディアとして、速報性や自在性などデジタル媒体のメリットをフルに駆使しながら、ユーザーにとって有益な情報の提供を目指した活動を続けています。
また、同社と日本マイクロソフト株式会社が共同運営する『MSN 産経ニュースleave-ms』は、本紙に先行した形でスクープ記事を掲載するなど、独自の速報性を発揮。紙面と Web のニュース編集体制の統合を図り、さらに高質なニュース サイトの構築を実現しています (画面 1)。
同サイトは、 2011 年 1 月のリニューアルを契機に、サイト内の新サービスとして『MSN 産経フォト』の提供を開始しました。このサービス形成には、高画質を尊重しながら速報性やアーカイブ性、検索性などを最大限に発揮、一般のアマチュア カメラマンからの投稿などにも対応する柔軟性とスケーラビリティが求められました。そこで、クラウドに対応した Web コンテンツ管理システム (Contents Management System = CMS) である「Sitecore CMS Azure Edition」を採用。Windows Azure ならではの開発生産性を背景に、初期投資を抑えながら短期間での構築を実現し、現在もアクセス数を拡大し続けています。

画面 1 MSN 産経フォト トップ画面
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画面 1 MSN 産経フォト トップ画面leave-ms
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<導入の背景とねらい>
写真を愛する人たちが一堂に会し、
写真を介した交流の場を築く


後藤 徹二 氏
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産経新聞 東京本社
写真報道局デジタル担当動画推進室
後藤 徹二 氏

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撮影したフィルムをラボに持ち込んだり、プリントしたりという手間もなく、撮ったその場ですぐに確認したり、メールを介して配布、共有することができるデジタル カメラの普及で、だれもが気軽に写真を楽しむ文化が定着してきました。事実、携帯電話で「写メ」を撮るのは、すっかり日常生活の一部分となった観があります。さらに出かけるときには必ずカメラを携行し、目についたものを何でも被写体として撮る人も増えています。
産経新聞 東京本社 写真報道局デジタル担当動画推進室 後藤 徹二 氏は、こう語ります。
*東郷 龍一
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日本マイクロソフト株式会社
コンシューマー & オンライン事業部
MSNサービス部
シニアプロデューサー
東郷 龍一

「私たちは、3 年ほど前から写真総合サイトを構想していました。つまり、写真がより身近になった時代趨勢に応えて、アマチュアからプロのカメラマンに至るまで、写真を愛する人たちが立場やロケーション、国境をも越えて一堂に会し、自ら撮影した写真の発表や共有を実現することができる、そんな総合写真サイトを築こう、というのが MSN 産経フォトそもそもの発想だったのです」。

日本マイクロソフト株式会社 コンシューマー & オンライン事業部 MSNサービス部 シニアプロデューサー 東郷 龍一は、そんな構想をビジネス パートナーとして以下のように受け止めました。
「スムーズなサイト運営やレスポンスの実現、さらにコスト リダクションという二律背反要素を両立させること。さらに、新聞社として写真品質にこだわるマインドに最大限応えるためにはどうすれば良いのかがポイントでした」。

当初、取材現場を飛び回るカメラマンや記者などの意向を汲むために、スクラッチ ベースのシステム開発も考慮されました。しかし、続々と蓄積されていく画像データや、一般からの投稿の拡大を予測し、サーバーやストレージなどのハードウェア資産を、常に過不足なく確保しておくのは容易ではありません。
そこでハードウェア リソースをローカルに保有するのではなく、必要に応じて、必要なだけネットの向こう側から調達するクラウド コンピューティングが正解であるという結論を得たのです。
「私たちは、さらに汎用性が高く、優れたパッケージ ソリューションを活用することで、開発コストと期間の圧縮を狙うことが得策であると考えたのです」 (東郷)。


<システム導入の経緯>
クラウドを背景に、自由度が高く
即応性や拡張性を実現するポータルを築く


橋本 圭一 氏
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シグマコンサルティング株式会社
代表取締役
橋本 圭一 氏

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MSN 産経フォトの構築にあたっては、.NET ベースの業務システム開発や Windows Azure を活用した企業向けクラウド コンピューティングに多くの実績を有しているシグマコンサルティング株式会社 (以下、シグマコンサルティング) を、システム構築のパートナーに選定。同社 代表取締役 橋本 圭一 氏のアドバイスを仰ぎました。橋本 氏は、その経緯を以下のように回想します。

「今回のご要望は、画像の大きさや品質を重視して、写真の解像度は高く保ちたい。その一方で、自由度が高く、特別な技術や習熟を問わず、誰でも自在なレイアウト等が図れるシステムにしたいというものでした。しかも、2010 年の 11 月にご相談いただいたのですが、翌 2011 年の 1 月 17 日のサービス開始は規定事項となっていたのです」。

時々刻々と変化する社会を睨む報道機関の Web サイトとして、高頻度で追加、更新される画像データの処理を、高い操作性の下に実行できること。しかも、それを 2 か月強という短期間で完成させるためには、Windows Azure に対応し、高い機能性や操作性、さらに確かな実績の下に信頼性が確保された Web コンテンツ管理システムを活用することが求められていました。
橋本 氏は、以上の観点からさまざまな製品を吟味。その結果、ますます複雑化する Web サイトの構築、管理、運用をシンプルにするコンテンツ管理ソリューションとして、Sitecore CMS が最適であるという結論に達しました。
デンマークに本社を置くサイトコア社の Sitecore CMS は、他に先駆けていち早く.NET フレームワークを採用した Web コンテンツ マネジメント システムです。チケット販売とオンライン マーケティングを複合させた英国『マンチェスター シティ フットボール クラブ』のサイトなど、世界各国で大規模な Web サイト構築、運営を実現してきた実績を誇っています。
その日本法人であるサイトコア株式会社 マーケティング & テクノロジー担当 取締役副社長 高沢 冬樹 氏は、MSN 産経フォト立ち上げの際の打診について、こう語ります。

*高沢 冬樹 氏
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サイトコア株式会社
マーケティング & テクノロジー担当 取締役副社長
高沢 冬樹 氏

「今回のシステムは、私たちのコンテンツ管理システムを、写真入稿のためのポータル的な仕組みとして使いたいというものでした。スケーラブルな Windows Azure をプラットフォームに、ニュースに求められるスピード感やコンテンツの多さ、さらに将来に向かう逐次的な拡張性と高い自由度の実現など、要件が非常に高度で、デンマーク本社を含めワールド ワイドのサイトコア全体からも注目を集める案件だったのです」。


<システムの概要>
スケーラブルなWindows Azure 環境下で
高い自由度を発揮


ニュース性の高いテーマを扱う報道サイトは、大きなトピックがあれば一気にアクセスが上がります。そこで、本システムには急激なトラフィックの変動にも耐え得るフレキシビリティが求められていました。
「私自身、本格的な Sitecore CMS Azure Edition の活用は初めての経験でした。そこで Windows Azure における Sitecore CMS の性能などを検証しながら、構築を進めていきました。その過程で、Azure 環境下でも十全の機能が発揮できる、という確信が膨らんでいきました」 (橋本 氏) 。

こうして、 2 か月強という開発期間の中で、最大のパフォーマンスを出すための挑戦が続けられました。たとえばアクセスが一気に集中した場合にも、レスポンスを落とさないためにさまざまな試行を繰り返し、その一環として 12 月末には北米にあったノードを香港に変更。その努力が功を奏し、レスポンスが大きく向上しました。さらに、大量のコンテンツをより軽く扱うために、コンテンツ サイズの最適化を進め、検索のしくみなども新たに作り込みました (図 1)。

コンテンツ サイズの側面では、印刷に耐えうる画質をキープしたいというのが、報道メディアとしての産経デジタルの要望でした。
「さらに画像品質とともに、キャプションなどの付加データも極力たくさん盛り込みたいとお願いし、さまざまな技術的ご尽力をいただきました。一方、当初は絞りやシャッター速度、レンズの焦点距離などの画像情報や撮影日時などの付加情報を記した Exif (Exchangeable Image File Format) データは、写真ファンにとってマスト要素だと考えていました。ところが、MSN 産経フォトのサービス開始後にわかったことなのですが、自ら写真撮影するという積極的な写真ファン以外の方にも裾野が広がり、必ずしも多くの方が撮影データを気にしているわけではないことがわかりました」 (後藤 氏) 。

「他方で、ご覧になる方はさまざまな環境やデバイスからアクセスして来られるのです。そこで、スマートフォンで閲覧したときにも満足できるクオリティを基準にしました。このあたりも、マルチ デバイスに対応した Sitecore CMS に助けられました」 (橋本 氏) 。

図 1 Sitecore CMS Azure Editionを使用した「MSN 産経フォト」サイト構成概要図
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図 1 Sitecore CMS Azure Editionを使用した「MSN 産経フォト」サイト構成概要図 [拡大図]
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<導入の成果>
コンテンツやアクセスの急増に
クラウドの柔軟性が大きく貢献


こうした努力を積み重ね、MSN 産経フォトは当初の予定どおり 2011 年 1 月 17 日にサービスを開始。世界中から選りすぐりの写真を紹介するコーナーや、ユーザーの投稿サービスをはじめ、女性ならではの視点で捉えた写真や、新製品情報コーナー、デジタル カメラのハイビジョン動画撮影機能を使った映像など、写真の楽しさをさらに拡大してくれるコンテンツが溢れるサイトとなりました。
中でも、マウスやタッチ パッドの簡単な操作だけで、景色を 360 度グルリと回転させることができる「パノラマ写真」機能は、このサイトならではの独自サービスで、世界各地からアクセスが殺到する人気コーナーとなっています。
「MSN 産経フォトは、サービス イン後も恒常的なブラッシュ アップを継続しており、さらに大きな画像コンテンツの大量配信をスムーズに実行するために、CDN (Contents Delivery Network) なども考慮しています。2011 年 2 月にはノードへのアクセスやそれに伴う I/O スループットを軽減するために、日本にキャッシュを置くなどの工夫を凝らしました」 (橋本 氏) 。

「私たちは、これでサイトが完成したとは思っていません。走りながら考え、作り上げていく意識を大切に、常に『現状はベータ版である』という気持ちで、精力的な実験を続けていきたいと考えているのです。たとえばパノラマ写真は、あたかも自分がその景色の中心にいるような気分にさせてくれるユニークなコーナーですが、いつも『このサイトでしか見られない』というコンテンツの価値や感動を大切に、それらをより効果的に見せる工夫を継続していきたいと考えています」 (東郷) 。

折しも、サービス開始から 2 か月を経た 2011 年 3 月 11 日、東日本大震災が起こりました。世界中が見守る現地の状況をリアル タイムで伝え、新聞が届かなくなったエリアにも、視覚情報を含めた状況を届けることができるメディアとして、同サイトへのアクセスはさらに急増したのです。
事実 3 月末の時点で、1 年後に想定していたページ ビュー数に到達。このようなコンテンツやアクセスの急増への対応にも、クラウドの柔軟性が大きく貢献してくれました。ハードウェア資産をローカルに置いたオン プレミス環境では、このような事態への対応は難しかったはずです。
現地に入ったカメラマンたちからは、地震とその後の津波で大きな被害を受けた東北各地の様子が、刻々と伝えられてきました。パノラマ写真など他の媒体にはない表現によって、世界の人々が被害の大きさを身をもって知ることができ、今後の継続的な支援の必要性を痛感しました。また、記者やカメラマン達が「この現状をしっかり伝えてください」と、被災した多くの方々から逆に励まされている光景にも遭遇しました。
後藤 氏は、このような経験を通じて、現場の記者やカメラマンの意識も大きく変わったと語ります。
「従来の紙媒体は、締め切りや紙面スペースなどの時間的、空間的制限から、せっかくの取材成果が発表できないケースも少なくなかったのです。しかし、Web を基盤とする『MSN 産経フォト』ならば、そのような物理的条件に縛られることなく、リアル タイムな成果を全世界に向けて随時発信することができ、それがアーカイブされていくのです。この事実は、報道人としてのモラル アップやモチベーション アップにも大きく貢献してくれました」。


<今後の期待>
現場ニーズや利用者の声に耳を傾け、
成長し続けるシステムとして育てていきたい


社会は日々動いており、それを伝える報道サービスもまた生き物なのです。したがって Web サイトにも、必要に応じて高頻度の更新が求められます。そのためには、だれもが容易に変更できるハンドリング性が不可欠な要素でした。
「私たちのサービスでは、1 つのページを複数の担当者が分担して構成することも多いのですが、Sitecore CMS を基盤とするこのシステムは、各自が担当分だけを簡単に変更できるので助かっています。旧来のように、HTML の記述に依拠していたのでは、迅速な更新が阻害されますからね」 (東郷)。

「操作性という意味では、習熟度を問わない直感的なインターフェイスも大きな魅力です。現在、主に現場のカメラマンや記者自身がページ作りや更新を担当していますが、彼らの多くは特別な訓練やトレーニングを受けていない、初めてシステムに触る人たちでした」 (後藤 氏) 。

「今回の案件は、シグマコンサルティングさんの高い技術力によって、Sitecore CMS Azure Edition に新たな可能性を拓くことができました。その意味でも、大変感謝しています。スケーラブルな Windows Azure Platform を舞台に、日々拡大し続ける膨大な報道データの管理を行うというミッションに対して、柔軟で自由度の高いソリューションをこの日本から築くことができ、私たちの製品をさらに鍛えることもできました」 (高沢 氏) 。

産経デジタルでは、今後さらに新聞本紙との連動性を深めながら、MSN 産経フォトを Web ならではの即応性や拡張性、インタラクティブ性を発揮したサイトとして成長させていきたい、としています。
そんな要望に技術で応えるのが自らの使命とする橋本 氏は、今後の展望をこう締めくくりました。
「さまざまな現場の要望や利用者の声を、具体的なシステムに迅速に反映させることが私の仕事です。今後とも、Windows Azure のスピード感や Sitecore CMS の柔軟性やデータ管理の容易性が、それを後押ししてくれるものと確信しています」。
本ケーススタディに記載された情報は初掲載時のものであり、閲覧される時点では変更されている可能性があることをご了承ください。
本ケーススタディは情報提供のみを目的としています。Microsoft は、明示的または暗示的を問わず、本書にいかなる保証も与えるものではありません。
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