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株式会社サッポロドラッグストアー

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掲載日: 2015 年 9 月 9 日

PaaS だからこそ実現できた POS レジ改革、
Microsoft Azure 上にクラウド型 POS システムを構築して約 50% のコスト削減を実現可能に

株式会社サッポロドラッグストアーは、北海道内でドラッグストアと調剤薬局を展開している企業です。同社は、北海道内の加盟店で共通利用できる新しいポイント カードを実現し、同時に既存 POS システムが抱えていた課題も解決するため、POS システムの刷新を決断。パートナーの株式会社4U Applications と共に、Microsoft Azure を活用して、リアルタイムの売上集計が可能なクラウド型 POS システムを開発しました。

北海道では「サツドラ」の愛称で知られるサッポロドラッグストアー

北海道では「サツドラ」の愛称で知られるサッポロドラッグストアー

<導入背景とねらい>
北海道内で使える地域共通ポイント カード「EZOCA」構想実現のため、POS の刷新が急務に

写真:株式会社サッポロドラッグストアー 業務システム部 POS 開発担当マネージャー 小野寺 雅樹 氏

株式会社サッポロドラッグストアー
業務システム部 POS 開発担当マネージャー
小野寺 雅樹 氏

株式会社サッポロドラッグストアー (以下、サッポロドラッグストアー) は、北海道でドラッグ ストアと調剤薬局を 163 店舗展開している企業です。「サツドラ」の愛称で知られる同社は、薬品だけでなく食品や生活雑貨など生活に密着した商品も幅広く扱うことで、お客様との距離の近い "普段使いの店" を目指しています。

ただし、IT 活用という点では、けっして先進的とはいえなかったと、株式会社サッポロドラッグストアー 業務システム部 POS 開発担当マネージャー 小野寺 雅樹 氏は次のように語ります。

「当社の IT 投資は、これまで必要最小限にとどまっていました。システム範囲が狭く部分最適になってしまい、各業務間でのデータ一元化・連携ができない状況に陥ってしまいました。ゆえに Excel でデータを再入力するような属人的作業に頼る環境でした」

こうした状況が大きく変わったのが、現社長 富山 浩樹 氏が入社した 2007 年からです。富山氏は IT は経営を成長させる重要なツールであると考え、さまざまな改革に着手しました。その 1 つが、新しいポイント カードの開発です。現在、「EZOCA (エゾカ)」で知られるこのカードは、自社に限定することなく、北海道内の加盟企業による共通利用を目指したものでした。しかし、プロジェクトを任された小野寺氏は、いきなり壁にぶつかります。

「地域共通ポイント カードを導入するためには、POS システムの改革が必要でした。既存システムを導入した POS ベンダーに何度も相談しましたが、加盟企業が参加できない自社内で閉じたしくみ、何千万、何億という高コストのしくみを提案され、前に進みませんでした。また、従来の POS システム自体も、アプリを少し改修するだけで何百万もコストがかかり、POS レジを操作する現場社員からも "使いづらい" と評価されていたのです」 (小野寺氏)

そこで小野寺氏は、POS システムをゼロ ベースで改革することを決断。使いづらい POS レジを刷新し、担当者に笑顔を取り戻すという意味を込めた「スマイルレジプロジェクト」を立ち上げました。そして、同プロジェクトを実現するため、以前からつながりのあった POS システムの技術者集団である株式会社4U Applications (以下、4U Applications) に連絡します。こうして、スマイルレジプロジェクトは一気に動き出しました。

<導入の経緯>
新 POS システムの開発基盤として完成度が高かった Microsoft Azure を選択

写真:株式会社4U Applications 取締役副社長 久下 雅幸 氏

株式会社4U Applications
取締役副社長
久下 雅幸 氏

4U Applications は、「POS4U」という POS アプリケーションのフレームワークを開発・提供している企業です。POS4U は、特定業種向けの POS パッケージ開発やユーザーが POS システムを開発するための開発キットとして活用できる製品です。ただし、小野寺氏が 4U Applications に求めたのは、初期投資を抑えるためにクラウドを活用することでした。

これに対し、4U Applications から返ってきたのは、開発基盤として Microsoft Azure の PaaS サービスである Cloud Services を利用するという提案でした。その理由について、株式会社4U Applications 取締役副社長 久下 雅幸 氏は次のように説明します。

「Azure を選んだ理由は、PaaS としての高い完成度です。サッポロドラッグストアー様が 2020 年に向けて店舗数を急拡大させる計画をお持ちでしたので、それに追随できるスケーラビリティと柔軟性を確保するには、オンプレミスや IaaS ではなく PaaS がベストだと判断したのです。加えて Azure であれば、我々がこれまで .NET 環境で培ってきた資産を有効活用できるのも決め手になりました」 (久下氏)

ただし、はじめてこの提案を見た小野寺氏は、パブリック クラウドを使うことに強い不安を覚えたといいます。

「当時の私の知識では、業務システムを載せるクラウドはプライベート クラウドしか考えられませんでした。したがって、最初に Azure を提案されたときは『大丈夫ですか』というのが本音でした」 (小野寺氏)

これに対し久下氏は、Azure であればセキュリティや信頼性の点でも確実に業務に耐えられるシステムを構築できることをていねいに説明し、最終的に了解を得たということです。

こうして、2013 年 7 月から、Azure 側のシステムと POS レジ用のアプリ開発が本格的にスタート。翌 2014 年に入って店舗のレジを実験的に Azure に接続し、以降、順次新システムに移行して、2014 年 5 月には全店舗約 600 台のレジをリプレースしました。そして、翌 6 月には地域共通ポイント カードのシステムと接続し、新しいポイント カードの運用も、無事スタートしました。

北海道共通ポイント カード「EZOCA (エゾカ)」

北海道共通ポイント カード「EZOCA (エゾカ)」

<導入の成果>
店舗サーバーの入れ替えが不要になり、約 50% のコスト削減を実現

当初の目的であった地域共通ポイント カード実現に貢献した新しい POS システムは、それ以外にも、さまざまなメリットを同社にもたらしました。その 1 つが、売上のリアルタイム集計です。

「これまでは、売上データは各店舗の POS レジから『ストコン (ストアコンピュータ)』と呼ばれる店舗ごとに設置されたサーバーに蓄積され、夜間バッチ処理で本部サーバーに送られていました。このため、翌朝にならないと売上がわからなかったのですが、新しいシステムでは、レシートが発行された瞬間にデータがクラウドに飛んで集計されるようになりました。現在は、多いときは 1 時間に約 1 万件のレシート データを処理しています」 (小野寺氏)

また、POS レジからデータがリアルタイムにクラウドに送られるようになったため、これまで各店舗に 1 台ずつ設置されていたストコンが不要になり、その保守・管理からも解放されました。同社によれば、49.6% ものコスト削減につながると試算しています。 (コスト削減は、旧データセンターの整理などにより近日実現見込み)

「これまでは 7 年周期で POS ハードウェアの更新があり、機種が変わることによりストコンの入れ替えが発生していました。そのたびに購入していたストコンのライセンスが不要になったことがコスト削減幅として非常に大きいです」 (小野寺氏)

さらに、POS レジそのものの管理も効率化されたと小野寺氏は語ります。従来は、レジのマスター データを本部から一括更新できなかったので、各店舗のサーバーに遠隔操作で入って 1 台ずつ設定していました。POS レジのアプリ改修もたいへんで、たとえばキーの配置を 1 か所変更するのにも、1 台ずつ遠隔操作で入って作業するか、現地で対応するしかありませんでした。こうした課題は、Azure 導入によってクラウドから一括更新できるようになったのです。

なお新しい POS システムは、ネットワークの使えないオフライン時にもオペレーションが途切れないように工夫がなされています。

「オフラインのときも、POS レジ内の専用アプリによって基本的な販売業務が継続できるしくみになっています。オフライン時に蓄積されたデータは、オンラインになると自動的にクラウドに送信されます。このため、レジ担当者はオンライン/オフラインを意識する必要はありません」 (久下氏)

もちろん、覚えることが多く、精神的なストレスになっていた POS レジの操作も大幅に軽減され、「スマイルレジプロジェクト」という名前に込められた目的の基盤づくりも達成されました。現在、「スマイルレジプロジェクト」は、接客マナーなどをトレーニングする教育部門に受け継がれ、新しいフェーズへと移行しています。

写真:集合写真

<今後の展開>
リアルタイムの売上集計を活かした基幹システムの改革も計画

地域共通ポイント カード実現のために刷新された POS システムは、現在、それ以上の価値を同社にもたらそうとしています。中でも期待されているのが、売上データのリアルタイム集計です。

「レジの次は基幹システムの改革を計画しています。売上データがリアルタイムにわかれば、リアルタイムの在庫管理にもつなげることが可能ですので、ぜひ実現したいですね。また、弊社は EC サイトも運用していますので、オムニチャネルの実現にも役立つと思います。今回の POS システムの刷新で、経営上のさまざまな戦略を実行する 1 つの基盤が整ったと考えています」 (小野寺氏)

パートナーである 4U Applications との関係も強固です。小野寺氏は「4U Applications には全幅の信頼を置いています」と語り、4U Applications の久下氏も、サッポロドラッグストアーと共に作り上げたクラウドの POS システムを「POS as a Service へと発展させたい」と語ります。

POS システムのクラウド化には、オフライン時の処理やセキュリティ、既存資産からの脱却の難しさといったさまざまな課題が指摘されています。今回、サッポロドラッグストアーと 4U Applications は、Azure の PaaS を活用することでこれらの課題を見事にクリアし、その実現が可能であることを証明してみせました。将来、「POSaaS: POS as a Service」があたり前になったとき、今回のサッポロドラッグストアーと 4U Applications の取り組みが、改めて脚光を浴びることになるのではないでしょうか。

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ソリューション概要

プロファイル

株式会社サッポロドラッグストアー外部サイトへ移動するため、別ウィンドウで開きますは「サツドラ」の愛称で知られる北海道内に本拠をおく企業です。現在、北海道内にドラッグ ストアと調剤薬局を 163 店舗展開する同社は、薬品だけでなく食品や生活雑貨など生活に密着した商品も幅広く扱い、お客様との距離が近い "普段使いの店" を目指しています。

パートナー企業

  • 株式会社4U Applications

導入メリット

  • 北海道内の加盟店で共通に使える地域共通ポイント カード「EZOCA」の実現
  • リアルタイムの売上データの取得
  • 既存 POS システムのストコン廃止により、保守・管理のコストを約 50% 削減
  • POS レジの操作性向上によるレジ担当者の負荷軽減

ユーザーコメント

「POS システムのクラウド化というチャレンジングなプロジェクトでしたので、トラブルも少なくありませんでした。しかし、マイクロソフトのサポートは、たとえ時間がかかっても必ず答えを出してくれました」

株式会社サッポロドラッグストアー
業務システム部 POS 開発担当マネージャー
小野寺 雅樹 氏

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