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セコム株式会社

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掲載日: 2013 年 1 月 15 日

大規模施設向け総合セキュリティ サービスの設計業務を大幅に効率化したツールに、Microsoft Visio を採用。きめ細かくなった作図機能で、一歩先のサービス展開へ前進

セコム株式会社

セコム株式会社

セコム株式会社では、2002 年から大規模施設向けセキュリティ システム「トータックスZETA」を提供しています。「トータックスZETA」の設計においては、「図面作成」と「データ設定」という工程があり、これまではそれぞれを別工程として対応してきましたが、Microsoft Visio を使うことで「図面作成」と「データ設定」を同時に行うことが可能になり、業務効率が大幅に向上しました。そして 2013 年には最新の Microsoft Visio 2013 を活用して、さらに業務効率化と確実化のためにできることを検証し、質の高いセキュリティ システムの提供に貢献していくことが期待されています。

<導入の背景とねらい>
大規模施設をカバーし尽くす機器配置と、何千という設定項目をクリアするデータ設定を Visio で効率化

1962 年に日本で初めての警備保障会社として創業以来、常に新しい「安全・安心」を提供するサービスやシステムを創出し、社会の安全化に取り組んできたセコム株式会社 (以下、セコム)。独自のセキュリティ システムの研究開発や高品質なサービス提供を通して培ってきた技術力と運用ノウハウを持つ同社では、家庭用ホーム セキュリティのみならず、法人向けにも多様なセキュリティ ソリューションを提供しています。そして、その最上位に位置するシステムが、2002 年から提供を開始している大規模施設向けのセキュリティ システム「トータックスZETA」です。

セコム株式会社
SI営業本部
SIシステム部
次長
大木 成司 氏

「トータックスZETA」は、工場や高層ビル、複合施設など、大・中規模な建物向けに、出入管理から外周監視、エレベーターや空調などの設備管理までを包括的にサポートするセキュリティ ソリューションです。
セコムの持つ最新のネットワーク技術と防犯のノウハウを結集したこのソリューションでは、制御すべき項目が多岐にわたり、複雑に連携。目的ごとに多種多様な機器が活用されています。そのため、サービス提供に先駆けた「図面作成」と「データ設定」の作業に多大な労力が費やされていたと、セコム SI営業本部 SIシステム部 次長 大木 成司 氏は話します。

「トータックスZETA では、お客様がビル 1 棟、工場 1 つを建てられる際に、その施設の防犯、設備管理を総合的に提供させていただくことになります。アクセス制御用の IC カードリーダーや防犯監視用の防犯センサーを "死角のない" 状態に周到に配置し、さまざまな運用に合わせて細かく設計します。さらにはフロアごとの人の在・不在による照明や空調の管理、そしてエレベーターの運用まで建物のシステム全般を、防災センターから管理します。このソリューションを設計するために CAD を用いて "平面図"、"系統図"、"結線図"の 3 つを作成していました。しかし、前提となる設計項目が何千とありますので、これらの図面作成が非常に複雑になっているのです。しかも、フロアの数だけ図面が必要になりますから、その情報量は膨大です」。

フロアの広さと構成、1 つのコントローラーに対する機器の接続数制限および機種の混在など、いくつもの要因が重なって、CAD を使った 3 種の図面作成は、プロフェッショナルの技術と経験を要する非常に複雑な作業となります。何千という設計項目を網羅した図面を作成した後に、Microsoft Excel にデータを落として、ソリューション構築のための「データ設定」を行います。そしていざプログラムを実行するとコントローラーへの機器接続制限のオーバーなどといったエラーが判明すると言います。
エラーが判明すると、再び各種図面を修正し、Excel シートを直して、再設定したプログラムを実行させます。こうした作業を何度も繰り返すことで、施設全体をトータルに機械警備するソリューションが完成するのです。

そして 2008 年、セコムはこの非効率を改善するために、新たなツール開発の検討に入ります。そして、この時にセコムが注目したソフトウェアこそが、Microsoft Visio でした。

トータックスZETA を担当する SI 営業本部と、同社の研究部門である IS研究所が業務効率改善に向けて共同で検証を行った結果、最適な方法は「系統図の作成と同時にプログラムでシステム設定用データを自動生成させ、システムの各種制限に抵触する場合は、系統図の作図中にエラーであることが分かるシステムを作成すること」であることが明確になりました。そのためには、作図とデータベースの連携が必須条件になります。しかし、CAD では、正確な図面は作成できても、データベースとの連携が容易ではありませんでした。
Microsoft Visio はそれに対し、作図に用いるステンシル (テンプレートによる図形や文字) とデータベースを連携させることが容易であり、Visio 上で系統図を作成すると、その時点でコントローラーとの接続台数などが正しい範囲内に収まっているかどうかの判定ができるようになります。

大木 氏は、次のように振り返ります。
「実は、トータックスZETA の開発段階において、Visio の利用を検討したこともあったのです。当時は設定をスプレッドシートのようなもので登録していたのですが、初期のころは Visio を利用したこともあったのです。そうした経験も踏まえて、どうやって実現するかと考えている時に、『Visio であれば大幅な効率化は可能かもしれない』と思い至りました。そこで、Visio にも詳しいパートナーである株式会社マイスターさんに相談を行い、プロジェクトが進行していったのです」。

こうして始まったセコムのツール開発は Microsoft Visio 2007 をキーとして、2009 年秋から開発を開始。2010 年の夏には「系統図ツール」という名称でサービスインを迎え、現在までにさまざまな効果を発揮してきたと言います。
しかし、セコムの求める「系統図ツール」の "理想形" はまだその先にありました。より高度な作図機能を求めた同社では、最新の Microsoft Visio Professional 2013 を活用し、さらなる機能改善の検討が始まっているのです。

<システムの概要と Visio 導入効果>
図面作成とデータ作成を同時に実現することで目標通り、経費を約 15% 削減

Visio を活用したセコムの系統図ツールの主な特長は、下記の 3 点です。

  1. 系統図の作成と同時に、システム設定用データが自動生成される
  2. シェイプの配置や各種メニューの選択により、自動的に作図できる「自動作図機能」
  3. 系統図の作図中にシステム制限に対するエラーが判明する

セコム株式会社
SI営業本部
SIシステム部一課
主任
鈴木 克洋 氏

セコム株式会社
SI事業部
SIシステム部 一課
主任
別府 二郎 氏

この 3 つの特長によって設計の PDCA (Plan-Do-Check-Action) サイクルが極めて効率よく回るようになり、「15% の経費削減」などの効果が生まれていると大木 氏は言います。

「『経費の 15% 削減』というのは、プロジェクト開始当初に掲げた目標であり、現時点においてほぼ達成できました。営業がお客様との初期の打ち合わせで使用する簡単なプロット図があるのですが、これも系統図ツールで作成した時点で背後のデータ設定までできていることになります。ですから、営業がお客様とコミュニケーションしてから、実際に開発・提供するまでの展開が非常にスピーディーになったと言えるでしょう。そのほか、Visio 活用の可能性はもしかすると、もっと大きいのではないかと期待しており、今後系統図ツールの機能を充実させていくことで、ほかのシステムへの適用など、さまざまな可能性が見えてくると考えています」。

大木 氏が期待する "可能性" を端的に示す例として、セコム SI営業本部 SIシステム部一課 主任 鈴木 克洋 氏は、「新入社員にとっては、CAD を覚えるよりも、Visio の操作に慣れる方が早い」ことを挙げています。

株式会社マイスター
シニアSE
田村 慎治 氏

「私たちは長い間 CAD を利用していましたが、新入社員など新しくツールに触れる者にとって、その習熟には時間がかかります。しかし Visio を使った系統図ツールならば、さほど深い知識がなくとも絵が描けて、データ設定にまで入ることができます。以前ですと、先輩について 1 年近く学ばないとデータ設定を行うことなどできませんでしたから、これは大きな変化です。しかも、系統図ツールのリリース後も継続的な改良を加えており、今では標準的な仕様に基づくトータックスZETA の設計であれば、系統図を丸々自動作成できるようにまで進化しています」。

さらに、ツールの開発に携わったマイスター シニアSE 田村 慎治 氏は、「Microsoft Office との親和性の高さや、ユーザー自身の手で図形を追加できるといったメンテナンスの容易さも大きなポイントだった」と Visio を評価しています。
「Excel との間でデータを容易にインポート/エクスポートできることは、Visio のメリットの 1 つです。 それに、CAD をお客様自身の手でメンテナンスしようとするとかなり難しいのですが、Visio ならばステンシルに独自の図形を追加することも容易に行えますし、ちょっとしたメニューを追加することもお客様自身で行えるようにできるなど、メンテナンス性が高いのも評価できるところです」。

Visio 2013 で進化した機能を活かし、きめ細やかで親切な操作性を実現した新たなツールの開発へ

「系統図ツール」によるシステム系統図デモ画面

「系統図ツール」によるシステム系統図デモ画面 [拡大する]新しいウィンドウ

Visio 2013 を活用したデモ画面

Visio 2013 を活用したデモ画面 [拡大する]新しいウィンドウ
プロット図 (左上)、プラン図 (右上)、座標データ (左下)、系統図ツール移行データ (右下)

こうして数々のメリットを生み出した系統図ツールですが、課題もありました。それが、CAD と比較した場合の「作図に関する操作性」です。
この課題に対し、Visio ならではの使いやすさが発展し、さらに作図しやすくなれば、現行の系統図ツール以上に大きな可能性が開けると考えた同社では最新の Visio Professional 2013 の評価を開始。その使用感を確認しながら、系統図ツールに続く、“効率化のためのさらなるツール” の検討に入っています。セコム SI事業部 SIシステム部 一課 主任 別府 二郎 氏は、Visio 2013 を使用した感想を次のように述べています。

「まず、インターフェイスのビジュアルが大きく変わっていたのに驚きました (笑)。操作性に関しては、『図形の置換機能』など、細かいところがより充実した印象です。たとえば今回、マイスターさんに Visio 2013 を組み込んだ系統図ツールのデモを作っていただいたのですが、一度配置した図形を右クリックすると別の図形候補がズラッと表示されて、その場で違う図形に交換することができるようになっていました。実際のソリューションでも、後になってセンサーやカード リーダーなどの種類が変更になる場合もありますので、有効な機能だと思います。そのほか、ショートカットのメニューをカスタマイズできるとも聞いていますので、『いろいろと使いやすくなるな』と実感しました」。

さらに別府 氏は次のように続けます。
「操作感が向上した点としてはもう 1 つ、操作結果のプレビューが表示されるようになったことが印象的でした。たとえば複数の図形を選択して、"整列" といったメニューにカーソルを合わせると、実際に "整列" を実行するとどうなるのか見せてくれるのです。"縦整列"、"横整列"、"等間隔" と整列のメニューがあって、以前であればとにかくクリックして試してみるほかなかったのですが、失敗に終わることも多く、幾分不便を感じていたポイントでした。実は系統図ツールでは、配置を動かすと背後にある大量のデータも変わってしまう関係から、一度配置を変えてしまうと操作の取り消しが効かないという弱点があるのです。しかし、今後はそういったエラーはなくなっていくでしょう」。

鈴木 氏は、このほか「システムやアプリケーションの画面遷移を表す資料作りにも Visio を活用するのが便利」だと話しています。
「やはり、Excel や PowerPoint では出来ないお絵描きができるというのは、Visio の特長ですよね。私はシステムやアプリケーションの画面遷移などを作成していますし、開発チームにはカード リーダーなどの "取扱い説明書" の簡易版を Visio で作ってくる人もいます。やはり、図形やコネクタをダブルクリックするだけで文字入力エリアが表示されて、そのままテキストを入力できるため、グラフィカルで分かりやすいドキュメントを作るのに適しているのだと思います。図を配置して色を塗って、テキストも書き込んで、出来上がったら丸ごと Microsoft Word にコピー & ペーストすれば、綺麗に仕上がりますので、ファイル共有に困ることもありません。面白いですよ」。

<今後の展望>
高機能なツール活用による業務の平準化でトータックスZETA のさらなる発展を後押し

最後に大木 氏は、Visio 2013 でさらに進化した使いやすさを活かし、トータックスZETA のサービス提供を全国的に加速していくことを後押ししていきたいと今後に向けた期待を語ります。
「今、トータックスZETA はすべて私たち SI 営業本部で担当しています。しかし、今後の展開を加速していくためには、全国の拠点で分担できた方がいいことは間違いありません。そのためにも、系統図ツールを、より使いやすい、より優れたものへと磨き上げていく必要があるでしょう。2010 年の夏から使い始めて約 2 年半。都度改良を加えてきましたが、完全に熟し切るのはこれからでしょう。こうした改良やその他のツールの検討など一歩ずつ積み重ねて、トータックスZETA をより広く、より早く展開することにつなげていきたいですね。それが最大の望みです」。

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ソリューション概要

プロファイル

セコム株式会社外部サイトへ移動するため、別ウィンドウで開きますが展開する、出入管理と防犯管理、設備制御を統合した、大規模施設向けセキュリティ システム「トータックスZETA」は 2002 年に発売されました。優れた拡張性と高い柔軟性を兼ね備え、多様化したニーズに対応できる、セコムのセキュリティ システムのラインアップにおける最上位のシステムです。セキュリティ リスクの分析や運用想定に基づき、セキュリティ ポリシーを策定し、長年培ってきたセコムのノウハウを生かした最適で高度なセキュリティをご提案します。コンサルテーションからシステム構築・施工・実施・メンテナンスに至るまで、トータル サービスを提供します。創立 1962 年、資本金 663 億円、社員数 5 万 757 人。

導入ソフトウェアとサービス

パートナー企業

株式会社マイスター

Microsoft Partner Independent Software Vendor (ISV)

導入メリット

  • 系統図の作成と同時に、システム設定用データを自動生成
  • シェイプの配置や各種メニューの選択により、自動的に作図
  • 作図中にシステム上のエラーを判定
  • 作成した図版は、Word にキレイに貼り付けて共有可能

ユーザーコメント

「プロジェクト開始当初に掲げた目標である『経費の 15% 削減』を、ほぼ達成できました。しかし、2010 年の夏から系統図ツールを使い始めて約 2 年半。都度改良を加えてきましたが、完全に熟し切るのはこれからでしょう。こうした改良やその他のツールの検討など一歩ずつ積み重ねて、トータックスZETA をより広く、より早く展開することにつなげていきたいですね」。

セコム株式会社
SI営業本部 SIシステム部
次長
大木 成司 氏

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