ビジネス TOP > 導入事例 > 住重環境エンジニアリング株式会社

住重環境エンジニアリング株式会社

 印刷用ページを表示する印刷用ページを閉じる

掲載日: 2011 年 12 月 8 日

日本全国に分散する拠点の ICT 資産を、System Center 活用により遠隔管理。コストを抑えたシステム導入で監査に備えた作業負荷をほぼ "ゼロ" にすることに成功

住重環境エンジニアリング株式会社

住重環境エンジニアリング株式会社

全国の自治体が運営する環境施設の運用保守を請け負う住重環境エンジニアリング株式会社では、分散する各拠点で使われている PC などの ICT 資産の運用管理をいかに効率よく行い、正確な情報を迅速に把握するかということが課題となっていました。従来、数名のシステム担当者が全国の拠点を訪問して行っていた資産情報の確認をオンラインで実現するべく、同社では、ネットワーク帯域の限られた遠隔地でも問題なく使えるソリューションの選定を実施。選ばれたのは、企業 ICT 環境全体の効率的な運用管理を実現する Microsoft System Center 製品群でした。

<導入の背景とねらい>
ブロードバンドの整っていない遠隔地にある拠点を、回線に負荷をかけることなく遠隔管理

住重環境エンジニアリング株式会社
業務統括部
システムグループ
技師 藤井 彰 氏

住重環境エンジニアリング株式会社 (以下、住重環境エンジニアリング) では、全国約 70 か所の拠点を通じ、浄水場や下水処理場、ごみ焼却場など全国の自治体が運営する環境施設の、運用保守業務を請負っています。

同社では、早くから PC を活用し業務に役立ててきましたが、自治体の環境施設は海沿いや山深い場所など、住宅地などから離れた場所に位置することが多いため、近年まで十分なネットワーク環境が整っておらず、いくつかの課題が存在していたと、同社 業務統括部 システムグループ 技師 藤井彰氏は言います。

「もともと、当社の拠点の多くはブロードバンド回線の通じていない場所で運営されてきました。
実際、現在でも 6 か所の拠点は、まだ ADSL すら届いていない状況下にあります。お客様の施設内に拠点を構えていますので、専用線を引くこともなかなか難しい状況がありました」。

そして、全国に分散する拠点のネットワーク環境が不揃いであるがゆえに生じる最大の課題が、「住友重機械工業グループ全体の統制管理基準に則した ICT 資産管理を実現すること」であったと、藤井氏は続けます。
「私たちシステムグループのメンバーは、3 ~ 4 人しかいません。ICT の資産管理について、従来は現地を回ってその場でチェックして Excel にまとめて、本社に帰ってきてから集計し直すという作業を行っていました。
ある一時期にリソースを集中させて、一気にこの作業を行うのですが、すべて完了するまでに 4 か月ほどは要していました。そのため、集計している時点ですでに過去のデータになってしまっているのも、気がかりな点でした」。

この懸念を解消し、住友重機械工業グループとして不足のない ICT の統制管理を行うために、同社では複数の管理ソリューションを検討しましたが、なかなか要件に合致するものが見つからなかったと言います。
「私たちとしてはまず、ネットワークを通じて PC の状態など、あらゆるデータをリアルタイムに収集できる仕組みを求めていました。さらに言えば、ネットワーク帯域が十分ではない拠点が多い中、いかにネットワークに負担をかけずに管理できるかということが重要でした。
当初、LanScope Cat6 を検討し、決まりかかった経緯もあるのですが、『各拠点を VPN (Virtual Private Network) でつながなければならない』という大きな問題がありました。そして、グループ全体の統制管理を行う上で、各拠点に支給している PC には、USB メモリーの使用制限など、すでにいくつかの機能が組み込まれています。
つまり、統制管理のためのフルパッケージを購入しても、"使わない機能" が多々存在していて、コスト的に無駄が生じてしまうという問題もありました」。

こうして同社では下記の 3 点を要旨として、ソリューションを再度検討。
 ●VPN でなくとも、遠隔で各拠点の ICT 資産管理が行えること
 ●ネットワークに負担をかけず、運営できること
 ●必要な機能を、必要に応じて活用し、コストを最適化できること

そして、2009 年 10 月。上記の条件に該当するほぼ唯一のソリューションとして住重環境エンジニアリングが採用を決定したのが、Microsoft System Center Configuration Manager と Microsoft System Center Operations Manager でした。

<システム概要と導入の経緯>
ルート証明サーバーを活用し、全国約 70 か所のインベントリを即時収集

システム概要図

システム概要図 [ 拡大する]新しいウィンドウ

住重環境エンジニアリングでは、2010 年 6 月から実際のシステム構築を開始しました。そして、2011 年から System Center Configuration Manager を活用した運用管理をスタート。通常のインターネット回線から、全国約 70 拠点の PC の運用管理を実現。PC に搭載されている OS のエディションやバージョン、ログインしているユーザー名、インストールされているソフトウェア名など、各種インベントリをリアルタイムで収集し、ICT 資産を的確に把握できるようになっています。

PC のインベントリ収集に際して、他製品では VPN が必要でしたが、System Center Configuration Manager では、標準で付属しているルート証明サーバーを使用することで、対象 PC を特定。一般的な 80 番ポートと 443 番ポートのみを用いながら、セキュアに遠隔管理できるようになっています (図参照)。

また、System Center Operations Manager を使って、ファイル サーバーへの全社からのアクセス ログを取得。誰が、いつ、どのファイルにアクセスしたか。どのファイルを更新したかという情報が、正確に把握されるようになっています。

この運用管理を実現する上で、もう 1 つ重要な役割を果たしているのが Active Directory であると、藤井氏は説明します。
「当社のシステムは、Active Directory を認証基盤としてユーザー ID を一元的に管理し、シングル サインオン環境を実現しています。各拠点の PC から本社のシステムにアクセスする際など、普通のインターネット回線を使っていることもあり、セキュリティの一環として、シトリックス社の XenApp を経由するようになっていますが、ユーザーは ID とパスワードを 1 回入力するだけで、本社にあるファイル サーバーなど必要なシステムをすべて利用できますので、まったく意識していないでしょう。
System Center を使って、ユーザーごとのアクセスなどをすべて詳細に把握できるのも、この Active Directory との連携が大きな意味を持っています。実をいうと当社のシステムはすべて『Active Directory と連携しないものは不採用』と決めているぐらい、欠かせない存在となっています。
実際、どの IT パートナーに話をしても、『Active Directory との連携なら、すぐに対応します』と言ってくれますよ」。

<システム導入の効果>
コストと作業負荷を劇的に削減し、「働きやすい環境」を支える管理体制を実現

こうして、全国に分散している ICT 資産管理と、システムの運用管理を効率化し、詳細なデータを常時把握できるようになったメリットは数多いと、藤井氏は強調します。
「まず、ICT 資産の監査報告にかかるコストが、ほとんどゼロになりました。以前は 3 ~ 4 名で全国を回って、4 か月もの時間をかけていたのですから、その出張経費だけでも圧倒的な違いがあります。しかも、各地から持ち帰った Excel を並べ直して、リストを作成する手間が一切なくなってしまいましたから、作業負荷としては比べ物になりません。もう、管理画面を見たら、必要な情報もリストも『すでにそこにある』という感じです。
それから、System Center Operations Manager の Management Console が非常に良くできていまして、その日のアクセス状況などをブラウザーを通じてグラフ表示で確認できますし、そのデータを Excel に落とすのも簡単にできます。そもそも、レポートのための書類作成に時間をかけるというのも、非効率ですよね。そうした手間が、一切不要になったのは本当にありがたいです。しかも、気になるところをクリックしていくと、どんどんとドリルダウンして画面が遷移していきます。これを、ブラウザー経由で確認できるのはすごいですね」。

そして、System Center 導入効果として最大のものは「働きやすい環境を確保できたこと」だと、藤井氏は続けます。
「ICT の運用管理や統制、セキュリティの確保というのは、企業として当然の課題です。しかし『管理のための管理』に縛られるのは、ユーザーにとっても、私たちシステム担当にとっても不幸です。それが今、こうして社内ICT資産のインベントリが確実にかつ迅速に集められるようになったおかげで、PC のリプレース時期などを正確に把握できるようになりました。結果としてこれは、各拠点にいるユーザーにとっても、良い変化だと思います。
それから、アクセス ログを見ることで、分かってくることが非常に多かったですね。たとえば、メンテナンスのためにシステムを停止する時間があるのですが、今までならば、こちらの一方的な判断で決めていました。しかし、実際にログを見ていると『この時間には、使用している人がいないだろう』と思っていた時間に、予想以上に PC が稼働していたりしたのです。こうした情報がわかると、現場の人たちのために、より多くの配慮を行うことができますので、ありがたいです」。

さらに、ファイル サーバーのアクセス ログが、個別の業務効率向上に寄与するケースもあると言います。
「必要に応じて、ファイル サーバー内にあるドキュメントの閲覧と更新の権限を分けて各人に付与しているのですが、場合によっては間違えてサーバーからドキュメントを削除してしまったりするミスも起きます。バックアップも取得していますので、このファイルを復旧するのは簡単なのですが、それよりも問題なのは、そのユーザーが『同じミスを繰り返す可能性がある』ということです。
今は、System Center Operations Manager と Active Directory のおかげで、誰が操作したか正確に把握できますので、その人に対して、個別に操作の指導を行うことも可能です。そうすると、全員を集めて講習会を行うよりもはるかに効率的に操作を覚えていただけます。これはほんの一例ですが、単純に状況を管理するのではなく、System Center によってその原因まで把握できると、次の施策につなげることができます。これは大きなポイントです」。

<今後の展望>
モバイル端末を含めたセキュアかつ利便性の高い環境構築へ

住重環境エンジニアリングでは今後、Microsoft SQL Server の活用をはじめ、さまざまな展開が予定されています。最後に藤井氏は、次のように締めくくります。
「System Center を紹介していただいた当初は『何でバラバラに機能を分割してラインアップされているのかな』と思ったのですが、今は『必要な機能だけ欲しい』という、当社のようなニーズには非常に理に適った形なのだな、と理解しています。必要な機能のみを活用することができるため、実装が容易でした。
実際当社の環境において、Configuration Manager と Operations Manager では、必要なライセンス数が違っていましたので、これがトータルなパッケージになっていたら、導入コストも上がってしまったことでしょう。そうしたことも含めて、『こういうものがあればいいな』と、漠然と考えていたものが、実は次々と製品化されていたという思いです。
直近の拡張予定としては Operations Manager で SQL Server の管理をしていくことが決まっています。また、各拠点からも、タブレットなどのモバイル端末導入を希望する声などが寄せられています。次期バージョンである Configuration Manager 2012 ではさまざまなモバイル端末を管理できると聞いていますので、楽しみです。今また、Windows 8 も一刻も早いリリースを期待しています」。

ダウンロード

Download File 5232-WI1.xps

XPS ファイル 1,490 KB
XPS ファイルを表示する方法については、こちらをご参照ください。


Download File 5232-WI1.pdf

PDF ファイル 969 KB
Adobe Reader を利用して PDF ファイルを閲覧・印刷することができます。ダウンロードはこちら 外部サイトへ移動するため、別ウィンドウで開きますからできます。

ソリューション概要

プロファイル

住重環境エンジニアリング株式会社外部サイトへ移動するため、別ウィンドウで開きますは、1978 年 1 月に「いずみ環境管理株式会社」として発足し、1987 年 2 月に現在の社名に変更。生活環境を守るために必要なさまざまな水処理施設や廃棄物処理施設の広域一元化管理、複合業務の一元化管理を通して、業務の効率化とコスト縮減化に取り組む「トータルメンテ」や、各環境施設の「運転管理」など、さまざまなサービスを提供し続けています。

導入メリット

  • 通常のインターネット回線を通じて、全国約 70 か所の拠点にある ICT 資産のインベントリを正確に把握
  • 監査報告に関する作業量を、限りなく "ゼロ" に近くなるまで効率化
  • Active Directory との連携により、ユーザー単位でアクセス ログなどを把握
  • 障害やエラーの原因を正確に把握することで、次の対応を迅速化

ユーザーコメント

「System Center Operations Manager によって資産管理の悩みは大幅に軽減しました。全国のお客様先に拠点を構えている企業は、当社のほかにも多く存在していると思いますので、ニーズは多いのではないかと思います。もっと広く活用されるといいですね」。

住重環境エンジニアリング株式会社
業務統括部
システムグループ
技師 藤井 彰 氏

  • 第 2 弾公開! Windows 10 イチから導入ガイド 2 WaaS への対応編 (新規ウィンドウで開きます)

本ケーススタディに記載された情報は初掲載時のものであり、閲覧される時点では変更されている可能性があることをご了承ください。
本ケーススタディは情報提供のみを目的としています。Microsoft は、明示的または暗示的を問わず、本書にいかなる保証も与えるものではありません。

ページのトップへ