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ソフトバンクモバイル株式会社

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掲載日: 2012 年 2 月 29 日

Microsoft SQL Server 2012 によるエリア対策用の統合データベースを、世界に先駆け本番稼働
圧倒的なパフォーマンス向上と AlwaysOn による高可用性を実現し、今後はダイナミックな「業務の見える化」に向けた Power View の採用も検討

ソフトバンクモバイル株式会社

ソフトバンクモバイル株式会社

1 年間で基地局を倍増させる「電波改善宣言」を 2010 年に発表して以来、通信施設の拡充を強力に進めてきたソフトバンクモバイル株式会社 (以下、ソフトバンクモバイル) 。同社では、さらなるエリア拡充やサービス品質向上へ向けた情報分析および活用の基盤強化に向け、世界に先駆けて SQL Server 2012 早期対応プログラムに参画。全国に展開する通信拠点の情報や稼働状況をリアルタイムで把握、解析できる新たな統合データベースを構築しました。既に本稼働を開始した現場からは、約 1,000 ユーザー/30 億レコードという規模にふさわしい AlwaysOn の高可用性や、飛躍的な処理パフォーマンスの向上が報告されています。さらに今後は情報のよりダイナミック (動的) な「見える化」を可能にする Power View の採用も検討されるなど、将来のより広汎な業務データ活用に向けた布石を実現させています。

<導入の背景とねらい>
通信設備の拡充による顧客サービス強化へ向け
統合データベース構築を決定

ソフトバンクモバイル株式会社
モバイル・ソリューション本部
情報企画統括部
統括部長

株式会社Agoop
取締役
柴山 和久 氏

ソフトバンクモバイル株式会社
モバイル・ソリューション本部
情報企画統括部
情報企画開発部
部長代行

エリア情報開発課
課長
曽我 雄司 氏

ソフトバンクモバイル株式会社
モバイル・ソリューション本部
情報企画統括部
情報運用部
データ企画課
課長
仙波 利晃 氏

ソフトバンクモバイル株式会社
モバイル・ソリューション本部
情報企画統括部
情報企画開発部
エリア情報開発課
?本 浩 氏

ソフトバンクモバイル株式会社
モバイル・ソリューション本部
情報企画統括部
情報企画開発部
エリア情報開発課
宮部 悦男 氏

ソフトバンクモバイルでは、2010 年 3 月の「ソフトバンク電波改善宣言」以来、通信設備の拡充を通じた顧客サービスの強化を進めてきました。今回の SQL Server 2012 早期対応プログラムによる統合データベースの構築も、そうした延長線上にあると、モバイル・ソリューション本部 情報企画統括部 統括部長の柴山和久氏は語ります。

「現在、最も重要なテーマの 1 つに、急増する通信トラフィックへの対応があります。スマートフォンやタブレット端末の増加で通信量は爆発的に増えており、より迅速で的確な通信設備の整備および強化が喫緊の課題となっています。当社ではこれまでも Microsoft SQL Server 2008 R2 をベースにした統合 GIS (位置情報関連サービス) システムによって、通信拠点などの効率的な設備運用や拡充を図ってきましたが、今回の新しい統合データベースには、この情報活用基盤をさらに強化、拡充しようというねらいがありました」。

主にこのシステムでは設備の現状などのデータ分析を行い、その結果を基に Wi-Fi スポットや超小型基地局である FEMTO を適正展開していくことで、通信エリアの拡充と通信品質の向上を図っていくのが目的です。しかし今回の SQL Server 2012 への移行にあたっては、従来の設備プランニングやエリア マーケティングのみにとどまらない、「データ収集→分析→戦略立案→情報共有」の PDCA サイクルの実現に向けた、より戦略的な情報基盤を創り出そうと考えていたと柴山氏は明かします。

「端末や利用形態の多様化によって、従来のエリア単位の分析ではユーザーの実態が把握しきれなくなっています。特に都市部ではビルや店舗ごとに、ピンポイントでの分析が必要になってきます。そこで SQL Server 2012 を使って、当社独自の人口流動性情報を作成や共有できるシステムを構築しようと考えたのです」。

<導入の経緯>
早期対応プログラムの検証を基に
新たな統合データベースの可能性を確信

新しいデータベース製品の選択にあたっては、「旧システムで SQL Server 2008 R2 を使っており、予測以上の成果を挙げていたことから、あえて他のプラットフォームや製品を選ぶことは考えていませんでした」と柴山氏は語ります。また同社が 一般ユーザーへの情報提供サービスとして 2010 年 10 月に開始した、SQL Server 2008 R2 による「電波状況ピンポイント検索」のシステムは、地図などの空間情報を扱えるといった先進性が米国 Microsoft 本社の技術陣からも高く評価され、その事例は世界各国に紹介されています。そうした経緯から、今回の SQL Server 2012 早期対応プログラムも、日本マイクロソフトから参加を強く勧められたのがきっかけとなりました。このためアジア・パシフィック地域では初の本稼働となったケースにもかかわらず、移行は非常にスムーズに行われたと言います。

「今回は検証の段階から、想像以上に良かったと感じています。一般にこうした RC 版などでは必ず起こる問題が皆無でした。ことに旧システムには 30 億レコード近いデータが存在し、これを容易かつ迅速に移行できることが、新データベースには必須要件です。その点、現場のスタッフがこれだけ高い評価を下す例は珍しく、これなら次期統合データベースの構築が可能だと判断しました」 (柴山氏) 。

開発作業が始まってすぐに、モバイル・ソリューション本部 情報企画統括部 情報企画開発部 エリア情報開発課 ?本浩氏は、SQL Server 2012 の新機能の良さを体感することができたと振り返ります。

「以前の SQL Server 2008 R2 では空間インデックス付けが手動だったので、どうしても自分の経験頼みにならざるを得ませんでした。しかし SQL Server 2012 のオート グリッド機能を使うと、データ投入後に指示するだけで、あとは全部自動で付いてしまいます。今回の構築でも全面的に利用したのですが、それで十分なパフォーマンスが出るので、自分たちでチューニングする必要がありませんでした」。

こうした一連の自動化は、運用面にも効率化をもたらしています。モバイル・ソリューション本部 情報企画統括部 情報企画開発部 エリア情報開発課 宮部悦男氏は、「SQL Server 2008 R2 では、ポリゴンなどの登録できないデータがあるとエラーになってしまい、そのつど GIS ソフトウェア側で手動による修正を施したり、割愛せざるを得ませんでした。しかし SQL Server 2012 では、そうしたイレギュラーな形式のデータでも自動的に修正してダイレクトにデータベースに取り込んでくれるので、データ登録の際の余計な作業がなくなり、運用面でも効率が上がったと感じています」。

<導入効果>
AlwaysOn や Power View などの新機能で
可用性や業務効率の大幅アップを体感

2011 年 11 月のカットオーバー以来、既に SQL Server 2012 の新機能がもたらす多彩なメリットが体感される中、大きく 3 つの機能を特に評価しています。導入プロジェクトの陣頭指揮に当たってきたモバイル・ソリューション本部 情報企画統括部 情報企画開発部 部長代行 兼 エリア情報開発課 課長の曽我雄司氏は、その機能の筆頭として AlwaysOn を挙げます。これは従来の SQL Server の冗長化機能をさらに強化したもので、万が一の障害発生時にもわずか数秒~数十秒でセカンダリ サーバーへの切り替えを完了し、データベースを停止させない機能です。

「現在、当社の技術や設備に関わっている "技術統括" と呼ばれる部門には約 4,000 名の社員がいて、その 4 分の 1 にあたる約 1,000 名が、このシステムを使って設備の情報や稼働状況を日々監視し、その情報を基に管理および運用プランを立てています。当然、データベース上にも多くのオンライン トランザクションや分析のバッチ トランザクションなどが走っており、非常に高速な耐障害性を備えたシステムを構築することは、SQL Server 2012 採用の大きな目標の 1 つでした」。

2 つ目に曽我氏は、データの「見える化」をよりダイナミックに実現できる Power View について、「この機能の本格的な検証はこれからですが、既に大きな可能性を感じています」と期待を語ります。

「現行のシステムでは、データの分析結果を Web GIS でレポート化していました。このレポートの視覚化を行うフロント エンドには SQL Server 2008 R2 と Microsoft Silverlight および Microsoft Bing Maps を組み合わせています。これだけでもかなりの "見える化" が達成できていたのですが、ここに今後 Power View を応用することで、よりダイナミック (動的) な視覚化が可能になるのではと考えているのです」。

また現在、データベースからのレポート作成には専門知識が必要なため、そのつど分析担当者に依頼して結果を出してもらっています。このため定期レポートは月に 1 回、お客様のクレーム対応でも週 1 ~ 2 回のペースで発行されています。

「Power View はデータベース内の最新データを誰もが簡単な操作で抽出し、目的や必要に応じて自由に参照や加工ができます。これを今後レポート作成に採用すれば、各人が必要なデータを必要に応じて、いつでもオンデマンドで参照や分析できるようになると考えています。地図情報のような大容量の空間データであってもリアルタイムで解析でき、なおかつ分析結果を現在の視覚化ツール以上にダイナミックに表現できるため、いわゆるセルフ BI による顧客対応の迅速化やサービス品質の向上に大いに貢献できるのではないでしょうか」。

そして 3 つ目は、地図情報などの Spatial Data (空間データ) の処理機能です。既に SQL Server 2008 R2 でも実装されていた機能が、SQL Server 2012 ではさらに高度化かつ自動化されて提供されることになりました。同社ではこれまで空間データを扱う際に、データを格納している SQL Server 2008 R2 と視覚化処理を行う WebGIS との間に、アプリケーション サーバー上にある GIS エンジンを介していました。このため各サーバーごとに発生する処理タスクがパフォーマンスのボトルネックになっていたと、モバイル・ソリューション本部 情報企画統括部 情報運用部 データ企画課 課長の仙波利晃氏は振り返ります。

「これが SQL Server 2012 では GIS エンジンが不要になるため、データの一元管理が実現して運用工数が劇的に減少したのです。この結果、運用そのものの負荷軽減に加え、余力をより重要な分析やシステム企画などに振り向けられるようになりました。さらに運用面のメリットとしては、SQL Server 2012 ではミラーリング サーバーの制限台数が以前の 2 台から 4 台に増え、データ分散の自由度も高まったため、ディザスター リカバリ対策を始め、これまでは技術的に困難だったデータの適正配置が可能になりました。これと AlwaysOn を前提に考えることで、将来的には非常に負荷の低い、なおかつ適正化された運用が可能になると考えているのです」。

また今回の移行にあたっては、これまで 10 台あったサーバーを 4 台にまとめ、なおかつ GIS サーバーを撤廃したことで、結果的に大幅なサーバー コンソリデーション (統合) が実現しています。

「これだけハードウェア リソースを減らしたのに、体感できるシステム パフォーマンスは圧倒的にこちらの方が優れています。たとえば SQL Server 2008 R2 では 10 秒くらいかかっていた spatial データを使った GIS の処理が、2 秒台までに向上しました。まったく同じデータ、同じクエリで 3 倍以上のパフォーマンス アップが特別なチューニングも行わずに達成できたのです」 (?本氏) 。

システム構成図

システム構成図[拡大図]

<今後の展望>
全業務データベースの統合、刷新に加え
パッケージ外販も視野に入れた展開を目指す

柴山氏は、今回の新しい統合データベースの成功をふまえて、2012 年 6 月以降、統合 GIS 全体のリプレースに着手していくと展望を語ります。

「これは "統合エリア対策システム" と名付けられており、かなり大規模なプロジェクトになりますが、今後さらに増大していくデータをハードウェア設備などの情報や業務管理情報までを取り込んで統合、活用できるよう、SQL Server 2012 による大規模なデータベースを再構築していこうという試みです。このシステムを中長期にわたって活用していくことで、当社がイメージする "世界一のデータベース" 、つまり設備管理、エリア拡大および拡充、エリア品質向上のために利用できるすべての情報を蓄積し、分析するデータ活用基盤を確立し、どのキャリアよりも真っ先に顧客ニーズに対応できる体制を作っていこうと考えています」。

さらに柴山氏は、将来的にこの統合データベースをパッケージ化し、WebGIS やジオ メディアの専門会社であり、自らが取締役を務める株式会社 Agoop の新規事業として販売していく計画もあると明かします。

「そうした展開も含め、今回の SQL Server 2012 採用を含む "統合エリア対策システム" では、他部門が管理している業務系システムのデータもすべて統合、網羅し一元管理していきます。これは来期以降の最大のミッションであり、そのための組織改革も含め、すべての業務系情報の管理、分析、活用を実現できる体制に向けて、SQL Server 2012 によるデータベースのリプレイスを進めていくことになるでしょう」。

休むことなく進化を続けるモバイル コミュニケーションの新たな地平に向けて、ソフトバンクモバイルのデータベース戦略はさらに加速を続けていきます。

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ソリューション概要

プロファイル

1994 年 4 月に携帯電話サービスを開始。2006 年 10 月、ソフトバンク グループの傘下になって以降、「情報革命で人々を幸せに」という考えの下、お客様に選ばれる携帯電話サービスを目指してきました。「携帯電話ネットワークの増強」、「モバイルインターネットに適した端末の充実」、「コンテンツ・サービスの強化」、「営業体制・ブランディングの強化」を始め、さまざまな取り組みを推進。ソフトバンク グループが目指す「No.1 モバイルインターネットカンパニー」の実現に向け、その中心的な役割を担っています。

導入ソフトウェアとサービス

導入メリット

  • AlwaysOn によって非常に高い可用性が確保され、24/365 稼働が不可欠のミッション クリティカルなシステムの安定稼働を約束。また万が一の障害時にも、瞬時にセカンダリ サーバーへ切り替え可能。
  • 現行の Microsoft SQL Server 2008 R2 と Microsoft Silverlight および Microsoft Bing Maps による空間データの視覚化表現に Power View を組み合わせることで、さらにダイナミック (動的) な見える化の実現に期待。
  • インデックス付けや空間データ取り込みなどを自動化し、開発および運用の各フェイズにおける作業効率を飛躍的にアップ、担当者の作業負荷を大幅に軽減。
  • SQL Server 伝統の自動チューニング機能が、最適化かつ最大化されたデータベース パフォーマンスを容易に実現

ユーザーコメント

「私たちの本来の目的は、システム構築やデータベース運用それ自体ではなく、いかにその情報を活用してビジネスのパフォーマンスを上げていくかにあります。しかし今までは、どうしてもチューニングなどの作業に労力を割かざるを得ませんでした。そうした作業が SQL Server 2012 ではすべて不要になり、情報の分析や解析結果を基にお客様へより良い通信環境を提供していくプランに専念できるようになりました。これが今回の導入の最も大きな成果であり、今後ますますそうしたメリットが現れてくることを期待しています」

ソフトバンクモバイル株式会社
モバイル・ソリューション本部
情報企画統括部
統括部長

株式会社 Agoop
取締役
柴山 和久 氏

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本ケーススタディは情報提供のみを目的としています。Microsoft は、明示的または暗示的を問わず、本書にいかなる保証も与えるものではありません。

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