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損保ジャパンDC証券株式会社

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掲載日: 2010 年 12 月 24 日

確定拠出年金の基幹システムとしてマイクロソフト製品群を全面的に採用
損保ジャパングループの一員として「お客さま評価日本一」を目指す

損保ジャパンDC証券株式会社

損保ジャパンDC証券株式会社

「日本版 401k」とも呼ばれる新しい年金の形態として、日本でも既にサラリーマンの 10 人に 1 人が加入している確定拠出年金。損保ジャパンDC証券株式会社 (以下、損保ジャパンDC証券) は、国内初の確定拠出年金専門会社として、この制度を導入する企業から運用関連と記録関連 (レコード キーピング) の 2 種類の業務を一元的に受託する「バンドル サービス」を提供し、企業や加入者の利便性を最優先した事業体制を構築しています。

2010 年 7 月には、加入者向けサービスのさらなる拡充を主眼に確定拠出年金のコア システムである「DCPARK」を全面的に刷新。Microsoft SQL Server 2008 やMicrosoft Windows Server 2008 の採用により、パフォーマンスとセキュリティ両面での強化に加え、.NET Framework による既存資産の有効活用と、コスト パフォーマンスに優れたシステム更新を実現しました。

※DC=Defined Contribution (確定拠出年金)

<導入背景とねらい>
顧客視点に立った「バンドル サービス」のさらなる展開に向け、
Web サービスのシステム刷新を決定

情報システム部 兼 総合企画部
次長
林田 一男 氏

「当社はわが国で初めて設立された確定拠出年金専門会社で、大きな特長の 1 つに "バンドル サービス" の提供が挙げられます。これは、預金や保険、投資信託などの運用商品のご説明、購入・売却から日々の資産残高管理まで、非常に多岐にわたる確定拠出年金の関連業務を一手に受託するサービスです。加入企業や各加入者様の負担を減らし、なおかつ望まれているニーズに対して最善のサービスを提供することを目的とした運営体制なのです。米国で主流のこのようなサービスを国内で提供するユニークな事業展開により、多くの制度導入企業から高い評価を得ています」と、情報システム部 兼 総合企画部 次長 林田一男氏は語ります。

同社では近年、特に加入者向けのサービスの充実に力を入れてきました。企業の従業員には、初めて投資信託などで資産を運用するという人も少なくありません。そこで、そうした顧客層も含め、加入者に向けたサービスを一段と強化する必要があったのです。今回の Web システムの全面的な更新も、そうしたサービス強化戦略の延長線上にあると林田氏は明かします。

「私たちの事業の成否は、お客さまからの評価につきると言ってもいいでしょう。その意味でも、単に年金の事務手続きが正確に行えるだけではなく、Web を通じたサービスの使いやすさは非常に大切です。まさにここが、お客さまと当社の日常的な接点になるからです」。

年金運用開始時に同社が配布する教育資料は、従来から非常にわかりやすいとの定評がありましたが、こうした静的な情報ツールだけでなく、よりパーソナライズされたサービス ツールの充実についてシステム強化という方法で実現しようという考え方に基づき、さまざまな加入者向けサービスに取り組まれてきています。具体的な施策としては、定期的に提供される個人別資産額通知の拡充や、加入者向け Web サービスの機能強化とデザイン変更、さらには携帯電話からの運用指図を可能にするオプション サービスなどがあります。もちろんこれらの根底には、サービスの拡充を単なるシステム競争としてとらえるのではなく、顧客にとっての利便性を最優先とする視点がありました。

「当社ではバンドル サービスをご提供していることもあり、お客さまに喜んでいただけるサービスとは何かを常に全社員が意識しています。たとえば、当社のコール センターでは、投資信託の内容に関するご質問から、運用商品の購入・売却の指図まで、すべての質問を別の委託先会社に転送することなく受け付けています。この体制を実現するには、高度なレベルのオペレーター教育が必要不可欠なのですが、事務手続きなどの応対力の教育とは別に、投資信託などの学習にも取り組んでいます。お客さまからありがとうの声をいただくと、やはり嬉しいですね」。

同社の加入者向け Web サービス「アンサーネット」が、デザイン面での統一感やシングル サインオンを徹底して意識しているのも、こうした顧客視点に基づいたバンドル サービスの一環だと、林田氏は語ります。

「もしシステムがアンバンドルだった場合、加入者は運用商品の内容を理解するための Web 画面と、実際に購入・売却を指図するための Web 画面を何度も往復しなくてはなりません。この結果、確定拠出年金の初心者が Web サービスを敬遠し、結果的に加入者自身の大切な年金の運用を投げ出してしまったとしたら問題です。こうした意味でも、当社の顧客サービスとシステム= Web サービスとは、同じ顧客志向という地平の上に根付いたものであるべきなのです」。

<システムの概要>
抜群の操作容易性で定評ある「アンサーネット」を支える Windows Server と
国内最高レベルのデータ センターで本格稼動する SQL Server

情報システム部
課長代理
田村 昭人 氏

損保ジャパンDC証券のシステムは、確定拠出年金の各種 Web サービスや年金記録管理機能を中心とした「DCPARK」と、運用商品提供会社との送受信や加入者 1 人 1 人へ向けたカラフルな資料作成機能などを持つ「PEGASUS」という、2 つの基幹システムで構成されており、そのシステム運用を日本ユニシス株式会社 (以下、日本ユニシス) に委託しています。そして、「DCPARK」の基盤上で稼動している加入者向け Web サービス「アンサーネット」は、画面のわかりやすさと優れた操作性で定評があります。

今回更新されたのは、この「アンサーネット」の稼動基盤である「DCPARK」です。プロジェクトの本格的な開始は 2009 年 8 月のことでした。マイクロソフトのパートナーでもある日本ユニシスと製品構成の検討を重ね、その年の 10 月にはラインナップが決定、開発が始まりました。作業は順調に進み、翌 2010 年 7 月に完成。 Windows Server 2008 および SQL Server 2008 の導入を始めとして、今後の加入者の増加を想定した処理速度向上や負荷分散の拡充などが実施されました。新しい「DCPARK」の実現にあたって、Windows 環境を採用した理由を、情報システム部 課長代理 田村昭人氏は、次のように語ります。

「確定拠出年金の加入者のデータは、お客さまの大切な個人資産などの情報です。このことを強く認識し、当社ではプライバシー マークだけでなく、情報セキュリティ マネジメント システム (ISMS) の国際規格である ISO 27001 も取得しています。こうした経緯をふまえて、"DCPARK" の全面刷新にあたってもセキュリティ面を意識した対応を行ってきました。たとえば Windows Server 2008 では、Microsoft Windows Vista から採用された Longhorn カーネルが OS の中核となりました。この結果、今回の Web サービスでも、Windows Server と SQL Server 2008 を組み合わせることで、従来以上にセキュアな環境をご提供できるようになっています」。

もちろん個々の製品が持つ機能や実績も、採用決定の大きな理由になっています。

「Windows Server 2008 について言えば、 サーバー OS としての優れた性能はもちろんのこと、IPS (侵入防止装置) などのセキュリティ製品や各種アプライアンスなどとの親和性という点でも安心感がありますね。データベース部分を担う SQL Server 2008 も、既に多くの銀行の基幹系で採用されているテクノロジーなので、不安はありませんでした。またこれら製品自体の信頼性に加えて、豊富な導入実績を背景に、国内ベンダーにもサポートのノウハウを持った技術者が多いといったことも採用の大きな動機になりました」。

事実、今回のシステム更新でも、「日本ユニシスは勘定系システムなどをマイクロソフトと連携して作ってきた実績があり、おそらく日本でも最高レベルの成功事例を持つシステム インテグレーターということで、安心して任せることができました。また、問題があった際もマイクロソフトと緊密に連絡をとって解決してくれたことも、大きな安心要素となりました」と田村氏は振り返ります。

情報システム部
小牧 愛 氏

一方、同社の Web システムは、従来からも一貫して「使いやすさ」を重視してきたと、情報システム部 小牧愛氏は語ります。

「お客さまは金融商品の運用のプロではありませんから、Web サービスにも細かな配慮が求められます。中でも使いやすさ=ユーザビリティは重要であり、これまでのシステム構築においても、さまざまな工夫が凝らされてきました。当社の Web サービスは業界で最も古くから提供されてきており、これらの工夫もすべてその歴史を通じて、お客さまのご要望を 1 つ 1 つ積み上げてできてきたものです。 Web アクセス ログも膨大な量に上り、加入者数から計算しても、かなり利用頻度の高いサービスであると自負しています」。

ひるがえって見れば、こうした利用度の高さは、「アンサーネット」に非常に高い可用性が要求されていることの表れでもあると小牧氏は指摘します。

「このことは当社の Web サービスがコール センターと並んで重要な顧客接点であり、真に求められているサービス レベルが "止まらないシステム" であることを意味しています。その点で、今回データベースに SQL Server 2008 を採用したことは、大きなメリットをもたらしたと考えています。具体的には、Windows 環境との高い親和性はもちろん、国内でも広く普及しており、すべてのシステム インテグレーターにスキルを持った技術者が数多くいること。またそれらの豊富な稼働実績が、何よりの安定性の実証であることなどが挙げられます」。

確定拠出年金のシステムでは、加入者の方が年金の給付を受ける年齢まで、長期間にわたって確実にデータを保有できることが必須条件です。しかも投資信託などでは基準価額の動きを受けて、更新は毎日、全件にわたります。同社のサーバー群に多くのマイクロソフト製品が採用されているのも、稼動安定性とセキュリティの両面で高い水準を実現するためであると小牧氏は評価します。

「今回のシステム更新では、機能向上というよりも安定稼働という面がより大きな意味を持っています。当社にとってデータベースは、もはやツールというよりもインフラそのものです。そう考えると、導入以来今まで困ったことが何もなかったというのが、もっとも評価すべき成果であり性能だといえるでしょう」。

もちろん、システムの可用性はデータベースやソフトウェアだけで確保されるものではありません。同社は、原則 24 時間 365 日稼動のミッション クリティカルな基幹システムを実現するために、国内でも最高レベルの設備を持つデータセンターでシステムを運用。震度 7 クラスの地震にも耐えうる高い耐震性を確保しています。また、電源も変電所から地中ケーブルで直結された 3 系統で受電されています。

統一感のあるデザインの加入者向け Web サービス「アンサーネット」

加入者TOPの例

加入者TOPの例 [拡大図]

スイッチング (預け替え) の例

スイッチング (預け替え) の例 [拡大図]

運用商品詳細の例

運用商品詳細の例 [拡大図]

運用シミュレーションの例

運用シミュレーションの例 [拡大図]

<導入効果>
セキュリティ強化と処理性能向上を両立。
開発面でも .NET Framework 活用で大きなメリットが

基幹システムの 1 つである「DCPARK」のサーバー群は、サーバー OS が Windows Server 2008、データベースは SQL Server 2008、また、.NET Framework 3.5 の上でアプリケーションが稼動する構成になっています。こうした Windows 製品で統一された環境が、各機能のシームレスな連携を実現し、マルチプラットフォーム環境では実現が難しかった高速演算など、高いパフォーマンスを可能にしていると田村氏は語ります。

「たとえばアンサーネットのトップ画面は、現在の資産額だけではなく資産配分状況のパイチャート (グラフ) など、加入者が一番先に知りたい情報を表示しています。チャートの内容は 1 人 1 人で異なるため、ログイン認証チェックと同時に、そのつど内部数値から演算してチャート画像を描画する必要があります。その点、今回のシステム更新ではハードウェアの性能を引き上げたこともありますが、お客さまからは表示速度が速くなった印象を受けるといった、ありがたい声をいただくこともあり、私たちとしても満足しています」(田村氏)。

さらにセキュリティ面も、大幅に強化されました。同社では、昨今のフィッシング詐欺などネットワーク経由での犯罪対策を重視。今回の Web 基盤の全面刷新と同時に、業界に先がけて「EV SSL サーバー証明書」を導入しました。これにより加入者が利用する PC 上のMicrosoft Internet Explorer に「緑色のアドレス バー」が表示され、悪意のある偽の Web サイトではないことを利用者が判断しやすくなりました。

安心感を高める「緑色のアドレス バー」

安心感を高める「緑色のアドレス バー」 [拡大図]

パフォーマンスだけではありません。お客さま向け Web サイトのユーザー インターフェイスそのものも、統一されたデザインによる直感的でわかりやすい表示が工夫されています。また、特に確定拠出年金の初心者に配慮したサポート機能を数多く実装しているのも注目したいポイントです。

こうした顧客にとってのメリット強化の一方で、開発面でも今回は大きな進歩がありました。その最も大きな例が、.NET Framework 3.5 の採用です。.NET Framework を用いることで特定の言語にしばられることなく、時代に応じて移り変わっていく開発言語のトレンドに柔軟に対応していけるようになります。この結果、業務アプリケーションの稼働環境が OS に依存することがなくなり、既存のアプリケーション資産を有効活用しながら、さらに新しい機能を付け加えていくことが可能になりました。

「既存システムとの連携といった面でも、やはりセキュリティ面で優れているといった評価を聞いて選択しました。もともと .NET Framework 1.1 で今までも作ってきたので、移行もまったく抵抗がありませんでした。もちろん .NET Framework 3.5 ではそのまま使えないので修正した部分もありましたが、結果的に不具合はなく、安心しました」と田村氏は語ります。

<今後の展望>
最新のシステムを基盤に、IT 部門が
「お客さま評価日本一」に向けた全社的な取り組みを支える

情報システム部
担当部長
藤田 俊之 氏

株式会社損害保険ジャパンのグループ会社として、損保ジャパンDC証券では、現在、「お客さま評価日本一」に向けた全社的な取り組みを加速してきています。コール センターを始めとする電話応対や各種事務処理のさらなる品質向上を進めている中で、情報システム部門の果たすべき役割は大きいと情報システム部 担当部長 藤田俊之氏は語ります。

「お客さまからの評価は、Web サービスがすべてではありません。コール センターの電話応対の説明の丁寧さから、コンサルティング担当者の説明内容、お送りする資料の読みやすさなど、当社がお客さまと触れ合う瞬間の連続が評価につながっていきます。常に高い評価をいただくためには、単にご要望どおりに対応するだけではなく、期待されているレベルを超えたサービスの提供に社内の各部門が協力してチャレンジしていくことが大切です。そうした意味で、われわれシステム部門には高い技術力はもちろんのこと、社内のそうした活動を、横断的かつ包括的にサポートしていく努力までが求められていると考えています」。

今回のシステム更新では、お客さまの利便性を最優先して「DCPARK」の全面刷新が実施されました。さらに今後は、社内 PC 環境を、Microsoft Windows XP から Microsoft Windows 7 へ移行する取り組みなども進めていきたいと、同社では考えています。

「コンピューターがなければビジネスにならないと言われるようになって久しい現在、サーバーや PC も含め、Windows 環境を安心して継続的に利用していくことができるよう、マイクロソフトのこれからに大きく期待しています」と語る藤田氏。

最新の Windows プラットフォームという確かな基盤を得て、損保ジャパンDC証券の顧客サービスは今、大きな飛躍の時を迎えています。

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ソリューション概要

プロファイル

損保ジャパンDC証券株式会社外部サイトへ移動するため、別ウィンドウで開きますは、確定拠出年金事業を損害保険事業と生命保険事業に続く第 3 の柱として位置付けている株式会社損害保険ジャパンのグループ会社です。日本初の確定拠出年金専門会社として 1999 年 5 月に設立されて以来、確定拠出年金のすべてのサービスを一元的に提供する「バンドル サービス」を展開。豊富な運営実績に基づく専門的なコンサルティング力や丁寧なサポートには定評があり、NPO 法人などが実施している調査においても総合満足度でトップクラスの評価を得ています。2010 年 9 月には確定拠出年金運営管理機関の評価指標である企業型規約の承認件数が 500 件を突破。国内で最も信頼されている運営管理機関の 1 つとして、さらなる飛躍を目指しています。

導入ソフトウェアとサービス

導入メリット

  • 金融機関の基幹システムとして Windows 環境を全面的に採用。
  • Web 上の複雑なグラフ描画を含めた高速処理に寄与。
  • セキュリティを強化しつつ、お客さまの Web 利用を促す。
  • 安定した稼動とともに継続的な利用に安心感。

ユーザーコメント

「お客さまから高い評価をいただくためには、ご要望どおりに対応するだけではなく、期待を超えたサービスの提供に社内の各部門が協力してチャレンジしていくことが大切と考えています。われわれシステム部門は、社内のそうした活動をサポートすることも求められています。サーバーや PC も含め、Windows 環境を安心して継続的に利用していくことができるよう、マイクロソフトのこれからに大きく期待しています」

損保ジャパンDC証券株式会社
情報システム部
担当部長
藤田  俊之 氏

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