様々な切り口での原価分析が可能な原価管理 BI システムを Microsoft® SQL Server® と Microsoft® Office Excel® で構築
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栃木ミサワホーム株式会社 (以下、栃木ミサワホーム) は、栃木県を主な商圏とする、ミサワホーム株式会社 (以下、ミサワホーム) の販売・施工会社です。社名にミサワホームを冠してはいますが、子会社や支店ではなく、独立した企業です。同社は、地元工務店から発生する原価を適正に管理するための BI (以下、「原価管理 BI」) で SQL Server を活用しています。かつては原価分析ができず、会社としての意志決定面のスピード面や効率面で問題があったとのことでしたが、それらの問題が原価管理 BI の導入により解決しました。
<導入の背景>
原価を適正に管理し、正確に利益をタイムリーに把握できるようにしたかったこれまで、栃木ミサワホームでは、原価管理 (=利益管理) において、担当者ごと、工務店ごと、地区ごとの工務店原価の分析が行われていなかったため、利益のタイムリーな把握ができていませんでした。同社の利益とは、住宅一棟の売値のうち「ミサワホームから仕入れるパネル材、屋根材など主要部材の原価 (以下、ミサワホーム原価)」と「地元工務店の作業費と現場で発注する部材の費用 (以下、工務店原価)」をそれぞれ差し引いた額となります。すなわち、2 つの原価が確定しないかぎり、利益も確定しません。
この 2 つの原価のうち、ミサワホーム原価は、ミサワホームから仕入れる部材の種類、価格、数量などからわかるため、住宅の着工前にほぼ正確に予想できました。ところが、工務店原価のうち、現場裁量で発注する追加部材について、正確な把握が困難でした。そのため、住宅が完成した後、しばらくしてから、工務店側より予期せぬ追加部材の請求書が届くことも多々ありました。追加部材の請求は、原価の追加につながり、利益の下ブレを招きます。また、原価分析 (=利益分析) がタイムリーに行えないため、会社としての意志決定のスピードも遅くなりがちでした。また、原価表の作成には、多くの時間とマンパワーが必要で、非効率的でした。
こうしたことから、原価の適正管理 (=利益の適正管理) を行うことが、栃木ミサワホームにとって、かねてよりの重要な経営課題でした。
<導入の経緯>
原価管理システムが安価に構築できることが判明し、
SQL Server を採用栃木ミサワホームでは当初、原価の適正管理の問題について、次のプロセスで原価分析を実施すれば解決できるだろうと想定していました。すなわち、これまでに建築した 100 邸程度の原価ファイルを、担当者ごと、工務店ごと、地区ごと、部材種類ごとなど、様々な切り口で集計分析し、平均を逸脱した異常値を見つけます。そして、その異常値を頼りに原価分析を行い、結果をもとに社内の現場担当者へヒアリングや指導を行えば、不要な追加部材を減らすことができるだろうと考えていたのです (図 1)。
しかし、この方法による原価分析は、あまりにも分析作業に時間がかかってしまうことから、実現には至りませんでした。当時、住宅ごとの工事原価は、一棟ごとの原価表 Excel ファイルで把握しており、この原価表 Excel ファイルは、別システムからの数字を転記することにより作成していました。それに加え、数十の原価表 Excel ファイルを串刺しにして原価分析をすることは、時間的にも困難でした。栃木ミサワホーム 総務経理部 小野口 和之 氏は、導入前の状況を次のように語ります。
「原価分析はやるべきだと分かっていましたが、まったく着手できないという状況が永らく続いていました。これらの問題は、システムを導入・構築すれば解決すると思っていたものの、多額の構築費用がかかることが予想されたので、導入を見合わせていたのです」。

 栃木ミサワホーム株式会社 総務経理部 小野口 和之 氏
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そんな折、日本コンピューターシステムサービス株式会社 (以下、JCOM) から、SQL Server を活用することで、栃木ミサワホームが抱える課題を安価に解決できるとの提案がありました。提案を受けた直後は、本当に自分たちが行いたい分析ができるのか、自分たちで使いこなせるのかという懸念があったため、JCOM にデータの入ったプロトタイプを作成してもらい、それによって導入の是非を検討することとなりました。
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 栃木ミサワホーム株式会社 建設部 佐藤 昌子 氏 (希望により仮名)
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そして、JCOM が作成したプロトタイプを検討したところ、社内でも高評価を得たことから、2009 年 3 月、原価管理 BI の導入が決定しました。BI ツールのフロント エンドについて、栃木ミサワホーム株式会社 建設部 佐藤 昌子 氏が語ります。
「JCOM に用意してもらったプロトタイプは、インターフェース画面は単なる Excel で素っ気ないものでしたが、かえって分かりやすくなっていました。私が期待した『担当ごと、工務店ごと、地区ごとの原価分析』は、項目をクリックしていくだけで、スピーディに結果画面が表示されるものでしたので、これなら使いこなせると実感できました」。
<導入の効果>
約 500 万円のコスト削減と会社の
意志決定の迅速化、原価管理の適正化が実現原価管理 BI の導入により、導入前に期待していた「原価分析」と「手作業の自動化」が実現できるようになりました (図 2)。

 図 2 原価管理 BI の導入で「原価分析」と「手作業の自動化」を実現 [拡大図]

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まず、原価分析が可能になったことで、現在、経理部を中心に、工務店、担当者、地区といったそれぞれで原価を分析し、原価を適正化する運動が推進できています。
さらに、手作業を自動化できたことにより、3 つの副次効果がもたらされています。
1. 原価表の作成スピード向上
これまで、1 戸あたりの原価表の作成には 2 ~ 3 時間必要で、社員の残業時間も 1 か月あたり延べ 40 ~ 50 時間に及んでいました。しかし、原価管理 BI を導入したことで、同じ表が 5 分で作れるようになり、原価表作成のための残業はほぼなくなりました。これにより人件費換算で約 500 万円のコスト削減が実現しました。
栃木ミサワホームの現場スタッフからも、「無駄な作業時間が減ったので、その空いた時間で、工務店さん向けのサービスレベル向上のための仕事ができるようになった」という声が寄せられています。
2. 支払い管理のスピード向上
外注工務店には、月に 3 回、支払いを行っています。支払いにあたっては、(1) 各部門からデータを集める、(2) データを集計、整形する、(3) 支払いに適した形に経理仕分けする、等の作業が必要で、どれも時間を要するものでした。しかし原価管理 BI 導入後は、「請求書データの入力 → ボタン一押し → 支払い管理データが完成」で作業が終わります。作業時間が大幅に短縮されました。
3. 意志決定のスピード向上
原価管理 BI 導入後は、原価情報 (利益情報) がタイムリーに入手できるようになり、意志決定スピードが早まりました。導入前と比べて「仕事が早い会社」に生まれ変わったといえます。
こうした効果によって、今回の原価管理 BI の導入は、栃木ミサワホームを良い方向に変えたといえます。
<今後の展望>
さらなる業務効率化と顧客満足向上に向け、
情報施策に積極的に取り組む「今回、SQL Server を使った原価管理 BI の構築を通じて、栃木ミサワホームでは利益管理のしくみづくりと、業務のスピード アップとを同時に実現できました。弊社では、今後も業務効率化と顧客満足向上のために様々な情報施策に取り組んでいく所存です」(小野口 氏)。
最後に小野口氏は、マイクロソフトへの期待を次のように語り、締めくくりました。
「今後も分析対象となるデータ量は増えていくので、将来的には SQL Server Enterprise を導入し、パフォーマンス向上を図ることを検討しています。マイクロソフトには、これからもさらに使いやすい役立つ製品を継続提供していただき、栃木ミサワホームの取り組みを支援いただくことを希望します。今後ともよろしくお願いいたします」。
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