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トヨタ紡織株式会社

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掲載日: 2011 年 6 月 29 日

国内 19 拠点を皮切りに、世界 87 拠点の情報基盤統一へ。ビジネスの迅速性を高める業務変革の一端としてパブリック クラウド サービスである Microsoft Office 365 を採用

トヨタ紡織株式会社

トヨタ紡織株式会社

トヨタ紡織株式会社では、従来オンプレミスで活用してきた Microsoft Exchange 2000 Server のサポート終了を迎えることを契機として、2004 年の 3 社合併以来、複数のシステムが混在していた社内の情報基盤の統一に着手。世界 5 極体制 87 拠点を展開し、今もなおグローバルに成長を続けている同社の情報基盤を長期にわたり、柔軟に、効率的に支えることの出来るソリューションとしてパブリック クラウド サービスの採用を決断。詳細な比較検討の結果、選ばれたのは Microsoft Office 365 でした。

<導入の背景とねらい>
グループ内のコミュニケーションをセキュアに、スムーズにするべく、情報ネットワーク基盤の統一に着手

トヨタ紡織株式会社
情報システム部 部長
角田 浩樹 氏

トヨタ紡織株式会社
情報システム部
ITマネジメント室 室長
深見 茂夫 氏

「明日の社会を見据え、世界中のお客様へ、感動を織りなす移動空間の未来を創造する」というスローガンの下、次世代の車室内装品、フィルター・パワートレイン機器部品の創造のために研究を重ね、日々技術革新に挑戦しているトヨタ紡織株式会社 (以下、トヨタ紡織)。
同社では、「真のグローバルカンパニー」の実現に向けて効率的に業務を推進するために、世界を「北中南米」、「中国」、「アセアン・豪・印」、「欧州・南ア」、「日本」の 5 地域に分けてそれぞれの生産拠点を取りまとめる地域統括会社を設置。2004 年に制定した「トヨタ紡織地球環境憲章」のもと、CO2 (二酸化炭素) の排出削減などの環境保全にも取り組んでいます。

そして 2011 年 6 月 6 日。トヨタ紡織では、全世界 87 拠点を結ぶ情報共有基盤の整備に着手するとともに、自社の CO2 排出量削減にまで貢献できるソリューション―マイクロソフトのパブリック クラウド サービス「Microsoft Office 365」の活用を開始しています。

トヨタ紡織 情報システム部 部長 角田浩樹氏は、同社の情報共有基盤にクラウド サービスを採用するに至った経緯について、次のように説明します。
「当社は 2004 年 10 月に 3 社合併して、現在のトヨタ紡織となっていますが、この合併の際に 3 社の情報共有基盤がそれぞれバラバラであった状態のまま、これを統一する間もなく『グローバルカンパニー』として成長を重ねてきました。そのため、グループ全体の情報基盤に関してガバナンスを利かせることができませんでした。この状態を改め "トヨタ紡織スタンダード" とでも呼ぶべき情報基盤に統一を図ることが課題として残っていました。
事業所の統廃合など含め、ビジネスのスピードは今後ますます増していくでしょう。そうした状況に柔軟に対応しながら情報ネットワーク インフラの統一を図り、ビジネスの迅速性を高めていくためには、従来通りに自分たちの中にすべてのシステムを抱え込んでいくことはできません。そういう意味で、パブリック クラウドである Office 365 の価値は高いと思っています」

トヨタ紡織が現在活用しているのは、Office 365 のうちの、Microsoft Exchange Online です。
これまではオンプレミスの Microsoft Exchange 2000 Server を運用していましたが、サポート切れを迎えることを契機として、2008 年末頃から次のメールシステムについて検討を開始したと、同 情報システム部 ITマネジメント室 室長 深見茂夫氏は振り返ります。

「検討を開始した当初は、Gmail を少し検討した程度であり、特にクラウド サービスの採用を念頭に置いていたわけではありません。しかし、オンプレミスでのメールサーバー運用には、工場の定期点検に伴う停電やセキュリティ対策にかかる運用負荷など、さまざまな不都合があったのは事実です。
まず第一に、停電の影響を脱し、メールシステムの稼働率を 99.9% というところまで引き上げたいというねらいがありました。さらに、24 時間稼働するシステムを、365 日監視するために、社内でオペレーターを育成するというのは大変な手間とコストがかかりますから、運用管理負荷をいかにして減らせるかを考えました」

こうしてトヨタ紡織ではクラウド サービスも含め、さまざまなシステム/サービスの比較検討を実施。その結果、メールの容量、セキュリティ対策、当社独自のメール運用への対応、そしてトータルコストなど、すべての面で評価され Office 365 の Exchange Online の導入に至っています。

<システム概要と導入の経緯>
社員が意識することもなくセキュリティ ガイドラインを遵守可能

トヨタ紡織株式会社
情報システム部
ITマネジメント室
原田 有希子 氏

グローバルでの情報基盤統一に向けて、効率の良いシステム運用を目指したトヨタ紡織が最初に検討したクラウド サービスは、実は Google Apps の Gmail であったと、同 情報システム部 ITマネジメント室 原田有希子氏は振り返ります。

「最初に検討を行ったのは、2010 年の夏でした。1 番のポイントとなったのは『1 人あたり 25GB のメール容量と、安価な利用料』でした。しかし、メールがスレッドごとに分類されてしまうほか、分類のためのフォルダーを作成することもできないなど、操作性の面でビジネス利用には難があると判断し、採用は見送ることになりました」

そして、「25GB のメールボックス」と「使いやすいインターフェイス」のほか、トヨタ紡織独自のメール運用に適した機能を備えたサービスを再度検討し直した結果、「すべての条件を満たすもの」として選ばれたのが、Office 365 の Exchange Online だったのです。

■トヨタ紡織のメール運用のルール (一部)
 ・メール利用は社内からのアクセス時に限定する
 ・社外にメールを送信するときは、必ず上司を CC に加える

トヨタ紡織では、現在、関連会社を除く国内 19 の事業拠点のメールシステムを Exchange Online に統一。ブラウザー経由でメールを送受信する「Outlook Web Apps (OWA)」を使い、1 日約 50 万件ものメール送受信を支えています。

Office 365 構築パートナーである株式会社豊通シスコムの支援を受け、Active Directory フェデレーション サービス を活用し、拠点間の ID 認証をシームレスに行うとともに、社外からのアクセスを遮断。また、「社外へのメール送信時には上司を CC に加える」というルールについて、従来は上司を手動で CC へ入力し、上司のアドレスが入力されているかどうかをシステムでチェックしていましたが、Exchange Online 導入後は、"トランスポート ルール" 機能を使い、上司のアドレスを追加する作業まで自動化しています。
こうした機能の充実によって、社員は何も意識することなく、同社のセキュリティ ガイドラインを遵守できるようになっています。

<システム導入効果>
余計なコストをかけず、柔軟に最新技術を活用できる環境へ

トヨタ紡織では、メールシステムを Exchange Online に変更したことによって、主に下記の 8 つのメリットを得ることができたとしています。

■ Exchange Online (Office 365) 導入の主なメリット
 1. オンプレミスのサーバーを排することで、工場の停電によるシステム停止の影響を脱し、稼働率を大幅に向上
 2. 社員 1 人あたり 25GB という大容量メールボックスの活用
 3. 国内 19 拠点の社員間で、アドレス帳とスケジュールを共有
 4. ウイルスやスパムメール対策など、セキュリティ対策にかかる社内の IT 担当者の負荷を大幅に軽減
 5. トランスポート ルールにより、社員が意識することなくセキュリティガイドラインを遵守
 6. 容量無制限でメールをアーカイブできるため、今まで社員の責任においてローカルに分散していたデータの一元的管理が実現。保持期限の設定も任意に行えるなど、メール保持に関するルールも中央でコントロール可能に
 7. シンガポールをはじめとする 2 拠点にてサーバーが運用されているため、災害時の事業継続にも対応
 8. スマートフォン/スレート端末とのメールシステム連携を実現。役員を対象とした試験的運用を開始

こうしたさまざまなメリットの中で、社員にとって一番大きな変化をもたらしたのが、「25GB のメールボックス容量」であると、原田氏は説明します。
「当社の従来のメール環境では、メールボックスは 1 人あたり 50MB しかありませんでした。Exchange 2000 Server を導入した当初からのスペックなのですが、現在では添付ファイルの容量も増えており、ユーザーは皆、毎日のようにメールをローカルに保存して管理しなければならないような状況でした。
しかし今は、25GB ありますので、メールをサーバー内に保管できます。おかげでメールを整理する手間が省け、さらには検索性が高まるといったメリットも生まれています」

また深見氏は次のように話します。
「従来の環境はオンプレミスであるが故に変更ができず、容量の不足やサーバーの老朽化、アンチウイルス ソフトの更新などさまざまな問題がありました。しかし、これからはサーバーハードウェアに関する心配もありません。さらにセキュリティ対策も自己責任で実施するだけではなく、マイクロソフト側にいるプロフェッショナルが運用管理にあたってくれるという安心感もあります。
メールシステムそのものについては、各企業の特色なども少ないため、クラウドを活用しやすい部分であると思います。過大なコストをかけずに、柔軟に、最新のテクノロジーを活用していける環境に向けた第一歩として、Office 365 を今回採用したことは、とても良かったと思っています」

<今後の展望>
管理負荷を減らし、情報部門を改革 より付加価値の高い業務へシフト

ヨタ紡織の情報基盤統一は、まだ始まったばかりです。2011 年中には世界 87 拠点のネットワーク基盤を共通化し、2013 年を目途にメール システムを統一。アドレス帳やスケジュールをグローバルに共有することで、よりシームレスでスピーディなコミュニケーションが期待できると角田氏は言います。
「たとえば Web 会議システムの導入なども、視野には入れています。海外の生産拠点も移り変わりが早いですから、柔軟に情報共有基盤を拡張できるクラウド サービスには本当に期待しています」

Office 365 のファースト ユーザーとなる同社は、業界におけるパブリック クラウド活用の先駆でもあります。当然、角田氏の期待に対して不安の声も聞こえたと言います。
「もちろん、パブリック クラウド サービスを採用することについて、是非を問う議論はありました。しかし、たとえばセキュリティに "絶対" はありませんから、最終的にはお互いに信頼できるかどうかということにかかってきます。その意味で、Office 365 にはマイクロソフトという大きな看板がかけられているわけですから、十分信頼できると思います。
今回、私たちとしても初めてクラウド サービスを利用するわけですから、逡巡もありました。しかし、それよりも『情報システム部として、より付加価値の高い業務に舵を切っていかなければならない』という想いの方が強くありました」

トヨタ紡織の情報システム部のメンバーが現在 106 名。「そのうち約半数が既存システムの運用保守に時間を取られている」という状況を変える突破口として、角田氏はクラウド サービスの今後に期待していると続けます。
「私たちの業務は、どちらかと言えば縁の下の力持ちのように、サーバー ハードウェアを調達したり、ネットワークやシステムの運用・保守を行う割合が多かったのですが、そうした状況では IT においてもビジネスにおいても "プロフェッショナル" としてのスキルを磨く機会も限られてきます。何より、本人たちのモチベーションを維持するのが難しいでしょうし、勉強をして資格を増やそうとしても、テクノロジーの進歩が速すぎるという側面もあります。
だからこそ、私自身の業務を変革していく必要を感じていました。システムを抱え込むのではなく、クラウド サービスのように専門の IT パートナーに委任できる部分はどんどんとお願いして、自分たちのリソースを空けていった方が良いと思っています。
今はテクノロジーの進歩も早く、ビジネスの変化も早いです。ホスト コンピューターの頃のように、1 つのシステムを10 年かけてお守りしている時代ではありません。業務も複雑化していますから、情報システム部として、IT のプロフェッショナルとして、会社にとって付加価値の高い仕事、提案を行っていくためには業務のあり方を問い直して行かないといけないでしょう。そのための第一歩を今回踏み出すことが出来たのであれば幸いです」

最後に角田氏は言います。
「2004 年の 3 社合併以降、国内の情報共有基盤がバラバラのまま、海外拠点の拡大も急速に進んでいきました。やはり、それだけのスピードの中で、IT のガバナンスを利かせていくことは非常に難しい課題です。オンプレミスのシステムでは、やはり構築・導入に時間がかかりますからね。
ですから、Office 365 のようなサービスが登場することは、自然な流れなのだと思います。当社としても、そうした流れをうまく活用し、『真のグローバルカンパニー』となる礎として、IT インフラの整備を進めていきたいと思っています」

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ソリューション概要

プロファイル

トヨタ紡織株式会社外部サイトへ移動するため、別ウィンドウで開きますは、1918 年に豊田紡織株式会社として創業。1943 年にトヨタ自動車工業株式会社 (現・トヨタ自動車株式会社) に合併。1950 年の分離独立、2004 年アラコ株式会社 (内装事業)、タカニチ株式会社との 3 社合併などを経て現在に至ります。世界 5 極体制 87 拠点でグローバルなモノづくりを行う同社では、「明日の社会を見据え、世界中のお客様へ、感動を織りなす移動空間の未来を創造する」というスローガンの下、次世代の車室内装品、フィルター・パワートレイン機器部品の創造のために研究を重ね、日々技術革新に挑戦しています。

導入メリット

  • 工場の停電によるシステム停止の影響を脱し、稼働率を大幅に向上
  • 社員 1 人あたり 25GB という大容量メールボックスの活用
  • 国内 19 拠点の社員間で、アドレス帳とスケジュールを共有
  • ウイルスやスパムメール対策など、セキュリティ対策にかかる社内の IT 担当者の負荷を大幅に軽減
  • トランスポート ルールにより、社員が意識することなくセキュリティ ガイドラインを遵守可能に
  • 容量無制限でメールをアーカイブできるため、今まで社員の責任においてローカルに分散していたデータの一元的管理が実現
  • シンガポールをはじめとする 2 拠点にてサーバーが運用されているため、災害時の事業継続にも対応
  • スマートフォン/スレート端末とのメールシステム連携を実現

Microsoft Office 365 パートナー

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ユーザーコメント

「2004 年の 3 社合併以降、国内の情報共有基盤がバラバラのまま、海外拠点の拡大も急速に進んでいきました。やはり、それだけのスピードの中で、IT のガバナンスを利かせていくことは非常に難しい課題です。オンプレミスのシステムでは、やはり構築・導入に時間がかかりますからね。ですから、Office 365 のようなサービスが登場することは、自然な流れなのだと思います。当社としても、そうした流れをうまく活用し、『真のグローバルカンパニー』となる礎として、IT インフラの整備を進めていきたいと思っています」

トヨタ紡織株式会社
情報システム部 部長
角田 浩樹 氏

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