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UQコミュニケーションズ株式会社

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掲載日: 2011 年 6 月 10 日

より自由なインターネット活用を支える "モバイル ブロードバンド" WiMAX。その基地局建設のペースアップに貢献する情報共有基盤を "クラウド サービス" SharePoint Online で実現

モバイル ブロードバンド通信を提供する UQコミュニケーションズ株式会社のサービスが、お客様にとって便利で快適なものであり続けるためには、無線基地局の設置が欠かせません。そこで同社では基地局建設における情報の共有と活用をよりスムーズにして業務効率を向上させるために、独自のポータルサイト「工事援 -KOJiEN-」の構築を決定。「低コストで社内外のユーザーがストレスなく使えるシステムを短期構築し、運用を行いながら成長させる」というニーズを満たすシステム インフラとして選ばれたのが、Microsoft Online Services の 1 つ、Microsoft SharePoint Online でした。

<導入の背景とねらい>
WiMAX の基地局建設に関する情報の共有と活用をスムーズにして、サービスエリアのさらなる拡充へ

UQコミュニケーションズ株式会社
執行役員
建設部門長
福島徹哉 氏

UQコミュニケーションズ株式会社 (以下、UQコミュニケーションズ) は、モバイル WiMAX (Worldwide Interoperability for Microwave Access) 技術を用いた通信ネットワークという、新しい社会インフラの構築を通じて、いつでもどこでもインターネットにアクセスできるブロードバンド社会の実現を目指して事業を展開。2009 年 7 月からサービスを開始して以降、2010 年 9 月には 33 万ユーザー、2010 年 12 月には 52 万ユーザーと着実にユーザー数を増やし、2011 年 3 月には 80 万人を超えるユーザーに活用されるに至っています。

UQコミュニケーションズ 執行役員 建設部門長 福島徹哉氏は、WiMAX の広がりについて、次のように話します。

「私たちの提供する WiMAX は、ノート PC や Wi-Fi ルーターなどの WiMAX 対応端末を使用して、下りで最大 40Mbps、上りで最大 10Mbps という、高速のワイヤレス通信を可能にするサービスです。現在主流の動画配信サイトなどは 2Mbps あればスムーズに視聴できますから、ストレスなく、サクサクと楽しんでいただけるのではないでしょうか。
そして今、スマートフォンの流行を中心としてインターネット上での動画生中継や SNS (Social Networking Service) への書き込みなど、情報へのアクセスが非常にスピーディになってきました。スマートフォンやスレート端末、そしてノート PC などを活用した機動力の高いインターネット活用が盛んになる中で、当社の WiMAX も順調にシェアを伸ばしています。そのほか、デジタルサイネージの筐体や監視カメラなど、映像配信の仕組みが必要となる業務用機器にも活用されています」

こうした WiMAX のユーザー数急増は、基地局を増強し、必要十分なネットワーク インフラを確保してきた実績に支えられています。UQコミュニケーションズが試験運用を開始した 2009 年 2 月には 500 局しかなかった基地局は、2010 年 3 月時点で 7,000 局になり、2011 年 3 月には、14,000 局を突破。約 2 年で 28 倍というスピードでネットワークを拡大し、現在ではサービスエリアとして全国の主要都市をカバー。全国政令指定都市・特別区の実人口カバー率※ が 90% を超えるまでに至っています。

「現在、14,000 を超える基地局がありますが、これらすべては、私たち自身の手で建てています」と福島氏。
UQコミュニケーションズの建設部門および協力会社の手によってサービスエリア拡充のための基地局建設が進む中、各工事現場の進捗管理から、次の候補地の許認可など、膨大な情報を整理する必要があったと振り返ります。

「基地局を建設すると一口に言っても、小さいものから大きなものまでさまざまです。小さな基地局では 5 人で 1 週間かけて作ります。それを同時期に 1,000 局を建設していれば、それだけで 5,000 人が稼働していることになります。さらに、現場の作業を管理している人たちもその上にいるわけですから、私たち建設部門を含めて約 10,000 人が常時携わっています。これだけの人数が効率よく、足並みを揃えて作業を進めていくためには、情報の共有が欠かせません。
現場の進捗管理はもちろん、全体を把握して指揮を行う私たちからの指示が即座に現場に伝わらなければいけません。そこで、効率的な情報共有の仕組みを作り上げるため 2010 年の春から、ポータルサイトの導入を検討していました」

従来、UQコミュニケーションズの基地局建設に伴う情報共有は、メールでのやりとりが中心でした。しかし、その方法も基地局が激増していく中で各人が把握しきれないほどメールの数も増大し、ミス コミュニケーションを生む原因の 1 つとなってしまっていました。
そして 2010 年 5 月。UQコミュニケーションズ 建設部門では、理想とするポータルサイトを実現するために、あるサービスを選択します。それが、Microsoft Online Services の 1 つである、Microsoft SharePoint Online でした。

※実人口カバー率 : 対象地域のエリアカバー人口÷対象地域の居住人口。人口データは平成 17 年国勢調査の数値を参照。

<システムの概要と導入の経緯>
コストを抑えた「早期立ち上げ」と運用開始後の「システム拡張」

UQコミュニケーションズ株式会社
建設部門
設備管理部
業務管理グループ
南條裕起子 氏

UQコミュニケーションズ株式会社
建設部門
設備管理部
業務管理グループ
山口一平 氏

UQコミュニケーションズの建設部門が構築したポータルサイトは、「工事援 -KOJiEN-」と名付けられ 2010 年 7 月から運用を開始しています。
サービス選定からわずか 2 か月弱でサービスインを迎えたこの「工事援 -KOJiEN-」は、当初から「早期立ち上げ」を前提として、インフラとなるサービスを選定したと、同社 建設部門 設備管理部 業務管理グループ 山口一平氏は説明します。

「『工事援 -KOJiEN-』構築に際しては、最初から、不要なコストをかけずに早期立ち上げを実現するべく、設備を自社で保持せずにサービス利用可能な "クラウド" "SaaS" (Software as a Service) に的を絞って機能などの比較検討を行っていました。検討に際しては、活用を始めた後で操作性や利便性を考えながらユーザーの修練度に合わせて成長していける柔軟性が重要なポイントでした」

そして、UQコミュニケーションズでは、下記の 3 つのポイントを特に高く評価し、SharePoint Online の導入を決定したと山口氏は続けます。
■SharePoint Online 採用の主なポイント
1. 効率的なドキュメント管理
2. 権限管理の柔軟性
3. 低コストでの導入

「私たちの考えとして、まず初めに "ナレッジ データベース" として『工事援 -KOJiEN-』をスピーディに構築し、メーリングリストで通知していた情報や膨大な量のドキュメント類を集約することを優先させました。ポータルを立ち上げる際にワークフローまで一気に整備しようとすれば、要件定義に時間がかかってしまい、業務効率の改善に遅れが出てしまいますから。
ですから、まずはナレッジの集約を図る。そして、システムの活用を行う中でワークフロー機能を追加していけばいい、という風にシステムを "成長させていく" ことを前提条件として考えていました。そこでまずはポータル運用のルールを特に設定せずに利用を開始し、使っているうちにユーザーから挙がってくるコメントを踏まえて最低限のルール化とコンテンツ体系の整備を実施していきました」(山口氏)

サービスイン後にシステムを "成長させる" というプランを現実のものとする上で大きく役立ったのが、マイクロソフトが無償提供している SharePoint の標準カスタマイズ ツール Microsoft SharePoint Designer であったと、山口氏は話します。

「サービスインから今日まで、『工事援 -KOJiEN-』に集約した情報やドキュメントはワークフロー機能を活用して、効率よく共有しています。このワークフローを作るに際して特別な知識も必要なく、SharePoint Designer のグラフィカルな設定画面を見ながら、簡単に手早く選択していくだけで実装できてしまいます。これは非常に使いやすいと思いました。実際、簡単な改修については IT パートナーに依頼することなく自分たちの手で行うことができていますから」

こうして「工事援 -KOJiEN-」は、順調に機能を増やしており、今後は「建設部門が活用しているあらゆるシステムと連携する窓口となる予定」であると、建設部門 設備管理部 業務管理グループ 南條裕起子氏は説明を続けます。

「私たち建設部門では今後、この『工事援 -KOJiEN-』を窓口としてドキュメントの共有や情報の共有を行うだけではなく、Web 会議などのソリューションも活用しながら各支社や協力会社を結ぶ、新しいコミュニケーションの仕組みを導入するなど、さまざまな業務をここに集約していきたいと考えています。
実際に、サービスイン後に行った改修として、既存の社内システムである『稟議ワークフローシステム』を『工事援 -KOJiEN-』と連携させています。こうした改修が比較的容易に行えることはとても良かったですし、部内にまだ散在している業務システムもすべて連携させ、『工事援 -KOJiEN-』のメニューとして組み込んでいきたいと思っています」

<導入効果>
機能拡張の容易さと使いやすさで社内に浸透

『工事援 -KOJiEN-』画面イメージ

『工事援 -KOJiEN-』画面イメージ

2010 年 7 月に「工事援 -KOJiEN-」のサービスインを迎える際には、「このポータルサイトが、社内にスムーズに浸透するかどうか」少々気になっていたという南條氏ですが、しかしその懸念はすぐに「払拭された」と話します。

「今までポータルサイトを利用してこなかったこともあり、社員および協力会社の方々の間にスムーズに活用してもらえるか、いくらか心配はしていたのですが、社内約 300 ユーザーが日々の業務に欠かせないシステムとして活用し、協力会社の方々にも開放することで、今ではすっかり定着しています。
私自身、1 人のユーザーとして思うのは、『とても使いやすい』ということですね。たとえばフォルダーごとにアクセスの制限を設定できますので、ドキュメントをアップする側のユーザーとしてはドキュメントを目的のフォルダーにアップロードするだけで安全なファイル共有が行えます。それに複数のファイルをアップロードする機能などもあり、非常に便利です。
さらに、システムを管理する私たちとしても、普通のファイル サーバーとは違い、ファイルをアップロードした履歴が管理できたり、通信が暗号化されていることなど、セキュリティ面の配慮が充実しているので安心しています」

そして、「メール主体の情報共有」から「ポータルをナレッジ データベースとした情報共有」に移行したことで、業務の変化を促しつつあると、南條氏は続けます。

「メールの場合、件数が多ければ必要な情報もスレッドに埋もれてしまいます。そのためにミス コミュニケーションも発生してしまいますし、どうしても情報共有について受け身になりがちでした。しかし、今『工事援 -KOJiEN-』を活用している社内外のユーザーは、毎日 "自分から情報を取りに行く" という積極的なスタンスで活用されていると感じています。
実際、メーリングリストに向けて一斉に配信していた告知メールなどがなくなったこともあり、『工事援 -KOJiEN-』導入後はメールの送受信数が、1 人あたり約 40 通は削減されました。それだけ、コミュニケーションの効率が改善されていると思います」

積極的な情報共有が効果を発揮している好例として、「稟議ワークフローシステム」との連携が挙げられると山口氏は続けます。

「基地局の建設に際しては、無線免許の申請など、さまざまな許認可手続きがあります。稟議ワークフローシステムを『工事援 -KOJiEN-』に連携させる以前は、この許認可を得るために稟議を起案した者か、承認経路に乗っている者しか、稟議書の内容や進捗を確認することができないという制限がありました。
それが今では、全員で進捗を確認・共有することができるようになり、"次の工程" を前もって考慮するなど、業務の進め方において、大きな変化が生まれていると実感しています」

ナレッジ データベースとしての情報集約から、ワークフローの充実、そして社内に散在する業務システムとの連携など、「進化するポータル」のねらいどおり、着々と「工事援 -KOJiEN-」の機能は充実してきていると南條氏は言います。

「今、基地局建設情報を管理している他のシステムのデータベースを集計して、グラフや帳票を作って表示する BI ツール (Business Intelligence) と『工事援 -KOJiEN-』の連携も進めています。このツールと連携することで、グラフィカルに建設情報の見える化ができるようになります。この機能もまた、業務効率の向上につながっていくものと期待しています」

福島氏はまた、ポータル活用が「継続的な業務改善にも役立つ」と、その有用性を評価しています。

「コミュニケーションの手段として、メールだけに頼るのはやはり無理があります。データをしっかりと把握し、情報を共有して対話を重ねることが重要です。メールというのは一方通行な側面がありますから、ルーチンワークになればなるほど、業務を遂行する上で気付いた改善点なども発信しづらいのです。
継続的に業務効率の向上、業務の改善を図っていくためには、やはりポータルサイトのような仕組みを導入して、社内の情報資産やワークフローを構造化していくことが重要だと考えています。
今回、『工事援 -KOJiEN-』は SharePoint Online というクラウド サービスを利用しています。実際に使ってみた感想として、素直に『こんなに使いやすいのか』と驚いています。サーバー リソースを気にする必要もありませんから、状況に応じてページを追加していけますし、拡張性も高いですから、社内の業務システムとの連携も容易に行えています。活用のメリットは本当に大きいと思います」

停電時にも、社員の安否を確認

そして、福島氏は "クラウド" であることが特に効を奏した出来事があったと続けます。

「実は、今回の『工事援 -KOJiEN-』導入において、とても良かったと思っていることがあります。2011 年 3 月 11 日に発生した東日本大震災に際してもシステムが落ちることがなかったため、社員および基地局の建設作業にあたっている協力会社の方々の安否確認がシステム上で行えたことです。もちろん、個々人の安全確認について、最終的には電話をかけて対話しなければわかりませんが『工事援 -KOJiEN-』の果たした役割も大きかったのです。
震災の影響で、一時は 2,000 の基地局が停止してしまいましたが、計画停電などが続く中でも『工事援 -KOJiEN-』を使った情報共有は行えていました。約 1 か月経った 4 月現在、そのうちの 4 局だけを残し、復旧させることができています。これはもちろん社員、協力会社の方々の努力の結果です。しかし、この努力に対し、『工事援 -KOJiEN-』というポータルサイトが "クラウド サービス" であるが故に停電の影響を受けることなく貢献できたことは、本当に良かったです」

<今後の展望>
さらなる利便性を求めて進化

最後に福島氏は次のように締めくくります。

「私たちが、プレゼンテーションの際によく使う絵があります。それは、一番上に "雲" があり、マイクロソフトさんなどが提供されているクラウド サービスを示しています。その雲から下に広がる空間は "通信" の領域を表しています。さらにその下には、PC などの情報端末が並べられている絵です。
クラウド、SaaS は今後さらに普及していくでしょう。そして、そのサービスを支える "通信" が私たちの事業領域です。WiMAX は、下りで最大 40Mbps、上りで最大 10Mbps の高速ワイヤレス通信を時と場所を選ばずに可能にします。これは、他社にはないサービスだと自負しています。そして一方では、ノート PC やネットブック、スマートフォンにスレート端末など小型・軽量な情報端末がさらに普及し、クラウド、SaaS の利点を享受することになります。
私たちの WiMAX は、この "雲" と "端末" をほかにはない高速通信でつなぎます。サービスと通信と端末の "三位一体" でさらなるパラダイムシフトを起こして、お客様にさらなる利便性を提供していきたいと思っています。
そのために、私たち建設部門としては、今後も基地局建設の歩みを止めるつもりはありません。自分たち自身がクラウドサービスの利点を享受し、『工事援 -KOJiEN-』をもっと深く活用して基地局の建設をさらに推進していきたいと思っています」

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ソリューション概要

プロファイル

UQコミュニケーションズ株式会社外部サイトへ移動するため、別ウィンドウで開きますは、高速、大容量のモバイルブロードバンド通信の方式の 1 つである WiMAX を採用した次世代ワイヤレス・インターネットを提供する企業です。2009 年 2 月に試験運用を開始した時にはわずか 500 局でしかなかった無線基地局はすでに 14,000 局を超えて、そのサービスエリアは日本全国の政令指定都市をカバー済み。スマートフォンやスレート端末を中心とした、新たなインターネット活用が広がる中、その中心を担う通信サービスとしてシェアを伸ばしています。

導入ソフトウェアとサービス

導入メリット

  • オンプレミスでの開発が不要のため、低コストでの早期立ち上げが可能
  • フォルダー単位、ドキュメント単位でユーザーのアクセス権限を設定できるなど、きめ細かい権限設定で、セキュアでありながらユーザーにとって手間の少ない情報共有環境を実現
  • 無償の HTML エディターであるMicrosoft SharePoint Designer を使うことで、特別な知識を要することなくワークフローを設定可能
  • 運用開始後の改修、機能追加が容易
  • サーバーはマイクロソフトのデータセンターで稼働しているため、停電時もシステムは止まらない

ユーザーコメント

「継続的に業務効率の向上、改善を図っていくためにはポータルサイトのような仕組みを導入して、社内の情報資産やワークフローを構造化していくことが重要だと考えています。SharePoint Online は非常に使いやすく、サーバー リソースを気にする必要もありませんから、状況に応じてページを追加していけますし、拡張性も高いですから、社内の業務システムとの連携も容易に行えています」

UQコミュニケーションズ株式会社
執行役員 建設部門長
福島 徹哉 氏

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