株式会社イノテック
企業に必要な初期投資を大幅に抑制しながら、最新のソフトウェア開発環境を活用。
今後、多言語化展開を目指すうえで、ツールとマーケティング効果に期待。
| Web サイトに「画像処理ソフトなら…」というキャッチコピーを掲げる株式会社イノテックは、画像処理技術に定評がある、広島県の IT ベンチャー企業です。ビデオ計測ソフト、座標計算ソフト、特殊計測ソフトなどを、国内工業メーカー各社に OEM 製品として提供しています。 株式会社イノテックが所有する画像処理技術には、特許申請中の技術も含まれているほか、研究機関が保持する特許の技術移転なども積極的に行っています。東京大学医学部附属病院の岡 敬之 氏 (東京大学医学部付属病院 22世紀医療センター 関節疾患総合研究講座 特任助教) との共同研究により、変形性膝関節症診断支援ソフト「KOACAD」を開発。Microsoft BizSpark を活用して、ソリューション開発を行い、 Microsoft Innovation Award (MIA) 2010 では最優秀賞に輝きました。 「MIA 最優秀賞という名誉ある賞をいただき、大変喜ばしく思っております。このような賞を受賞できたのも、岡先生やマイクロソフト関係者の皆様との出会いがあり、社員全員の力を結集できたおかげです。これからも、開発に携わっていただいた皆さん、そして、ご協力をいただいたマイクロソフトとともに、さらなる成長をしていきたいと思います」伊藤 賢治 氏 (株式会社イノテック 代表取締役社長) | | ソリューション概要 プロファイル 「お客様にリピートしていただけるソフトを目指しています」という企業理念があらわすとおり、株式会社イノテックは、お客様のニーズをリサーチし、誰もが簡単に使いこなせ、喜んでいただけるソフト開発を信念とする、広島県の IT ベンチャー企業です。 画像処理技術に定評があり、ビデオ計測ソフト、座標計算ソフト、特殊計測ソフトなどの製品を国内工業メーカー各社に OEM として提供。研究機関の特許に関する技術移転なども積極的に行っており、岡 敬之 氏 (東京大学医学部付属病院 22世紀医療センター 関節疾患総合研究講座 特任助教) との共同研究により、「 変形性膝関節症診断支援ソフト KOACAD 」を開発し、MIA 2010 最優秀賞受賞。 Microsoft BizSpark で利用したプログラム - Visual Studio
- MSDN サブスクリプション
メリット - 開発環境に必要となる初期費用をコスト削減
- ソフトウェア購入申請に必要な時間を短縮
- 多言語、多様なバージョン (過去から最新版まで) の開発用ソフトウェアを活用し、グローバル化や信頼性向上が図れるなど、ソフトウェア品質の向上を実現
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BizSpark 活用の背景とねらい
他社に真似することのできないテクノロジを活用してイノベーションを
株式会社イノテックは、画像処理技術に定評のある、広島県の IT ベンチャー企業です。これまでは、測定器/顕微鏡メーカー、パソコン/CCD カメラ関連メーカー、画像処理メーカーなどの工業メーカー各社を顧客とし、Visual Studio を活用して、工業向けのカスタム アプリケーションの開発や自社製品の OEM 提供を行っていました。当初は、Visual Basic を活用していましたが、現在では .NET アプリケーションの開発も行っています。
「大きな転機となったのは、世界的な経済不況です。先行きが不透明になったため、工業メーカー各社の設備投資は減少。IT 投資も例外ではなかったため、お客様からの受注は著しく減少しました。このような状況下で IT ベンチャーとして身をたてるには、他社に真似することのできないテクノロジを活用し、画期的なソフトウェアを開発するほかに道はないと考えていました」伊藤 賢治 氏 (株式会社イノテック 代表取締役社長)
伊藤 賢治 氏 (株式会社イノテック 代表取締役社長)
伊藤氏 (株式会社イノテック 代表取締役社長) が、目を向けたのは特許。各大学や研究機関により、開発された特許 (申請中を含む) を調査し、自社製品に応用できる技術を組み込むことで、他社にはまねできないソフトウェアの開発を行おうとしました。
はじめに行われた技術移転は、佐藤 和弘 氏 (広島工業大学 工学部 電気・デジタル システム工学科 教授) の「画像処理装置および画像処理方法」(特許: 3909604)。広島 TLO (技術移転機関) から紹介を受け、画像処理ソフト「QuickGrain」に移転しました。この技術移転は Web サイトなどでも取り上げられ、技術シーズを持つ各地の研究機関や TLO からさまざまな特許技術の紹介を受けるようにもなります。
「岡先生との出会いも、広島工業大学からの技術移転に関する記事をご覧いただいたのがきっかけです。東京 TLO からご紹介をいただき、X線画像による膝関節のすき間の面積や高さから、疾患の評価基準を数値化するという特許についてご説明をいただきました」伊藤 賢治 氏 (株式会社イノテック 代表取締役社長)
BizSpark 参加の経緯
両者の転機が、異業種参入と BizSpark 参加のきっかけに
株式会社イノテックにとって、医療ソリューションは新規参入。技術シーズを提案した、岡氏 (東京大学医学部付属病院 22世紀医療センター 関節疾患総合研究講座 特任助教) も、開発プロジェクトには異業種からの参入となります。
「4 年前までは診療だけを行っていましたが、変形性膝関節症に関するプロジェクトに参加したのをきっかけに、Visual Basic を勉強。他の言語も調査したのですが、情報量が足りず、一から勉強するにはあまり体系的でない印象を受けました。Visual Studio を活用することで、はじめての開発作業だったにも関わらず、アルゴリズムと具現化したプログラムを作成。学習さえすれば、誰もが使いこなすことのできる素晴らしい開発ツールです」岡 敬之 氏 (東京大学医学部付属病院 22世紀医療センター 関節疾患総合研究講座 特任助教)
岡 敬之 氏 (東京大学医学部付属病院 22世紀医療センター
関節疾患総合研究講座 特任助教)
アルゴリズムがすでに具現化されたプログラムを見た、株式会社イノテックではすぐに技術移転を契約。共同研究を行うことになりました。
「医療ソリューションに参入したのも、岡先生との出会いがきっかけでしたが、Microsoft BizSpark 参加のきっかけもマイクロソフト社員の方との出会いがきっかけです。特許申請中 (2006-279562) の画像処理技術ですでに契約していた岡先生の元を訪ねたところ、偶然にもその場にマイクロソフト社員の方が同席されました。その場で共同研究中のソリューションをご説明したところ、ご興味を抱いていただき、Microsoft BizSpark や Microsoft Innovation Award (MIA) についてご紹介を受けることができました」伊藤 賢治 氏 (株式会社イノテック 代表取締役社長)
BizSpark 活用の効果
初期投資を大幅に抑制しながら、エンタープライズ レベルの開発環境を活用
株式会社イノテックでは、出会いをきっかけに Microsoft BizSpark に登録。現在、2 名の開発者を登録し、統合開発ツールおよび開発用ソフトウェアをダウンロードして活用しています。社内でも、共同研究者である岡先生も、Visual Studio を活用していたため、すぐにその効果を実感しています。
「以前は開発ツールだけでなく、すべての開発環境を、その都度、購入し、開発と評価を行っておりました。Microsoft BizSpark では、条件を満たす IT ベンチャー企業に対して、統合開発ツール、開発用ソフトウェア、技術サポートなどが 3 年間無償提供。ダウンロードするだけですぐに利用できます。通常、社内の購入申請には決裁を取るまでの時間が必要になりますが、Microsoft BizSpark のおかげで、コストも、申請の手間と時間も削減。迅速に開発作業が行え、機動力が向上しています」寺川 尚志 (株式会社イノテック 開発部 係長)
寺川 尚志 (株式会社イノテック 開発部 係長)
株式会社イノテックでは、Microsoft BizSpark の特典 (統合開発環境と開発用ソフトウェア) を存分に活用。岡氏 (東京大学医学部付属病院 22世紀医療センター 関節疾患総合研究講座 特任助教) との共同研究により、膝関節診断支援ソフト『KOACAD』を開発し、Microsoft Innovation Award 2010 最優秀賞を受賞しました。 Microsoft BizSpark の特典は、MIA 受賞ソリューションだけでなく、日々の開発業務でも活用。利用できるツールやアプリケーションの豊富さにも満足しています。
「Visual Studio Ultimate with MSDN と同等の特典が利用できるため、Visual Studio の最新バージョンを店頭でのリリースに先駆けて利用できたり、過去のオペレーティング システムやアプリケーションを入手できたりするのも魅力的です。たとえば、以前に納品したソフトウェアの改修を依頼されることがありますが、Microsoft BizSpark に参加していなければ素早く対応できません。過去から最新まで、様々なプラットフォームでの動作確認をすぐに行うことができるため、大手のソフトウェア開発企業と同等の開発環境を手にできたと言えます。このように、Microsoft BizSpark では、開発作業のランニング コストや準備時間を削減できるだけでなく、製品品質の向上にも大きく役立つのです」寺川 尚志 (株式会社イノテック 開発部 係長)
今後の展望
多くの言語やシステム環境に対応し、より信頼性の高いソフトウェア提供を目指して
レントゲンは開発されてからこれまでの間、医師による読影が基本であり、定量化する試みは行われてきませんでした。膝関節診断支援ソフト『KOACAD』は、画期的なソリューションとして国内外の医療機関から評価を得ています。
「たとえば、骨粗しょう症は骨密度の測定が行われたことで、飛躍的に研究が進み、薬の開発にもつながりました。このように測定ツールは非常に重要で、数値化することで一定の結果を得ることができ、医療の進歩と標準化につながります。変形性関節症の治療は、厚生労働省の評価もいただいているほか、世界的にも注目。米国立衛生研究所 (National Institutes of Health、NIH) や英国のケンブリッジ大学からも問い合わせをいただいています」岡 敬之 氏 (東京大学医学附属病院 22 世紀医療センター 関節疾患総合研究講座 助教)
今後、膝関節診断支援ソフト『KOACAD』の機能追加と信頼性の向上を図り、総合病院様や皆様がかかりつけのお医者様でも簡単にご利用いただけるようなソフトウェアにしていくのが、株式会社イノテックの目標です。また、海外からの問い合わせにも対応するため、グローバル展開も予定しており、各国語 OS の多様なバージョン上での動作チェックにも、Microsoft BizSpark を活用していく予定です。
「Microsoft BizSpark の活用は、無償でダウンロードした開発環境だけでも、数百万のコスト削減効果があります。また、Microsoft Innovation Award 優秀賞受賞企業に選抜されたことで、マイクロソフトに選ばれたソフトウェア開発企業に仲間入りすることもできました。今回の受賞によるメディア露出によるマーケティング効果も期待できます。IT ベンチャー企業の皆様には、こんなにもさまざまな効果のある、Microsoft BizSpark をぜひ効果的に活用してくださいとお伝えしたいです」伊藤 賢治 氏 (株式会社イノテック 代表取締役社長)
Microsoft Partner Network (MPN) について説明を受けた伊藤氏は、現在、認定パートナーとなるべく、コンピテンシーの取得を検討中です。ISV 様の場合は、資格取得だけでなく、自社のアプリケーションを登録し、検証ツールで得た検証結果で参加要件を満たすことも可能。今回の受賞ソリューションや画像処理ソフトの一般ユーザー向けアプリケーションに対して、検証ツールを使用できます。伊藤氏は、将来、認定パートナー企業になることで、Microsoft BizSpark と同等の特典を活用できるだけでなく、Microsoft Pinpoint によるソリューション紹介やパートナー企業同士の交流をビジネス マッチングにつなげたいなど、さまざまな利用効果にも期待しています。