在宅勤務を
導入するための
3 ステップ

時間と場所にとらわれない在宅勤務は、労働人口が減少する日本において、より多様な労働形態を受け入れることにより、女性や地方在住の人など、より多くの人に働くチャンスを提供するうえで欠かせない仕組みです。大規模企業はもちろんのこと、中堅中小規模企業にも導入の必要性が年々増してきています。しかし在宅勤務を導入するにあたっては、いままでの事例を見てみると人事制度、就業規則、職種の選定、労務管理、在宅勤務をする人のケアなどいくつかの課題に取り組む必要があります。これらの課題をクリアし、在宅勤務の導入を成功させるためにはどうするべきか?事例を紹介しながら分かりやすく解説していきます。

STEP 1

現状把握と導入目的、範囲の定義

業務内容、対象部門、頻度、労働時間や働き方について、あらかじめ人事や管理職、勤務対象者で相談をして決めておきましょう。課題になりそうなことを洗い出し、まずはパイロット プロジェクトとして可能な範囲から進めていくことをお勧めします。

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■業務内容と評価方法を事前に決めておく

ICT やクラウド技術の進化により、在宅勤務であってもチームやプロジェクト単位で仕事をすることの不便さは解消されつつあります。しかし、これまでオフィスで行っていた業務すべてをそのまま在宅で行うことが最適とは言えません。人事や管理職、勤務対象者で在宅勤務導入検討チームを結成し、「自己完結性の高い仕事」や「勤務時間でなく成果型の仕事」、「仕事の成果を客観的に評価しやすい仕事」といった、「在宅」に適した業務を選ぶことが重要です。また、そのような仕事が多い職種から取り組むこともポイントになります。

■労働時間と働き方、報告方法について事前に決めておく

労働時間については、当該業務に応じて管理職と勤務対象者とで相談し、フレキシブルに調整していくことが大切です。在宅勤務では、どうしてもプライベートと仕事の境界線があいまいになってしまいがち。業務対応時間が不規則になり、結果として時間外労働、深夜労働が増えてしまう傾向があります。そうした場合は、勤務時間とプライベートを分けて勤務することを検討してみるとよいでしょう。始業時間と就業時間および休憩時間をあらかじめ決めておき、自宅内にワークスペースを確保して、プライベートと切り離せる環境を整えておくことがポイントです。

STEP 2

情報共有とコミュニケーションツールの導入による環境整備

在宅勤務を行うにあたっては、それを支えるネットワーク環境や、適切な情報共有とコミュニケーションツールを導入することが不可欠です。Office 365 は在宅勤務に必要な「在席確認 (プレゼンス) 機能」などの情報共有、コミュニケーション機能を取り揃えたクラウド サービスです。大規模企業から中堅中小規模企業までお手ごろな価格であまり手間をかけずに導入することが可能です。

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■自宅の仕事環境を整える

PC は、会社に支給してもらうことが望ましいですが、Office 365 を導入していれば、自宅の私用 PC を利用する場合であっても、セキュリティの問題は解消されます。また、電話については自宅の固定電話を使用しなくとも、Lync Online で通話やインスタントメッセージを活用することで、通信費コストを自己負担することなく関係者と円滑なコミュニケーションが図れます。自宅には高速のインターネット回線が引かれていることが望ましいです。

■スケジュールや在席状況を「見える化」する

スケジュールの共有は、自分のスケジュールを上長に把握してもらう意味でも重要ですが、所属チームやプロジェクトチームのメンバーの行動予定を確認する場合にも、Exchange Online のスケジュール管理が有効的です。オンライン会議を設定する場合、参加を依頼するメンバーを選択することで予定が空いている日を素早く確認することができるので、メールや電話で個別に問い合わせをする必要もありません。また、 Lync Online を使い自分の在席状況を発信しつつ、他のメンバーの状況もつかめるようにしておけば、急に連絡を取りたくなった時にもお互い連絡をするための時間を無駄にすることがなくなります。始業、終業時に上長にメールや電話で報告、連絡を行います。また業務に従事した時間や内容を記録した作業日報を提出するとよいでしょう。

■文書や資料は電子化して共有する

在宅ワークではオフィスで仕事をしている時のように、所属チームやプロジェクトチームのメンバーへドキュメントをプリントアウトしたりコピーしたりして手渡すことはできません。また、オフィスの書棚に保存している資料を閲覧することも困難です。必要な情報を必要な時に共有できる環境は、ビジネスを進めるために不可欠と言えるでしょう。これらは、作成した Word や Excel のデータは、Share Point Online 上に置いておくことで解決できます。資料の閲覧やチーム内の情報共有はもちろん、進行中のプロジェクトにおいて、企画書を共同作業で作成する際にも効力を発揮します。

■自宅から会議に参加する

業務によっては、どうしても関係者と複数人で協議をしながら進めていく必要があるケースが生まれます。
ビデオ会議などを利用し、会話をすることは可能ですが、資料やホワイトボードを使いながら進行するミーティングでは不便さを感じることでしょう。オンライン会議を活用すれば、在宅勤務のメンバー同士や、複数の拠点を交えて会議を進行することも可能です。また、必要な資料は PC 上で参加者に共有することもできるため、スムーズかつ効率的に会議を進行させることができます。

STEP 3

社員教育、試行導入、効果検証を経て本格導入

勤務対象者にトレーニングを実施した後、時間限定でパイロット プログラムを行います。その後、在宅勤務導入検討チームで効果検証、改善点の洗い出しを行いましょう。本格導入の際には、厚生労働省の職場意識改善助成金も活用するとよいでしょう。

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■在宅勤務の社員教育

在宅勤務制度の説明、人事制度、心構え、情報共有ツールなどについてのトレーニングを勤務対象者に実施します。その後、半年から 1 年程度の期間でパイロット プログラムを実施します。

■勤務対象者へのアンケートの実施

パイロット プログラム開始前に、終了後のアンケートとの比較対象のため、比較したい項目について勤務対象者以外も含めてアンケートを実施しておくとよいでしょう。パイロット プログラム終了後、感想や問題点などを把握するためのアンケートを勤務対象者、同僚、および上長に対して実施します。

■効果測定の実施

効果については、仕事の効率やコストの削減といった定量的に計測できる項目だけでは必ずしもありません。従業員のワークライフバランスや業務評価、コミュニケーションの円滑さ、人材確保などの面でも効果もしくは影響が表れてくる可能性があります。開始前にあらかじめ決めておいた項目について 1 か月ごとなど定期的に調査を実施しましょう。

■本格導入

パイロット プログラムで明らかになった課題の解決と、在宅勤務を導入する目的の達成が十分期待できることが分かった場合は、本格導入のために在宅勤務を制度化しておくとよいでしょう。制度は作成後も定期的に見直して改善していくと、さらに働きやすい環境が確保されていくことでしょう。

■厚生労働省の職場意識改善助成金「テレワーク コース」

2014 年 4 月 1 日より、厚生労働省の職場意識改善助成金に「テレワーク コース」が新設されました。 週 1 回以上終日在宅でテレワークを導入する企業に対して、導入経費などの一部に助成金が支給されます。詳しい情報については「職場意識改善助成金テレワーク コースのご案内 新規ウィンドウでページを開きます」をご参照ください。

Office 365 の導入により在宅勤務を実現した事例

育て上げネット

Office 365 を利用して在宅勤務の導入に成功した中小規模組織のお客様の例をご紹介します。在宅勤務の導入にあたりあらかじめ気を付けておくべき点について、在宅勤務を実際に行ったご本人からの声も掲載されています

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育て上げネット

会社概要
本社所在地東京都立川市
業種特定非営利活動法人
事業内容若年者就労基礎訓練プログラム・ジョブトレの運営、教育支援事業、行政委託事業など
法人認証2004 年
従業員数正規職員 55 人、非常勤 39 人、インターン 5 人 (2014 年 2 月末現在)

特定非営利活動法人育て上げネット (以下、育て上げネット) は、若年無業者など、さまざまな理由で“働きたいけれど働けずにいる若者”をサポートする就労支援 NPO。約 100 名のスタッフが、就労にむけた実習型プログラム「ジョブトレ」や、保護者・支援者向けの講演、厚生労働省委託 地域若者サポートステーション事業の運営などに取り組んでいます。

育て上げネット若年支援事業部担当課長工藤彰子 (くどうあきこ) さんは 2011 年 6 月に第一子を出産した際、可能な限り早く職場復帰したいと保育園を探したものの見つからないという苦労に見舞われました。そこで、育て上げネットでは働きたいお母さんを支援するという方針から事業所内にベビーサークルを設置。赤ちゃんを連れて出社し、育児しながら仕事をできるように。もちろん、仕事内容によっては在宅での作業も許可しています。

「状況に応じて自宅作業を認めてもらえたのは良かったのですが、社外にいるとどうしても作業効率が落ちてしまいます。じっくり仕事をするため、子どもが寝静まった夜遅くや早朝に作業を行なうのですが、その時間帯はスタッフが稼働していません。結果、社内とのコミュニケーションが薄くなり、疎外感というか、置いてけぼり感のようなものを抱いていました。社内から見ても、いつ働いているのかが分かりませんから声もかけにくいですし、仕事内容の評価も「結果」だけでしか行なえませんよね。当時、それがとても辛かったことをよく覚えています」 (工藤さん)

しかし、続く第二子誕生 (2013 年 6 月) の際には、事業所で Office 365 を導入。自宅でできることの幅が大きく拡がったほか、コミュニケーションやグループワークも格段にしやすくなったと工藤さんは言います。「チームサイトでデータを共有できるのが特に便利ですね。“最新のデータ”をチーム全員で共有できるなど、明確に作業効率が上がりました。直接自分宛でない情報も含め、チームサイトを通じて多くの情報を確認できることも“空気感”を掴む上で意味があると思います。また、社内の会議に Lync Online を使って参加できるのもうれしかったですね。子どもが寝ていて声を出せない場合でも、キーボードを使って文字で発言することで議論に参加できるんです」

Lync Online を起動しているときは、働いているのだということが社内に伝わるというのも、在宅勤務特有の辛さを軽減する効果があるのではないかと工藤さんは考えます。そして、これが在宅勤務者の労務管理的にも意味があるのではないかとも。「在宅勤務にはオーバーワークをチェックできる仕組みが必要。育児や介護など、在宅で働かねばならない理由 + 労働という過酷な状況をケアする仕組み作りも重要なんです」

What's technology ? – マイクロソフトのクラウド技術が支えるスマートなビジネス -

■ Lync Online (リンク オンライン)

自社内でサーバーを立てることなく、ユーザー間でのリアルタイムコミュニケーションを行なえるようにしてくれるクラウドサービス。文字ベースの IM (インスタントメッセージ) と音声・ビデオチャットに対応します。複数名の参加者による Web 会議が行なえるほか、画面共有や仮想ホワイトボードを利用したオンラインプレゼンテーションなども実現し、実際に会議室に限りなく近いコラボレーションが可能です。

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■ SharePoint Online (シェアポイント オンライン)

自社内でサーバーを立てることなく、ファイル共有機能や掲示板機能などを行なえるようにしてくれるクラウドサービス。社内での情報共有のほか、社外から PC やスマートフォン、タブレットを使ってアクセスすることも。部署やプロジェクト単位のポータルを作成することができるので、適切な情報共有がしやすいことも特長の 1 つです。共有されている Office 文書を SharePoint Online 画面上でブラウザーから閲覧することもできます。

  • SharePoint Online について
■ Exchange Online (エクスチェンジ オンライン)

Office 365 では 50 GB の大容量メールボックスを用意。強力なウイルス、スパム対策機能を利用することもでき、安全で快適なメール運用を行なえます。Windows の Outlook と同じ機能を利用できる Outlook Web App を提供していることもポイントの 1 つ。スマートフォンやタブレットなど、幅広いデバイスからメールや連絡先、添付ファイルなど、全情報にアクセス可能です。

  • Exchange Online について
  • 導入事例

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