パソコンには、名前やメールアドレスなどの個人情報はもちろん、デジタルカメラで撮影した写真なども保存されています。また、オンラインショッピングや銀行口座の管理など、お金のやりとりにも利用されます。したがって、パソコンには高い安全性が求められます。同時に、操作が簡単であることも重要です。IT に詳しい人だけが安全に利用できるのではなく、パソコンに詳しい人にもそうでない人にも、等しく「安全」「安心」を提供することが強く求められるのです。そこで今回は、Windows 7 と Windows Vista、Windows XP、のうち、すべてのユーザーが安全に利用できるのはどの Windows なのか、徹底比較してみました。

セキュリティ比較イメージ

セキュリティ

検証 : より安全にパソコンを利用できるのはどれ?

パソコンを利用するときはセキュリティ対策が欠かせません。大切なデータを入れたノート パソコンを持ち歩くときは、万が一紛失しても情報漏えいしない対策も必要ですし、安全にインターネットを利用できる仕組みも必要です。特に仕事で使うときは、セキュリティ対策が不十分なパソコンは怖くて使えません。そこでまずは、Windows 7 と Windows Vista、Windows XP の 3 つの OS で、もっともセキュリティ レベルが高いのはどれかを、1) インターネット利用時の安全性対策 2) スパイウェア対策 3) 不正プログラム対策 4) 情報漏えい対策 5) セキュリティの統合機能次の 5 つの項目についてチェックしてみました。

増大するセキュリティの脅威にさまざまなセキュリティ対策機能で対応し、いかにパソコンを安全に使えるかを検証します

結果 : Windows 7 は、進化した最新のセキュリティ対策機能を搭載!

まずは、チェックの結果を下記の表にまとめました。この表をご覧いただくとわかるとおり、4 項目すべてにおいて、Windows 7 が優れていることがわかります。項目ごとに、詳しく説明していきましょう。

セキュリティの対応状況については、Web サイト閲覧の安全性対策、スパイウェア対策、不正プログラム対策、情報漏えい対策、セキュリティの統合機能の 5 項目があげられますが、Windows XP が Web サイト閲覧の安全性対策、スパイウェア対策、不正プログラム対策について未対応、情報漏えい対策、セキュリティの統合機能について一部対応、Windows Vista と Windows 7 については、すべての項目に対応していますが、Windows 7 の方がさらに効率的で便利になっているという結果になっています

Web サイト閲覧の安全性対策

まず、インターネット利用時、Web サイトを閲覧するときの安全性対策がきちんと行われているのかどうかを、各 Windows に標準搭載されているブラウザで比較しました。それぞれ Internet Explorer 6、Internet Explorer 7、Internet Explorer 8 の 3 つです。

まず、残念ながら、Windows XP に標準搭載される Internet Explorer 6 は、安全とはいえないものでした。偽のページで閲覧者を騙し、金銭をだまし取る「フィッシング詐欺サイト」が通常のサイトと同様に表示されますし、さまざまな経路で感染する悪意のあるプログラム「マルウェア」に対しても特に対策はありません。Internet Explorer 6 の登場が 2001 年であることを考えるとやむを得ないとはいえ、今では決しておすすめできないものになってしまいました。

その点、Windows Vista の Internet Explorer 7 では、まずフィッシング詐欺サイトへの対策が用意され、ユーザーを危険なサイトから自動的に守ってくれます。他にもわずらわしい広告などが掲載されている小さいウィンドウ「ポップアップ ウィンドウ」をブロックする機能、パソコンへのアクセスを制限する保護モードなども加わりました。

そして Windows 7 の Internet Explorer 8 は、さらにセキュリティ機能が強化されています。まず、フィッシング詐欺サイトや危険なサイトが表示されるのを防ぎ、サイトを表示しただけでプログラムが実行されるのも防止する「SmartScreen フィルター」が搭載されました。これにより、悪意のあるサイトや、危険なサイトを検出する精度が飛躍的に高まったのです。さらに、閲覧したページの履歴や入力した情報を残さない InPrivate モードを搭載。家庭で共有しているパソコンや公衆のパソコン、または会社のパソコンなどにおいて、きちんとプライバシーを保護し、個人情報の漏えいの防止に役立つ機能です。

Internet Explorer 6 の Web サイト閲覧の安全性対策 Internet Explorer 7 の Web サイト閲覧の安全性対策 Internet Explorer 8 の Web サイト閲覧の安全性対策イメージ

スパイウェア対策

次にスパイウェア対策を見ていきましょう。スパイウェアとは、利用者が知らないうちに勝手にパソコンにインストールされて、スパイ活動を行うプログラムのことです。利用者の許可なく、個人情報やクレジットカード情報、利用履歴などを勝手に送信してしまいます。

まず、Windows XP ですが、登場した 2001 年にはスパイウェアそのものがそれほど大きな問題になっておらず、対策もほとんどとられていませんでした。2004 年にリリースされた Windows XP Service Pack 2 ではセキュリティ対策が強化されましたが、残念ながら、その時点でもスパイウェアの脅威はまだそれほど顕在化していませんでした。このため、スパイウェアへの対策はまったく行われていなかったのが実態です。

Windows Vista が登場した 2007 年には、すでにスパイウェアは社会的な問題となっていました。そのため、Windows Vista には、Windows Defender というスパイウェア対策専用のプログラムが搭載され、スパイウェアを検出、駆除する機能が標準搭載されました。

最新の Windows 7 では、Windows Defender の機能がさらに進化を遂げました。セキュリティの設定やメンテナンス状況をまとめた「アクション センター」に統合され、設定の手間は大幅に軽減しています。また、スキャン オプションが増えて細かく柔軟な設定できるようになった一方、常駐時のコンピューターへの負担は軽減されています。スパイウェアの定義ファイルも自動的に更新され、バックグラウンドで検査・駆除が行われるので、ユーザーがすることはほとんどありません。このため、特別な操作をしなくても、常に安全な環境が手に入るのです。

Windows XP のスパイウェア対策 Windows Vista のスパイウェア対策 Windows 7 のスパイウェア対策イメージ

不正プログラム対策

万が一、ウイルスやスパイウェアなどの侵入を許しても、これらのプログラムに勝手なことをさせないのが「不正プログラム対策」です。

Windows XP では、この対策はほとんどとられていません。不正プログラムに「管理者」のユーザー アカウントを乗っ取られたら、非常に危険です。最悪の場合、重要なファイルをすべて盗まれたり、削除されたりすることもありえるなど、言わばやりたい放題です。

こうした危険を防ぐため、Windows Vista で用意されたのがユーザー アカウント制御という機能です。このユーザー アカウント制御によって、管理者であっても Windows に新しいプログラムをインストールしたり、重大な変更を加えたりするときは、確認のメッセージが表示されるようになり、必ず人間による操作が必要になりました。そのため、不正なプログラムは勝手なことができなくなったのです。ただし、Windows Vista のユーザー アカウント制御は、セキュリティは向上した一方、「面倒」「煩わしい」といった声もありました。

そこで Windows 7 では、ユーザー アカウント制御の機能を改良。確認メッセージを出すタイミングをユーザーが選択できるようになりました。これにより、本当に重要な操作のときだけ確認メッセージが表示され、安全性と使いやすさのバランスが大きく向上したのです。確認メッセージの設定も 4 段階から選ぶだけ。推奨設定でも、通常の利用においては、ユーザー アカウント制御の画面はほとんど見ることがなくなるでしょう。

Windows XP の不正プログラム対策 Windows Vista の不正プログラム対策 Windows 7 の不正プログラム対策イメージ

情報漏えい対策

情報漏洩を防ぐには、守りたいデータを暗号化するのが一番です。暗号化しておけば、解読するためのパスワードがわからない限り、内容を読むことはできないからです。

情報漏えい対策としてデータを暗号化できる対象については、Windows XP はファイルとフォルダのみ、Windows Vista はファイルとフォルダと、内臓ハードディスクのみですが、Windows 7 では BitLocker To Go により USB メモリや USB 外付けハードディスクなどに対象が広がりました

Windows XP には、ファイルとフォルダだけ暗号化できる「NTFS」という仕組みが備わっていました。利用するためには、保護したいファイルやフォルダを指定して暗号化を実行する必要があります。

Windows Vista では Ultimate エディションに、BitLocker という暗号化機能が追加されました。これは、内蔵のハードディスク全体を暗号化する機能です。NTFS よりも手軽に利用でき、安全性はより高くなっています。

そして、Windows 7 の Ultimate エディションには、BitLocker が進化した「BitLocker To Go」が新たに標準搭載されました。内蔵ハードディスクを暗号化する BitLocker の機能に加え、USB メモリや USB 接続の外付けハードディスクも暗号化できるようになりました。手軽であるがゆえに、落としたりなくしたりすることも多い USB メモリを、Windows 7 では安心して利用できるようになったのです。

Windows XP の情報漏えい対策 Windows Vista の情報漏えい対策 Windows 7 の情報漏えい対策イメージ

セキュリティの統合機能

セキュリティ対策では、セキュリティの状態をひと目で確認できることが非常に重要です。スパイウェア対策が有効になっているか、不正プログラム対策は十分か...などを、別々に確認、設定していては、手間がかかってしまい、セキュリティのレベルそのものを落としかねません。

そこで、Windows XP Service Pack 2 から用意されたのが「セキュリティ センター」です。「ファイアウォール」「自動更新」「ウイルス対策」の 3 項目を 1つのウィンドウに表示し、不備がある場合はユーザーに知らせます。ただし、スパイウェア対策は表示されないなど、現在の基準から見ると十分とはいえません。

Windows Vista の「セキュリティ センター」も、基本的には Windows XP の「セキュリティ センター」を強化したものです。スパイウェア対策が確認できるようになったものの、表示されるのは 4 項目だけです。

これに対し、Windows 7 ではその名称を「アクション センター」と変え、確認できる項目が大幅に増えています。ウイルス対策やスパイウェア対策はもちろん、ユーザー アカウント制御の状態、バックアップの状態なども確認できます。さらに、セキュリティ対策に不備があったとき、すぐに「アクション (対策) 」を行える仕組みも用意されています。危険な状態を検知すると、赤い色や黄色い色でユーザーに警告を出し、必要な対策へとユーザーを導くのです。機能と使いやすさ、そして信頼感という点で、Windows 7 の「アクション センター」は大幅に進化したといえるでしょう。

Windows XP のセキュリティの統合機能 Windows Vista のセキュリティの統合機能 Windows 7 のセキュリティの統合機能イメージ

バックアップ

検証 : 大切なデータを安全かつ簡単に守れるのはどれ?

人生もパソコンも、「万が一」に備えることはとても大切です。パソコンにとっての万が一とは、ハードディスクの異常や電源トラブルなどで、大切な写真データや大事な仕事の書類が消えてしまったり、Windows が起動しなくなったりすること。こうした万が一のトラブルへの備えは、「バックアップ」をとることです。とはいえ、手間がかかるため、実際バックアップをとっていない人も多いはずです。そこでここでは、Windows 7 と Windows Vista、Windows XP、の 3 つの Windows について、確実にバックアップをとる機能に加え、操作性についても比較してみました。

大切なファイルを削除してしまったり、Windows が起動しないなどの万一のトラブルに備え、データをバックアップし、大切なデータをいかに安全かつ簡単に守れるかを検証します

結果 : Windows 7 なら、ユーザーが意識しなくても自動でバックアップ

まずは、Windows XP を見てみましょう。Windows XP にも実はバックアップ機能は用意されていました。ところが、バックアップ機能を呼び出すには、[スタート] - [プログラム] - [アクセサリ] - [システム ツール] - [バックアップ] として実行しなければなりません。これでは、バックアップしようという気持ちもそがれてしまいます。また、定期的に自動バックアップする機能は用意されておらず、すべてが手動。バックアップ作業はどうしても滞りがちになってしまいます。さらに、あくまで一部のファイルやフォルダをバックアップするだけで、システム全体を丸ごとバックアップできないものでした。

この点、Windows Vista ではコントロール パネルに「バックアップの作成」が用意され、ファイルやフォルダ単位でのバックアップが比較的簡単になりました。さらに、Windows のシステム全体をバックアップする「Windows Complete PC バックアップ」という機能も用意され(Business と Ultimate のみ)、万が一のトラブルが起きても、Windows 全体を復元できるようになりました。

Windows XP のバックアップ Windows Vista のバックアップ イメージ

Windows 7 は、Windows Vista のバックアップ機能をさらに進化、とても使い勝手のよいものになっています。まず、バックアップ方法で「自動」を選べば、ライブラリなどの重要なデータや Windows のシステム ファイルを定期的に自動バックアップしてくれます。このとき、何も考える必要はありません。もちろん手動でも実行できますし、決められたタイミングで定期的にバックアップを行うことも可能です。

さらに、バックアップ先としてネットワーク上にあるドライブも指定可能です (Home Premium を除く)。これにより、他のパソコンの共有ディスクや NAS と呼ばれるネットワーク上の記憶装置にも簡単にバックアップできます。バックアップの設定はアクション センターでもチェック可能。ウイルス対策やトラブル対策といっしょに、バックアップの状態をいつでも確認できるようになり、バックアップの煩わしさは一気に解消されたのです。

Windows 7 のバックアップ

最終結論

結論 : 安心してパソコンやインターネットを利用したいなら、Windows 7 へのアップグレードがおすすめ

私たちの生活にパソコンとインターネットが不可欠になったいま、Windows には高いセキュリティが求められています。ただし、ただセキュリティが高いだけでは不十分です。パソコンに詳しい人もそうでない人も、安全に利用できること、そして何より簡単であること。この 2 つを満たしてはじめて合格と言えるのです。残念ながら、Windows XP はセキュリティ機能としても使いやすさの点でも、不合格と言わざるをえません。Windows Vista ではかなり前進していますが、情報漏えいの原因の 1 つとなっている USB メモリが暗号化できない、セキュリティの向上に伴って使い勝手が悪くなっている点があるなど、もう一歩のところが散見されます。

その点、Windows 7 では、セキュリティ機能がさらにブラッシュアップされているだけでなく、誰にでも簡単に使えるように操作性も大きく進化を遂げています。パソコンに詳しい人もそうでない人も、Windows 7 であれば、平等にその「安全性」と「利便性」を享受できるでしょう。安心してパソコンを活用したいなら、ぜひ Windows 7 がおすすめです。

Windows 7 を利用するにあたって、現在 Windows Vista をお使いの皆さんのうち、システム要件を満たしている場合はアップグレード パッケージ製品を使って、そのままのパソコンで Windows 7 へとアップグレードすればよいでしょう。また、現在 Windows XP をお使いの皆さんは、アップグレード パッケージ製品からのアップグレードも可能ですが、その場合は新規インストール (カスタム) となるため、多様な機能を活用するためにも、古いパソコンから買い換えることをお勧めします。

Vista は、アップグレード XP は、買い替え
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