
パソコンを利用するときはセキュリティ対策が欠かせません。大切なデータを入れたノート パソコンを持ち歩くときは、万が一紛失しても情報漏えいしない対策も必要ですし、安全にインターネットを利用できる仕組みも必要です。特に仕事で使うときは、セキュリティ対策が不十分なパソコンは怖くて使えません。そこでまずは、Windows 7 と Windows Vista、Windows XP の 3 つの OS で、もっともセキュリティ レベルが高いのはどれかを、1) インターネット利用時の安全性対策 2) スパイウェア対策 3) 不正プログラム対策 4) 情報漏えい対策 5) セキュリティの統合機能次の 5 つの項目についてチェックしてみました。

まずは、チェックの結果を下記の表にまとめました。この表をご覧いただくとわかるとおり、4 項目すべてにおいて、Windows 7 が優れていることがわかります。項目ごとに、詳しく説明していきましょう。

まず、インターネット利用時、Web サイトを閲覧するときの安全性対策がきちんと行われているのかどうかを、各 Windows に標準搭載されているブラウザで比較しました。それぞれ Internet Explorer 6、Internet Explorer 7、Internet Explorer 8 の 3 つです。
まず、残念ながら、Windows XP に標準搭載される Internet Explorer 6 は、安全とはいえないものでした。偽のページで閲覧者を騙し、金銭をだまし取る「フィッシング詐欺サイト」が通常のサイトと同様に表示されますし、さまざまな経路で感染する悪意のあるプログラム「マルウェア」に対しても特に対策はありません。Internet Explorer 6 の登場が 2001 年であることを考えるとやむを得ないとはいえ、今では決しておすすめできないものになってしまいました。
その点、Windows Vista の Internet Explorer 7 では、まずフィッシング詐欺サイトへの対策が用意され、ユーザーを危険なサイトから自動的に守ってくれます。他にもわずらわしい広告などが掲載されている小さいウィンドウ「ポップアップ ウィンドウ」をブロックする機能、パソコンへのアクセスを制限する保護モードなども加わりました。
そして Windows 7 の Internet Explorer 8 は、さらにセキュリティ機能が強化されています。まず、フィッシング詐欺サイトや危険なサイトが表示されるのを防ぎ、サイトを表示しただけでプログラムが実行されるのも防止する「SmartScreen フィルター」が搭載されました。これにより、悪意のあるサイトや、危険なサイトを検出する精度が飛躍的に高まったのです。さらに、閲覧したページの履歴や入力した情報を残さない InPrivate モードを搭載。家庭で共有しているパソコンや公衆のパソコン、または会社のパソコンなどにおいて、きちんとプライバシーを保護し、個人情報の漏えいの防止に役立つ機能です。

次にスパイウェア対策を見ていきましょう。スパイウェアとは、利用者が知らないうちに勝手にパソコンにインストールされて、スパイ活動を行うプログラムのことです。利用者の許可なく、個人情報やクレジットカード情報、利用履歴などを勝手に送信してしまいます。
まず、Windows XP ですが、登場した 2001 年にはスパイウェアそのものがそれほど大きな問題になっておらず、対策もほとんどとられていませんでした。2004 年にリリースされた Windows XP Service Pack 2 ではセキュリティ対策が強化されましたが、残念ながら、その時点でもスパイウェアの脅威はまだそれほど顕在化していませんでした。このため、スパイウェアへの対策はまったく行われていなかったのが実態です。
Windows Vista が登場した 2007 年には、すでにスパイウェアは社会的な問題となっていました。そのため、Windows Vista には、Windows Defender というスパイウェア対策専用のプログラムが搭載され、スパイウェアを検出、駆除する機能が標準搭載されました。
最新の Windows 7 では、Windows Defender の機能がさらに進化を遂げました。セキュリティの設定やメンテナンス状況をまとめた「アクション センター」に統合され、設定の手間は大幅に軽減しています。また、スキャン オプションが増えて細かく柔軟な設定できるようになった一方、常駐時のコンピューターへの負担は軽減されています。スパイウェアの定義ファイルも自動的に更新され、バックグラウンドで検査・駆除が行われるので、ユーザーがすることはほとんどありません。このため、特別な操作をしなくても、常に安全な環境が手に入るのです。

万が一、ウイルスやスパイウェアなどの侵入を許しても、これらのプログラムに勝手なことをさせないのが「不正プログラム対策」です。
Windows XP では、この対策はほとんどとられていません。不正プログラムに「管理者」のユーザー アカウントを乗っ取られたら、非常に危険です。最悪の場合、重要なファイルをすべて盗まれたり、削除されたりすることもありえるなど、言わばやりたい放題です。
こうした危険を防ぐため、Windows Vista で用意されたのがユーザー アカウント制御という機能です。このユーザー アカウント制御によって、管理者であっても Windows に新しいプログラムをインストールしたり、重大な変更を加えたりするときは、確認のメッセージが表示されるようになり、必ず人間による操作が必要になりました。そのため、不正なプログラムは勝手なことができなくなったのです。ただし、Windows Vista のユーザー アカウント制御は、セキュリティは向上した一方、「面倒」「煩わしい」といった声もありました。
そこで Windows 7 では、ユーザー アカウント制御の機能を改良。確認メッセージを出すタイミングをユーザーが選択できるようになりました。これにより、本当に重要な操作のときだけ確認メッセージが表示され、安全性と使いやすさのバランスが大きく向上したのです。確認メッセージの設定も 4 段階から選ぶだけ。推奨設定でも、通常の利用においては、ユーザー アカウント制御の画面はほとんど見ることがなくなるでしょう。

情報漏洩を防ぐには、守りたいデータを暗号化するのが一番です。暗号化しておけば、解読するためのパスワードがわからない限り、内容を読むことはできないからです。
Windows XP には、ファイルとフォルダだけ暗号化できる「NTFS」という仕組みが備わっていました。利用するためには、保護したいファイルやフォルダを指定して暗号化を実行する必要があります。
Windows Vista では Ultimate エディションに、BitLocker という暗号化機能が追加されました。これは、内蔵のハードディスク全体を暗号化する機能です。NTFS よりも手軽に利用でき、安全性はより高くなっています。
そして、Windows 7 の Ultimate エディションには、BitLocker が進化した「BitLocker To Go」が新たに標準搭載されました。内蔵ハードディスクを暗号化する BitLocker の機能に加え、USB メモリや USB 接続の外付けハードディスクも暗号化できるようになりました。手軽であるがゆえに、落としたりなくしたりすることも多い USB メモリを、Windows 7 では安心して利用できるようになったのです。

セキュリティ対策では、セキュリティの状態をひと目で確認できることが非常に重要です。スパイウェア対策が有効になっているか、不正プログラム対策は十分か...などを、別々に確認、設定していては、手間がかかってしまい、セキュリティのレベルそのものを落としかねません。
そこで、Windows XP Service Pack 2 から用意されたのが「セキュリティ センター」です。「ファイアウォール」「自動更新」「ウイルス対策」の 3 項目を 1つのウィンドウに表示し、不備がある場合はユーザーに知らせます。ただし、スパイウェア対策は表示されないなど、現在の基準から見ると十分とはいえません。
Windows Vista の「セキュリティ センター」も、基本的には Windows XP の「セキュリティ センター」を強化したものです。スパイウェア対策が確認できるようになったものの、表示されるのは 4 項目だけです。
これに対し、Windows 7 ではその名称を「アクション センター」と変え、確認できる項目が大幅に増えています。ウイルス対策やスパイウェア対策はもちろん、ユーザー アカウント制御の状態、バックアップの状態なども確認できます。さらに、セキュリティ対策に不備があったとき、すぐに「アクション (対策) 」を行える仕組みも用意されています。危険な状態を検知すると、赤い色や黄色い色でユーザーに警告を出し、必要な対策へとユーザーを導くのです。機能と使いやすさ、そして信頼感という点で、Windows 7 の「アクション センター」は大幅に進化したといえるでしょう。