Microsoft At Home マガジン > 伝説のプレゼンターを目指せ! 2 > 第 5 回 つかみ 3 分

まずは相手のココロをつかむ
以前に「いきなりプレゼンするな」「まずは社長と雑談せよ」と書いた。
実践できているだろうか?
そう、流石にこれは簡単ではない。ほかの参加者を差し置いて、相手のトップと二人で雑談。相当のリレーション力か、神経の太さが必要だ。
それでもそれを書いたのは、いきなりプレゼン、いきなり本論、を避けたいから。
論理だけでは決して意思決定には至らない。その意思決定が困難であればあるほど、論理を超えたものが必要になる。
それは、勢いだったり、気合いだったり、危機感だったり …。
つまりは感情。
その感情を巻き起こすために、プレゼンターが出来ること、するべきことが一杯ある。もちろん、まずは相手のココロをつかむこと。
難しいのはこれを、多人数向けに、短時間で、行わなくてはならないこと。
藤巻流、ココロのつかみ方
藤巻幸夫さん (元 伊勢丹カリスマ バイヤー) が言うように、面談において相手のココロをつかむには、自分自身を晒し、語ること。
私は今、こう思っています、こう感じています。新聞や評論家はこう言ってますけど、こんなのおかしい、私から見ればこうですね。
もちろん、相手を無視すると言うことではない。相手の興味や関心ある領域でこれをやる。
そこから相手はシンパシーを感じ始める。こちらをギョウシャや取引先の代表者ではなく「ヒト」として見るようになる。
こいつの言うことを、聞いてみようじゃないか、と。
他にも藤巻さんは
「相手をカチンとさせると、こちらを向く」
「話に煮詰まったら『過去』をはさむ」
「男をほめるなら、第三者に向かってほめる」
「即断即決は人に感動を与える」
といった相手のココロをつかむ極意を教えてくれている。(『藤巻幸夫のつかみ。』実業之日本社)
インタビューや面談であれば、こういったことは、確かに効果的だ。
一対一だから、相手一人の反応で話のテーマを決められるし、相手に合わせて随時変えちゃっていい。かつ、時間も結構掛けて良い。刑事コロンボじゃないが (古い…) 大事なコトは最後にちょっとだけ聞く、でも構わない。それまでは、相手のココロをつかむ (コロンボの場合は油断させる?) ために使って良い。
私が新人時代、60 分のクライアント インタビューの前に言われたのは「最初 15 分は、本論に入るな」「まずは自分を理解して貰って、そして相手を理解しろ」「重要なことは後半 30 分でいいし、ホントに聞きたいことは最後に聞け」といったようなこと。
プレゼンテーションでも状況は似ているが、ちょっと、違う。もう少しだけ、難しい。
キツネのつかみ:ハロー効果
聴衆が一杯で興味もバラバラ、かつ、報告内容そのものも沢山あるから、そんなにつかみに時間を掛けてはいられない。多くを相手に、数分でココロをつかむ必要が、ある。多人数相手のプレゼンテーションではそこが難しい。
講演のように、相手がほとんど初対面のヒトであればなおさらだ。
初対面のヒトが相手であれば、やはりまずは自分の売り込み。
この時に、権威者 (有名人やエライ人) を引き合いに出して、自分を権威付ける作戦が結構とられる。「ハロー効果」というやつだ。ハロー (Halo) は聖人の背後から差す後光のこと。ヒトは、顕著な特徴に引きずられて、他の特徴に関しての評価が歪む。
医者は医学・医療のプロであるというだけなのに、医者の発言はなんでも正しいと思い込むとか。有名タレントの味の嗜好と自分が同じであるかなんて分からないのに、宣伝しているコーヒーを美味しいんじゃないかと思い込むとか。
プレゼン内容に沿った、適当な権威者を見つけて
・発言や図を引用する
・監修を受ける・お墨付きを貰う
といった方法。「先日、XX 先生に呼ばれてお邪魔したら、△△の話が出ましてね」云々。
自分の権威者に対する近さを印象づけ、かつ、その権威者のコメントとして話を導入する。
でも、これはあんまりお薦めしない。
他力本願過ぎるし、なにより(相対的に)自分を低めることにもなる。虎の威を借る狐、と見られるリスク大だ。しかも、有名だと思って引き合いに出した権威者を、相手が知らなかったら悲しいし、その権威者を嫌いだったりしたらサイアクだ。
次ページでは、後半「自己紹介型つかみの 3 パターン」についてです。