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インタビュー & 導入事例

中学校の自習教材としてインターネット経由で利用する e ラーニングシステムを導入し、基礎学力の底上げを図りながら、魅力ある校風の確立と教育改革を推進 常葉学園橘中学校

常葉学園橘中学校 校舎

お客様プロファイル

学校法人 常葉学園 常葉学園橘中学校新規ウィンドウが開き、社外サイトへリンクされます 学校法人常葉学園の一員として昭和 40 年 4 月 1 日に開校。「より高きをめざして」を教育目標として、学力、人間力、自主的に学ぶ力、理論的な思考力、生きた英語力の「5 つのチカラ」の向上を目指している。通常の授業以外に、朝の読書、「7 つの習慣」を教材とした道徳授業、正解がひとつではない課題を教える「橘よのなか科」、論理的思考を開発する「論理エンジン」、英検取得、および事例で取り上げた e ラーニング システム「すらら」の導入など、ユニークな施策を行っている。野球部、サッカー部、女子サッカー部は静岡県を代表する強豪である。敷地内に常葉学園橘高等学校があり、平成 21 年からは 6 年間に亘る中高一貫教育を実施中である。平成 22 年度の生徒数は 216 名。

静岡県静岡市葵区瀬名 2 丁目 1 番 1 号

メリット

  • 学校および家庭の両方で使える e ラーニング教材として作られているため、自習の習慣作りや反復学習を含む予習復習に効果的
  • 単元が細かく分けられているため授業や補習との連動が容易
  • 生徒の学習状況やつまずいている箇所を管理画面を通じて細かく把握可能

静岡市にある常葉学園橘中学校はベンチャー・リンク開発の e ラーニング教材「すらら新規ウィンドウが開き、社外サイトへリンクされます」を自習教材として導入し、部活動などで授業が変則になりがちな土曜日を中心に自習時間を設定するとともに、希望する生徒には家庭でもインターネット経由で利用できる「すらら」を提供し予習復習を促すことで、生徒の基礎学力の底上げを進めています。また、教科と e ラーニングとの連動も含めた活用も推進中です。本格導入から一年ほどで、学力向上や生活態度の落ち着きなど、一定の成果が得られています。

導入の背景と狙い

生徒間の成績の差が大きく全体的な基礎学力の向上が課題に

写真 : 吉村 耕司 校長
学校法人 常葉学園
常葉学園橘高等学校
常葉学園橘中学校
吉村 耕司 校長
静岡市の東部に位置する常葉 (とこは) 学園橘 (たちばな) 中学校は昭和 40 年の開校。静岡県内に幼稚園から大学院までを展開する学校法人常葉学園の一員として、50 年近い歴史のなかで多くの生徒の成長を見つめてきました。開校当初は男子高として運営されていましたが、昭和 62 年に共学校となり、2010 年 5 月現在で 216 名の生徒が学んでいます。
常葉橘中学の特徴のひとつがスポーツの部活動が盛んであること。野球部、サッカー部、女子サッカー部、柔道部はいずれも県内の強豪校としてさまざまな大会で優秀な成績を収めています。たとえば女子サッカー部は、2009 年に開催された「第 14 回全日本女子ユース (U-15) サッカー選手権大会」で県大会と東海大会ともに優勝し、全国大会に出場を果たしました。また野球部は、2010 年 3 月、中学野球の春選抜ともいえる「第一回文部科学大臣杯・全日本少年春季大会」にて準優勝の成果を挙げています。
カリキュラムの面では、通常進度で基礎の定着を図る「スタンダード コース」と、英語および数学の授業を先取りする「アドバンス コース」のふたつを設け、また平成 21 年からは、同校の教育改革の一環として、同じ敷地内に併設される常葉学園橘高等学校との 6 年間に亘る中高一貫教育がスタートしています。
この常葉学園橘中学校では次のような課題を抱えていました。ひとつは、スポーツが得意で入学してきた生徒たちの学習フォローです。「スポーツに秀でている子供たちの多くが勉強で遅れを抱えてしまっています。基礎が分からないまま授業だけが進んでいくため、多くのツケが溜まっているのが実際です」と語るのは、平成 20 年 4 月に着任した吉村耕司校長です。「また、こういった生徒は勉強にコンプレックスを持っているため、学校での生活がどうしても落ち着かないものになっていました」。
もうひとつの課題が、スポーツの部活動を目的とはしない一般の生徒たちの学習フォローです。「部活動に参加していない子供たちは、ときに学校生活のなかで沈んでいってしまうことがあります。運動が得意な他の生徒に囲まれているうちに居場所がなくなってしまうのです。こうした子供たちの面倒もきちんと見ていかなければなりません」(吉村校長)。
このような課題に対して同校は、「基礎学力とモノを考える習慣が身に付けば、学校生活全体が落ち着くと同時に、集団から落ちてしまう生徒もいなくなるだろうと考えました」(吉村校長) という狙いのもとで、基礎学力の底上げが図れる教材を探し始めました。

選定と導入の経緯

自学自習可能な e ラーニング教材として『すらら』を導入

写真 : 湯野川 孝彦 氏
株式会社ベンチャー・リンク
きょういく事業本部
副事業本部長
湯野川 孝彦 氏
常葉学園橘中学校が教材に求めた条件は、基礎学力を底上げできることに加えて、家庭での自学自習が可能であるという点でした。その理由のひとつには、部活動に熱心な生徒はまとまった学習時間を確保することが難しいため、帰宅後のわずかな時間や週末の空き時間を使って自習ができるような環境を整えたいという狙いがありました。
また、もうひとつの理由は、土曜日の授業は中体連 (静岡県中学体育連盟) などの大会への参加を優先して休む生徒が多いほか、各部の顧問の先生方も引率等で学校を離れなければならないため、どうしても自習時間を設定せざるを得ない傾向にあり、残されたほかの生徒に対する有効な自習教材が必要となっていたためでした。
ところで自習教材にはプリントを使うものもありますが、生徒が飽きることなく取り組めて、家庭でも使うことができ、しかも家庭教師代わりとなって授業の補足ができるような教材となると限られてきます。そこで候補として上がってきたのがインターネット上で利用できる e ラーニングでした。橘中学では、以前から総合学習などで情報教育に力を入れていた土壌がありました。それに加え、小学校時代にパソコンに触れる経験を持つ生徒がここ数年で急上昇していることや地方都市である静岡でも家庭のネット環境が進みつつあることも追い風となり、このシステムなら学校でも家庭でも活用が可能と判断し、導入を検討することになりました。
いくつかの候補の検討を経て同校が導入を決めたのが、ベンチャー・リンクが開発した e ラーニング教材『すらら』でした。選定当時の状況について吉村校長は次のように述べています。
「私がこちらに着任する前、姉妹校である常葉学園菊川中・高等学校で校長をしていた時代に、ベンチャー・リンクをはじめとするいくつかの教材会社から提案を受けていました。実際にそれぞれを試用したところ、『すらら』だけが解説が易しく的確で、しかもインターネットを経由して利用することもあって学校での学習にも自宅での自習にも適していることがわかりました。そのほかのプリント教材や e ラーニング教材は難関高の受験を対象とするなど生徒に集中力を要求するものが多く、本校には適していないと判断しました」。
吉村校長は、平成 20 年 4 月に常葉学園橘中・高等学校の学校長に着任すると同時に、『すらら』の導入を決定します。「教育の改革には遅れは許されません。そこで着任と同時に『すらら』をはじめとするいくつかの新しい教材を導入し、学力の底上げを図るとともに、常葉学園橘中学ならではの魅力作りをしていこうと考えたのです」(吉村学校長)。
同校が導入した『すらら』はインターネット上で利用する e ラーニング システムです。開発者であるベンチャー・リンクの湯野川孝彦氏は開発の狙いについて次のように説明します。「これまでベンチャー・リンクでは教育事業に参入し個別指導学習塾チェーンの支援をしてきました。このとき、教務力の安定化や実力ある講師の確保がきわめて難しいという課題に直面し、それであれば自分たちが考える理想の e ラーニング システムを作ってしまおうと考え、2005 年から開発をスタートしたのが『すらら』です」。
『すらら』は、一般的な e ラーニング システムにありがちなビデオ配信型などの教材とは異なり、理解 (分かった) と定着 (出来た) がインタラクティブに図れるように設計されています。2010 年 5 月現在で、小学校 5 学年から高校 3 年生までを対象として英語、数学、国語の 3 教科のコンテンツが提供されています。2008 年の提供以来、導入済み学校は 41 校、導入済み塾は 280 校舎、利用生徒数は 14,662 名に達しています。
同校は、『すらら』導入決定と合わせて、Microsoft Windows が動作するパソコンを 42 台導入し、ひとクラス全員が『すらら』を使える環境を整えました。なお、併設する常葉学園橘高校のパソコン室も利用することで一学年全員が『すらら』で自習することも可能です。
同校は、『すらら』導入決定と合わせて、Microsoft Windows が動作するパソコンを 42 台導入し、ひとクラス全員が『すらら』を使える環境を整えました。なお、併設する常葉学園橘高校のパソコン室も利用することで一学年全員が『すらら』で自習することも可能です。およそ一年間の試用を経て、平成 21 年 4 月から本格的な利用を始めています。およそ一年間の試用を経て、平成 21 年 4 月から本格的な利用を始めています。
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活用状況

授業と家庭の両方で自習教材として e ラーニングを利用

写真 : 加藤 伸司 先生
学校法人 常葉学園
常葉学園橘中学校
中等部主任
加藤 伸司 先生
本格利用開始からほぼ一年が経過した平成 22 年 5 月時点での『すらら』の活用状況について、中等部主任の加藤伸司先生にお話を伺ってみましょう。「現在の活用の中心のひとつが隔週の土曜日に設定している総合学習の時間です。土曜日は運動部の生徒や顧問の教員が不在になりがちで授業の入れ換えも難しいため、自習時間を設定してパソコン室で『すらら』を使わせています」。学ぶ単元は生徒に選ばせていて、復習に使う生徒もいれば、予習や先取りに使う生徒もいるそうです。
「もうひとつの活用が自宅で利用する『すらら』です。現在、216 名の生徒中 74 名が『すらら』に登録していて、自宅で復習などに利用しています。ただ、普及率が進んだと言ってもすべてのご家庭がパソコンやインターネット環境を持っていないため、全員が『すらら』を利用するまでには至っていません。また、一般的に考えて『一家に一台』のパソコンを子供が独占してしまうという状況も保護者にとっては不便なことかも知れません。今後は、すべての生徒に『すらら』を活用してもらうべく、家庭学習でのパソコン環境にも目を配る必要があると考えています」(加藤先生)。
通常授業とのリンクもすでに始まっているそうです。「今までは単元が終わるとプリントによっておさらいを行っていましたが、生徒が自ら理解度をチェックし必要に応じて復習ができるように、数学と英語の教科の先生がそれぞれ『すらら』をおさらいに活用し始めています」(加藤先生)。
写真 : 『すらら』を利用した自習風景
Microsoft Windows パソコンが 42 台設置されたパソコン室
パソコン室で『すらら』を利用した自習風景
同校がユニークなのは、『すらら』を教員全体でサポートする体制を敷いている点です。「実は導入当初は、パソコンだから、あるいは e ラーニングだからといった理由で、情報科を担当していたひとりの先生にすべてを任せていたことがありました」と加藤先生は当時の経緯について振り返ります。「しかし一人の先生の努力だけでは校内に浸透させるのは難しく、しかも平成 21 年になって、その担当の先生が転勤で他校に出てしまったのです」。
そこで、パソコンが苦手な先生も含めて、できるだけ多くの先生で対応できるような仕組みに変更しました。具体的には、全体統括に中等部主任の加藤先生があたりながら、ID の登録や更新を行う「登録班」に 3 名の先生と各担任を割り当てているほか、土曜日の自習担当には 4 名の先生と、英検活用には 2 名の英語科の先生を割り当てて運用を行っています。
このような状況についてベンチャー・リンクの湯野川氏は、「情報科の先生だけが担当するというのはいくつかの学校で見られますが、やはり運用に限界があります。常葉学園橘中学校は多くの先生方が運用に参加されており、とても望ましい形だと思います」と、高く評価しています。

導入の効果

『すらら』を頻繁に利用している生徒に成績向上の傾向

『すらら』の導入で期待されるのが生徒の学力向上です。常葉学園橘中学校では生徒全員を対象とした本格利用から一年ほどしか経過していないため、データについては積み上げ中とのことですが、ふたりの生徒の例を紹介してもらいました。
A 君 (現中学二年生男子) は 72 人中 61 位の成績で入学した比較的低学力の生徒です。運動部には加入していません。入学前のオープンスクールで『すらら』を体験したことがきっかけとなって、『すらら』を使って勉強してみたいと、同校への入学を希望したそうです。実際に入学後も放課後の時間帯を中心に『すらら』で数学の自習に励んできました。
A 君の中学一年生のときの成績をみていくと、一学期の中間試験での総合成績が 71 人中 61 位だったのが、学年末では 48 位にまで上昇しました。また数学の成績は、一学期中間試験で 71 人中 56 位だったのが学年末では 39 位にまで上昇しました。学力向上によって自信がついたようで、落ち着いた学校生活を送っているとのことです。
B さん (現中学二年生女子) は女子サッカー部に所属し、放課後や週末は部活動が主体の日々を送っています。自宅でも勉強したいと『すらら』に登録し、英語を中心に自習を続けてきました。中学一年生のときの一学期中間試験での英語の成績は、アドバンス コース 28 人中の 24 位でしたが、学年末では 34 人中 6 位にまで上昇し、スタンダード コースと合わせても学年で 10 位以内に入るまでになりました。
吉村学校長は、「たとえ部活動が忙しくても、わずかな時間でもいいから自習する習慣を付けて欲しいと考えていますので、B さんのような生徒が増えてくれることを期待しています」と、『すらら』に可能性を見出しています。
また、生徒だけではなく先生にもいい影響が出てきていると加藤先生は語ります。「導入当初はあまり関心がなかったのに、最近になって自分の授業に『すらら』を取り込んでみようと考える先生も現れています。現在は自習教材としての利用が中心ですが、近い将来は、教科との連携がもっと進んでいくでしょう」。

今後の展望

e ラーニングも活用しつつ魅力ある教育の実践に努力

常葉学園橘中学校での『すらら』の利用と運用は一年を経てようやく本格化してきました。今後は単なる e ラーニングの自習教材としてではなく、生徒の学習習慣づくりや授業との連動など、一歩進んだ運用形態へと進化していくことが見込まれます。
そのひとつが、常葉学園橘中学校がすべての生徒に取得を義務付けている英検 (実用英語技能検定) の対策です。取得しようとする検定級に応じて、学習すべき『すらら』の単元を生徒に示して、集中的に勉強させようという試みです。同校ではベンチャー・リンクから提供される検定級と学習単元の対応データを使った具体的な運用を昨年から実施し成果を上げています。
また、一部の教材会社が全国レベルで実施している学力テストの結果や、日ごろの学習状況に応じて、生徒一人ひとりの弱点を把握し、つまずいているところを集中的に『すらら』でおさらいするなどの取り組みも始めていきたいとのことです。
自宅で利用する『すらら』の利用向上も課題のひとつです。「学校の勉強と自宅での予習復習とが連動できるのが『すらら』の特徴と捉えていますので、今後は家庭での『すらら』の利用を少しでも増やしていきたいと考えています」と語るのは加藤先生。ただし現状ではパソコン環境を持っていない家庭が少なからずあり、『すらら』の家庭での普及のネックのひとつになっているそうです。これに対し吉村学校長は、「低価格で利用できる『すらら専用パソコン』のようなモデルがあると助かります」と、メーカー側の努力に期待を寄せています。
さて、同校では中高一貫教育の実施や e ラーニング システム『すらら』の導入などを矢継ぎ早に行ってきましたが、教育改革は緒についたばかりともいえます。「中学校の三年間は子供の成長にとって本当に大切な期間であり、この間に学習や生活のベースを形作っていくのが本校の役割と考えています。おかげでさまざまな施策が実を結び、少しずつですが学校の雰囲気も変わってきています」と、吉村校長は手応えを感じています。
同校がこれからも魅力と特色のある教育を進めていくなかで、e ラーニング システム『すらら』が、その一助として活用されていくに違いありません。
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