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第1回 海の近くで仕事がしたい! 東京から海の近くの街に仕事場ごと引っ越した。決して東京が嫌いになった訳ではない。ただ幼稚園に通う息子の小学校を決めなければいけない時期になって、このままでいいのかと迷いはじめたのだ。東京にいる時は、仕事場に籠ってなかなか家に帰れないことも多かった。長い人生のうち親が子供と一緒に遊べる時期なんてほんのわずか。そんな限られた親子の黄金時代を海の近くで暮らせたらいいなあと思うようになってきた。 ただいざ引っ越そうかと具体的に考え始めた時、やっぱり気にかかったのは仕事のことだ。東京に毎日通うのであれば、引っ越す意味は少ない。職住一体であることが望ましい。それで今まで通りちゃんと仕事をこなしていけるのか ? お気楽な (のように見える) フリーランスの身の上とはいえ、 10 年前ならきっとこんな決断はできなかっただろう。それを可能にしてくれたのはやはりインターネットを初めとするデジタルツールの普及だ。数年前からメールだけのやりとりで終わる仕事が増えていた。調べ物もネットであたりをつけられるし、探している資料も書店で探さなくてもネットで買える。これなら東京に住んでいなくても仕事をやっていけるのではないかと思った。もちろん実際に顔を合わせて打ち合わせをしなければいけないこともあるが、そんな場合は時間をかけて東京に行けばいい。 こんな風に思って引っ越しを決意した訳だが、今やネットにさえ繋がっていれば、どこに住んでいても仕事はできるし、手に入る情報の格差は殆どないと言っていい。現に地方在住で、全国区で優れた仕事をしているクリエーターは大勢いる。もちろん彼らが持っていた才能によるものが大きい。でもこんな時代じゃなかったら、そこまで注目されなかったかもしれないのだ。地域格差が叫ばれて久しいが、デジタルライフに置いては、年齢も性別も住んでいる場所も関係ない。アイデアや能力さえあれば、日本全国、いや世界からだって注目されたり、高く評価されたりすることも可能な、きわめてフェアで平等な世界なのだ。これってもう当たり前のようになっているけど、結構スゴイことなんじゃないかと思う。 さて、実際に東京から離れて仕事をするようになって半年以上がたった。今のところ特に不便やデメリットを感じることはないし、仕事も東京にいた頃と変わらない。ただ子供と遊ぶ時間は圧倒的に長くなった。そして朝日を浴びながら浜辺を散歩する贅沢は何モノにも変えがたい。引っ越してよかった。ほんとデジタルライフ様々なのである。
文:川上 徹也
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