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東京から少し離れて 第3回

第 3 回 “妄想雲アーティスト” が誕生するまで!

東京から海の近くの街に引っ越し、デジカメで空の写真を撮るようになって、ある事実に気づいた。雲ひとつない快晴は、気持ちはいいけど少しおもしろみにかける。写真を撮っても単調だ。かと言って、一面厚い雲で覆われた空も写真になりにくい。晴れてはいるけど適度に雲のある日が、空は断然おもしろい!

そう、空という劇場では、確かに〔太陽〕や〔青空〕が主役かもしれないが、脇役の〔雲〕の存在によっておもしろさが決まるのだ。〔雲〕が大活躍する日は、劇場は大きな感動に包まれる。なのに多くの人は、雲なんて太陽を隠したり雨を降らすだけのエキストラぐらいにしか考えていない。

雲の魅力にとりつかれるまで時間はかからなかった。雲の写真を集中して撮るようになった。ある日、出張先で空を見ると、変な形をした雲がいた。何となく胸騒ぎがしてカメラを向けて撮った。パソコンに取り込むと、その雲が『ムキムキのボディー ビルダーがポージングをしている』みたいに見えた。なんだか笑えておもしろい。

数日後、夕焼けの上に浮かんでいる豪華客船みたいな雲が撮れた。海の上にまた海があるみたいで、エッシャーのだまし絵みたいな不思議な写真だった。もちろん何の加工もしていないのに。

こいつらを誰かに見てほしいと思った。ブログを始めることにした。タイトルに 〔妄想雲〕という言葉を入れた。雲の形からいろいろ連想妄想する行為を勝手にそう名付けたのだ。ほら小学校の教科書にあった〔くじらぐも〕みたいな。もちろん頭の中の妄想だけで完結してもいいんだけど、それだと他の人とおもしろさを共有できないから、デジカメでその雲を記録することを条件とした。

結構な反響があった。読者の方からも投稿してもらうことにした。色々と楽しい〔妄想雲〕が集まるようになった。何かの動物の形をしているといったベーシックなモノが一番多いのだが、中には「こういう見方があったのか!」と目からうろこが落ちるような視点の〔妄想雲〕もある。続ければ続けるだけ、この行為が奥深いものだと気づいていく。

作品ができるには、マメに空を見るという努力は最低限必要だ。でも同じ雲を見ても、何も感じなかったり発見できなかったりする人もいる訳で、やはりクリエイティブな能力が必要になってくる。もちろん運にも大きく左右されはするが、これはもう立派なアートだ! と言い切ってもいい。

そんな訳で、ここ最近、自分のプロフィールに “妄想雲アーティスト” という言葉を入れるようにしている。他にも同じようなことをしている人がいるかもしれないけど、とりあえず先に名乗っておこうということで (笑)

最近は、作品づくりとともに、「妄想雲」の種類や分類法などもまとめつつある。近い将来、ブログを通じて知り合った人たちの作品も含め、〔妄想雲〕の本が出せたらいいな、と思っているのだ。

文:川上 徹也
iNNO. by Microsoft 編集部より :
PCとインターネットが普及した結果、自分の作品が気軽に発表できるようになりましたよね。今の時代は、まさにクリエータにとっては、夢のような時代とも言えます。妄想雲の作品発表は、Windows Live スペース妄想雲ドットミルでご覧になることができます。さて、貴方は何を発表しますか?

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