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東京から少し離れて 第5回

第 5 回 夜明けのビーチコーマー

東京から海の近くの街に引っ越し、海辺をよく散歩するようになった。するとすぐに気づくことだが、砂浜には実にいろいろなものが落ちている。ペットポトルや空き缶などのゴミや花火の残骸はそれだけで悲しい気分になるが、他にも多くのものが漂流してくるのだ。

まずは貝殻や海草。魚やヒトデなどの死骸。流木。波で洗われて丸くなったガラスの破片 (ビーチ グラスと呼ばれてとてもキレイ)。瀬戸物。プラスチックのオモチャ。果物や野菜。イルカやクジラの骨。中には外国語の商品名が書かれてある生活用品のようなものがあったり、何でここにそんなものがあるの? と思う物も多い。

こんな風に、海辺にやってくる漂流物を観察したり、拾ったりすることをビーチコーミングと言う。コームとはクシのことで、ビーチをクシですいたように拾い集める所から名付けられた。なんて偉そうに書いたけど、ビーチコーミングのことを知ったのはこっちに引っ越してきてからだ。

ビーチコーミングは、道具もいらないし訓練もいらない。シンプルだけどなかなか奥深い遊びだ。珍しいモノを見つける喜びもあるし、漂流物を見て、どこからどれだけの歳月をかけて流れ着いてきたのだろうと、想像力を働かせる楽しみもある。

ビーチコーミングをする人をビーチコーマーと呼ぶ。ネットで検索してみると、実に多くのビーチコーマーがいることがわかる。中にはビーチ グラスや流木などを使ってアートを作ったり、漂流物を分類して本格的に研究したりする人もいる。

かく言う僕は、ビーチコーミングを話題に、ラジオ ドラマを書いたことがある。父と小学生の息子が、夏休みの自由研究にビーチコーミングに行く話だ。そこで、メッセージ・イン・ザ・ボトル (手紙が入った瓶) を拾うのだ。そんなもの現実では滅多に流れてくるものじゃないけど、ドラマだからアリなのだ。いやそれくらいないとドラマにならないとも言える。父と息子は、送り主である小学生の女の子の家に手紙を届ける為に、200 キロ以上クルマで旅をする。結局、小学 5 年生だった筈の女の子は女子大生になっていて、実は 7 年かけて届いていた … といったストーリーだ。

いかにもドラマといった内容で、現実にそんな話ある訳ないと思うのが普通だ。ところが、先日、15 年前に風船で飛ばした手紙を、カレイと一緒に漁師が釣り上げたというニュースをネットで読んだ。手紙を書いた小学校 2 年生の女の子は女子大生になっていたらしい。ビーチコーミングで見つけた訳じゃないが、海が届けてくれたのは一緒。そんなドラマみたいな奇跡を演出するなんて、なかなか憎いじゃないですか、「海」ってヤツは。

さて、皆さんも一度くらいビーチコーミングを体験してみたらどうでしょう? 調べれば、どこの浜辺にどんなモノが多く流れてくるなんて情報も載っていますよ。まだ人が少ない夜明けがお勧めです。ひょっとしてどこかビーチですれ違うこともあるかもね。

文:川上 徹也
iNNO. by Microsoft 編集部より:
Windows ケータイ、Windows Mobile があれば、ビーチコーマーについて調べながら、ビーチコーミングが体験できます! プライベートでもよりいっそうデジタル ライフを楽しめるでしょう。詳しくはこちらをご覧ください。

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