アメリカでの生活を終え、日本で仕事を再開した八木亜希子さん。最近では、90 年以来のロングランを記録する朗読舞台「LOVE LETTERS」に三谷幸喜氏とのカップリングで出演するなど、その活動は幅広い。フジテレビのアナウンサーとして絶大な人気を誇り、女子アナ人気の火付け役となった彼女は、フリーになり、その後米国でどのような生活を送っていたのか。そこには、しなやかに進化を続ける彼女の姿があった。八木亜希子さんの現在、そしてそれを支えるデジタル ライフに迫る。

― ― アメリカでは、大学院に行かれたそうですね?
はい。主人の仕事の都合で結局半年も通えませんでしたが、ここで健康心理学と出会いました。
― ― 健康心理学というのは?
心理学というと、深刻な悩みを抱えてしまった人や、何か特別な人のものと思われがち。でも、ちょっとしたことで落ち込んでしまったり、憂鬱な気分になるということは、誰にでも経験がありますよね。健康心理学は、ライフ スタイルを見直すことで病気を防ぎましょうという考え方で、気持ちの切り替え方やストレスの軽減方法を学ぶものなんです。例えば、誰にでも不安や心配事は付き物ですが、実はそれらのほとんどは過去か未来に関すること。だから、「今」に集中する訓練をしましょうと教わりました。これはぜひ皆さんにお勧めしたい実践的な方法です。朝ごはんを食べながら、今日のプレゼンの心配をしていませんか? せめてごはんを食べている時間は、その幸せな瞬間に集中する。それだけでも随分違います。
― ― そもそも何故心理学を学ぼうと思ったのですか?
はじめは、そんなつもり全くなかったんです。アメリカに行くことになり、日々の生活に困るから …… と英語の個人レッスンを始めたのがそもそものきっかけ。そのうち、もっと多くの人とコミュニケーションできたら楽しいだろうなと思い、語学学校に通いだしました。当初はそれだけでも楽しかったのですが、今度はもっとネイティブの人たちと学びたいと思いボランティアを始めました。せっかくのアメリカ生活。その方がアメリカの文化や気質を吸収できると思ったんです。更に、ただ英語を学ぶより、何かを英語で学んだ方が吸収も早いと周囲にも勧められ、そこで、大学時代に学んだ心理学を再びやろうと思い立ったのです。
― ― では徐々にステップ アップした結果なのですね?
大きな目標を最初から掲げることって意外と少ないですね。「絶対仕事でこうしたい」という事があれば、また違う形での結婚生活もあったかもしれません。でも私は、主人についてアメリカに行くことにしました。仕事に追われていた毎日から、突然ぽんっと時間ができた訳です。そういう環境や状況の変化にうまく順応しながら、その時点で自分は何をするのがベストかを探していく。やっぱり、どこか自分の中で進んでいないと嫌なんですね。少しずつでも進んだ結果、自然と次の「もう少し頑張ってみたい」「もう少し新しいことがしたい」という欲求が生まれる。その繰り返しだと思います。
― ― それでは今チャレンジしたいことは?
もともと人を楽しませたいという気持ちからテレビの仕事を始めたのですが、もっと人のために役立ちたいという気持ちが強くなりました。せっかく健康心理学を学んでいるのだから、人がほっとしたり、優しい気持ちになったり、楽しい気持ちになったり …… その手助けになる何かを、皆さんに伝えられたらと思っています。
― ― 人に伝えるというお仕事は、情報収集も大変ですよね。情報収集はどうやって?
インターネットはよく活用します。日々の情報収集に、今や欠かせない存在ですよね。
― ― 初めてパソコンに触れたのは、いつ頃でした?
確か 95 年だったと思います。実は、初めてのメールアドレスは microsoft.com だったんです!当時担当していたテレビ番組で、マイクロソフトとお仕事をさせて頂き、それがきっかけでアドレスを頂戴しました。でも、メールする相手がいないの (笑)。当時私の周りでは、パソコンを持っている人すらほとんどいませんでしたから。マイクロソフトの技師の方と「はじめまして」「きちんとやれていますか?」「こういうことで合っていますか?」とやりとりしていた (笑)。ブラインド タッチもできず、全て人差し指で打つものだから、返信も一苦労。更に、昔の人が写真を撮ると魂を抜かれると思っていたみたいに、パソコンの電源が入っているだけで、自分の生活が見られている気がして ……(笑)。それ以来、やめてしまったんです。その後あっという間にパソコンが普及していった時も、パソコンには触れぬままでした。そんな状況を打破し、デジタル ライフを満喫するきっかけとなったのは、実は恋のお陰だったのです。
スタートは恋のパワー!? 次ページで八木さんのデジタル ライフに迫ります。

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