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目次 声が通るは七難隠す スペクトラム大作戦 カラオケ大作戦 モノマネ大作戦 声が通るは七難隠す もちろん「色が白いは七難隠す」がもと。美白信仰が強い中国北京では「百難隠す」とも言うらしい。 プレゼンテーションでそれに当たるのが「声」だ。美声の人はそれだけで、いいプレゼンターになる素質がある。但し、ここでの美声の条件は、声が高いことでも低いことでもなく「声が通る」ことと「声の響き」。これがとても価値がある。 ただ声が (周波数的に) 高ければ、通りやすいわけではない。低すぎても高すぎてもヒトの耳はそれを小さくしか捉えない。また、低めの音は特に、周りの様々な雑音 (や雑談) に埋もれてしまう。 肉声で「声が通り響く」ことの最高峰はオペラ歌手だろう。その発声法の 1 つにベルカント唱法がある。母音の多いイタリア語向きで官能的な音を出すためのものという。一方のドイツ唱法は子音が多いドイツ語向けで、かなりの体力 (と体格?) を必要とするとか。 こういったものを頂点として、世の中には様々なヴォーカル トレーニング、ヴォイス トレーニングがある。これにも様々な流派があり、腹式呼吸と地声を基本として安定的で豊かな声量を目指すもの、裏声をうまく使って (声区融合) より伸びやかでハッキリした発声を目指すもの、その何れでもないもの等々… プレゼンテーションは歌唱ではないので、いわゆるヴォーカル トレーニングの全てが必要なわけではないだろう。それでも、自分の発声に自信のない人は、プロのトレーニングを受けてみるのも良いだろう。 スペクトラム大作戦 誰でも、生まれた直後は泣くだけなので、声域はほぼ一緒で 440Hz くらい。これが大人になるにつれ、上下に拡がっていって、約 70Hz から数千 Hz の周波数の音を発するようになる。 ある高さの声を周波数分析機 (スペクトラム・アナライザー) にかけると、様々な周波数の音が混ざっているものだと言うことが分かる。 一番大きいのはその声の高さに対応した「基本周波数」で、それに「倍音」たちがいくつも重なり、更にそれ以外の周波数の音が被さってくる。(倍音: 基本周波数が 100Hz なら、2 倍音は 200Hz、3 倍音は 300Hz、など) 人の声の基本周波数は男性で 110 ~ 150Hz、女性で 220 ~ 270Hz くらい。まずはこの基本周波数なのだが、余りに上下に外れると「低すぎ」「高すぎ」で聞き取りづらく感じる。典型が相撲取りだ。 基本的には身長と声の高さが反比例するので、特に大型の力士は声が低い。(身長 203cm の曙の、基本周波数は90Hz) 特にヒトの耳は低音への感度が低いので、低すぎる声は聞き取りづらくなる。 まずこれを適度に保つこと。 しかし実は「倍音」が問題なのだ。バイオリンの名器「ストラディバリウス」の音の特長は「よく響き、よく通る」こと。その音を分析したら、倍音成分が多く、それ以外の周波数が少なかったとか。 声でも同じような話がある。プロのバリトン歌手の周波数を見ると、3000Hz 付近が強くなっている。これによって「声が通る」わけだが、これはのどを共鳴させて出す音なので、訓練でなんとかなる。 体をのばして顎を引き、喉仏を下げて発声することで、共鳴管であるノドの部分が長くなる。それによって 3000Hz 成分が強くなる、というもの。(但し、男性向けの話) プレゼンテーションで声楽家の真似をするわけではないので、これらの発声法が直接使えるわけではない。しかし「体を楽器として音を響かせる」ことには、チャレンジすべきだ。声の響きが全然違う。 色々な練習法の中で、私がいいと感じた訓練をひとつだけ紹介しよう。 それは「胸に響かせる」だ。 胸に手を当てて、声を出す。その時、手に振動が伝わってくるような、喋り方や歌い方。これを意識してやってみよう。大きな声を出さないと難しいが、慣れればそこそこの声でも響かせることが出来るようになる。 これをここぞと言うときに、使う。低く、だけど通る、良い声になるはず。しかも、早口にならないので自信ありげに聞こえるから一石二鳥だ。 |
三谷 宏治 K.I.T.虎ノ門大学院 教授 1964 年大阪生まれ、 2 歳半から福井で育つ。 福井県立 藤島高校卒業後、浪人し上京。駿台予備校を経て東京大学 理科一類に入学。理学部 物理学科に進学するも、学部卒での「文系就職」の途を選ぶ。 87 年~ 96 年、ボストンコンサルティンググループ勤務 (内、 91 年夏~ 92 年末まで INSEAD 留学 MBA 修了、 1 年半のフランス、欧州生活を送る。) 96 年~ 2006 年までアクセンチュア勤務。03 年~ 06 年まで同社 戦略グループ統括 エグゼクティブ・パートナー。同グループの 200 名超への成長に貢献。 現在、『子どもたちへの教育』を主軸に活動中。K.I.T.虎ノ門大学院 教授、グロービス経営大学院 客員教授、早稲田大学ビジネススクール 非常勤講師。妻、長女、次女、三女と東京都世田谷区に在住。 ※著書より 著書 「トップコンサルタントがPTA会長をやってみた」(英治出版) 「突破するアイデア力」(宝島社新書)
「観想力 空気はなぜ透明か」 「CRM 顧客はそこにいる」(共著) 「crmマーケティング戦略 顧客と共に」(いずれも東洋経済新報社) |










