マイクロソフト ユーモールエンカルタ総合大百科お子様の夢を広げよう!
昨年、日本人のノーベル賞受賞者が一気に 4 名も出たのは記憶に新しいところです。お子様が将来の夢に学者や博士を目指すのも頼もしいですね。子どもの頃から、科学や生物、歴史、地理など、さまざまな情報に親しむのは知的好奇心を伸ばす第一歩と言えるのではないでしょうか?
今年は、ガリレオ・ガリレイが望遠鏡を発明し宇宙への扉を開いてから 400 年の節目の年。「世界天文年」と銘打ち世界各地で様々な天文イベントが開催されるほか、日本で見られる皆既日食など、天体に関するイベントが目白押しです。
そこで、国立天文台の渡部潤一博士に百科事典と子どもの知的好奇心について、お話を伺いました。
【国立天文台 天文情報センター センター長】渡部 潤一 博士
太陽系天文学を専門分野とし、彗星や小惑星、流星群の研究を行っている。天文学の広報普及活動にも尽力している。写真は、高校時代にラジオのノイズを聞きながら記録した流れ星の観測資料を手に。
――彗星や流れ星を研究しているとのことですが、いつ頃から興味を持ち始めたのですか?
私が星に惹かれるようになったのは、小学校6年生のときのジャコビニ流星群がきっかけでした。1972年10月8日に、ジャコビニ流星群が見えると大騒ぎになったのです。日本中が部屋の電気を消して流星を見るために空を見上げました。
しかし結局、流れ星はまったく見えませんでした。それまで天文学は、日の出、日の入りを始め、すべて計算で予測ができると思っていました。しかし、学者の先生でも間違えたり、予測できないことがあると知りました。逆に言えば、誰も見ていないときに夜空を見上げていれば、誰も予測できない流れ星を見つけられるかもしれません。
それから毎晩、田んぼの真ん中に立って星を見ていました。田舎だったのもあり、毎日流れ星がいくつも見えます。それを観測していました。「今この流れ星を記録できるのは、自分しかいない」という妙な使命感を持っていたのでしょうね。

――観測が中心だったと思うのですが、調べ物などもしていましたか?
天体について、本当にたくさん調べました。今のように情報がない時代だったので、最初は何を見ていいかもわかりませんでした。たまたま本屋で天文雑誌を見つけたので、むさぼるように読んでいました。
図鑑はぼろぼろになるほど読みましたね。
――今の子どもたちにはどのような情報が必要でしょうか
図鑑や百科事典のような正しい情報は、今の子どもたちにも必要だと思います。今はインターネッ
トがあるので、何かキーワードを入力すると何でも出てきますよね。しかしよくよく調べてみると、間違った情報もたくさんあふれています。これはインターネット社会で気をつけるべきことです。情報がいくらでもあるからこそ、見極める目が必要ですね。
――科学者や研究者になりたいという子どもたちに向けて、メッセージはありますか。
「自分はなんでもわかっている」と思わないで欲しいですね。インターネットでちょっと調べて、わかった気になって終わりにしないで欲しい。私たちに身近な太陽系でも、わからない部分はまだまだたくさんあるのです。わからないところがあるから、面白いですよね。私が小学校6年生のときに見られなかったジャコビニ流星群は、のちに計算をする方法が開発されて、私は自分の手で原因を解明しました。30年越しでようやくわかることもあります。
何かに興味を持ったら、思い切り背伸びをしていいと思います。「子どもだからまだ早い」と考えずに、やりたいことをどん
どんやっていい。天体の軌道などを計算するのに三角関数が必要なのですが、小学生だった私は親戚の高校生に一生懸命教わりました。結局よくわかりませんでしたが、天文学を続けるためにはほかの勉強も必要なのだと子ども心に理解しました。学問じゃなくても同じです。興味のあることがあったら、どんどん調べたりまとめたりしてもらいたいですね。

