企業プロフィール
1892 年創業、2001 年日本火災と興亜火災が合併、日本興亜損害保険が誕生、翌 2002 年太陽火災と合併、現在に至る。自動車保険、火災保険を中心として損害保険業務を幅広く展開。特定の金融グループに属さないメリットを最大限に活かし、スピーディーな経営とグループの枠組みにとらわれない戦略的な提携など積極的な事業展開を図っている。
ユーザーコメント
「Windows 製品は家庭でもどこでも一般的に使われています。ユーザーが慣れ親しんでいるその世界の中に、Exchange Server や SharePoint Server の高度な機能がサポートされています。ですから、ユーザーは家庭で Windows パソコンを使うような感覚で違和感なく、高度な機能を使いこなすことができ、IT リテラシーを上げていくことができます」
日本興亜損害保険株式会社 IT 企画部長 山脇 逸雄氏
導入背景とねらい
最先端製品の利用による IT リテラシー引き上げが生産性を向上させる
日本興亜損害保険株式会社は市場の成熟化の中で、競争力の強化は事業費の圧縮と社員の生産性向上がカギだという考え方のもと、積極的な IT 投資を行ってきています。そのため、合併に伴う契約管理システムの統合を終えた後には、メールシステムや Office アプリケーション、情報共有を中心とした社内 IT インフラの見直しに着手しました。日本興亜損保では、従来 Lotus Notes を使用していましたが、社内 IT インフラの見直しに際し最も大きな問題になったのが 9 年近くも使ってきたこのメール・情報系の更新でした。同社 IT 企画部長 山脇 逸雄氏はその経緯について語ります。
「保守的に考えれば、それまでの利用製品をバージョンアップするということになります。しかし、私たちは IT 好きな人や理系の方がたくさん居る研究機関やシステムメーカーではないので、ユーザー自身が IT ツールを専門的に学んだり、マクロや高度な機能をどんどん研究して使い込んでいくわけではありません。そのため、生産性向上は、最先端の製品を IT 部門が提供して、ユーザーが最新の機能を持った製品に自然と慣れることでユーザーのレベルを引き上げるところからしか始まりません。そこで重要だと考えたのは、最もポピュラーな製品を選ぶことです。そうした製品であれば、業務以外でも接する機会もありますし、ユーザーの周りには使ったことがある人間がいる事となり、初めて見たユーザーでさえ最初は戸惑うかもしれませんが、最先端の世界に次第に慣れていき、使いこなせるようになると考えたのです」
同社はこうした考え方にもとづいて、製品の選定を行い、メールシステムと情報共有基盤に、「Microsoft Exchange Server 2007」と「Microsoft Office SharePoint Sever 2007」の導入を決定。また、すでに導入を決めていた「Microsoft Office 2003」は新バージョンの「2007 Office System」へと変更、さらに、Web 会議システム「Microsoft Office Live Meeting」も導入することにしました。
導入の経緯
研修も実施せず、Exchange Server と SharePoint Server にスムーズに切り替え
こうして、日本興亜損保はすべてマイクロソフト製品で統一する形で社内 IT インフラを全面的に更新、2007 Office System の導入からスタートして、2008 年 2 月に Exchange Server 2007、5 月に Live Meeting、7 月に Office SharePoint Server 2007 と順次稼働させました。「決定までは時間がかかりましたが、様々なベンダーの製品を入れて、連携がうまくとれず、トラブルに悩まされたくなかったので、すべてマイクロソフト製品にしました。ユーザーから利用方法などでクレームが来るのではないかと懸念していた旧製品から Exchange Server への切り替えもスムーズに進みました。ユーザーはプライベートも含めて Windows 環境を使っているので、既視感があるのでしょう。使い方に関する質問はほとんど来ず、スケジュール共有など従来なかった 1 ランク上の機能を自然に使うようになりました」(山脇氏)。
切り替えにあたって、同社は今までであれば、当たり前のこととして実施していた新システム利用のための研修を一切行わず、社内のヘルプデスクも廃止、システムトラブル対応専門の窓口にしました。その狙いはユーザー 1 人ひとりが自ら製品の機能を利用し経験することで IT リテラシーを向上させ、結果として生産性の向上を達成させることにあります。
「2007 Office System 導入に向けて、ヘルプデスクの要員増の要求が来ましたが、社員とグループ、関連会社社員 15,000 人がひとつずつステップを上っていくことが最も重要だという考えから、逆にヘルプデスクをなくすという決断をしました。そして、簡単な資料を全員に送ると共に、拠点ごとに IT に詳しいと思われる人を選定しメールマガジンで様々な機能を教えるなどの手を打ちました。その人が他の人に使い方を教えるようにお願いし、職場のITにおけるリーダーとなって引っ張っていただくようにしたのです」(山脇氏)。
導入の効果
IT リテラシー向上の土台が実現。Live Meetingで年間 2 億円のコストを削減。
こうして、新しいメールシステムは短期間の内に定着、現在、約 15,000 名のユーザーが全国約 440 カ所の拠点とグループ会社で利用しています。一方、使い始めて間もないのに、大きな効果が上がっているのが Live Meeting です。北海道から九州・沖縄まで拠点が存在する同社では社内会議のための旅費や宿泊費がかなりの額に上っていました。例えば、各支店では傘下の課長や支社長を集めて、月 1-2 回課支社長会議が開催されますが、遠距離や離島の支社長は泊まりがけで参加するケースもあります。それが Web 会議で各支社にいながら行えるようになったため、年間約 2 億円のコストが削減されると見込まれています。
「Live Meeting は本当に頻繁に使われています。本社を始めとして、たくさんの部署が、全支社とミーティングを行っています。今までは本社からの指示も、伝言ゲームになってしまい、支社には充分伝わり切らないこともありましたが、直接伝えられるので、大変大きな効果があります」(山脇氏)。
また、Office ソフトはマイクロソフト ボリューム ライセンス プログラムのひとつである中のエンタープライズ アグリーメント (EA) 契約を行っていたため、自宅 PC にインストールできる「自宅使用プログラム」の利用や、プレミアサポートの『問題解決サポート』の充実を図ることができました。これらを教育や照会対応・問題解決手段として最大限に活用したことで、きめ細やかな対応と投資コストの圧縮という効果を得ています。
今後の展望
IT リテラシー引き上げに向けた取り組みをさらに強化し、生産性向上につなげる
今回、社内 IT インフラ基盤の整備を終えた日本興亜損害保険は、社員の生産性向上を実現するために、IT リテラシーの引き上げに向けた取り組みをさらに進めていく考えです。山脇氏は今後の展望についてこう語ります。
「マイクロソフト製品はいずれも生産性を上げることができるように、とてもよく設計されていると考えています。ですから、それを使いこなし、IT リテラシーのレベルをアップさせていけば、ユーザー 1 人ひとりの生産性が向上し、会社全体の業務効率と生産性が向上すると確信しています」
このように、生産性向上とリテラシー向上には相関関係があり、IT リテラシーのアップが生産性向上に直結するとの考え方に立つ日本興亜損害保険のマイクロソフトに対する期待は極めて大きなものがあります。