本シリーズは、特定非営利活動法人日本 NPO センター
から転載したものです。
第 2 回マイクロソフト NPO 支援プログラムメディア・カフェ (パブリック・メディアの拠点づくり) 2001 年 9 月にアメリカで起きた同時多発テロをきっかけに放送関係者が立ち上げたインターネット放送局、それが OurPlanet-TV である。巨大なマスメディアに欠けている要素を補完する 「オルタナティブ・メディア」 として活動し、もうひとつの、等身大の・より親密な交流の場となるメディアをつくりあげようとしている。東京ドームの近くにある、時にはスタジオにもなる事務所を訪れ、共同代表を務める白石草さんにお話しを伺った。 パブリック・アクセスの実現に向けて 「同時多発テロの際、インターネット上では国を越えてさまざまな情報が流れており、使い方を間違わなければ有効なものになると思った」 と白石さんは OurPlanet-TV 設立のきっかけを語った。同時多発テロの翌月、10 月に開局し、現在では、(1) 制作したオリジナル映像のウェブサイトでの配信、(2) 誰もが気軽に映像を制作し発信できるようにするための映像ワークショップの開催、(3) 企業や NPO のビデオ制作をサポートするメディア・アドバイザー事業の 3 つを中心に活動を行っている。 パブリック・メディアの拠点「メディア・カフェ」 2004 年にマイクロソフト NPO 支援プログラムにより採択されたプロジェクトは、 「メディア・カフェ(パブリック・メディアの拠点づくり)」。 IT インフラを整備し、誰もが気軽に集えるオープンカフェのようなメディア・センター作りを試みる。そこでは映像機材や編集パソコンを開放し、市民や NPO に映像制作と動画配信の場を提供するとともに、機材選びからビデオの完成まで、トータルな相談にも応じる。また、映像制作に関心のある市民を対象にしたワークショップも開催する。ワークショップでは映像制作のノウハウの習得にとどまらず、メディアリテラシー (メディアを読み解く力) に関する講座も行っている。海外では、マスメディアを補完するメディアが数多く存在し、市民メディアセンターも整備されている。中には一般の市民がテレビで情報を発信できる国もあるという。OurPlanet-TV の取り組みは、インターネットを利用してパブリック・アクセスを実現する試みと言っていい。 市民から市民記者へ ![]() 映像制作には、「活動会員」 と呼ばれるボランティアが多数参加している。活動会員それぞれが提案した企画を話し合い、スタッフがサポートしながら映像を制作する。活動会員にはワークショップに参加し映像制作を学んだ人も多い。そこで映像をつくるスキルを身につけ、問題を咀しゃくして人に伝えることを学ぶ。1 人の人間が、市民記者 (ジャーナリスト) として「こんなにも人が変われるのか」というほど変わっていくという。こうして市民記者となった活動会員は、自主的に映像制作に取り組むようになる。これらの映像は OurPlanet-TV のウェブサイトで配信されている。 新たに生まれる映像文化 ![]() 京都では、特定非営利活動法人京都コミュニティ放送が運営する 「京都三条ラジオカフェ」 のビルに、ライブハウス、劇場、アートギャラリーなどが入居し、そこは誰もが使える、集える場所になっている。OurPlanet-TV も最終的にはそうした場所づくりを目指している。インターネット上の動画配信は、いわばバーチャルな空間、一方でメディア・カフェは人が集うリアルな空間である。「2つのコミュニティが相まって、新たな映像文化が生まれればいい」 と白石さんは語る。
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