第 2 回マイクロソフト NPO 支援プログラム

シリーズ 6

最終更新日: 2005年5月19日

本シリーズは、特定非営利活動法人日本 NPO センターLeave-ms から転載したものです。

*

タイトル

第 2 回マイクロソフト NPO 支援プログラム

メディア・カフェ (パブリック・メディアの拠点づくり)
(OurPlanetTV)

2001 年 9 月にアメリカで起きた同時多発テロをきっかけに放送関係者が立ち上げたインターネット放送局、それが OurPlanet-TV である。巨大なマスメディアに欠けている要素を補完する 「オルタナティブ・メディア」 として活動し、もうひとつの、等身大の・より親密な交流の場となるメディアをつくりあげようとしている。東京ドームの近くにある、時にはスタジオにもなる事務所を訪れ、共同代表を務める白石草さんにお話しを伺った。

パブリック・アクセスの実現に向けて

「同時多発テロの際、インターネット上では国を越えてさまざまな情報が流れており、使い方を間違わなければ有効なものになると思った」 と白石さんは OurPlanet-TV 設立のきっかけを語った。同時多発テロの翌月、10 月に開局し、現在では、(1) 制作したオリジナル映像のウェブサイトでの配信、(2) 誰もが気軽に映像を制作し発信できるようにするための映像ワークショップの開催、(3) 企業や NPO のビデオ制作をサポートするメディア・アドバイザー事業の 3 つを中心に活動を行っている。
「表現の自由は、自由に意見を表明できるだけでなく、多くの人に聴いてもらう機会を与えられてこそ実現する。パブリック・アクセス(市民がメディアを利用して自らの問題・主張を広く訴える行動)のためには、市民も電波を利用できるようにすべきだ」 と白石さんは訴える。

パブリック・メディアの拠点「メディア・カフェ」

2004 年にマイクロソフト NPO 支援プログラムにより採択されたプロジェクトは、 「メディア・カフェ(パブリック・メディアの拠点づくり)」。 IT インフラを整備し、誰もが気軽に集えるオープンカフェのようなメディア・センター作りを試みる。そこでは映像機材や編集パソコンを開放し、市民や NPO に映像制作と動画配信の場を提供するとともに、機材選びからビデオの完成まで、トータルな相談にも応じる。また、映像制作に関心のある市民を対象にしたワークショップも開催する。ワークショップでは映像制作のノウハウの習得にとどまらず、メディアリテラシー (メディアを読み解く力) に関する講座も行っている。海外では、マスメディアを補完するメディアが数多く存在し、市民メディアセンターも整備されている。中には一般の市民がテレビで情報を発信できる国もあるという。OurPlanet-TV の取り組みは、インターネットを利用してパブリック・アクセスを実現する試みと言っていい。

市民から市民記者へ

取材風景。スタッフがサポートしながら映像を制作する。

映像制作には、「活動会員」 と呼ばれるボランティアが多数参加している。活動会員それぞれが提案した企画を話し合い、スタッフがサポートしながら映像を制作する。活動会員にはワークショップに参加し映像制作を学んだ人も多い。そこで映像をつくるスキルを身につけ、問題を咀しゃくして人に伝えることを学ぶ。1 人の人間が、市民記者 (ジャーナリスト) として「こんなにも人が変われるのか」というほど変わっていくという。こうして市民記者となった活動会員は、自主的に映像制作に取り組むようになる。これらの映像は OurPlanet-TV のウェブサイトで配信されている。
OurPlanet-TV にとって今回の助成は、オリジナル番組をスタートするなど活動を広げていく時期に重なるものであった。助成に付随してマイクロソフトが実施した技術サポートも大きな役割を果たしており、ネットワーク化やセキュリティを強化していくため、今後の技術サポートにも期待しているという。助成を受けたタイミングの良さと、それをきっかけに広がった新しい関係やネットワークによって 「助成を受けた金額の3、4倍もの効果があった」 と白石さんは振り返る。

新たに生まれる映像文化

OurPlanet-TVの事務所兼スタジオ。

京都では、特定非営利活動法人京都コミュニティ放送が運営する 「京都三条ラジオカフェ」 のビルに、ライブハウス、劇場、アートギャラリーなどが入居し、そこは誰もが使える、集える場所になっている。OurPlanet-TV も最終的にはそうした場所づくりを目指している。インターネット上の動画配信は、いわばバーチャルな空間、一方でメディア・カフェは人が集うリアルな空間である。「2つのコミュニティが相まって、新たな映像文化が生まれればいい」 と白石さんは語る。
ただ現在は物理的なスペースの確保が悩みのようだ。OurPlanet-TV の事務スペース、制作スペースも不足しているが、メディア・カフェを築いていくためにはさらに広いスペースが必要で、「今の課題は場所探し」 という。人が集まりやすい場所の確保は、財政面でもなかなか難しい。場所探しとあわせて、正会員や賛助会員など支援者を増やすことにも力を入れていきたいと語っている。支援者を増やすことによって、さまざまな意見を採り入れメディアとしての公共性を確保していくことが必要という。
まずは誰でも見られる、発信できるメディアづくりを目指している OurPlanet-TV。その後は 「よりマイノリティな人たち、日の当たらない人たちのことを取り上げていきたい」 と白石さんは語る。社会的な問題が広く知られることによって、苦しむ人たちに救いの手が差しのべられることもある。OurPlanet-TV によって、マスメディアで取り上げられない問題や地域で活動する NPO が、広く世界に発信されることを期待したい。
掲載:2005/03/25 文:三輪浩章(特定非営利活動法人 日本 NPO センター)

2 回マイクロソフト NPO 支援プログラム 助成案件

世界職人連携 e-marketplace 構築プロジェクト
(特定非営利活動法人 北海道職人義塾大學校)

不登校児童生徒支援のための野外活動プロジェクト
(特定非営利活動法人 寺子屋方丈舎)

IT 技術を活用した、医療者、出産・育児にかかわる女性、出産育児ローカルグループのインタラクティブなネットワーク構築事業
(優しいお産のネットワーク REBORN)

未来世代を巻き込んだ 「集落Web」 と 「身近な自然マップ」 による地域づくりプロジェクト
(特定非営利活動法人 びわこ豊穣の郷)

屋久島発 「ぼく・わたしの‘Myバッグ・Myはし’を使って!」 プロジェクト
(特定非営利活動法人 屋久島エコ・フェスタ)

メディア・カフェ (パブリック・メディアの拠点づくり)
(OurPlanet−TV)

病児デイケアステーション 「フローレンス」 設立プロジェクト
(特定非営利活動法人 フローレンス)

Copyright (C) : Japan NPO Center 2001-2005           このサイトの情報・写真・カット等の転載を禁じます。

 

ご注意:
この(Leave-ms)リンク先は、マイクロソフトにて管理されていないサーバーです。ハイパーリンク表示文字列またはイメージをクリックする前に、マイクロソフトのホームページ以外へジャンプすることをご了承ねがいます。

マイクロソフトの社会貢献活動に関するお問い合わせ先 : jpgiving@microsoft.com


**
目次
**