「情報セキュリティ政策会議」(議長:内閣官房長官)は、「セキュア・ジャパン 2006」に基づいて、毎年 2 月 2 日を、「情報セキュリティの日」として定めています。「内閣官房情報セキュリティセンター」(NISC)、および関係省庁は、2 月 2 日を中心にさまざまなセキュリティ啓発活動を行い、政府機関を始めとして、他の関係機関・団体の協力の下に、国民各層の幅広い参加を得た、情報セキュリティ強化に向けた取り組みを、集中的に推進することを呼びかけています。
こうした情報セキュリティ強化に向けた取り組みの一環として、政府機関を始め、さまざまな立場の企業や団体が、今年も「みんなで『情報セキュリティ』強化宣言!2008」の活動に取り組んでいます。この活動は、昨年の「みんなで『情報セキュリティ』強化宣言!2007」に続いて、今年で 2 年目を迎えるものです。2 月を強化月間として、多くの企業や団体が手を携え、コミュニティを形成し、安心・安全な IT 環境を実現するための幅広い啓発活動に取り組んでいます。
「みんなで『情報セキュリティ』強化宣言!2008」の活動開始にあたり、1 月 31 日、都内のホテルで記者発表会が開催され、今年の取り組みを力強く宣言しました。昨年の「みんなで『情報セキュリティ』強化宣言!2007」には 73 の企業・団体が参加しましたが、今年の「みんなで『情報セキュリティ』強化宣言!2008」には 172 の企業・団体が参加し、昨年を上回る連携を実現しています。

| 複雑化する情報セキュリティのポイント | |
| 問われる企業の社会的責任 | |
| パートナー企業とともに取り組む必要性 | |
| ISP 各社とコラボレートして取り組みを強化 | |
| 情報セキュリティへの取り組みを強化、日本社会に貢献 | |
| 「サイバークリーンセンター」でボットウイルス対策を強化 | |
| 子供たちに安心・安全なインターネット環境を |
「現在、情報セキュリティの課題を考える時に、以下の 3 つのことに留意しなければならないと考えています。一番目は『セキュリティ対策の複雑化』です。これまでは、セキュリティというと、ウイルス対策ソフトウェアを入れておけば良い、というような単純な切り口で考えられてきましたが、現在では非常に多くの切り口を考えなければならなくなっています。現在のセキュリティ対策は複雑化しており、横断的なセキュリティ活動が求められています。また、二番目は『利用者の広がり』です。インターネット利用者は子供から老齢者まで広がっており、新たな利用者、特に IT の知識を持たない利用者が増加しています。安心・安全をテーマにした活動の必要性が生じています。三番目は『セキュリティ意識が高まらない』という問題です。専門家以外はセキュリティをほとんど意識していないのが実情です。そこで、セキュリティ対策だけでなく、セキュリティ文化というアプローチが必要になっています。今年の活動は、以上のような背景の下に取り組まれています」

「先日、内閣府が『インターネット利用に関する調査』を発表しました。その調査結果によれば、45% の人々がインターネット利用に不安を感じています。これは、非常に高い割合の人々がインターネット利用に不安を感じている、ということを示す、深刻な結果だと受け止めています。しかし、不安を感じる人が少なければ良い、というように安易に考えることもできないと思っています。実際、インターネット上にはさまざまな脅威が存在するのに、その脅威を意識することができず、その結果、不安を感じない人々がいるとすれば、それは大きな問題です。インターネット上の脅威をしっかり意識し、脅威に対して不安を感じ、そして、正しいセキュリティ対策の知識を身に付けていただきたいと考えています。PC やインターネットは便利な道具ですが、正しい知識を身に付けて利用しなくてはなりません。今年は、7 月に洞爺湖サミットが予定されており、国民の方々の環境に対する意識が徐々に高まっていますが、環境だけでなく、情報セキュリティについても、国民の方々に意識を高めていただきたいと思います。そのために、民間の企業も CSR(企業の社会的責任)の観点から、取り組みを強化していただきたいと思います」

「大成建設株式会社は、ユーザー企業の立場から、“みんなで『情報セキュリティ』強化宣言!2008”の活動に賛同し、事務局メンバーを務めています。現在、IT は企業の経営や事業のために、なくてはならないインフラになっています。インフラが停止すれば、企業の経営や事業はストップしてしまいます。それくらい、企業活動にとって IT は重要性を増しているのです。しかし、企業活動に IT を活用するためには、正しい知識が欠かせません。IT には、ビジネスのスピード向上、品質向上、生産性向上、管理コスト削減、イメージアップといったメリットがある反面、情報資産への侵入と破壊、データ改ざん、不正アクセスによる犯罪、情報漏えい、人的エラーによる過失、なりすましなど、さまざまなリスクがともなうのが現実です。ですから、リスク コントロールを徹底し、こうしたリスクをしっかり管理することによって、IT のメリットを享受していく必要があります。また、建設業界だけでなく、どの業界でも同じだと思いますが、企業は 1 社だけで事業を推進していくことはできません。多くのパートナー企業と共に事業を推進していく必要があります。当然、情報セキュリティの問題も、1 社だけで取り組んでいくのではなく、多くのパートナー企業と共に取り組んでいく必要があると考えています」

「NEC ビッグローブ株式会社は、一般消費者向け ISP(インターネット サービス プロバイダ)の立場から、“みんなで『情報セキュリティ』強化宣言!2008”の活動に賛同し、事務局メンバーを務めています。お客様に対しては、安心・安全なサービスをご提供できるよう、社員一丸となって努力しています。また、私自身、10 年ほど前から『テレコム・アイザック推進会議』の設立に関わってきました。そこでも私は、高邁なコラボレーションから、健全な競争が生まれる、ということを申し上げてきました。情報セキュリティの問題については、ISP 各社がコラボレートして、取り組みを強化していく必要があると考えています。私は 9・11 テロの後に、軍事アナリストの小川和久さんとともに、米国にインターネット セキュリティの調査に行きました。9・11 テロの後、米国では、インターネットセキュリティ対策が大幅に強化されていましたが、残念ながら、DoS 攻撃やボットウイルスなど、インターネット上の脅威はますます増加していました。今後、当社は ISP 各社とコラボレートするだけでなく、お客様に対する働きかけも含めて、インターネット上の脅威に対抗する取り組みを強化していきます」

「マイクロソフト株式会社は、IT 企業の立場から、"みんなで『情報セキュリティ』強化宣言!2008" の活動に賛同し、事務局メンバーを務めています。今後の日本社会を考える上で、IT の活用は欠かせない課題です。日本の社会は、人口問題など、多くの課題を抱えており、それらの課題を解決するためには、IT の活用による生産性の向上が欠かせません。
マイクロソフトでは、IT 活用によるワーク スタイルとライフ スタイルのブレイク スルーを、日本のお客様にご提供する『Plan-J』という取り組みを強化していますが、そこでは情報セキュリティへの取り組みが非常に重要です。マイクロソフトは、情報セキュリティへの取り組みを、以下の 3 つの柱で行っています。一番目は、Windows Vista® や Windows Server® 2008 に代表される『テクノロジ』の提供です。また、二番目は、それらのテクノロジの活用方法を、お客様にお知らせする『ガイダンス』の提供です。そして、三番目は、政府機関、同業・異業種の民間企業、NGO や NPO などの市民団体との『パートナーシップ』の強化です。こうした枠組みでの取り組みの例として、Winny を通じて感染するマルウェアの駆除ツールの開発や、電子政府のルート証明書への対応への協力などが挙げられます。また、日本の中小企業は、情報セキュリティへの対応が遅れており、IT を十分に活用できていません。当社独自の調査では、日本のユーザーが、世界で最も IT を活用していないという結果も出ています。今後、日本の社会をより豊かな社会にしていくためにも、IT の活用は重要であり、そこにおけるマイクロソフトの責任は重大です。マイクロソフトは最善を尽くして、情報セキュリティへの取り組みを強化し、日本の社会に貢献していきます」

「最近のウイルスは、一昔前の愉快犯的なウイルスとは異なり、犯罪性・危険度の高いものが多くなっています。その代表例がボットウイルスです。ボットウイルスは、マルウェアの総合デパートのようなもので、感染した PC を、まさにロボットのように自由にコントロールし、情報収集し、攻撃を加えます。セキュリティ対策を施していない PC をインターネットに接続した場合、およそ 4〜5 分で感染するという調査結果が出ています。また、1 日に 100 種類くらいの新種が見つかっています。当然、これらの新種に対して有効な駆除ツールはありません。仮に、ある PC をスキャンしたら、ボットウイルスが 1 個検出されたとします。その場合、その PC には約 200 個のボットウイルスが潜んでいるという調査結果もあります。それくらい、駆除しにくいウイルスなのです。また、私たちがある PC を徹底的にスキャンし、ボットウイルスに感染したファイルを数えた所、18,000 個のファイルが感染していた、という最悪の例もあります。私たちの調査では、現在、インターネット上に飛び交う悪質なプログラムの約 8 割はボットウイルスで、国内では 40〜50 万台の PC がボットウイルスに感染している、という結果が出ています。こうしたボットウイルスの脅威から、自分の PC を守るための方法としては、ウイルス対策ソフトウェアを導入し、きちんと更新すること、Windows Update で、セキュリティ パッチを適用することなどが挙げられますが、『サイバークリーンセンター』の Web サイト
でも、無料のボット駆除ツールを配布しているので、万一感染した場合、ダウンロードして活用していただきたいと思います」

「今回、“みんなで『情報セキュリティ』強化宣言!2008”のキャラクターとして、『なめ猫』を採用していただきました。この『なめ猫』は、1980 年代にキャラクターとして開発したものですが、現在でも人気があり、約 50 社のメーカーさんから、約 250 アイテムの商品が発売されています。こうした息の長い人気に、我ながら驚いています。振り返ってみると、ちょうど最初の『なめ猫』を商品化した頃に、IBM PC が発売され、初期のウイルスが発見されていること、そして、今回、キャラクターとして採用していただいた、ということに深い感慨を覚えます。また、ボットウイルスを始めとする、現在のインターネット上の脅威については、私自身、恐怖感を覚えます。特に、最近では、子供たちがインターネットを頻繁に利用するようになっており、安心・安全なインターネット環境を子供たちに与えるのは、親である大人たちの責任だと思います。インターネット上にはさまざまな脅威が存在しますが、子供に対して、ただ『ダメ』と言うだけでなく、なぜ『ダメ』なのかを、しっかり説明する必要があります。社会のモラルの問題として、情報セキュリティを考えていく必要があると思います」
