Japan Community Leaders Roundtable

Bill Gates がやってきた

2月25日火曜日午後6時15分、ホテルニューオータニ東京・暁の間に現れたビル・ゲイツ。目的は、マイクロソフト製品を使い続け、知り尽くしているユーザーと話すためでした。今回ビルが会うユーザー6名は、日本を代表するユーザーグループのリーダーであり、優秀な技術者であり、マイクロソフトにとってご意見番的存在であるMVP(Most Valuable Professional)のメンバーです。日本のマイクロソフトを支えている代表的なコミュニティリーダーの言葉をビル自身の耳で聞き、心を通わせたい。そんな思いから、この「Japan Community Leaders Roundtable」が実現しました。

文字通りひとつの座を囲んで、ざっくばらんに思いのたけを語り合った1時間。普段の“ロッキング-小刻みに動く癖”もどこへやら、身を乗り出して熱心に話を聞きつづけたというビル・ゲイツとコミュニティリーダーとの間でどんな言葉が交わされたのか、その全容を余すところなくリポートします。

*

マイクロソフトMVP(Most Valuable Professional)プログラムとは、世界中のテクニカル・コミュニティの中で、テクノロジーとコミュニティに対してすばらしい情熱をささげている個人を表彰するワールドワイドなプログラムです。

すでに英語圏のテクニカルコミュニティで活躍されている方の中ではMVPになられている方もいますが、日本では2002年の7月よりノミネーションが開始されました。

トピック
イベントの参加者イベントの参加者
「 VB をなくさないで」 - いきなり核心に迫る言葉で幕をあけた。「 VB をなくさないで」 - いきなり核心に迫る言葉で幕をあけた。
「マイクロソフトが本来もっている“フレンドリーさ”を日本にも」 - ビルは大きな約束をした「マイクロソフトが本来もっている“フレンドリーさ”を日本にも」 - ビルは大きな約束をした
「高性能だけにやりづらい」 - 技術者の本音にマイクロソフトは応えられるか?「高性能だけにやりづらい」 - 技術者の本音にマイクロソフトは応えられるか?
「私たちに力を貸してください」 - ビルがコミュニティに期待するもの「私たちに力を貸してください」 - ビルがコミュニティに期待するもの
編集後記編集後記

イベントの参加者

参加者

左上から
古橋寛仁さん(VBUG)、江藤潔さん(VBUG)、
VBUGのはっぴを着て喜ぶビル・ゲイツ
(マイクロソフト会長・チーフソフトウェアアーキテクト) 、
小川貢さん(PASSJ)、河端善博さん(PASSJ)、
渡邊誠人さん(JWNTUG)、山本謙次さん(JWNTUG)

その他マイクロソフト側から

阿多親市 マイクロソフト株式会社代表取締役社長

古川享 マイクロソフト本社副社長

ワリード アブ-ハドバ (マイクロソフトPSSアジアパシフィック・ジャパン ジェネラル・マネージャー)

瀬戸口靜美 (マイクロソフトグローバルテクニカルサポートセンター センター長)

沼口繁 (マイクロソフトアジアリミテッド サービス戦略企画室カスタマーサービス企画部グループシニアマネージャ・司会)

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「 VB をなくさないで」 - いきなり核心に迫る言葉で幕をあけた。

沼口:本日はみなさんお忙しい中、Community Leaders Roundtable のためにお時間をお作りいただきまして本当にありがとうございます。是非この機会を通して、ビルに日本のユーザーグループの活動を知って帰ってもらいたいと思いますので、よろしくお願いいたします。まず、みなさんのユーザーグループとご自身のことを自己紹介していただければと思います。では、最初にVisual Basic Users Group Japanの方からお願いします。

江藤:
Visual Basic Users Group の会長をやっている江藤と申します。隣が、副会長をやっている古橋と申します。よろしくお願いします。

会員の人数は1600名弱です。私自身は1991年の年末からVisual Basic を使ってきました。製品のほうは Visual Basic .NET に名前が変わりましたが、ユーザーグループはこれからもVisual Basicのままで行こうと思っているのですけど、どうですかね?(笑) 今日は、ちょっとしたプレゼントを用意しました。VBUGJのカンバッヂと、あと、はっぴ。(笑) こういうノリで我々はずっとグループとしてやっています。是非今後とも、支援いただければと思っております。

沼口:
写真がないと、誰も信じてくれない・・・(笑)

江藤:
我々としてはBasicが今後なくならないことを祈っています。(笑)

BillG :
私たちは、いろんなプログラミング言語が持っているそれぞれの特長というものをもっと生かさなければならないと思っています。もちろん、様々な言語で共通のランタイムを使えるようにするとか、 "Edit and Continue" のように、ある言語の優れた点を他の言語でも使えるようにするといった方向も進めていますが、それぞれの言語がもっている持ち味とか、同じ言語での前のバージョンとの互換性や継続性も大変重視しています。Visual Basicについて言えば、 Visual Studio の次のバージョンでもっとVisual Basicとの互換性を強化します。これは私たちにとっても重要な課題です。スタンドアロンのVisual Basicも大切だし、Microsoft Officeの中や、サードパーティのアプリケーションの中でもプログラミングツールとしてVBは広く使われています。だから、Visual Basicというのは我々にとって最も普及していて、かつ最も重要な言語です。私たちもそうメッセージをもっとみなさんにお伝えしないといけないと考えています。これからも .NETにおいても色々な改良を加え、Visual Basicならではの優れた特長を次のバージョンで必ず生かすようにしたいと思っています。

VBUG (Visual Basic Users Group)

Visual Basic Users Group
1999年8月に発足したVBのユーザーグループ。.NETのベータ版を用いて作った掲示板を日本で初めて公開するなど、積極的に.NETの開発にも参加。(左から江藤さん、古橋さん)

古橋さんからビルへ一言 「またきてね」

江藤さんからビルへ一言 「VBなくならなくて安心しました」

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「マイクロソフトが本来もっている“フレンドリーさ”を日本にも」 - ビルは大きな約束をした

沼口:
では、写真の時間が非常に重要だということですので、(笑)どんどん進めて行きたいと思います。次は PASSJ―Professional Association of SQL Server Japan のみなさん、お願いします。

河端:
はい。SQL Serverのユーザーズグループの河端と申します。こちらに座っているのは一緒にやっております、小川と申します。よろしくお願いします。

(ユーザーグループの歴史年表を提示)PASSJの源流は、1995年にスタートしたWindows NTのユーザーズグループです。そこからさまざまなボランティアグループが派生し、2000年にこのPASSJが誕生しました。MSKK 1 のSQL Server担当プロダクトマネージャの方と一緒に、米国のSQL Serverユーザー会のPASSJのカンファレンスに行き、非常に刺激を受けまして、日本でもこのような規模できちっとユーザーグループをやっていきたいと思い、マイクロソフトさんと一緒に立ち上げたんです。現在は会員数が1万人を超えております。参加費は無料です。活動内容は主にWebサイトでの様々なテクニカル情報のコンテンツ提供です。それからメーリングリストを6つ運営しておりまして、セキュリティや開発、Webなどといった分科会に分かれて、情報を交換しております。掲示板も4つ提供しております。それからセミナーワークショップを約月1回のペースで開催しております。たいてい40〜50名から多いときには100名以上の規模になります。さらに年に1回大きなカンファレンスとして、1000名程度を目標に集まっていただきまして、その年のPASSJの総括としております。

(緊張のためか一瞬沈黙・・・)

沼口:
他に何かあります?もうリクエストしたいことに移ります?(笑)

河端:
はい。先日のGlobal MVP Summitにご招待いただいて、日本から行った10名のMVPメンバーが非常に刺激を受けて帰って来ました。日本とアメリカ、あるいは日本と英語圏のコミュニティには大きな差があると思います。英語圏では、マイクロソフトは非常にオープンでフレンドリーな会社だというイメージを持たれていると思います。カンファレンスに行っても、参加者たちは熱狂していますし、マイクロソフトのHQ 2の方々ともフランクにお話しできる印象があります。それが日本までなかなか伝わってこないんです。

実際Global MVP Summitに参加する前は、彼(編注:小川氏) も、一緒に行ったMVPたちも、私が「ビル ゲイツさんはこんな人だ」とか、「 スティーブ バルマーさんはこんなに気さくな人だ」といくら言っても全然信じてくれませんでした。しかし行ってみて初めて、マイクロソフトは技術をちゃんと我々コミュニティに伝えようとしてくれていること、あるいはマイクロソフトが私たちからのフィードバックを求めてくれていることを分かってくれた。そのような状況に日本を変えていきたいんです。

たとえば、ストリーミングやチャットでシアトルのメンバーとどんどんお話をする機会を増やしていただきたい。たとえば、我々はセミナーを月に一回、カンファレンスを年に一回行いますけれども、そこにテレビ会議方式で結構ですので、スティーブ バルマーさんやSQL Serverの開発担当者からちょっとしたメッセージをいただく、5分でもいいからディスカッションできる、というだけでも、グッとイメージが変わるかと思います。

Global MVP summit2003 
Global MVP summit2003

2月12日にマイクロソフト本社にて行われたMVPの祭典。その中で、ビル・ゲイツやスティーブ バルマーが出演するパロディ・プライベート・ビデオが公開されたらしい!是非見てみたいが、残念ながらパロディ元との権利関係の都合上、2度と公開できないとのこと。でもエグゼクティブが真剣にパロディ・ビデオで演技する「お茶目な一面」も、マイクロソフトの表情のひとつなのです。

スティーブ、サインして 
スティーブ、サインして!

Global MVP summit 2003で700人を超える世界のMVPたちにスティーブ バルマーが講演した時、「いいアイデアをこの場でくれた方に、サインさしあげます」と言って紙を探したはいいが、彼のポケットにあったのは1ドル札が数枚のみ。すると会場から「それでいいから、サインして!」と声があがり、みるみるうちに自分の1ドル札を差し出す人で溢れ返って、スティーブが困り果てたとの話も。今後彼に会う機会に恵まれた幸運な方は、是非1ドル札のご用意をお忘れなく。

BillG :
ストリーミングビデオについてもう少し教えてもらえますか?アメリカではかなり活発にWebでのストリーミングビデオを使っています。これを日本で使うにはどのような問題があるのでしょう。英語はネックになりますか?あるいは日本から質問ができないのが問題でしょうか、帯域の問題があるのでしょうか。アメリカではストリーミングを使っていますが、それが日本には届いていないということでしょうか?

沼口:
まず、一番最初に言語の問題があります。ストリーミングになってしまうとリアルタイムになりますので 3 、非常に日本人にとってはコミュニケーションが難しいということです。逆に静的なコンテンツの方が、辞書を引きながらでも何を話しているか理解できます。多くの日本人ユーザーにとっては、英語によるリアルタイムのストリーミングっていうのは、辛く、非常に障壁が高いものになります。

BillG :
コムデックス 4 のようなカンファレンスでの基調講演ではスクリプトもフォーマットもありますし、ストリーミングも用意しています。たとえば私のコムデックスでの基調講演に、日本語の字幕を付け加えて見ることはできないのでしょうか?

古川 :
いや、すべて見ることはできないかもしれませんね。

BillG:
字幕を付け加えるのはどのくらい大変なのでしょうか?たとえば、私のコムデックスでの基調講演に日本語の字幕を入れるというのは、いくらかの費用で可能ではないでしょうか。それほど大きな額は必要ないのではないでしょうか?

多分2つのポイントがあると思います。ひとつはコンテンツに字幕を付けること。もうひとつはインタラクティブにすること。1年間に10回ぐらいスピーチをして、字幕をつけるとすると……年間10回も私自身がやるわけにはいかないですね。(笑) 誰かが日本とのやりとりを私の代わりにやってくれるということは、あり得ると思います。私のスピーチを受けて、インタラクティブなやりとりは代わりに誰かにやってもらうというアイデアはどうですか?日本の他の企業では、そのようなビデオカンファレンスはよく使われていますか?

河端:
ちょうど我々のBIセミナー 5 が別の場所で行われていますので、そこで聞いてきました。そうすると、40人の参加者中、ストリーミングをビジネスで使ったことのある人は1人しかいませんでした。その人は社内のイントラネットで、ストリーミングによるeラーニングを構築している方でした。

大きな問題として、日本のマイクロソフトは、ストリーミングのためのスタジオを持っていません。そのため、ストリーミングのコンテンツを作ると言っても、そのたびにどこかに外注するという状況です。是非、日本にスタジオを作って欲しいですね。また、短くてもいいので、日本人に向けてのメッセージをシアトルから送るような機会をもっと増やして欲しい。もちろんビル・ゲイツさんのメッセージであればすごく嬉しいのですが、シアトルにいる非常に個性豊かな開発者、プロダクトマネージャたちの顔をどんどん見せていただくことで、日本のコミュニティは、マイクロソフトの本当の姿を理解できると思います。

BillG :
なるほど、やはり本社から発信するスピーチと、それを活用しながらカスタム化する作業をミックスする必要がありそうですね。そのスタジオを使ってインタラクティブに行うのに必要な費用はどの程度でしょうか。高いスタジオは必要ないと思いますが、どうでしょうか。申し訳ありません。今すぐには分かりませんが、きちんと調べて検討します。面白いアイデアですね。アメリカではアウトリーチ6 が、他の国よりも進んでいると言われています。その他の国の場合でも、英語を使っていただけるところは恩恵があるけども、そうでない国では英語の素材にアクセスをして、うまく活用していただく方法を、私たちももっと検討する必要がありますね。

沼口:
Global MVP Summitでは、唯一、日本語だけの同時通訳を基調講演の日に用意しました。逆に言うとそれがなければ、多分参加した方にとっては非常に辛い一日になるかと思いましたので、日本だけは同時通訳を用意しました。

BillG:
私のスピーチだけですか、それとも全部でしょうか?

沼口:
全部です。

BillG :
そうですか。同時通訳を用意して、10人来ていただいたわけですね。皆さんにそれで楽しんでいただけたなら、次回は20人来ていただけるかもしれないし……(笑) では、日本からの参加者向けに特別セッションをやりましょう。もし100人揃えば、特別セッションをやりますよ。

(参加者全員から歓声が上がる)

PASSJ (Professional Association of SQL Server Japan)

Professional Association of SQL Server Japan
SQL serverに関する日本初のユーザー組織。データベース管理者や開発者を対象に、様々な学習の場を提供している。
(左から小川さん、河端さん)

河端さんからビルへ一言
「私達はマイクロソフトがオープンでフレンドリーな会社だってことを知ってる。今まで寂しかったよ」
小川さんからビルへ一言
「MVPプログラムありがとう!なくさないでね」

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「高性能だけにやりづらい」 - 技術者の本音にマイクロソフトは応えられるか?

沼口: じゃあ次に、Japan Windows NT Users Group に移りたいと思います。

渡邊: Japan Windows NT Users Group ()のイベントリーダーをやっています渡邊といいます。

山本: 山本と申します、はじめまして。

渡邊: 略して JWNTUG(ジャンタグ)と呼んでますけど、皆様と同じように、メーリングリストとWebでの情報の公開、またはその共有を主な活動内容としています。週に一回マイクロソフト製品に限らずWindowsの情報を会員に流しています。春と秋に日本でMSCというイベントが行われるんですけれども...

沼口: マイクロソフト・カンファレンス(編注:マイクロソフト株式会社が主催するカンファレンス)ですね。

渡邊: そこでオープントークという形で、ジャンタグの会員とマイクロソフト社員の方のふれあいというか、会合の場を設けています。そこでマイクロソフトと意見交換、またジャンタグ会員同士の意見交換を行っています。

沼口: 現在の会員数は何名ですか?

渡邊: 会の人数は今1万6千人をオーバーしたところです。

沼口: ちょっと緊張されているみたいですね...では、先ほどお聞きした今の日本のマーケットでのマイクロソフトに対するリクエストをお願いします。

渡邊: そうですね、オープントークの中で出てきた話で一番多かった話としては、マイクロソフトの製品はデフォルトですごく使いやすくて高性能な製品なんですけれども、入れてそのまま使えてしまうために、他社のデータベース製品やUNIXのように、製品を導入するときのカスタマイズとか、入れたあとのチューニング費用がかかるわけではないため、周辺のビジネスが成り立ちにくいと思われるんです。それで、導入するときにSQL Serverと他社製品を比べて、周辺で利益に繋がりそうなほうを顧客に勧めてしまう...その後のビジネスを考えると、SQL Serverを入れたいけど入れられない、っていうことになってしまうんですよ。

BillG :それは奇妙な状況ですね。というのは、それはどうすればいいのか、なかなか何とも言えないですよね。

小川: それでは、ちょっとフォローアップさせてください。彼の話ですけれども、自動でソフトウェアのチューニングができたり、インストール後すぐに使えるといったモデルはそのまま残しつつ、私たちシステム・インテグレータとしては、チューニングする余地を残していただきたい。その上でマイクロソフトには、チューニングするための情報を開示していただきたい。それによって、チューニングビジネスのような、他社製品と同様のビジネスが成り立ちやすくなって、システム・インテグレータがマイクロソフト製品を提案しやすくなると思います。

SQL Serverについて言えば、他社製品と比較すると何もかも自動でできてしまうので、変な話ですが「おもちゃ」にしか見えない。確かに製品の能力に関してはポテンシャルも高いものを持っていますが、実際にデータベースを扱っている人たちからするとその辺が歯がゆくて、導入を躊躇する現実が実際のところあります。

BillG :確かに私たちも、コマンドラインでの操作性を、もっと改善したいと思っています。実はすでにコマンドラインという考え方を拡張したものを開発中で……。

[編注:残念ながら、ここの部分は開発中の機能のお話なので、まだWebでご覧の皆さんにはお知らせできません。本当に残念なんですけど]

DBAの方々に気に入っていただけると思っています。一方、オートチューニングももっと高度化しますよ。もっとビジュアル化して、インテリジェントにする努力を続けています。

余談になりますが、次のSQL Serverでは今までのSQLのやり方に加えて、XMLのネイティブなフォーマット、それからオブジェクト指向の見方も提供します。3つとも要望の多い機能ですが、人々は3つとも望んでいるわけです。どれが最も普及するかがわかりませんし、どういうケースでどれが効率がいいかについても未知数です。そのため次期バージョンの Yukonでは、すべてを収納するということを考えています。ファイルもメールもディレクトリもSQL Serverに格納するという、かなり複雑で意欲的なものになります。そのため、運用の負担を軽くするためにも、自動的に管理できる部分はできるだけ自動化して差し上げたいわけです。

小川: システムインテグレータにとって、他社製品でのビジネスにおいては、エンドユーザーである顧客に対してチューニングを行っていることを見せやすい。よって、高い報酬を得やすい仕組みができている。SQL Serverは、オートチューニングの状態がブラックボックスなので、いくら勉強しても、素人とプロフェッショナルの間の差があまりない。つまり、SQL Serverのプロフェッショナルに対してお金を払うという意識がユーザーに育ちにくいという、皮肉な状況があります。ひとつのソリューションとしては、たとえばオートチューニングがどういうポリシーで、どういうフェーズで行われてるのかという情報を提供していただければ、我々はお客様のところへ行って「こういう状態だから、こういうオートチューニングをやってるんで、SQL Serverは正しいんだよ」とアドバイスできて、きちんと対価を支払っていただけるんです。でももし我々が「SQL Serverがだいたいうまくやっています」と言うと、怒られるわけです。「お前に金を出しても仕方ない」と。「マイクロソフトに金を出した方がいいじゃないか」という話になってしまう。そこの差だと思います。

BillG :なるほど、私たちももっと透明性を高めることができると思います。今でもツールはありますけれども、まだまだ努力する余地があるかもしれませんね。

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「私たちに力を貸してください」 - ビルがコミュニティに期待するもの

沼口:わかりました。大変短い時間ですので、皆さんもっとお話したいことがあると思うのですが、今回のユーザーグループ3つのお話をお聞きになり、総括してビルさんからコメントをいただきたいと思います。また、日本のコミュニティに期待するものというものもあれば、是非この場でお話を伺えればと思います。

BillG : 最初に、私たちの製品を支援していただいていることに感謝いたします。私たちにとっても、素晴らしい関係を結ぶことができて嬉しく思います。私たちは、開発の優先順位を決める上でも、また我々の製品のメッセージを広めていただくためにも、もっとみなさんのようなコミュニティ活動に対してご支援と投資をさせていただかなければならないと思っています。

私たちマイクロソフトは低価格大量販売の会社です。お客様に潤沢なコストを提供いただき、十分な人員を時間を投入するという方法ももちろんあります。しかし私たちのやり方は違うのです。私たちには、お客様に特別なコストの負担を強いることなく製品の情報をお伝えする方法が必要です。メーリングリストやディスカッショングループなど、色々なコンサルティングを草の根活動的に展開する必要性があります。そこで、テクノロジーに関する情報を、お客様に幅広くご提供することが戦略の鍵になると考えています。お客様が、どういったことに関心を持っていらっしゃるかを理解しなければならない。そのため私たちはコミュニティ活動を行っているみなさんとの協力関係を、もっともっとうまく築かなければなりません。

ある意味ではLinuxは色々とうまくやっているので、そこから学ぶこともできると思います。また、我々の方が彼らよりももっと優れている点もあるわけです。今はストリーミングビデオを十分に使っていないかもしれません。コミュニティ・ユーザー・インターフェースや、時間の無駄遣いをさせてしまうSPAMのようなものをフィルタリングすることにも、もっと改善が必要です。そのために技術も時間も費やして改善を加えていきたいと考えておりますし、皆様方のフィードバックもお願いしたいのです。

日本はユーザーグループの活動には向いている国だと思います。うまく展開することができれば、今の4倍か5倍くらいの規模になりうる。それを実現するために私たちも努力しなければならないと強く思います。また、残念ながら私たちマイクロソフトは、企業としてはよく理解されているとは言いがたい。こういう状況を是正しなければならない。私たちのエネルギーや活力やイノベーションや変化に対する姿勢を、もっと伝えていかなければならない。協力してできることはこれからまだまだあると思いますので、色々なことを試してみたいと思います。日本でうまくいく方法を見つけるべく、チャレンジするつもりです。

沼口:本日は本当にありがとうございました。

時間を見ながらやっておりましたので、本日マイクロソフト側より出席している人間の紹介をしておりませんでした。ここで改めて弊社側の出席者をご紹介します。まず、Billの隣にっているのは、本社副社長の古川です。その隣に座っているのが日本のマイクロソフト株式会社の社長であります阿多でございます。こちらに座っておりますのが、PSSアジアパシフィック・ジャパンのジェネラル・マネージャーをしているワリード、さらに向こうが、グローバルテクニカルサポートセンターの瀬戸口でございます。 最後に私、沼口が本日の議長をさせていただきました。それでは、お時間もちょうどいいと思いますので、重要なエビデンス(証拠残し)にうつりたいと思います(笑)。是非よろしくお願いします。

JWNTUG(Japan Windows NT Users Group)

Japan Windows NT Users Group
日本最大のWindows NTユーザーグループ。年に2回、マイクロソフト社員とのフリートークイベントを開催している。
(左から渡邊さん、山本さん)

渡邊さんからビルへ一言
「コーラばっか飲んでるんじゃない!」
山本さんからビルへ一言
「今度はどこかのステージで熱く歌い踊ってください」

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編集後記

こうして、日本で初めて開催されたビルとのRound Tableは終わりました。場を後にするビルに、沼口さんが「Did you enjoy?」と質問を投げたところ、「Sure!」という晴れやかな笑顔が返ってきたそうです。

人と人が顔を合わせて繋がることによって、よりよい製品がうまれていく。マイクロソフトは今後もコミュニティの発展に力をそそいでいきます。その一環として、 MVPプログラムの日本語サイトを近日公開し、日本人MVP誕生に向けて情報を提供していきます。100人集まれば、ビル・ゲイツの日本人向け特別セッションが実現する!請うご期待です。

1マイクロソフト株式会社
2Headquarters=マイクロソフト本社を指す
3通常のストリーミング・ビデオであれば、見たい時に見る、というものですが、ここではWebCastやNetMeetingのような双方向のコミュニケーションツールを指します
4アメリカで開催される世界最大規模のハイテク見本市
5PASSJが開催したビジネス・インテリジェンスセミナー
6裾野の市民活動

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