2003 年 8 月 7 日、横浜のインターコンチネンタルホテルにて、日本人 MVP の皆さんとマイクロソフトスタッフが一堂に会した マイクロソフト MVP Night が開催されました。2002 年から本格始動した日本の MVP プログラムの歴史において、今回が最初の大規模な日本向け MVP イベントだったのですが、ゲームあり、笑いありで大盛況となりました。
今回はそんな MVP Night の模様をリポートしつつ、マイクロソフトの MVP Program に向けた取り組みや、 MVP の皆さんの本音に、ぐっと迫ってみたいと思います!
| MVP プログラムってどんなもの? | |
| そして MVP たちの熱い夜がはじまった | |
| MVP の声 | |
| おわりに |
まだまだ世間では耳慣れない言葉である「MVP」という言葉。その歴史や概要について、マイクロソフトの MVP プログラムを担当している沼口さんにご登場いただき、素朴な疑問をぶつけてみました
Question | 沼口さん、本日はお忙しいところありがとうございます。さて、沼口さんはマイクロソフト株式会社の中で、日本の IT コミュニティと MVP プログラムについて最も精通していると聞きました。根本的な質問ですが、ずばり! MVP プログラムってどういうものなんでしょうか? |
沼口 | MVP とは「 Most Valuable Professional 」の略で、高い技術力を保持し、オンラインコミュニティなどで技術の啓蒙に尽力している在野の個人に対して授与するアワードです。日本のIT技術向上のためのリーダー的存在であり、かつマイクロソフト製品を熟知し、製品に関する様々な情報の普及へ尽力して下さっている方に贈られます。 このプログラム自体は、 1993 年に誕生したものです。当時CompuServe 上にあったマイクロソフトフォーラムにおいて、技術的なボランティアとして活躍するユーザーを MVP として表彰したのが始まりでした。最初はアメリカ国内だけで行われていたものだったのです 特にパソコン初心者の方を対象にしたというこのセキュリティ対策情報サイト、 4 月 25 日のサイトオープン以来、関係者の予想をはるかに上回るアクセスをいただいています。 紆余曲折あり、 1999 年 10 月に一度、マイクロソフトは MVP プログラムの廃止を発表しました。しかしこの直後、多くの MVP からプログラム存続を求める声が上がり、廃止発表後1週間で MVP プログラムは復活したのです。この件を機に、 MVP プログラムはアメリカ国内に留まらず、ワールドワイドなプログラムへと変貌を遂げることになりました。 |
Question | 日本での取り組みが始まったのはいつですか? |
沼口 | 1999 年に決定した、 MVP プログラムのグローバル化にともなって、日本でもすぐに準備が始まりましたが、かなり難航しました。というのも、 IT 関連のコミュニティというのが、各国それぞれ全く違った発達の仕方をしていたからです。日本には日本独自のコミュニティがありますから、その現状把握に約 3 年の月日を要し、 2002 年に日本人 MVP のノミネート開始までこぎつけることができました。現在では、約 60 人の日本人 MVP が誕生しています。 |
Question | MVP に選ばれることの特典は何ですか? |
沼口 | まず、 MSDN(Microsoft Developer Network:) が提供されます。これによって、開発に必要な全てのマイクロソフト製品が入手可能となり、付随する仕様書やテクニカルサポートなども受けられます。 そして、日本のマイクロソフト技術者と直接コミュニケーションがとれることはもちろん、年に一度シアトルで行われる Global MVP Summit に参加することで、 HQ (編者注:マイクロソフト本社)で働くコアデベロッパーと交流することも可能になります。 今年2月に行われたビル ゲイツと日本のコミュニティリーダーによるラウンドテーブルのように、トップエグゼクティブと膝を交える場も提供されます。 もちろん、コアデベロッパーやアメリカ人 MVP 達のニュースグループへ参加し、オンラインで日常的に技術開発の核心に迫る議論をすることも可能です。実際、アメリカ人MVPの中には、マイクロソフトのデベロッパーとともに、α版から製品開発に携わる人もいるのです。アメリカでは、 MVP であることが社会的にも賞賛される称号として認知されている現状があります。日本でも今後、 MVP という称号が誇るべき賞となっていくものと思っています。 |
なるほど。グローバルな展開をしている MVP という賞を受けることは、世界の技術者達と交流する窓口にもなる可能性も秘めているのですね。これからの IT 業界を在野にいながらリードしていく MVP の皆さんには、大きな期待が寄せられているようです。実際に MVP となられた皆さんは、どんな思いをもっているのか?そんな本音を、 “MVP Night” に潜入してお伺いしてきました。
2003 年 8 月 7 日午後 6 時 30 分、横浜の海を見下ろすコンチネンタルホテルにて日本初の MVP Night は始まりました。続々と会場入りする MVP の皆さんの手には、揃いの特製ポロシャツと謎の紙が。「つい先日お前はクビだ!と言われてしまったマイクロソフト社員は誰?」と、のっけからキワドイ質問がびっしりと書き込まれた紙を手に、集まった MVP メンバーの方々も驚きを隠せない様子。どうやらこの紙の正体は、質問に該当する人々のサインを集め、正答率を競うゲームのようで、会が始まる前からスタッフを質問攻めにする参加者も。
開始前から不思議な盛り上がりを見せる MVP Night は、マイクロソフトテクニカルサポートセンター・センター長である瀬戸口靜美の「 MVP を family と呼べる存在に」という挨拶から始まりました。その後、ユーザーグループ PASSJ の中心的存在である MVP の河端さんによる乾杯を合図に、スタッフと MVP が渾然一体となった歓談が始まりました。その影で前出の沼口さんによる MVP の概略紹介がありましたが、会場の方々は質問の答え探しに夢中です。ゲームの優勝者として VBUG を主催する MVP の江藤さんの名が呼ばれ、マイクロソフト PSS アジアパシフィック・ジャパン ジェネラルマネージャのワリード アブ−ハドバによる感謝の辞が述べられる頃には、参加者の盛り上がりで会場の温度が数度上がったように感じられるほどでした。
今回の MVP Nightは、マイクロソフトスタッフと MVP の皆さんの距離をぐっと縮めたに違いありません。その成果の程は、最後に取った記念写真を見ていただければお分かりになるはず! )

PASSJ が主催する BI (ビジネス・インテリジェンスセミナー)で 1 年間ボードリーダーをさせていただいていた関係で、 2003 年の 4 月に MVP へノミネートを受けました。高いレベルの技術を持った方達が名を連ねる MVP となったことで、収集できる情報の幅も大きく広ったので、技術者として力を伸ばすチャンスだと思っています。その一方で、技術的なエキスパートの方々とは一味違った視点で、自分なりの活動ができたらとも思っています。
今回私が MVP アワードを頂いたことは、会社の上司にも報告しました。アメリカでは、会社の公式サイトに MVP アワードのロゴを貼るところも多いようですが、日本ではまだまだそういったところは見かけません。しかし、私のMVP受賞は会社にとっても大きな名誉ととらえられたようで、「これからもどんどん MVP としての活動をしてほしい」と激励されました。
今回の MVP Night でも思ったことですが、ユーザーが想像している以上にマイクロソフトとの距離は近いのだと思います。MVP である私たちが間に入ることで、よりダイレクトでフレンドリーなコミュニケーションのとれるマイクロソフトの姿をユーザーに知らせていきたいと思っています

2002 年の 11 月に MVP へノミネートされました。日本からのノミネートとしては初代メンバーになります。技術系のメーリングリストを中心に、 IT コミュニティで活動しています。
とにかくプログラミングが大好きなのですが、日本の会社組織の中では、現場のプログラマとして活動するには年齢的な壁があります。私はどうしても現場を諦めたくはなかったので、小学生時代の友人と会社を設立したのです。しかし会社オーナーではありますが、経営は全て友人にまかせています。私は今でもプログラミング一筋です。プログラミングって、片手間で出来ることではないと思うんです。今回、そんな私の姿勢が認められ、 MVP にノミネートしていただいたことは、とても光栄に思います。沼口さん、ありがとう!
MVPになって、 IT のコミュニティで活躍されている人たちに知り合いがとても増えました。それに、ベータテストなどでマイクロソフトとじかに付き合えることは、非常にエキサイティングです。アメリカの開発者とも直接会話ができるし、プログラマとしてワールドワイドな活動ができることに、 MVP としてのやりがいを見出しています。
これからの MVP プログラムに望むことは、まず日本人 MVP のコミュニティをきちんと作って欲しい。まだ始まったばかりのプログラムですから、この点は今後の展開に大きく期待しています。そして、日本人 MVP の前に立ちはだかっている“言葉の壁”を越えさせて欲しい。私も頑張って英語の勉強をしますので、マイクロソフト発の情報をなるべく日本語化していただけるととても嬉しいです。これからの MVP プログラムに期待してます。頑張って下さい!

今までインドやハワイなどの海外を中心にエンジニアとして働いてきました。オンライン上では、「かおく( kaok )」という名前で活動しています。2003年7月に、 MVP になったばかりです。
今回 MVP という称号をいただきましたが、このプログラムに寄せる期待には大きなものがあります。まず何より、 MVP という賞が一目置かれるものであって欲しい。ハイスキルであることの証明となり、今後の日本IT業界をリードする存在となりうるようなバリューを持ってほしい。日本の企業文化の中では、コミュニティへの参加は必ずしも歓迎されるものではありません。しかし、技術者のスキル向上にとって、コミュニティでの情報交換は非常に役立つものです。 MVP の称号が普及することで、企業文化に技術者のコミュニティ活動を根付かせる礎となってほしいし、また、スキルに対する価値付けとなることで、技術者個々人の地位向上に役立つ賞となってほしいと思います。
世界に出たときにも通用するアワードとなるよう、このプログラムを育ててほしいです。
ついに日本で始まったMVP プログラムへの取り組みと、日本人 MVP 達の声。いかがでしたか?まだまだ課題も沢山ありますが、それを上回る大きな期待が寄せられているようです。 “言葉の壁”へのサポートも含め、様々な技術的トレーニングの場となるeラーニングの提供など、マイクロソフトの MVP プログラムは日々進化していきます。東京だけでなく、日本中で各分野のリーダーを交えたラウンドテーブルも開催していく予定です。今後の MVP プログラムの取り組みに、ご期待ください!