
いまは株式会社ヒューマンスカイという会社の代表を務めていますが、実はもともとビジネスの経験があったわけではないんです。1983 年から俳優活動をしていて、 1985 年に東芝日曜劇場のドラマで俳優デビューして以来、映画、テレビ、 CM 、ナレーションや司会など、いわゆる表現の仕事に携わってきました。けれど、俳優というのはなかなか食べられないんですよね。
俳優の仕事だけで食べていける人は実際はほんの一握りというか、ひとつまみ。それくらい競争が激しい世界の中で、私は副業を行っていたんです。それが大手化粧品メーカーのプロモーション販売でした。
デパートや量販店、ドラッグストアなどの専門店の前で、お客様を集めてプレゼンテーションをする。その時に「俳優の表現技法を使ったら、もっとお客様が集まるんじゃないかな」と思ったんです。
たとえばメリハリのあるセリフ回しや言い回し。感情を載せて臨場感を出したり、相手の心に訴えかけたり。最後にはモノローグ展開でお客様を惹き付けて、「これはお客様のためにある商品です。お客様が使わなかったら、私がここに来た意味がありません」ってクロージングしたんです。そうすると一気にダーっと、レジに行列ができたんですね。
その日を境に、俳優の仕事よりもプロモーションの仕事がびっしり詰まるようになりました。半年先の仕事まで詰まるようになって、その世界では売れっ子になってしまったんです。
でも私は 24 歳のころに九州から出てきて、化粧品を売るために出てきたわけじゃなかった。もう一度プレーヤーの道に集中していかなきゃと思っていたんですが、あるとき同じプロモーション販売をしている友人から、後輩の育成をしたらどうかと言われたんです。人を育てていけば、徐々にプロモーションの現場からも離れられるでしょう。そして好きな俳優の仕事もできる。それはいいなということで、その友人の会社に入ろうと思ったんですよ。
でもその後、その友人がちょっとしたトラブルに巻き込まれてしまって、それでいろいろと迷ったあげく、思い切って会社を立ち上げることにしたんです。それがいまの会社で、立ち上げと同時にパソコンを使い始め、もう 15 年ほどになりますね。



