
〜動画共有サイトからスクリーンキャストまで、注目トレンドを紹介
[2008年8月22日更新]

このApple's Eyeのコラム、マイクロソフト社のmactopiaの好意で書かせてもらっているのだが、どんなことを書けといったリクエストは特になく、「Macユーザーがよろこぶことなら何でも書いていいですよ」と自由に書かせてもらっている。ほとんどルールみたいなものもない。別にマイクロソフト社の製品に触れなければということもない。
裏を返せば、何かマイクロソフトの方で新しい動きがあっても、「これ」と教えてもらっているわけでもないので、たまに重大なニュースを見逃して紹介し忘れていることがある。
例えばもう1ヶ月も前のことだが、Microsoft Remote Desktop Connection Client for Macが新しくなりWindows Vistaに正式対応や新ユーザーインターフェース採用をしている。これについては次回、もう少ししっかりと紹介したい。
mactopiaからダウンロードできるソフトでいうと、Microsoft Office 2008 for Macにも8月13日に新しい更新プログラムが出た(Officeアプリケーションの起動時に、Microsoft AutoUpdateというソフトが知らせてくれたはずだ)。これは脆弱性問題の解決や最新郵便番号に対応したリリースだ。
Apple's Eyeに新しい記事が掲載されるたびに、多くのWebサイトがそのことを取り上げてくれるので(ありがとうございます!)、多くの人がこのコラムに直接アクセスしてくれていると思う。
でも、本コラムにお立ち寄りの際は、ぜひコラムをホストしているmactopia本体も覗いてみて欲しい。mactopiaのコンテンツは、このページ左側のサイドバーに列記されたものがすべてではない。
例えばこのページの上にも、「ダウンロード」をはじめとするいくつかのリンクがある。右端の「macmojoダイジェスト」というのが何だかご存知だろうか。
これはMicrosoft Office 2008 for macの開発者達によるブログの日本語版ダイジェストだ。最近、ちょっと更新が滞っているようだが、7月18日には「Excel 2008でソルバーが使えるようになるまであと少し」といった(一部の人だけにとってだが)有用な情報も書かれている[*1]。
「コミュニケーションの幅が広がる Messenger」というページはメッセンジャーの魅力を紹介したものだが、その右側に見慣れない絵が描かれていたのが気になった。「志賀匠×Office 2008」と書かれている。
志賀匠さんといえば小学生2人がくねくねと怪しい踊りを見せる任天堂DS用ゲーム小学館「正しい漢字かきとりくん」のCMなどでお馴染みのディレクター/CG作家。
なんと、その志賀匠さんがいつのまにかOffice 2008 for macのCMを作っていたのだ。こちらのリンクからその動画を見ることができる。

mactopiaのトップページに戻ると、「Office for Macチャンネルで学ぼう!」というのもある。なんだろうと思ってみて見ると、Podcast形式のOffice 2008のビデオチュートリアルなのだ。
実は今回のApple's Eyeのテーマ、何にするか悩んでいたのだが、この2つを見ていて「そうだ動画にしよう!」とひらめいた。
そういえばMac mojoでもPowerPointのデモムービー(英語)を紹介していた。
気がつくと、世の中はインターネット動画花盛りで、実におもしろい動画がそこかしこに広がっている。

インターネットで動画を見る場所というと、真っ先にYouTubeとニコニコ動画を思い浮かべる人が多い。
他にも高画質をウリにしたeyeVioやAskビデオなども有名で、海外ではvimeoやdailymotionといったサイトも人気が高い。

だが、なんといっても世界最大規模の動画共有サイトはYouTubeだ。
ここでは今や日本の全政党や英国王室までもがチャンネルを持ち動画情報を配信している。
待ち合わせなどの空き時間に、iPhoneでYouTubeを起動して、待ち合わせ場所の街の名前や周囲に見える会社の名前などを適当に打ち込んで検索をしてみると、関連動画が見つかって驚くことが多い。
何しろ今日、YouTubeにはわずか1分ほどの間に再生時間13時間分ほどの動画がアップロードされているというのだ。
ここまで紹介してきたサービスは、個人がアップロードする動画と大手企業や組織が提供する動画が渾然一体となっているが、これまでのテレビに近い形態、つまりオーソライズされた番組提供者が中心のサイトも多い。

マイクロソフト社だとmsnビデオがエンターテイメントやニュースといった多彩なコンテンツを配信している。Yahoo!動画はiPhoneからも視聴可能なコンテンツを豊富に提供している(iPhoneの場合はhttp://ipn.yahoo.co.jpからアクセス)。
もちろん、最近ではテレビ局も、それぞれのホームページにて動画を配信している。
こうしたWebブラウザ経由で見る動画に加え、専用のクライアントソフトを通して見る動画サービスもある。
Joostはすべて英語のサービスだが、「もしかしたら未来のテレビはこんな風になるのかもしれない」と思わせるすごいサービスだ。ぜひ一度、体験しておいて損はないだろう。

実際にはここで紹介した以外にも、Mac対応のもの、非対応のもの、対応予定のものなど、まだまだたくさん動画サービスがあり、そのいずれのサービスにもあなたの心に響くような動画が確実にいくつかは眠っているはずだ。
ただ、どんな動画が心に響くかは一人一人の趣味の問題になってきて、それらを一つ一つここでとりあげることはできない。
「Apple's Eyeの読者全員が関心を抱くような動画ってなんだろう?」と考えると、やはりMac関係の動画だろう。
というわけで、ここからはMac関係のお勧め動画をいくつか紹介して行きたい。
まずは本家本元、Macを作っているアップル社のホームページから。
実はアップル社の「Mac」の現在のホームページには「Macの基本操作」や「Macに移行する方法」、「MacでWindowsを使う」方法、「ワイヤレスの基本」、「ワイヤレスネットワークの設定」、「ワイヤレスプリントとバックアップ」、「写真のiPhotoへの取り込み」、「iTunesをジュークボックスとして使う」などMac入門用の多彩な動画コンテンツが用意されている。
この連載を読んでいる読者なら「当然すべて知っている」という人も多いかもしれないが、そんな人でも例えば家族や友人にMacの操作を聞かれたときに、このページの存在を覚えておくと便利だ。
同様にiPhone入門の動画もある。iPhoneをまだ持っていない人は、あまり見ない方がいいかもしれない。「iPhoneでどんなことができるか、どうやって操作できるかを知ること」はたいがいの場合、「iPhoneが欲しくなる」ことを意味しているからだ。
これに加えて、iPhone用アプリケーションの説明動画を用意してYouTubeなどに掲載している会社もある。こちらの「iPhonewiki」というページでは、ほんの一部だが、そうした動画をまとめている。他にも動画があることを知っている人、そしてWikiの編集の仕方を知っている人は、ぜひとも編集して追加して欲しい。

こうしたWebページの動画に加えておもしろいのが、ビデオPodcastの動画だ。ビデオPodcastは、わざわざWebページを見に行かないでも、iTunesに登録しておくと、自動的に最新番組がダウンロードされる。
最新番組をダウンロード後のパソコンにiPodやiPhoneをつないで、そのまま外出先で観られるものも多い(動画フォーマットによっては観られないことがある)。
最近、iTunesを見ると、このビデオPodcastで人気があるのがstation81.comによる「iPhoneショウ」。iPhone関係の最新ニュースや使い方のチップスなどバラエティー豊かな内容が詰まった10分ほどの不定期番組だ。
同じstation81.comによるMacの番組もある。「マック・チップ・ウィークリー」という週間番組で、こちらも同様にMac関係の最新の話題や、チップス、リスナーからの質問の答えなどを紹介している。
それにしても、これらのビデオPodcast番組、なんとかiPhoneで同期をし忘れた時でも観られないものだろうかと筆者は思っていたのだが、ついにその方法を発見した。
すべてのPodcastでできるわけではないが、このstation81.comではできるようなので、ここで紹介しておこう。
やり方はちょっと複雑だ。ビデオPodcastの実体はRSSと呼ばれるデータだ。
番組のRSSをiPhoneのSafariにブックマーク登録しておき、そこから観たい回のムービーを再生するようにすれば、わざわざ同期コピーしないでも半ストリーミング形式で番組が観られる。
「マック・チップ・ウィークリー」を例に説明しよう。
まずiTunesで見たいPodcastを見つけ、「ウェブサイト」と書かれたリンクをクリックする。すると、そのPodcastのWebページが表示される。(Step-1)
続いて観たいPodcastの番組ページを探す。「マック・チップ・ウィークリー」の場合はここ。
ここでSafariのアドレスバーに表示される「RSS」の文字をクリックすると、RSSのURLが表示される。(Step-2)
あとはこれをブックマーク登録してiPhoneのブックマークに同期するか、あるいはiPhoneのSafariに手入力すればOKだ。(Step-3)
iPhoneのSafariのRSSリーダー機能を使って、見たい番組を選び、ムービーのアイコンをクリックすれば再生できる。(Step-4,5,6)

ちなみに今回のApple's Eyeが動画の話なのでビデオPodcastを例に挙げているが、同じことはApple Tips、nobi-taro castといった音声Podcastも、実はこの方法で聞くことができる。

なお、ここではわかりやすい例として「マック・チップ・ウィークリー」のRSSを購読する方法を紹介したが、実は「マック・チップ・ウィークリー」は、このような面倒な操作をしないでも、iPhoneから簡単にコンテンツが見れるようにiPhone専用サイトをオープンした。iPhone/iPod touchユーザーは、ぜひそちらにアクセスするようにして欲しい。
上の方法は他のビデオPodcastにも応用可能なので、Mac関係以外のビデオPodcastをiPhoneで見たい人は、上の方法を参考に試してみよう。
ところで、アップル社公式ホームページの動画や「マック・チップ・ウィークリー」の動画を見て、あのようなパソコンの操作画面の動画はどうやったら撮れるのか気になっている人もいるだろう。
方法はいくつかある。
もっとも簡単なのは、専用ツールを使うことだ。
Snapz Pro Xというソフトが定番になっている。
それに加えて最近ではAlphaOmega Software社の「Screen Movie Recorder」[15ユーロ]や、TechSmith社の無料ソフト「Jing(ジング)」も人気が高い。

このようにパソコンの操作画面をキャプチャーして番組として配信することを、英語でスクリーンキャストと呼んでいる。米国では最新Webサービスの使い方などを紹介するスクリーンキャスト番組「demo girl」なども人気を集めている。
なお、Macで最高品質のスクリーンキャストをしたければ、とっておきのお勧めソフトがある。
Vara Software社の「ScreenFlow」だ。今年のApple社Design Awardで、「Best Mac OS X Leopard Graphics and Media Application」賞を受賞した後、「Best Mac OS X Leopard Application」も受賞してしまった今年1番注目のMac用ソフトなのだ。
どのようにすごいかは、それこそ同ソフトのスクリーンキャストを見て確認してみて欲しい。

[*1]:ソルバーとは、例えば「商品の売り上げを最大限にするには価格をいくらに設定すればいいのか」、「小売店で売り上げを最大限にするためには商品をどのようなバランスで仕入れたらいいのか」といった、要素によって変動する条件の中から最適な解を見つけ出すExcelの(線形計画)機能で、アメリカの一部のExcelユーザーからは非常に重宝されているが、これがOffice 2008 for macではなくなってしまった。しかし、ユーザーからのリクエストが多いので、遠からずExcel 2008でも利用可能になるということだ(今すぐ使いたい人にはExcel 2004の併用を勧めている)。
![]() | 林 信行 Nobuyuki Hayashi e-mail |