iusers

iUsers へ戻る | 過去の掲載コラム一覧へ

No.153 − Mac、iPod、携帯ガジェットで動画を楽しむ !

[2005 年 11 月 4 日 掲載]

■ 今、「動画」がおもしろい

ここのところ定期更新をキープしていた本連載ですが、先週中頃から体調がおかしくなり、1 週間延期とさせてもらいました。本連載を楽しみにしてくれていた読者の方々には、ご心配を、そしてご迷惑をおかけしました。9 月のパリ取材から帰国して以降、徐々に体調を崩し、先週になってそれが限界に達してしまったようです。10 月、11 月は、季節の変わり目、それに加えて年末商戦に向けた IT 業界系イベント、デザイン系イベント、新製品発表などが相次いで、日本全体が一気に忙しくなる季節。今月はそんな忙しい日々のつかの間の息抜きに最適な、動画クリップをテーマとしたお話をしたいと思います。

今、筆者は動画対応の新 iPod にハマっている。ついこの間、iPod nano を買ったばかりだというのに、我慢できずすぐに買ってしまった。
筆者にとって携帯型の動画プレーヤーは、これが初めてではない。携帯電話だって立派な動画プレーヤーだし、携帯型ゲーム機でも動画を楽しんできた (本稿の最後では、これらの機器への動画書き出しについても触れる) 。

でも、長続きしなかった。それが、新 iPod の登場で何かが変わった。
それが何なのかははっきりとわからない。もしかしたら片手で動画再生を楽しめるという気楽さなのかもしれない。
または、これまで見てきたコンテンツが間違っていて、数十分のテレビ番組や数時間の映画ではなく音楽クリップというコンテンツがモバイル視聴という携帯にピッタリだったということなのかもしれない。iPod video の登場にあわせて、一気におもしろい動画ビデオが出揃い始めてきたというタイミングの問題かもしれない。
最近、米国で話題になっている Revver という Web サイトや Google Video には素人が手作りしたおもしろビデオがゴロゴロしている (ただし、これらのビデオコンテンツは iPod には転送できない *1 ) 。
1 つ確実に重要なポイントは、iPod ビデオが容量 60GB の大容量ハードディスクを内蔵しており、最大 150 時間分のビデオを持ち歩けるというポイントだ。これによって筆者はわずか十数秒で終わるファミリービデオから、iTunes Music Store で購入した音楽ビデオ、気に入ったテレビ番組 (主にドキュメンタリー) を iPod に入れて持ち歩いている。
その数はすでに 200 本近くあるが、毎晩、増え続けている (寝ている間にエンコードしている) 。
この iPod を常に持ち歩き使ってみることで、どんなビデオが楽しいかもなんとなくわかってきた。やはり一番相性がいいのは音楽ビデオで、普段はポケットに入れて音だけ楽しむようにしているが、電車がすいている時や、ちょっとした待ち時間なんかは、ポケットから iPod を出して映像も楽しんでいる。
親戚にあった時にはファミリービデオを見せたくなるし、仕事仲間にあった時には、仕事に関係のあるテレビ番組を一緒に見たい。
Mac 仲間には、これまで十五年近い取材で撮り貯めてきた貴重な映像を、友達とはインターネットで見つけたおかしい映像クリップなどを楽しむ。
どんな映像クリップを入れているかは、そのままその人の個性も反映しているわけで、映像クリップそのものもさることながら、相手が iPod にどんな映像クリップを入れているかを観察するのもなかなか楽しいものだ (職業柄か宣伝して回ったからか、筆者のまわりではビデオ iPod を持っている人が多い) 。
パソコンで作った映像を人に見せる、というとこれまでにも iDVD があった。でも、iDVD は、メニュー画面を作り込んだりしていると、ついつい楽しくて時間がかかってしまう。おまけにそのあとに DVD を焼いて、この DVD をプレーヤーにセットしてもらって見る必要があった。
画質はまあまあきれいだけれど、なんだかちょっと面倒だ。
その点、新 iPod ならスクロールホイールで再生したいビデオを選んで選択ボタンを押すだけと、ほとんど手間いらずだ。
動画の準備にしたって、iMovie で編集したそのままの画像、いや、場合によってはデジタルカメラで撮影した未編集の画像を、iPod 形式に変換してコピーするだけですんでしまい、なんとも驚くほどお手軽なのだ。
おまけに鞄の中に忍ばせておいた AV ケーブル (別売り) を取り出してテレビにつないでみることもできる。DVD に比べると画質は劣るが、十分楽しめるレベルだ。320×240 ピクセルと聞いて画質が悪そうと思っていた人は、むしろ逆に驚いてしまうんじゃないだろうか。
最近ではビデオ版の Podcast も次々と始まっており、自分で動画コンテンツを持っていない人でも、次々と楽しい動画コンテンツが集まってくる。

Revver

■ iPod で動画を楽しもう

さて、せっかく iPod ビデオを買ったなら、まず楽しみたいのは音楽ビデオ。iTunes Music Store から 1 曲 300 円で買うことができる。買い方は曲の購入の方法と一緒で、いたって簡単。購入後ダウンロードがすんだら、すぐに iTunes で再生できる。そして次回 iPod を同期した時に自動的に転送される。
iTunes で売っている音楽ビデオは今のところ洋楽ばかりで、邦楽好きの人にはつまらないかもしれない。しかし、実は最近、iTunes Music Store で音楽をアルバム単位で購入するとおまけで音楽ビデオがついていることがある。(例えば Little Creature というバンドの「Night People」というアルバムなどがそうだ) 。実はこうしたアルバムのおまけの音楽ビデオもちゃんと iPod で楽しむことができる。
まだ数は少ないけれど、ぜひ探してみよう。
つづいて注目すべきはビデオ Podcast。すでにアップル関連の貴重な映像も見える「macTV Videocast (iPod Edition)」という番組が、かなりコンテンツも充実し、大人気となっているが、それに加え日本でも雑誌の「日経ビジネス」などいくつかの媒体が実験を始めている。
続いて楽しみたいのがテレビ番組だ。Mac には、いわゆるテレビパソコンモデルはないけれど、Mac でテレビを見たり録画したりするためのソリューションが、いくつかサードパーティーから発売されている。
アイオーデータ社の GV-1394TV シリーズ、エルガート社の EyeTV、ピクセラ社の CaptyTV シリーズなどがそうだ。
もっとも最初から iPod 形式で取り込むとパソコン上で見たときの画面も小さくなってしまう (それにどの製品も、今のところ iPod 形式での直接録画には対応していない) 。
まずは従来通りの方法で録画しておいて、お気に入りの箇所だけ iPod 形式で書き出すのが基本の使い方になりそうだ。
EyeTV では録画した番組を PSP 形式で書きだすのが一番簡単だ。
GV1394TV/M の場合は、番組を iMovie で録画した後、「ファイル」メニューの「共有」を選び、「QuickTime」形式を選び、ムービーの圧縮形式として「詳しい設定」を指定し「ムービーからiPod (320×240)」を選択すれば OK だ。これを行うと H.264 という高画質圧縮を使った「.m4v」というファイル形式に仕上がる。
これらの機器で録画した動画以外でも、とりあえず QuickTime プレーヤーで開けるものであれば、開いた後、「書き出し」>「ムービーから iPod (320×240)」を選択して同形式で書き出しできる。
CaptyTV は、ちょっとくせ者で、より少ない容量で、より高い画質を実現する MPEG-2 というファイルフォーマットを使っている。そのためそのままでは QuickTime Player で開くことができない (これは EyeTV も同じ) 。
この問題を解決してくれるのが MacLab. の「MPEG Exporter TNG -The Next Generation-」というソフトだ。
これはちょっと難解な ffmpegX という UNIX 用ソフトを通して、MPEG-2 のファイルを一度、QuickTime Player で処理可能な形式に変換し、その後、さらに QuickTime Player を使って目的のフォーマット (iPod 形式) に変換してくれる、というもの。つまり、このソフト自体が変換をするのではなく、ffmpeg と QuickTime Player という 2 つのソフトをうまく連携させ、面倒な処理を 1 度の操作で実現してくれるのだ (このため、このソフトの入手と同時に ffmpegX も入手する必要がある。
ビデオ対応の iPod を買ったらついでに一緒に買っておきたいのが、QuickTime Pro 版だ。これは Apple Store から 3,400 円で購入できる。買うのはソフトではなく、ライセンスコードと呼ばれる英字と数字の羅列で、これをシステム環境設定の「QuickTime」>「登録」に入力すると、QuickTime Player で、ファイル形式の変換 (書き出し) などの機能が使えるようになる。
アップル社などが配っているテレビ広告などの QuickTime ムービーファイルも、QuickTime Pro 版ならハードディスクに保存が可能で、これを後から QuickTime Player で iPod 用に「書き出し」、これを iTunes に登録すれば iPod で見られるようになる。
なお、どの QuickTime ムービーでも、「保存」や「書き出し」ができるわけではない。こうした利用を認めていない QuickTime ムービーもあり、そうしたムービーではこれらの操作ができなくなっている。
QuickTime Pro 版は、デジタルカメラで撮影した動画を iPod 形式に変換する場合などにも便利だ。拡張子が AVI で終わるものも含め、世のデジタルカメラの動画の大半は QuickTime Player で開き再生することができる。開いた状態で、「書き出し」を選べばいいのだ。
中には書き出したファイルの映像は見えるが音声が聞こえない、というケースがある。こういった場合は MPEG Exporter TNG を試してみるといいかもしれない。

■ 携帯電話やPSPでも動画を持ち歩こう

さて、ここまでは iPod を中心に解説をしてきたが、実は (第 3 世代) 携帯電話への書き出しも要領はほとんど一緒だ。ただし、これまで「ムービーから iPod」という項目を選んでいた代わりに「ムービーから 3G」という項目を選択する。

ここで NTTドコモ の FOMA か Vodafone 3G の場合は、「オプション」を押して「3GPP (Mobvile MP4)」を選択する。
au の「CDMA 1x」端末では「AMC (EZムービー)」を、「CDMA 1x WIN」端末の場合は「3GPP2 (EZ ムービー)」を選択する。
こうして書き出した動画をフラッシュメモリーの所定の位置にコピーすれば再生できるはずだ。ただし、中には厳重なコンテンツ保護機能を用意して、単にコピーしたのでは再生できないケースがあるので、このあたりは端末ごとのマニュアルを参照して欲しい。
なお、そういった場合、数秒程度のクリップならメールで転送するという手もある。ただし、動画はデータ量が大きいので、パケット定額制プランに入っていない場合はやめておいた方が懸命だろう。
一方、携帯型ゲーム機の PSP に動画を転送したい場合には、iPSP (RnSK Softronics社/19.99 ドル) や PSPware (Nullriver社/15 ドル) というソフトがある。
どちらも iPod にとっての iTunes にあたるようなソフトだ。説明はすべて英語だが、そんなに難しいソフトではない。
最近、PSP 用のメモリースティック Duo もかなり安くなってきており、1GB 程度のものなら比較的気軽に購入できる。
iPod のように何でも持ち歩く、というわけにはいかないが、ぜひとも人に見せたい厳選した映像クリップを入れておいても損はないはずだ。

上述の方法でテレビなどから取り込んだ動画を楽しむことは個人の私的利用の範囲でのみ許されています。
取り込んだ動画を他の人との間で、授受することは、著作権違反になる可能性もあるので注意してください。

(*1)
Google Video に投稿されたおもしろいビデオコンテンツは、「Google Video Blog」などで見ることができる。

前回、「オールド iPod の第 2 の人生を考える」という記事を書いた。その後、東京ビッグサイトで開かれた「WPC EXPO 2005」で、まさにそれにうってつけの商品を発見した。漫画家でコラムニストやテレビのコメンテーターもしているいしかわじゅんさんに教えていただいた、米 Atech Flash Technologies 社の「iLounge」という製品だ。

なんと iPod の差し込みが可能なトイレットペーパーホルダーになっている。決してふざけて作った製品ではなく、トイレや (トイレと同室になっている) お風呂/シャワーで音楽を楽しもうというコンセプトの製品。これならトイレットペーパーが切れることはあっても、音楽が切れることはなさそうだ。

 アップル社は前回の記事の後、1 つで CPU 2 つ分の性能を発揮するデュアルコア CPU を採用した新型 Power Mac G5 と画面解像度とバッテリー動作時間を向上させた新型 PowerBook G4 を発表した。
 また、米国ではこれにあわせてプロのカメラマンをターゲットにした「Aperture」というソフトも発表している。最近の高級デジカメには必ず RAW フォーマットという CCD で取り込んだデータそのままのファイルフォーマットが用意されている (JPEG 画像はこれを少し劣化させて圧縮したもの) 。RAW 形式の写真の処理は負荷が大きく、これまであまりちゃんとしたソリューションがなかったが、アップルは Mac OS X の先進グラフィック機能を最大限に活用して、これを作ってしまった。どんなソフトかは米アップル社の公式サイトで確認してみて欲しい。

過去の掲載コラム一覧へ