
[2006年11月17日更新]
前回の記事ではIntel Core 2 Duo搭載のMacBook Proを通して、アップルの魅力を再確認してみた。あれから2週間ちょっとの間に、アップルはIntel Core 2 Duoを搭載したコンシューマーノート型機、MacBookも発表した。
新しいMacBookは、最新CPUを搭載しながら、製品の外観も、大きさも、重さもこれまで通り。速度は25%速くなっているが、それ以外には大きな変化が見当たらない。実はこのあたりも、これまでの製品で正しかったんだ、というアップルの自信の表れなのかもしれない。
飴のような光沢のある白いMacBookも、つや消しの利いた落ち着いた黒のMacBookもどちらも暖かみがあり、家族や友達との絆も深めるデジタルライフスタイルの演出にピッタリ、という印象だ。
もっとも、目を凝らしてよく見てみると、CPUが64ビット対応のIntel Core 2 Duoだったり、上位2モデルではメモリが標準で1GBとなり、SuperDriveも2層書き込みに対応と、満足度がさらにアップした仕様で、厳しいパソコン冬の商戦でも際立ったバリューを提示している。
なお、Intel Core 2 Duo搭載で、魅力が倍増したMacBookおよびMacBookProシリーズを見て、Macをこれから新たに始めようという人は、ぜひとも期間限定のMicrosoft Office 2004の特別セット販売も検討してみよう。通常価格より25%、1万2450円も安く購入することができる。特に学生や学校関係者の人には強くお勧めしたい。定価4万9800円の製品が、アカデミック・ディスカウントと25%ディスカウントを組み合わせることで定価の半額以下の1万7100円で購入できるのだ。
では、新MacBook Proは、この大事な光を無下に取り去ってしまったのだろうか?
ところで、前回の記事で、最近Macをあまり持ち歩いておらず、持ち歩いてもすぐに預けてしまうという話を書いた。今回はその当たりを、もう少し深く掘り下げて紹介したい。
最近、形が気に入って買った鞄が手提げオンリーの1ウェイバッグだった。しかし、同仕様の他のノート型との比較では軽いとはいえ、やっぱりMacBookでも重いことは重い。というわけで、最近では、Macを家に置いて出ることが増えてきた。
また、持って出てもコインロッカーやクロークを見つけると、すぐに鞄ごと預けてしまうことが多い。
最近では、美術館はもちろん、デパートでも、大きな本屋さんでも、スーパーでもコインロッカーを備えているところが多い(しかも、その多くは帰る時にコインが戻ってくる仕組みだ)。これから寒くなり、羽織るものも増えてくる。コートと一緒に荷物も預けてしまえば、どこへいっても快適に過ごすことができる。
荷物を預けた後、持ち歩くのはサイフ、携帯電話、iPod、そしてときどきメモ帳だ。
日常から切り離された美術館でリフレッシュしたくても、手に重たいMacBookを持っていたのでは、なかなかゆったりとリラックスもできない。預けてしまった方が、はるかにくつろいで楽しむことができる。
下手にパソコンを持ち歩いてしまったことで、リフレッシュに訪れた美術館でも、汗を流しに来た公園でも、友達とゆったりと過ごすはずだったカフェでも、さらには帰りがけの電車のホームでも、仕事ができてしまって、かえって不自由な思いをもたらしかねない。
いつ急用が入ってくるかわからない、という人も多いだろう。でも、ゆっくりくつろいでいる時には、急用とはいえ、完全な対応をする必要はないと思う。
「とりあえず、今、すぐには対応できないから」と応急処置の対応で済まし、帰宅するまでの時間、ゆっくりと考え、それから対応するくらいの方が具合がいいことが多い。
もっとも、そうは言いながら、筆者もパソコン依存度が高い人間なので、「どこへ行くにもパソコンがないと不安」という気持ちもわかる。
また、せわしない日本では、そうした理想とは裏腹に、それでもどうしても「1時間起きにメールをチェックしなければならない」、「同僚にすぐに要件を伝えなければならない」ということがあるのも理解している。
だが、最近では携帯電話などが進歩したおかげで、本当はそんなにあっちこっちにパソコンを持ち歩かないでも、さほど不自由をすることがないことが体験としてもわかってきた。
今回はMacを持ち歩かずに、日頃、Macで使っている通信環境やデータだけを持ち歩く方法について紹介したい。題して「Macを持ち歩かずにモバイルする」だ。

まずは、今、多くの人にとって、もっとも重要な電子メールをどうするかから紹介しよう。
急ぎのメールが送られてくることがあらかじめわかっている場合は、相手にその日は出かける用事があるので、要件を携帯電話の電子メールアドレスにも送るように伝えておく手がある。
携帯電話のメールアドレスに送られて来た電子メールなら、受信時に着信音がなったり、バイブレーターが作動するのですぐに反応できるので便利だ。
おまけに最近のビジネス利用を想定した高機能携帯電話なら、Officeの書類やPDF形式の書類も表示させることができる(自分の携帯電話が対応しているかどうかを試すには簡単なWordやExcelの書類を送ってみて試してみよう)。こうしたやりとりを頻繁に行う場合でも、パケット定額プランに入っていれば、通信料を心配する必要がなくなる。

受けとった書類を見て、何か指示を出すときは、一度、指示すべき箇所をメモ帳に書き落としてから電話をする。
どうしてもじっくり書類を見ながら話をしたい場合には、メールや添付書類をFAXして紙に打ち出す。近くのコンビニエンスストアを探して(GPS内蔵の携帯電話なら、この検索も簡単に行える)、クロネコ@ファックスというサービスを使って取り出せばいい。もっとも、出力にかかるお金は1枚100円以上。さらにExcelの表では横向きに印刷したい表が縦に印刷されてしまう(その分、ページ数が無駄に増えてしまう)ことも多いので、よほどのことがない限り、携帯上で済ませた方がいい。
さて、それではパソコンのメールアドレスに送られて来たメールはどうしたらいいのだろう。
実は携帯電話でもパソコンのメールアドレスに届いたメールをチェックできるサービスがいくつかある。
携帯キャリアに関わらず、ネットワークサービスのメニュー画面から「コミュニケーション」、「メール」、「ツール」といったキーワードを頼りに探してみると、携帯電話を使ってパソコン用メールをチェックするサービスがいくつか表示されるはずだ。
筆者もこうしたサービスをいくつか試してみたが、「リモートメール」というサービスが一番機能が充実していると思って、このサービスを使い続けている。

たとえば携帯電話は、家庭のADSLや光ファイバーに比べて通信速度が遅いが、大量メールを受信しても負担にならないように、まずはメールのタイトルだけを受信し表示、その後、選んだメールだけ中身を表示する仕組みになっている。
一般的なPOP3形式に加え、.macのメールなどが採用している先進的なIMAP4形式のメールサーバーにも対応している。
メールに対して書いた返事を、自動的に自分宛に送信してくれる機能や、一度、読んだメールは隠して表示しなくする機能など、受信したメールに対して、簡単に仕分けフィルタを設定する機能、後で参照しやすいようにメモとして保存する機能など、使い込むほどに便利に感じる機能がたくさん用意されている。
おまけにクロネコ@ファックスサービスを使ってコンビニのFAXにプリントアウトする機能も標準で備えている。
さすがにVPNという接続方法で社内ネットワークにつながないと見られないような電子メールは、見ることができないが、そうでもない限りほとんどの電子メールは、こうしたサービスで対処できるはずだ。

海外にいる仕事のパートナーに急いで何かの確認をとる必要がある。こんな場合、あなたはどうするだろう。国際電話をかける手もあるが、もし相手がWindows Live Messengerを使っていれば、携帯電話を使ってチャットができるかもしれない。
マイクロソフトはNTTドコモの901s/902iシリーズ及び多くのau、CDMA 1x WIN端末に対応した携帯電話版Windows Live Messengerの提供を開始している。
Windows機用のWindows Live Messengerはもちろん、Mac用のMicrosoft messenger for Macとも文字による会話が可能だ。パケット定額サービスに入っていれば通信料を気にする必要もない。
一度に複数の人と同時にチャットすることも可能になっている。
インスタントメッセンジャーは、遠くの友人と電車やバスで移動しながら会話をする手段としても有効だ。送信や受信といったステップがなくなる分、気楽に話をすることができる。
なお、ソフトバンクモバイルの携帯電話に対応したWindows Live Messengerはまだないが、代わりにYahoo! Messengerを利用することができる。
パソコン依存度の高い人は、パソコンを持っていないと、何かが気になった時に、すぐにインターネット検索ができないと不安を感じるかもしれない。
ところが、最近ではインターネット検索も携帯電話の重要な標準機能として用意されている。おまけにサービスによっては、携帯電話向けコンテンツのみならず、一般のWebサイト(パソコン用Webサイト)の検索結果を表示してくれるものもある。パソコン用検索結果を選択すると、ちゃんと携帯電話の画面にフォーマットを変換して表示してくれる。画面が狭いため、情報がいくつかに分割されるので、パソコンと比べるともどかしいところはあるが、さして不自由はしないはずだ(ただし、図などは割愛されることがある)。

それではパソコン用に作られたWebページ、たとえば今から行くお店の地図が描かれたWebページを見る場合にはどうしたらいいか。ビジネス指向の高性能携帯電話の多くは、フルブラウザ(PCサイトビューア、PCサイトブラウザと同義)を備えており、パソコン用に作られたWebページでも確認することができるようになっている。
中には外出先で、Webページを読むだけじゃなくって書きたい、という人もいるかもしれないが、こちらも心配ない。
今日では多くのブログサービスが、携帯電話からのメールによる記事投稿に対応しているし、mixiやGreeといったソーシャルネットワークサービスも携帯電話を使った記事の閲覧や書き込みに対応している。
人気写真共有サービスのFlickr.comも、携帯電話を使ってメールを投稿できる。
最近ではパソコンに入力した予定表やアドレス帳に依存している人も少なくないだろう。
しかし、こうしたデータも携帯電話で持ち出すことができる。携帯万能 for Macや携帯Sync for Macといったソフトを用いればMac上のアドレスデータや予定データを、比較的簡単に携帯電話に移すことができる(持っている携帯電話のモデルによって、どういったデータを編集できるかが異なる)。

携帯電話には携帯電話なりのアドレス帳仕様があるため、どちらの製品も携帯電話の仕様にあわせた独自のアドレス帳機能を搭載している。ただし、Mac OS X付属のアドレスブックからデータを読み込む機能などが用意されているので、これを用いてパソコン上のアドレス情報を転送できる(Entourageを使っている場合は、シンクサービス機能(「環境設定」で呼び出す)を使って、Entourageとアドレスブックを同期させた上で使えば、メーカーの保証の限りではないが、一応、データの移行ができる)。予定表についても同様で、iCalのデータを取り込むことができる(Entourageの予定はシンクサービスを使って、iCal経由で移行する)。

なお、携帯万能や携帯Syncを持っていなくても、iPodを持っていればMac OS X標準機能(やEntourageの標準機能)だけで、簡単に予定表やアドレス帳のデータを同期して持ち歩くことができる。
液晶画面のないshuffleは当然対象外だが、携帯電話の数分の1の薄さのiPod nanoでも予定を持ち歩けるのはうれしいかぎりだ(ちなみにEntourageに入力した予定は「Entourage」という名前のカレンダーとして表示される)。
このように今日では最新の第3世代携帯電話とパケット定額性プランを併用していれば、Mac無しで外出してもほとんど困ることがない。もちろん、送られて来た書類を大画面で快適に確認したり、注釈を書き込んだりすることはできないが、代わりに要件を電話やメールで伝えればよい。
ただ、こうした外出先での応急処置を頻繁にする必要がある人や、外回りをしていることが多い人の中には「やっぱり携帯電話では物足りない」と思う人も出てくるだろう。
実はこうした人達のために、最近ではスマートフォンと呼ばれる製品が増えて来ている。
PDA的な機能を備えた、ビジネス指向の携帯電話のことだ。
具体的にはNTTドコモが「htc Z」、ソフトバンクが「X01HT」そしてPHS事業者のウィルコムが「W-ZERO3」、「W-ZERO3[es]」という製品を出しており、それぞれ話題を呼んでいる。
上記の機種は、いずれもWindows MobileというPDA用のOSを搭載し、小さいながらもキーボードを備えている。このため通常の携帯電話に比べ文字入力もしやすい。
またInternet Explorerなどパソコン同様のWebブラウザや、簡易版のMicrosoft WordやExcelも付属する。このため書類をただ開いて見るだけではなく、編集することも可能になっている。
単体ではMacと同期する機能はないが、これらのスマートフォンをMacと同期するMissing Sync for Windows Mobileという製品がある。日本語版のEntourageとの同期が保証対象外であることなど、不安な面もあるにはあるが、Macを使って、これらスマートフォン用のアプリケーションをインストールしたり、スマートフォン上で保存した書類を取り出したりといったこともできる。
ここまではビジネスの話が中心だったが、デジタルライフスタイルについてはどうだろう。
アップル社は、Macでのデジタルライフスタイルの重要性を唱っており、実際に多くのMacユーザーがMacにお気に入りの音楽や、家族や友人と撮った思い出の写真をため込んでいる。
駅でバッタリあった同窓生とお茶をし、喫茶店に入る。「実はこの間、〜〜と会ってね」と思い出話で盛り上がり、「そう言えば写真があるんだ」と思い立つ。だが、その日はMacを家に置いて出て来てしまった。
最近では、こうした思い出の写真も携帯電話のカメラ機能で撮っていることが多いので、困らずに済むことも多いが、たまたまその写真に限ってデジタルカメラで写真を撮っていた場合は、あきらめるしかないのか!?
実はこういった時に持っているとうれしいのがiPodだ。iPod nanoやiPodは、ご存知の通り音楽だけでなく、iPhotoに取り込んだ写真もすべて同期して持ち歩くことができる。
しかも、iPodでは、目的の写真を見つけるのがものすごく早い。アルバムを切り替えて表示できることもあるが、写真そのものの表示速度が圧倒的に速いからだ。
もしかしたら携帯電話内蔵のカメラで撮影した写真も携帯万能/携帯Sync経由でiPhotoに同期し、iPodで探した方が早く見つかるかもしれない。
もちろん、iPodではiTunesに取り込んだお気に入りの音楽も持ち歩くことができる。
さらにシンクサービス経由で同期したアドレスブック、iCalそしてEntourageのアドレス、予定表のデータも持ち歩け、これらの情報もホイールを使って素早く検索できる。
携帯電話とiPodの両方を持ち歩き、うまく使いこなせば、外出先でMacが必要になる機会は少なくとも半分以下に減らせるはずだ。
MacBookやMacBook Proは、見た目にも美しいし、積極的に持ち歩いて見せびらかしたいマシンかもしれない。でも、無理をして必要のないところにまで持っていくのではなく、本当に必要な時にもったいぶって持っていく。これくらいの関係がいいんじゃないかと最近、思い始めている。
アップルという会社のハードやソフト製品を見ても、何から何まで、すべてパソコンで済ませてしまうというオール・パソコン主義ではなく、むしろふだんは少しパソコンと距離を置くくらいの関係性を描いて製品を設計しているように思えてならず、そこがまたこの会社の製品の魅力なのではないかと感じている。みなさんはいかがだろうか。
(*)
そもそもの発端は鞄選びだった。Macは好きだけれど、なんだか「いかにもパソコンを持ち歩いています」という鞄はちょっといやだと常々思っていた。何か自分の気に入る、いい形の鞄はないか。ずっと、そう思って探していた、今年の春頃、ようやく「これかもしれない」という鞄と出会った。
やや横長のワイドな形がそう思わせるのか、あまりパソコンを入れて持ち歩く鞄には見えなかった。私が鞄を買う時に、いつも気になるのが裏地だが、この裏地の部分の柄も悪くなく気に入った。それでも数時間は悩んだ。展示品限りの最後の一点で、多少、表面に傷がついているのも気になった。
結局、その日は、「今日は一度、帰ろう。次に来た時に、まだ売り切れていなかったら買おう」と決めて帰宅した。
その週の週末、同じ店に足を運ぶと、その一点がまだ私のことを待っていた。
こうなったら決断に時間は不要。「これも運命」と、顔なじみとなった店員に購入の意思を伝えた。
実はこれまでは利便性を優先させて、2ウェイ、3ウェイのバッグを持つことがあった。
手持ちもできれば、肩掛けもでき、リュックとして背負うこともできるタイプだ。
でも、鞄屋を見ていると、やはりかっこいいのは、使い方を絞り込んだ1ウエイのバッグがかっこいいという気がしてしかたがない。