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No.188 - 今からなら、まだ間に合う

何かがありそうなWWDC 2007
[2007427日更新]

WWDC2007

■年に1度の恒例イベント

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6月11日、米国サンフランシスコで、アップル社が毎年開催しているWorldwide Developers Conference(WWDC)がスタートする。まだ1ヶ月半先のことではあるが、もしかしたら本コラムの読者の中にも、WWDCに行くべき人がいるかもしれない。そこで今回は、このWWDCがどんなイベントかをさまざまな角度から振り返ってみたい。

できるだけ開発者でない人でも楽しめるように配慮したつもりなので、楽しんでもらえれば幸いだ。

■WWDC、今年は6月11日に開催

WWDCは1月のMACWORLD EXPO/SAN FRANCISCOと並ぶ、アップル社の2大イベントの1つだ。

その名の通り、世界中からMacのDeveloper―つまり開発者―が集まってくる。

今年後半にMicrosoft Office 2008 for Macを出荷予定のマイクロソフトの人達も来れば、最近、Photoshop CS3シリーズを発表したアドビ社の人達も参加するが、参加するのは大企業ばかりではない。

社員十数人の小さなベンチャーの開発社も参加すれば、フリーウェアやシェアウェアを開発する個人の開発者も参加する。

さらにMacを組織で使っている企業のIT担当者や、Macで研究を行っている研究者や学生など、参加者の裾野はかなり幅広い。

最近、ITmediaのニュースでインタビューしたアップル社Worldwide Developer Relation部門の副社長、ロン・オカモト氏は、同イベントをこう説明する

「Macでビジネスをするほとんどすべての人が、世界中からサンフランシスコに集まってくる1週間」

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■世界のMac開発者が集結

昨年は44カ国から参加者が集まった。

日本からの参加者も大勢いる。世界に名だたる大手メーカーから、通信会社、Macショップでよく見かける周辺機器のメーカー、ソフトウェアメーカー、企業や学校機関にMacを導入しているコンサルティング会社、そしてフリーウェア/シェアウェア作者……。

毎年、WWDCの前日に行われる日本人参加者向けのパーティーには、ホテルの中型ホールを埋め尽くすほどの人が集まる。名刺交換をしながら話を聞くと、Macと全然無縁そうな会社の人だったり、Mac対応製品がぜんぜんなさそうな会社の人達もいたりして驚く。そこでくわしく話を聞いてみると「やはりアップルの動向は無視できない」といった理由や、「実は製品は出していないけれど、社内でMacを使っている」だとか、これまた多彩な理由が聞けておもしろい。

「他社との差別化をし、競争力をつけるために、Mac市場に参入しようと思って」と、はじめてWWDCに参加する人の声も、毎年2〜3人から聞くことができる。

Windowsのみ対応か、Mac/Windowsの両対応かは、一流製品か否かの境界線。海外でも大手ソフトメーカーの製品にはたいていMac版がある。

■WWDC 2007のテーマ1:Leopard

さて、それではWWDCとはどんなイベントなのだろう。MACWORLD EXPO同様、WWDCは基調講演で始まる。まだアナウンスはないが、たいてい、この基調講演は共同設立者で、最高経営責任者のスティーブ・ジョブズ氏自らが行う。ただし、昨年はジョブズとともに3人のほかの重役も壇上に登った。

基調講演では、開発者がもっとも注目すべきアップル社の最新動向や、それに対するビジョンの紹介がある。

一昨年はインテル移行が最大のテーマだった。昨年はこのインテル移行に加えて、次期Mac OS Xの「Leopard」の紹介があった。

今年は何がテーマとなるのだろう。

さきほどのロン・オカモト副社長によれば、今年は3つのポイントに注力しているという。

1つめは、もちろん、Leopardだ。先頃、リリース時期が秋まで延期された次期OS ― 昨年はTOP SECRETとして、機能の一部しか紹介しなかったが、今年の講演ではその全貌が明らかになる可能性が高い。

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■WWDC 2007のテーマ2:他OSの開発者

2つめは、Mac市場に新規参入する開発者のサポートで、オカモト氏はWWDCに1週間参加するだけで、とりあえずMacの基礎がわかるようになるという。

最近、世界のさまざまな地域でMacの人気が急上昇している。これを受けて、Mac用ソフトの開発に興味を示す開発者が増えつつある。

アップル社は今年になってから世界各地で開発者向けのセミナーを開いたが、参加者の3分の1ほどは、これまでLinuxやUNIX、Windowsといった他のOSのプログラマーだったという。

そこでニーズの高まりに応えて、WWDCの初日には、Mac市場新規参入開発者向けの特別セッションを用意する。

■WWDC 2007のテーマ3:コンテンツ制作

3つ目は、コンテンツの制作と配布だ。アップル製品は、メディアの制作にも使われ、消費にも使われる。気がつけばFinal Cut StudioからiTunes、iPod、Apple TVそして新しいiPhoneまで、制作と消費の両方の環境がとても充実してきた。そこで、WWDCでは、コンテンツの製作や流通方法に関するセッションも行うという。

同じQuickTimeムービーでも、アップル社のWebページに上がっているもの(たとえば映画の予告編)は特別に画質がきれいだが、今後、WWDCに参加した会社のコンテンツは、あれに近い品質の映像が期待できるわけで、これは期待が持てる。

■WWDCはセッションだけではない

WWDCのメインは百数十個あるセッションだ。Moscone Westという建物にある会議室で、Leopard関係だけで130ものセッションが行われる。

初日はLeopardの機能の概要や、どうしてそういった機能があるのかといった説明が行われるはずだが、日が経つにつれ深い部分の解説に入っていき、どういう風にプログラミングすればその機能が使えるとか、どうやったら間違いといったディープな話になっていく。

あなたが開発者で、開発中のプログラムに関する質問があれば、講演者を講演終了後に捕まえて直接質問したり、要望を述べることもできる。

こうしたアップル社員との直接の交流は、こういう場でないとなかなかない。

今年はまだ予定が発表されていないが、毎年、WWDCの中頃にはCampus Beer bashというイベントが行われる。アップル本社の(かなり広い)中庭を使っての大きなパーティーだ。ビールを飲み、いい音楽を聴きながら、アップル本社の社員達と語り合うことができる。

■出会いがあってこそのWWDC

WWDCで語り合っておもしろいのは、アップル社員だけではない。

筆者はこの会議を通して、DragThing作者のJames Thomson氏、PathFinderの作者のSteve Gehrman氏、Sandvox作者のDan Wood氏、視覚障害者/調学障害者向けソリューションを開発しているAssistiveware社のDavid Niemeijer氏といった素晴らしい友人を得た。スコットランドのグラスゴーからサンタモニカ、サンフランシスコ、アムステルダムと住むところもバラバラながら、彼らはMacのことだけでなく人生についてもいろいろ語り合う大事な親友になっている。

いつもチャットでは話しているが、実際にあうのは年に1度だけ。それだけにWWDCは重要なイベントだ。

これと同じように海外の有名シェアウェアの作者と、その日本語版を作っている人、大型ソフトを作っている人とそのプラグインを作っている人、競合製品を作っている人も、みんな集まって、同じ屋根の下で、アップルの最新事情や自らのプライベートなことなどを話し合っている。

そうした話し合いから新しいソフトや、新しいビジネス展開が生まれることも多い。

WWDCは、語らいの場。素晴らしい、新しい出会いがなければ、来る魅力は半減だ。参加する開発者の方々は、1人きりになったり、同じ仲間とばかり話していないで、ぜひ積極的に交友の輪を広げて欲しい。

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■人の交流こそが明日を作り出す

WWDCには、毎年、豪華なゲストスピーカーも登場する。

以前、「Web 2.0」という言葉を生み出したティム・オ・ライリー氏が登場したこともある。彼はWWDCに参加する開発者を前に「Macの開発者はギーク(オタク)はギークでも、アルファギークだ」と言い放った。

アルファとは何頭かの犬に一頭の割合で生まれるリーダーの素質を持った犬。

PCTV-hiwasaにはもう1つ、自宅にMacが複数台ある場合に便利な、おもしろい機能がある。電波状態のいい場所にあるMacにPCTV-hiwasaを接続し、他のMacから無線LAN経由で放送中の番組や録画済みの番組を楽しむことができるのだ。これならおもしろい番組の放送時間と移動時間がぶつかっても、録り逃す心配がない。

世の中の流れを追うのではなく、自ら新しい潮流を作り出せるギークという意味で使っていた。

WWDCでは、そういうアルファな開発者が集まり、お互いのアイディアやインスピレーションを開発しながら、アイディアをトッピングしていくさまをよく見かける。

すでにMacビジネスを営んできた開発者はもちろん、これからMacのビジネスに新規参入する開発者にも、Macの導入を考えている組織の人々にも、ぜひ参加して欲しいと思う。

筆者が特に参加して欲しいのは、若い学生エンジニアや、社会に出たてのエンジニア達だ。

アメリカ西海岸を代表するコンピューターメーカー、アップルの開発者会議では、ソフトウェア産業の中心地、シリコンバレーの文化が凝縮されている。

世界の優秀なデベロッパー達がどのように交流し、どのように考え、どのように開発しているのかを体験できることは、これからの日本のソフトウエア産業の発展を考えても非常に大事なことではないかと思う(残念ながら奨学制度の受付は3月末で終わってしまった)。

1つだけ注意しておくと、WWDCは、すべて英語のイベントだ。基調講演も130以上のセッションもすべて英語で通訳はない。

ただし、基調講演以外では、話の大半は技術やプログラムコードが中心なので、スライドを見ているだけでわかることも多い。ロン・オカモト氏は、何かわからないことがあれば、日本から参加するアップル社のスタッフに問い合わせて欲しい、という。

■今年のWWDCはなにかありそう!

今年に入ってからのアップルはちょっとおかしい。Apple TVとiPhoneとAirMac Extremeの発表はあったが、まだ新型Macの発表は、ほとんど行われていない。Mac Proの最上位モデルを11個追加したくらいだ。

しかしアップルがこんなにおとなしいときは、たいてい水面下で何か大きなことをやっている。

アップル社はMac OS X "Leopard"の遅れを、iPhoneの開発に、人材を注ぎ込んだから、と説明したが、Macチームの全員が参加していたとは考えにくい。

それにiPhoneは、WWDC開催直後に発売開始の予定で、すでに開発は終了しているはず。

今年のWWDCには、もしかしたらLeopard以外にも、何かしらの大型発表が期待できそうだ。

待望のWWDC、マスコミが取材して報道できるのは、初日の基調講演だけだが、今年もちゃんと取材して、Apple's Eyeでお伝えする予定なので、楽しみに待っていて欲しい。

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