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Apple's Eye Annex : Microsoft Messenger for Mac 5.0 リリース記念 − メッセンジャーの時代がやってきた

[2005年08月26日 掲載]

■ インターネットの新しい定番ソフト

インターネットを使ったアプリケーションで、あなたがもっとも恩恵を受けたのは何だろう。
電子メールソフト ? それとも、Web ブラウザ ? ── たしかにこの 2 つのアプリケーションは、この 10 年の歴史を大きく変えてきた革命的アプリケーションといえそうだ。
だが、ここにあえてもう 1 つアプリケーションを加えるなら、それはメッセンジャーやチャットのプログラムではないかと思う (以下、メッセンジャーソフトとだけ書く) 。
インターネットが一般にも普及し始めた '90 年代中頃、新聞や雑誌には「パソコンとインターネットが、いずれ電話を置き換えてしまうのか」といったセンセーショナルな見出しが並んだ。しかし、そうした記事の多くは「そもそもインターネットへの接続自体が電話回線に頼っているので、置き換わることはない」といったことを唱っていた。
しかし、ここ数年の筆者には、まさにこの通りのことが起きている。昔は海外に出張に行くと、必ずホテル代の何割かを国際電話代が占めていた。しかし、常時接続が当たり前になった今では、メッセンジャーソフトのおかげで、国際電話を払うのは携帯電話を使った通話だけになってしまった。
おそらく他の多くの人もそうなのではないか。海外に家族がいる人の間では、もはやメッセンジャーは外せない家族間のホットラインとして定着し始めている。
こう書くと誤解する人がいるかもしれないが、メッセンジャーは、何も国際通信だけのためのものではない。
実は筆者は、最近、1 日に何度も、そして 1 時間以上はメッセンジャーソフトを利用して、国内の友人達と話しをしている。
話す内容はさまざま、今日は元気かといった内容から、Web で見つけたおもしろい情報の URL 交換、お腹がへってない ? とか、今どこにいる、といったひとりごとまで。
たまたま近くにいて、お腹が空いた同士の友達と「それじゃあ、どこどこで食事する ?」と合流することもある。
ちょっと困るのは、最近、周りの人間があまりにもメッセンジャー依存率が高いため、ミーティングや飲み会の待ち合わせの時間や場所が、開始 2〜3 時間前まで決まらないことだ。
「今、ようやく仕事が終わった。これから出られそうです。今、私は永田町だけれど、そちらは ?」
「こちらは渋谷のオフィスです。それじゃあ間をとって六本木の◯◯で。これから駅まで歩いていくので、だいたい 30 分後に。〜〜さんはチャットにいないみたいだけれど、携帯電話に電話して場所を伝えてくれる ?」
だいたい、こんなやりとりがあって集合する。
学校内全部を無線 LAN 化している大学では、離れた校舎にいる生徒同士もメッセンジャーソフトを使ってしょっちゅうやりとりをしている。「出席を取り始めたよ」といった情報から、あまり感心しない授業中の私語まで、最近ではすっかりメッセンジャーだ。

■ 電子メール vs. メッセンジャー

しかし、その一方で、メッセンジャーソフトは苦手で、「もっぱら電子メール派」という人も意外と多い。
電子メール派の人は、近況やおもしろいメール、待ち合わせ場所だって電子メールでやりとりすれば済むことはないか、というかもしれない。たしかにその通りだ。
しかし、メッセンジャー派の主張を言わせてもらうと「メールは少しでも数を減らしたい」というのが本音だ。
最近はそうでなくても迷惑メールなどが増え、メールのツールとしての魅力が薄れ始めている。
Entourage でも Mac OS X 付属の Mail でも、迷惑メールのフィルタリングはできるが完璧ではない。
それにメールは増えれば増えるほど、重要な情報を埋もれさせてしまうという欠点がある。
検索すればいい、という人もいるかもしれないが、実は「このメールには返事をしなければならない」といった類の重要メールは画面上に表示されているからこそ、その存在を覚えていられるわけで、その後に 10 通ほどメールが貯まった頃には、すっかりその存在を忘れていることも多いのだ。
そんなにはメールが来ないという人もいるかもしれないが、メールを使い続けると、必然的にやりとりする相手も増え、いずれは筆者と同じような状況になるはずで、そうなるとメールは拷問以外の何物でもない (*1) 。

メールで食事会の日時や場所を決めるとなると、日時を決めるだけでも最低でも参加する人数 ×2 通、場所決めでやはり同じくらいのメールが行き交うことになる (2 通目は「私はその日取りでも大丈夫です」というメールだ) 。
3 人で、日付と場所をバラバラに決めたとすると全部で 12 通のメールが行き交い、自分のメールソフトの受信箱には、それ関係のメールだけで 8 通も貯まることになる。 しかし、同じ受信箱には家族からの重要な連絡も来れば、仕事の話も来る。そう考えると、「了解、それでいきましょう」なんていう 1 行のメールで 8 通分のスペースを占有されるのはもったいない。画面上に表示できるメール総数は限られているのに、そのうち 8 通分のスペースを、1〜2 行のメールに占有されてしまうのは、大変、非効率だ (もっとも、この点、Entourage だと「プレビューウィンドウ」を「右」に表示するカラムビューにすることで 1 画面あたりに表示できるメール数を増やすことができるが...) 。
それに、そもそもメールは 1 通単位でしか読むことができない。つまり、1 度に 1 人分の意見しか見ることができないのだ。
ここまで言えばお分かりだろう。電子メールは、確かに電話と同じで誰もが持っていて、連絡がつけやすいツール、という点では評価ができる。
しかし、ものを相談する上でこんな非効率な方法はない。こういった相談事は、グループ型の BLOG かメッセンジャーで決めた方が効率が高い。
そうしたこともあってか、インターネット利用率の極めて高い、筆者の仲間内では、メッセンジャーやチャットソフトを使ったコミュニケーションの方が増えている。

STEP01 : 7 通分しかメールの件名が確認できない。

STEP02 : プレビューウィンドウを右にすると確認できるメール数が増える。

STEP03 : メッセンジャーやチャットであれば、一回のやり取りで複数人をコミュニケーションできる。

■ メッセンジャー活用の 3 つのレベル

メール派の人からよく聞くメッセンジャーの欠点が 2 つある。
1 つは突然、見ず知らずの誰かから話しかけられるのがいやだという問題。
もう 1 つは、話しがいつまでも終わらず時間が無駄になるという。

最初の欠点は、設定で簡単に回避できる。
たとえば Microsoft Messenger なら「環境設定」のプライバシーにいくつかの設定が用意されていて、自分がオンラインかどうかを許可したメンバーにしか見せない、という設定もある。こちらがいやがってもメッセージを送ってくる悪質なユーザーがいたら、そのメンバーとのやりとりを「禁止」することもできる (iChat など他のソフトでも同様の設定が用意されている) 。

Microsoft Messenger : 「環境設定」のプライバシー

もう 1 つの話が終わらない、というのはおそらくこんなやりとりのことを指している。

(略)
A:「じゃあ、日時と場所は決定しましたね。明後日はよろしくお願いします」
B:「こちらこそよろしくお願いします」
A:「それでは、私は今、たまっている仕事があるので、そろそろそちらに戻らせてもらいたいと思います」
B:「わかりました。あ、その前に 1 つだけ」
A:「はい、なんでしょう?」
B:「夕食会の時に、先日話していた資料を持ってきてもらいたいのですが。」
A:「ああ」
B:「大丈夫でしょうか」
A:「今、ちょっとどこかにあるのかわかりませんが、探してみます」
B:「よろしくお願いします」
A:「わかりました。あったら持って行きますね」
B:「よろしくお願いします。それではお忙しいところお邪魔しました」
A:「いえいえ、こちらこそ」
B:「それでは明後日よろしくお願いします」
A:「こちらこそよろしくお願いします」
(1 分間沈黙)
B:「それでは、私は失礼しますね」
A:「あ、わかりました。私も失礼します」
B:「このウィンドウを閉じればいいんですよね?」
A:「そうです」
B:「じゃあ、今度こそ本当に失礼します」

こんな調子でいつまでも会話が終わらない。筆者は、勝手にこういったやりとりをメッセンジャー第 1 レベルと呼んでいる。ここで、もう少し使い慣れてきた人たちはどうなるかというと、用件を伝え終わった後で、速やかに話しを切る。
その場合の挨拶はたいてい、『ではでは』だ (これを書くのも面倒ということで、仲のいい友達と、それの省略形『dh2』──ローマ字で書いた deha deha を縮めたもの──を流行らせようと画策している) 。
ついでに、チャットでものを決める時には、できるだけ格式張らずテンポよく会話を進める。

A:「日時と場所、決まりましたね。それじゃあ、明後日はよろしく」
B:「ですね。」
A:「じゃあ、仕事があるのでそろそろ」
B:「了解です。あ、その前に 1 点、先日話した資料、よければ持ってきてください」
A:「どこにあるかわかりませんが、探して持って行きます」
B:「了解、ではでは」
A:「dh2」

とりあえず、「ではでは」と書いて、話しに区切りをつけることで、相手もメッセンジャーから解放され安心して仕事に戻れる。

しかし、ここからさらに利用が進むと、この『ではでは』がなくなる。これはフォーマルな仕事関係というよりは、仲間内での利用で多いのだが、常時、チャットウィンドウを開きっぱなしなのだ。
そして、ここにたまにボソっと、ひとり言のようにして 1 行で用件や、自分の心情が書き込まれる。
「明後日、時間ある ?」、「暑い」、「腹減った」といった類いのひとことだ。
これが筆者流の定義でいうレベル 3 のメッセンジャー利用法だ。

レベル 2 とレベル 3 の間には大きな意識差がある。
レベル 2 までの利用では、メッセンジャーなんだし、相手からの返答もリアルタイムで返ってくるのが当たり前、という「リアルタイムコミュニケーション」ツールとしてのメッセンジャーに注目している。
これに対して、レベル 3 では、最初から相手が取り込み中で返事ができないことを想定して、メッセージを送る。
つまり、相手からのリアルタイムの返事を期待しておらず、そのことが相手の側にもわかっている。
この相互の暗黙の同意が、メッセージを受ける側を「あ、メッセージが来た。(忙しいのに) 答えなきゃ」という義務感から解放する。
このレベルのコミュニケーションをするには、相互の信頼関係も必要だし、結局のところ親しい仲間内か、仕事だとかなり親密なプロジェクトチームくらいになってしまうだろう。
レベル 3 のメッセンジャー利用法は「常時接続コミュニケーション」ツールとしてのメッセンジャーに注目した利用法だ。
昼間に送られてきたメッセージに夜中に答えても問題がないし、相手のメッセージに答える前に、自分の別のメッセージをとりあえず忘れる前にメモ書きのようにして書いておいても問題ない。
もちろん、双方がオンライン上にいて、話しができる状態なら、その場でリアルタイムの会話に入ることもある。

レベル 1 : 終わらない会話例

レベル 2 : 慣れた人の会話例

レベル 3 : 「常時接続コミュニケーション」ツールとしての会話例

■ iChat もいいが Microsoft Messenger も外せない

ここで問題となるのが、どのメッセンジャーソフトを使うかだ。Mac のユーザーなら、iChat を使うのが定番、という考えもわかる。
iChat はよくできたソフトだし、それまでやや無機的な印象があった文字による会話を、セリフを吹き出しの中に表示するという工夫で一気に楽しく有機的なものに変えた。
しかし、どのメッセンジャーソフトを使うかは結局のところ相手次第。
Windows ユーザーが主体の職場などで、全員に (iChat と互換性のある) AIM を勧めてまわるのは大変。それなら Windows 付属の Windows Messenger とも互換性がある Microsoft Messenger for Mac を起動した方が、手っ取り早い。
電子メールソフトは同時に 1 つしか使わないのが常識だが、メッセンジャーソフトは複数個立ち上げておいても支障はないのだ。

最近、出たばかりの Microsoft Messenger 最新版のバージョン 5.0 は、アップル純正ソフトのようなメタルの外観を取り入れ、見た目もかなりかっこよくなっている。
機能もいろいろと向上している。
たとえば先進的な企業では、ビジネスコミュニケーションの活性化を目指して社内にメッセージング用のサーバーを立てているところもある。
マイクロソフト社のサーバーを使う企業なら Live Communications Server (LCS) を使っていることだろう。Microsoft Messenger 5.0 では、ついにこの LCS にも標準で対応したのだ。
ちなみに、この LCS で設定をしてもらうことで、同じ MSN Messenger から iChat や AOL Messenger、Yahoo! Messenger のユーザーとも会話が可能になる。

Microsoft Messenger 最新版のバージョン 5.0 の外観

会話できる相手が増えただけではない。Messenger 5.0 では、やりとりした会話の管理機能も改善されている。
電子メールソフトと、メッセンジャーを比較した際、メッセンジャーの最大の弱点は、管理機能だ。
電子メールはやりとりした過去のメールを、フォルダなどに仕分けして整理しておくことができるが、メッセンジャーではこれができなかった。
しかし、Microsoft Messenger 5.0 では、できるのは Microsoft Office ユーザーに限られるが、会話の記録を Entourage で作成した「プロジェクト」に関連づけて保管しておくことができる (プロジェクトとは、プロジェクト単位で関連するメールやメモ、住所などをまとめて管理する Entourage の機能だ) 。
また、「Web ページとして保存」という機能もおもしろい。メッセンジャーを使って会話していると、結構、いい話し合いになって後から、その内容を他の人と共有したくなることもある。しかし、せっかくの会話もただのテキストデータにしてしまうと、突然、読みづらく無機的な情報に変わってしまう。
これを Web ページとして保存しておくと、単に発言者の名前が青い字で表示されるだけなのだが、読みやすさが大幅に向上し、なんだか生き生きとした感じも生まれてくる。

会話の記録を「プロジェクト」に保存すると、Entourage で「プロジェクト」の「メモ」欄からアクセスできる

生き生きした感じといえば、絵文字も大事だ。Microsoft Messenger 5.0 では、Windows 版 Messenger オリジナル絵文字との互換性も確保された。
会話の中に絵文字を加えることに抵抗を覚える人も多いだろう。しかし、声による会話とは違って、文字による会話は、相手が自分の頭の中の声を使って読んでいる。
まったく、同じ「それって大丈夫なの ?」というセリフ 1 つにとっても、読み手のその時の雰囲気とか気分とかで、まったく別の意味に取られかねない。
つまり、心から心配していってくれるようにとれることもあれば、自分に対しての不信感をあらわにしているようにも受け取れるのだ。
もちろん、「心配なんだけれど、それって大丈夫そう ? 大丈夫ならいいんだけれど、ダメなら手を貸そうか」とか「それではちょっと物足りないような気がするんですが、本当に大丈夫なんですか ?」と書き加えることで、よりはっきりと意図が伝わるようになる。
しかし、そんなことを考えながらタイプするのは煩わしい。
笑顔または不安そうな顔の絵文字を加えることは、この手間を省いてくれる。

メッセンジャーが、これまでの電子メールに取って代わるかというと、決してそんなことはないと思わない。
電子メールは、ほとんどの人がアドレスを持っているという強みがある。
しかし、メッセンジャーは、メールの欠点を補うコミュニケーションツールとして確実に重要なポジションを築きつつある。
そして、より幅広い人たちとの交流をする上でも、Microsoft Messenger 5.0 は外せないソフトの 1 つとなっている。
常時、起動しておくかどうかは、後で判断してもらうとして、とりあえずダウンロードして試すだけは試してみてほしい。

(*1)
ここで Entourage を使っている人は、AppleScript メニューにある「メッセージからメモを作成」、「メッセージから仕事を作成」を使って重要なメールを受信箱とは別の場所に隔離させることもできる。しかし、これもこまめに管理しておかないと、貯まりすぎて見にくくなるのは同じだ。

2 月 28 日、初代 iPod が発表されたのと同じアップル本社内 の講堂で、米国の一部のメディアだけを集めた Special Event が行われた。日本のメディアではほとんど報じられていないこのイベントの詳細、そして講演後の展示の様子を、実際にイベントに参加した外村 仁氏 (One More Thing の記事も参照) に書いていただいた。外村氏は元アップル社のマーケティング本部副本部長。前社長の原田永幸氏(現在は泳幸)が、社長になる前の時代だ。
 '90 年代後半、アップル製品の広告は、実際にアップル社の製品を使っている人達の生の声で届けるべきと、ミュージシャンの藤井フミヤ氏や作家の筒井康隆氏を起用した広告を展開した。その時の外村氏の作った広告のコピーが「メーカーの論理より、ユーザの実感の方が遙かに正しい」だった。
 現在、米国在住だが、2 月には、この外村氏の帰国にあわせるようにして「MACWORLD Alumni Party」という催しが開かれた。2 月といえば、つい 5 年ほど前までは、毎年、MACWORLD EXPO/TOKYO が開催され、全国の Mac ユーザー達が集まっていた時期だ。このParty では、同イベントの出展者や主催者、関係者が集まって、当時の思い出を語りあった。外村氏は、当時のアップル社の貴重映像や、今はなき MACWORLD Japan 誌の元編集長からのビデオメッセージなどを携えての参加となり、会場を盛り上がらせた。多くの参加者は、MACWORLD EXPO/TOKYO の復活を望んでいたようだ。
 最近のアップル社関連のニュースといえば、外村氏が本編で書いているイベントで発表された Mac mini と iPod Hi-Fi が最大の目玉だが、実際には、それ以外にもいくつか細かな動きがある。
 特に注目したいのは「Apple Store レンタルプログラム」。これは法人顧客の要望に応えた Apple Store 限定のレンタルプログラムだ。Apple Store が扱うすべての商品、CTO、アクセサリー、他社製品から Apple Care Protection Plan までをカバーしている。

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