Excel Solution #01
- Windowsと Macintosh はお友達 -
Excelの歴史と Macintosh
最初に Macintosh用の Excelが発売された 1985年当時、表計算ソフトの市場を押さえていたのは Lotus 1-2-3であり、マイクロソフトの Multiplanは、海外では人気があったが、アメリカ国内での人気は 1-2-3に押されていまひとつだった。
そうした中で、Appleが GUIを導入した Macintoshを発売することになったことが歴史を変えた。Macintoshが装備する GUIの革新性を活用して、それまでとは違う土俵で 1-2-3に対抗する狙いから、Excelが開発されたからだ。 つまり、Excelは世界で初めての「GUIを前提にした表計算ソフト」だったのだ (実は、当初は MS-DOS上で動作する PC版が途中まで開発され、それが放棄されて Macintoshに転換した経緯がある)。 後に、マイクロソフトは自前の GUI環境として Windowsを開発したが、オーバーラップ マルチウィンドウを使えるようになった Windows 2.0の発売は 1987年 12月のこと。そして、初の Windows版 Excel 2.0のデビューも同年であり、なんと、Macintosh版より 2年遅れた計算になる (実は、この後で OS/2版 Excel 2.2も発売されたのだが、今では OS/2版 Excelの存在、否、OS/2そのものの存在すら知られていないのが実情だろう)。
このように、Macintosh版が先行デビューした歴史的経緯もあり、当初から Windows版 Excelと Macintosh版 Excelの間には、データの互換性が確保されている。また、ここ数年は双方のプラットフォームで交互にバージョンアップが実施されているので、決して Macintosh版が Windows版に置いてけぼりになるようなことは起きていない。互いに切磋琢磨しながら発展しているというのが真実なのだ。
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Windowsでも Macintoshでも、ビジネス アプリケーションの定番といえば、Excelを措いて他にないだろう。当初の開発目的である表計算以外にも、データの蓄積や分析、果てはワープロの代用品として、ビジネス シーンでは実にさまざまな使われ方をしている。
会社で PCを使用する場合、管理の都合もあって全社的に環境を統一するのが基本だから、一人だけワガママを通して Macintoshを使うのは難しい。では、会社の仕事を自宅に持ち帰るようなケースや、あるいは会社と同じ使い勝手のソフトを使うことで得られる操作感の統一を考慮して、自宅でも Windowsマシンと Windows版 Excelを導入するしかないのだろうか ?
もちろん、そんなことはない。同じ Excelなら Windows版と Macintosh版の間ではデータの互換性が保たれているし、メニュー体系やキー操作も (後述するように完全ではないが)共通性があるから、「会社では Windows、自宅では Macintosh」という使い方には十分に現実味がある。
扱いやすさを考慮して家族に Macintoshを使わせている、あるいは彼女が「オシャレだから買っちゃった♪」等の理由で Macintoshを買ってしまったような場合でも、Excelや Word、PowerPointについていえば、ちゃんと問題なくデータのやり取りができる。最近では、Windowsと Macintoshが LANを通じて直接データのやり取りを行なえるから、ますます両者の間の障壁は低くなったといってよい。
しかも、Quartzを駆使した半透明表示のように Macintosh版でなければ利用できない機能もあるから、もし Windowsと Macintoshを併用できるのであれば、Windows版 Excelで作成したデータを Macintosh版 Excelに持ち込み、Quartzを駆使した華麗なるグラフ表示に仕上げて、それを PowerPointに貼り付けてプレゼン資料を仕上げる、なんていう使い方もできる。これは Windowsだけでは実現不可能な芸当だ。
データの互換性は大丈夫 ?
![]() 図 1 : Quartzを活用すると、半透明の"透けて見える"グラフを作成できる。Mac OS Xならではの醍醐味だ。 ![]() 図 2 : 同じファイルを Windows版 Excel 2003で開いた状態。透明度のある表示は維持されるが、設定用のスライドバーがグレイ表示になっていて変更できない。つまり、Macintosh版 Excelでグラフを作成しなければ、透明度を設定することはできないのだ。 |
Macintosh版 Office 98の出現以来、Excelは Windows版と Macintosh版が交互にバージョンアップを繰り返している。
バージョン番号だけ見ると Macintosh版が Windows版の後を追っているように見えるが、ときには Macintosh版が先行して取り入れた新機能が Windows版に移入されることもあるし、Mac OS Xならではの機能を活かした、Macintosh版にしかない機能が搭載されることもある。したがって、機能一覧表だけ見ると、完全に互換性があるわけではない。
バージョン番号だけ見ると Macintosh版が Windows版の後を追っているように見えるが、ときには Macintosh版が先行して取り入れた新機能が Windows版に移入されることもあるし、Mac OS Xならではの機能を活かした、Macintosh版にしかない機能が搭載されることもある。したがって、機能一覧表だけ見ると、完全に互換性があるわけではない。
しかし、実際に Excelで作成したブックを Windowsと Macintoshの間でやり取りした場合、存在しない機能に関するデータは無視されるだけで、消し去られてしまうことは無いようになっている。だから、Windowsと Macintoshの間で互いにファイルを行き来させるようなことがあっても大丈夫だ。
ただし、マクロについては注意が必要な部分がある。
異なる OSで動作する Excelによって開かれたからといって、マクロのプログラム コードそのものが破壊されることはないが、存在しない機能に関するマクロを動作させることはできない。したがって、Windows版にしかない機能、あるいは Macintosh版にしかない機能を使ったマクロについては、異なる OSでは実行できない点に留意する必要がある。
異なる OSで動作する Excelによって開かれたからといって、マクロのプログラム コードそのものが破壊されることはないが、存在しない機能に関するマクロを動作させることはできない。したがって、Windows版にしかない機能、あるいは Macintosh版にしかない機能を使ったマクロについては、異なる OSでは実行できない点に留意する必要がある。
Tips :VBA Converter for Office v. X
Excel 5.0/95形式の VBAマクロについては、Excel X for Mac形式のマクロに変換するためのコンバータを以下の Webサイトから入手できる。
・VBA Converter for Office v. X
Excel 5.0/95形式の VBAマクロについては、Excel X for Mac形式のマクロに変換するためのコンバータを以下の Webサイトから入手できる。
・VBA Converter for Office v. X
また、Windows版 Excelの VBAでは、Windowsにインストールされているさまざまなソフトウェア コンポーネントを自由に呼び出して利用できるが、そうしたマクロも Macintosh版で動作させることはできない。Macintoshにおける AppleScriptも、Windows上で実行できないという点では、事情は同じだ (もっとも、最初からそんなことを考える人はいないだろう)。
注意したい相違点 :フォント
![]() 図 3 : A列は Windows用のフォント、B列は Macintosh用のフォントを指定してある。両者に共通するフォントは正しく表示されるが、Macintoshにないフォントは Osakaで代用しているのが分かる。 |
では、Windows版 Excelと Macintosh版 Excelを併用する際には、何も心配せずに大船に乗った気でいればいいのだろうか ?
実は、残念ながらそこまではいかないのが実情だ。おそらく、もっとも注意を要するのは、フォントではないかと思われる。
実は、残念ながらそこまではいかないのが実情だ。おそらく、もっとも注意を要するのは、フォントではないかと思われる。
Windowsと Macintoshでは、システムにインストールされているフォントの名称や内容が、大幅に異なっている。
Excelのブックが使用する「既定のフォント」からして、Macintosh版は Osaka、Windows版は MS Pゴシックと、同じゴシック系ながら異なる名前のフォントだ。また、既定のフォントサイズにも違いがあり、Macintosh版は 12pt、Windows版は 10ptとなっている。
Excelのブックが使用する「既定のフォント」からして、Macintosh版は Osaka、Windows版は MS Pゴシックと、同じゴシック系ながら異なる名前のフォントだ。また、既定のフォントサイズにも違いがあり、Macintosh版は 12pt、Windows版は 10ptとなっている。
実は、Excelには「知らない名前のフォントが使用されている場合、別のフォントを代替品として使用して、画面表示や印刷を行なう」というメカニズムが組み込まれている。たとえば、フォントが Osakaに指定されたシートを Windows版 Excelに持っていくと、Windows版 Excelは存在しない Osakaフォントに代えて、自動的に MSゴシックを使う。逆に、Windows版 Excelで Windowsにしかないフォントを指定すると、Macintosh版 Excelは Osakaで代用する。
そのため、フォントに違いがあるからといって、データの表示や印刷が行なえない、あるいはデータが破壊される、といった事態は発生しないようになっている。
そのため、フォントに違いがあるからといって、データの表示や印刷が行なえない、あるいはデータが破壊される、といった事態は発生しないようになっている。
しかし、あくまで代用品のフォントを使うわけだから、文字の見かけや幅に相違が生じる可能性は高い。そこで注意したいのが、印刷に関連する設定、あるいはセル幅の設定だろう。特に、大きな表でギリギリの幅指定をして用紙に押し込めているようなケースでは、OSを変えたことでフォントが変わってしまい、それが原因で意図したとおりの印刷ができなくなる可能性がある。
こうした事態を防ぐには、MSゴシックや MS明朝、Arial、Times New Romanといった、Windowsと Macintoshの両方に存在するフォントを使用するとよい。表現力に制約が加わってしまうのは痛いが、統一感を重視したい場合は仕方ない。
こうした事態を防ぐには、MSゴシックや MS明朝、Arial、Times New Romanといった、Windowsと Macintoshの両方に存在するフォントを使用するとよい。表現力に制約が加わってしまうのは痛いが、統一感を重視したい場合は仕方ない。
注意したい相違点 :キー操作とメニュー
Macintosh版 Excelと Windows版 Excelの大きな違いとしてもうひとつ挙げられるのが、ショートカット キーだ。こればかりは、Windowsマシンと Macintoshで装備されているキーが違うのだから仕方ない。
できるだけ共通性を持たせるように工夫されてはいるのだが、調べてみると、意外と両者の相違点は大きいことが分かる。
できるだけ共通性を持たせるように工夫されてはいるのだが、調べてみると、意外と両者の相違点は大きいことが分かる。
そのすべてを書くのは不可能な相談だが、Windowsにしかない [Alt]キー、Macintoshにしかない [Command]キーや [option]キーに関するショートカットキーは、互換性がないと考えてよい。また、Macintosh版ではファンクション キーに対する依存度が低い点も、両者の相違点に挙げられる。
逆に、ファイルを開いたり印刷したりするキー操作、あるいは切り取り /コピー /貼り付けに関連するキー操作などのように、共通性が高いものもある。というか、これらのキー操作はもともと Macintoshが先輩で、それを後から Windowsが取り入れたものだ。
| 対応する機能 | Macintosh版 | Windows版 |
|---|---|---|
| [ファイル]-[開く] | [Command]+[O] | [Ctrl]+[O] |
| [ファイル]-[印刷] | [Command]+[P] | [Ctrl]+[P] |
| [編集]-[切り取り] | [Command]+[X] | [Ctrl]+[X] |
| [編集]-[コピー] | [Command]+[C] | [Ctrl]+[C] |
| [編集]-[貼り付け] | [Command]+[V] | [Ctrl]+[V] |
| [編集]-[操作の取り消し] | [Command]+[Z] | [Ctrl]+[Z] |
| [編集]-[操作の繰り返し] | [Command]+[Y] | [Ctrl]+[Y] |
また、マウス操作についても工夫が必要になる。
Windowsマシンでは 2ボタンマウスが普通なので、Excelを使う際にもメニューより右クリックを多用する人が多い。しかし、Macintoshは 1ボタンマウスが既定の状態なので、右クリックメニューを利用しようとすると、わざわざ [control]キーを押しながらマウスのボタンをクリックしなければならない。
Windowsマシンでは 2ボタンマウスが普通なので、Excelを使う際にもメニューより右クリックを多用する人が多い。しかし、Macintoshは 1ボタンマウスが既定の状態なので、右クリックメニューを利用しようとすると、わざわざ [control]キーを押しながらマウスのボタンをクリックしなければならない。
しかし、筆者はマイクロソフトの Mobile Optical Mouseを使うことで、この問題をクリアしている。
このマウスを Macintoshに接続する際に、特別なデバイスドライバはまったく必要なく、しかも右ボタンがちゃんと右ボタンとして機能する。これは便利だ。
このマウスを Macintoshに接続する際に、特別なデバイスドライバはまったく必要なく、しかも右ボタンがちゃんと右ボタンとして機能する。これは便利だ。
では、メニュー構成についてはどうだろうか。
こちらは、Macintosh版と Windows版の間に大きな違いはない。しかし、環境設定に使用するメニューが、Macintosh版では [Excel]-[環境設定]、Windows版では [ツール]-[オプション]というように異なっているケースがある。この例についていえば、Mac OS X対応アプリケーションがすべて、環境設定に関するメニュー位置を統一するようになっているので、Excelもそれに倣っているのが原因だ。別にマイクロソフトが意地悪をしているわけではない。
こちらは、Macintosh版と Windows版の間に大きな違いはない。しかし、環境設定に使用するメニューが、Macintosh版では [Excel]-[環境設定]、Windows版では [ツール]-[オプション]というように異なっているケースがある。この例についていえば、Mac OS X対応アプリケーションがすべて、環境設定に関するメニュー位置を統一するようになっているので、Excelもそれに倣っているのが原因だ。別にマイクロソフトが意地悪をしているわけではない。
また、ダイアログのデザインにはかなりの違いがあるが、違うのはデザインや用語だけで、機能そのものには違いがないことがほとんどだ。Macintosh版にしかない機能、あるいは Windows版にしかない機能に関するものは別だが。
結論 :相違点さえ頭に入れれば、両者の併用は十分に可能
![]() 図 4 : Windows版 Excelで作成した、Windows用の DLLを呼び出して使用するマクロを Excel X for Macで実行してみたところ、コンパイル エラーが発生してしまった。 |
というわけで、非常に駆け足になってしまったが、Macintosh版 Excelと Windows版 Excelの共通点と相違点について説明してみた。ショートカット キーについては、スペースの関係で全部を紹介できなかったのは残念だが、また何かの機会があれば取り上げてみたいと思う。
メニューやキー操作の相違、あるいは一部の機能やマクロについてはそのまま使えない場合もあるものの、基本的には Macintosh版 Excelと Windows版 Excelの間でデータを行き来させるのには何の問題もないので、臆することなく、両者を併用して使いこなそう。
なお、Macintoshと Windowsの間でデータをやり取りする際のノウハウについては、当 MacTopiaサイト内の「Mac meets Windows」にも参考になる情報が多いので、そちらも御覧いただければと思う。





