Excel Solution #06
− お化け電車とカラーリングの悩み −
自宅の書棚には、実家からもらい受けてきた古い鉄道雑誌(元はといえば父が買っていたもの)がストックされているのだが、その中に「お化け電車」という話が掲載されているものがある。といっても、車内にお化けが出るというわけではなくて、東海道線と横須賀線の電車をどういう塗装にするか議論になった際に、1両の電車の両側をそれぞれ違う色で塗り分けて、実際に試してみたというものだ。普通、両側でまったく違うカラーリングということはあり得ないから、それで「お化け」と呼ばれるようになったらしい。
(御存じない方のために説明すると、東海道線は窓回りがオレンジで上下がグリーン、横須賀線は同じくクリームとダークブルーという組み合わせ。これが左右それぞれに塗られていたら、それは確かにお化けだ)
今だったら、コンピュータ グラフィックの技術が発達しているから、こんな面倒なことをする必要はない。画面でさまざまなカラーリングを試してみて、それを見ながら議論すればいいのだが、なにしろ昭和20年代の話だから、「画に描いて議論するぐらいなら、実際に塗ってしまえ」ということになったらしい。実際、鉄道業界では「車体の塗色」に関する話題が少なからずあって、実際に塗装してみたら不満の声が出て塗り直し、なんていう類の話をいろいろ耳にする。 この話に限らず、何か色の指定を行おうとした場合に面倒なのは、実際にできあがったものを見てみたら想像と違っていて、直したくなってしまう場合がある点だ。だから、自動車を買うのにも、想像やカタログ写真に頼らず、できれば現物を見てからどの色にするのか判断する方がいい。といっても、これも周囲の環境や天候に左右されるから難しいのだが。
Excel を使っていて「色設定」が問題になりやすい機能というと、グラフが筆頭だろう。実際、グラフのアイテムを片っ端からダブルクリックして書式設定ダイアログを表示させて色やパターンの変更を行っているうちに、サイケ調(また古めかしい表現を…)のグラフになってしまって頭を抱えた経験がある方も少なくないのではないかと思われる。「そこはセンスの問題だ」といってしまえば身も蓋もないのだが、もっと簡単にワンタッチで、かつ品良く色指定を変更できるようになれば便利なのだが。
(御存じない方のために説明すると、東海道線は窓回りがオレンジで上下がグリーン、横須賀線は同じくクリームとダークブルーという組み合わせ。これが左右それぞれに塗られていたら、それは確かにお化けだ)
今だったら、コンピュータ グラフィックの技術が発達しているから、こんな面倒なことをする必要はない。画面でさまざまなカラーリングを試してみて、それを見ながら議論すればいいのだが、なにしろ昭和20年代の話だから、「画に描いて議論するぐらいなら、実際に塗ってしまえ」ということになったらしい。実際、鉄道業界では「車体の塗色」に関する話題が少なからずあって、実際に塗装してみたら不満の声が出て塗り直し、なんていう類の話をいろいろ耳にする。 この話に限らず、何か色の指定を行おうとした場合に面倒なのは、実際にできあがったものを見てみたら想像と違っていて、直したくなってしまう場合がある点だ。だから、自動車を買うのにも、想像やカタログ写真に頼らず、できれば現物を見てからどの色にするのか判断する方がいい。といっても、これも周囲の環境や天候に左右されるから難しいのだが。
Excel を使っていて「色設定」が問題になりやすい機能というと、グラフが筆頭だろう。実際、グラフのアイテムを片っ端からダブルクリックして書式設定ダイアログを表示させて色やパターンの変更を行っているうちに、サイケ調(また古めかしい表現を…)のグラフになってしまって頭を抱えた経験がある方も少なくないのではないかと思われる。「そこはセンスの問題だ」といってしまえば身も蓋もないのだが、もっと簡単にワンタッチで、かつ品良く色指定を変更できるようになれば便利なのだが。
Excel のグラフにおける、色やパターンの指定方法
Excel では操作体系の統一性・一貫性に配慮がされているので、表の上に載せた各種のオブジェクト、あるいはグラフの個々の構成要素に対して書式の変更を行いたい場合、対象が何であれ、ダブルクリック、あるいはメニューから[書式]-[○○] (○○は選択対象によって変化する)を選択することで[書式設定]ダイアログを表示させることができる。もちろん、ダイアログに表示される内容は対象によってそれぞれ異なるが、基本的なデザインの一貫性は保たれている。
たとえば、グラフを作成した場合について考えてみよう。グラフの種類やタイトル文字列などはグラフ作成時のウィザードで指定できるが、系列ごとに割り当てられる色については、Excel の既定値が使用される。もし、既定値の色が気に入らない場合には、以下の2種類の方法で変更できるようになっているが、これははるか昔のバージョンから変わっていない仕様だ。
方法1 : 個別に、グラフの棒、あるいは線といったアイテムをダブルクリックして書式設定ダイアログを表示させて、色やパターンを手作業で指定する。
方法2 :[環境設定]ダイアログの[色]タブで、塗りつぶしと線に使用する色の組み合わせや順番を、事前に変更しておく。
「方法1」は、色だけでなくパターンや塗りつぶし効果の指定を行いたい場合に必須のものとなる。「方法2」では色の組み合わせと出現順しか指定できないからだ。ただし、グラフ作成時に使用される色の組み合わせと出現順の既定値を変更できるのは「方法2」だけだから、この両者は相互補完的な関係にあるといえる。
ただ、実際にこうした方法を使って色指定を変更してみると、満足のいく色設定を実現するのは意外と難しいことに気付くのではないだろうか。設定されている色はそのままで、Quartz を駆使して透明度やグラデーションの指定を行う、という程度ならまだしも、使用される色の組み合わせそのものを全面的に入れ替えるとなると、いろいろ試行錯誤しているうちに似たような色ばかりが並んでしまったり、反対に、極端でセンスのよくない色の組み合わせができてしまったり、ということが往々にして起きる。「お化け電車」ならぬ「お化けグラフ」の出現だ。
たとえば、グラフを作成した場合について考えてみよう。グラフの種類やタイトル文字列などはグラフ作成時のウィザードで指定できるが、系列ごとに割り当てられる色については、Excel の既定値が使用される。もし、既定値の色が気に入らない場合には、以下の2種類の方法で変更できるようになっているが、これははるか昔のバージョンから変わっていない仕様だ。
方法1 : 個別に、グラフの棒、あるいは線といったアイテムをダブルクリックして書式設定ダイアログを表示させて、色やパターンを手作業で指定する。
方法2 :[環境設定]ダイアログの[色]タブで、塗りつぶしと線に使用する色の組み合わせや順番を、事前に変更しておく。
![]() 図 1 : [環境設定] ダイアログの [色] を使うと、グラフに使用する配色の組み合わせを事前に指定しておける。余談だが、ダイアログの下に説明を表示してくれるのも新機能のひとつだ |
「方法1」は、色だけでなくパターンや塗りつぶし効果の指定を行いたい場合に必須のものとなる。「方法2」では色の組み合わせと出現順しか指定できないからだ。ただし、グラフ作成時に使用される色の組み合わせと出現順の既定値を変更できるのは「方法2」だけだから、この両者は相互補完的な関係にあるといえる。
ただ、実際にこうした方法を使って色指定を変更してみると、満足のいく色設定を実現するのは意外と難しいことに気付くのではないだろうか。設定されている色はそのままで、Quartz を駆使して透明度やグラデーションの指定を行う、という程度ならまだしも、使用される色の組み合わせそのものを全面的に入れ替えるとなると、いろいろ試行錯誤しているうちに似たような色ばかりが並んでしまったり、反対に、極端でセンスのよくない色の組み合わせができてしまったり、ということが往々にして起きる。「お化け電車」ならぬ「お化けグラフ」の出現だ。
Excel 2004 なら、ワンタッチで色指定や配色の変更が可能
![]()
図 2 : グラフをクリックして選択すると、設定パレットに[グラフの色、線、および塗りつぶし]という項目が出現する |
Excel 2004では、こうした悩みを解決する画期的な機能を用意してくれた。
まず、グラフをひとつ作成してみよう、図の例では3-D棒グラフを作成しているので、作成した棒をクリックして選択する。すると、設定パレットがグラフ用の内容に切り替わるが、その際に[グラフの色、線、および塗りつぶし]という項目が表示されるはずなので、それを表示させてみよう。
ここでは、グラフの系列表示に使用する色を変更できるだけでなく、色の組み合わせを一括して変更できる仕掛けが用意されている。 まず最上部の[系列の色]だが、これは系列に対して割り当てる色の指定方法を変更するためのものだ。ここには以下の4種類の選択肢があるが、最後の[1つの色を使用]は、グラフの種類によっては表示されない場合がある。
つまり、従来なら同じ系列は同じ色、系列が異なれば違う色、ということになっていたのだが、こうした色の割り当てルールから変えられるようになっている。ただし、3-Dグラフで色の濃淡、あるいはグレースケールを指示すると、図の例でも分かるように、却って系列ごとの違いが不明瞭になる。利用に際しては注意が必要だろう。
さらに、その下の[配色]を使うと、色の組み合わせを一括して入れ替えることができる。従来なら、個別に色指定を変更しながら試行錯誤しなければならなかったものが、リストボックスから色の組み合わせを選択するだけで、一気に組み合わせを変更できるようになっている。ドロップダウンした組み合わせの中から選択するのだが、どれも左側から順番に使われる仕組みだ。
その下の[塗りつぶし効果]と[図の塗りつぶし]は、従来からダイアログに用意されているものを取り出して、単独のアイテムにしたものだ。
下端の[グラデーション]は、これも[塗りつぶし効果]にある機能を抜き出したもの。チェックボックスひとつでグラデーションを有効にできるだけでなく、グラデーションの度合もスライダーの設定ひとつで変更可能になっている。ただし、このチェックボックスを使うと、同じ系列はすべて同じ色を使用する設定に強制変更される。設定パレットは、そもそも「お手軽な一発設定」を実現するためのものだから、こういうデザインになっているのだろう。
まず、グラフをひとつ作成してみよう、図の例では3-D棒グラフを作成しているので、作成した棒をクリックして選択する。すると、設定パレットがグラフ用の内容に切り替わるが、その際に[グラフの色、線、および塗りつぶし]という項目が表示されるはずなので、それを表示させてみよう。
ここでは、グラフの系列表示に使用する色を変更できるだけでなく、色の組み合わせを一括して変更できる仕掛けが用意されている。 まず最上部の[系列の色]だが、これは系列に対して割り当てる色の指定方法を変更するためのものだ。ここには以下の4種類の選択肢があるが、最後の[1つの色を使用]は、グラフの種類によっては表示されない場合がある。
- 色で塗り分ける (個別に色を変える)
- 色の濃淡で塗り分ける (同じ系統の色を使い、順番に色の濃淡を変える)
- グレースケールを使用 (順番にグレースケールで色を変える)
- 1 つの色を使用 (すべて同じ色を使用する)
![]() 図 3 : [系列の色]では、系列に割り当てる色の使い方を選択できる |
つまり、従来なら同じ系列は同じ色、系列が異なれば違う色、ということになっていたのだが、こうした色の割り当てルールから変えられるようになっている。ただし、3-Dグラフで色の濃淡、あるいはグレースケールを指示すると、図の例でも分かるように、却って系列ごとの違いが不明瞭になる。利用に際しては注意が必要だろう。
さらに、その下の[配色]を使うと、色の組み合わせを一括して入れ替えることができる。従来なら、個別に色指定を変更しながら試行錯誤しなければならなかったものが、リストボックスから色の組み合わせを選択するだけで、一気に組み合わせを変更できるようになっている。ドロップダウンした組み合わせの中から選択するのだが、どれも左側から順番に使われる仕組みだ。
![]() 図 4 : [配色]は、色の組み合わせをリストボックスから選択するだけで一斉に変更できるという、画期的な機能だ | ![]() 図 5 : 実際にリストボックスから選択した、既定値とは異なる配色に変更した結果の一例 |
その下の[塗りつぶし効果]と[図の塗りつぶし]は、従来からダイアログに用意されているものを取り出して、単独のアイテムにしたものだ。
下端の[グラデーション]は、これも[塗りつぶし効果]にある機能を抜き出したもの。チェックボックスひとつでグラデーションを有効にできるだけでなく、グラデーションの度合もスライダーの設定ひとつで変更可能になっている。ただし、このチェックボックスを使うと、同じ系列はすべて同じ色を使用する設定に強制変更される。設定パレットは、そもそも「お手軽な一発設定」を実現するためのものだから、こういうデザインになっているのだろう。
オブジェクトの影設定もすごいぞ
![]()
図 6 : テキストボックスと、設定パレットの[影]に注目。こんな強力な装飾機能は見たことがない! |
ここまではグラフの話だったが、Excel 2004 ではグラフ以外の各種オブジェクトに対して設定できる面白い機能があるので、紹介しておこう。
たとえば、テキストボックスなどの各種図形オブジェクトをクリックして選択した状態で設定パレットを見ると、[影]という項目がある。これを広げてみると、こんな内容になっている。
単に、オブジェクトに影をつけるだけなら昔からある機能だが、ここでも Quartz をフルに活用しているのが MacOS X 版ならではの特徴。通常なら右下に固定されているはずの影の方向を1度単位で好きなように指定できるだけでなく、影の色、影の幅(相対位置)、さらに影のぼかし表示と透明度まで指定できる。この機能を活用した上で、さらにオブジェクトの輪郭線表示に工夫をすれば、従来は実現不可能だったファンタジックな表現が可能になる。
実は、この機能のデモを初めて見たときに思ったのは「これで作成したものを画像コピーすれば、Web のタイトル ロゴなんかを作るのが簡単だなあ !」というものだった (何か勘違いしているような気もする) 。
え? 画像コピーとは何かって? それは、また何か機会があったら取り上げることにしよう。
たとえば、テキストボックスなどの各種図形オブジェクトをクリックして選択した状態で設定パレットを見ると、[影]という項目がある。これを広げてみると、こんな内容になっている。
単に、オブジェクトに影をつけるだけなら昔からある機能だが、ここでも Quartz をフルに活用しているのが MacOS X 版ならではの特徴。通常なら右下に固定されているはずの影の方向を1度単位で好きなように指定できるだけでなく、影の色、影の幅(相対位置)、さらに影のぼかし表示と透明度まで指定できる。この機能を活用した上で、さらにオブジェクトの輪郭線表示に工夫をすれば、従来は実現不可能だったファンタジックな表現が可能になる。
実は、この機能のデモを初めて見たときに思ったのは「これで作成したものを画像コピーすれば、Web のタイトル ロゴなんかを作るのが簡単だなあ !」というものだった (何か勘違いしているような気もする) 。
え? 画像コピーとは何かって? それは、また何か機会があったら取り上げることにしよう。






